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(21.11.30) アイルランドはヨーロッパの実験場

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 良くも悪しくもアイルランドヨーロッパの実験場らしい。たった400万のこの小さな国がヨーロッパの繁栄とその没落の実験場になっている。
アイルランドECに加盟した1973年ごろはヨーロッパ一貧しい国家だったが、その後法人税を12.5%という低率にして先端産業を誘致し、20世紀末には世界で最も裕福な国家に様変わりしてしまった。

 特に1995年から2000年にかけては年率10%以上の成長(その後も4~6%程度の成長をしている)をしたが、この原動力は主としてアメリカ先端産業(IBM、インテル、マイクロソフト、アップル、ベル、ヒューレットパッカード、オラクル等)がアイルランドをヨーロッパ進出の拠点に選択したからである。

 さらに1999年ユーロに加盟すると(イギリスが加盟しなかったこともあり)、英語圏で教育水準が高く、かつ法人税が12.5%と低利という利点をめあてに、今度はアメリカやヨーロッパの金融子会社が続々と進出してきた。
アイルランドはIT立国 かつ 金融立国に様変わりしてし、「裕福になりたければアイルランドを見習え」とヨーロッパ中の成功モデルとみなされた。 

 アイルランドケルトの虎といわれて、ヨーロッパ各国の羨望の的になっていたが、ちょうど中国のシンセンが中国経済のモデルになったのと似ている。

注)アメリカ、ヨーロッパの金融機関はSIVと言う金融子会社を設立して、主として簿外でサブプライムローン関連の商品に投資をしていた。このSIVの設立先は法人税がないか、極度に低い地域であり、ケイマン、バミューダ諸島、そしてアイルランドが選択された。

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 各国から資金が怒涛のように流れ込むと、国内では不動産価格が急騰してアイルランド人はイギリス人やスペイン人と同様に不動産の高騰に沸いたが、その時がアイルランドの頂点だった。

 不動産価格は06年ごろから上昇は止まり、最近時点で約25%の値下がりをしており、さらにどの程度値下がりするか分からない。

注)格付機関フィッチは最大45%低下すると予想している。

 不動産融資中心の国内銀行は不良債権の増大によって市場から資金調達ができなくなった。
取り付け騒ぎが起こりそうになったので、他国に先駆けて預金の全額保護を宣言し、かろうじて取り付け騒ぎを回避したが、この抜け駆けはヨーロッパ中の顰蹙(ひんしゅく)を買ったものだ。
さらに国内主要行を国有化し、資金投入までしたのに、市場はまったく評価してくれない。

 09年度のGDPは▲8%でユーロ圏で最悪になり、失業率は10%を越え、アイルランドの財政赤字はGDPの6.5%と増大し、来年はさらに15%になるという。
世界が羨む経済成長から一転して最悪の経済状況になってきた。
アイルランドは倒産するのではないか」世界が注目している。

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 とうとう、アイルランドかけにでたらしい。

 同国の主要銀行5行から、約10兆円規模の不良債権の買取を実施し、受け皿銀行に移す抜本的処理策を実施すると言う。

 受け皿銀行(NAMA)はこの不良資産を7割程度の価格で買取をするが、その金額はGDPの約4割にも達する(アイルランドのGDPは20兆円程度)。
計画ではアイルランドの不動産価格が10年間で10%上昇する前提で、最終的には50億ユーロ(6500億円)の利益が確保する青写真を描いている。

 しかしこの計画には問題点が多い。
① 不動産価格が25%から45%程度まで低下しそうな状況で、不良債権(主として不動産担保関連)を70%で購入するのは高すぎる。

注)不良債権処理会社サービサーなどの債権の買い取り価格は額面の3%程度。したがってこの計画は不良資産を金融機関から政府に移転するだけの計画といえる。

② 買い取り価格がGDPの4割にものぼるが、この資金手当てをどのように行うなうのか。市場からの手当てができない場合はIMF等の国際機関に支援を仰ぐのか。

注)市場ではアイルランド国債の利回りは上昇を続けて6.5%程度にまでなり、財政赤字が増大するとさらに上昇する。現在「IMFからは借り入れをしない」と政府は言っているが、実際はアイルランドに融資する民間金融機関はほとんどない。

 アイルランドの行おうとしている不良債権の買取は成功するだろうか。環境はかなり厳しいといわざるを得ず、失敗する可能性のほうが高いが、良くも悪しくもアイルランドはヨーロッパの実験国家だ

明日はわが身だ」
ヨーロッパ諸国は固唾を呑んでこの取り組みを見守っている。


今日のYou Tubeです。長柄ダムまでJOGをしてきました。
http://www.youtube.com/watch?v=uuJPsvW6qz8


 

 

 

 

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(21.11.29) 金融恐慌の第2段階 ドバイショック

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 ついに恐れていた金融恐慌第二段階が始まったようだ。
場所は中東のドバイ。震源地はドバイ首長国の政府系企業、ドバイワールドとその傘下のナキール社である。

 覚えておられるだろうか? NHKがNHKスペシャル沸騰都市ドバイ」で取り上げたあのナキール社である。
2008年5月の放送ではナキール社は、世界最大の人工島や数々の超高層ビルやショッピングセンターを建設し、社員に破格のボーナスを弾んでいたが、あれから1年半たって、そのナキール社は実質的に倒産してしまった。

 借入金を「半年間、返済猶予してほしい」と主として欧州系金融機関に申し入れをし、その金額の総額は約5兆円規模になっている。
格付機関S$Pは「当社の基準ではナキール社は倒産だ」とにべもない。
このためヨーロッパの金融機関の危機が一挙に広がると市場が判断し、それまで堅調だったユーロが売られ、唯一安全と思われている日本円に殺到してきた。
ドバイに対する投資残高は、ヨーロッパの金融機関が断トツに多いらしい。

注)ロンドン、フランクフルト、パリの市場は軒並み3%程度株価が下がった。

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 円高は27日、ついに84円台に突入して、95年以来に14年ぶりの円高水準になり、又ユーロ126円に低下した。
つい最近まではドルの独歩安で、円もユーロも上昇していたのに、ドバイショック以降はユーロの信任が低下して今や円だけが上昇を始めた。

 たまらず藤井財務相が「異常な動きにはそれなりの措置をとるとG20で合意している」と為替介入をにおわす発言をしたので、円は86円台、ユーロは129円台まで戻っているが、口先介入だけで円高を抑えるのは難しいだろう。
輸出主導でようやく経済危機から回復しつつある日本経済にも冷や水を浴びせ、パナソニックの社長は「企業努力の限界を越えた」と泣きを入れた。

 しかし今回のドバイショックには驚いた。アメリカやヨーロッパの経済状況、分けても金融状況が悪いのは知っていたが、まさかドバイが金融恐慌の第二段階の引き金になるとは思っても見なかった。
ここには石油や天然ガスを売却して有り余った資金がドバイ市場を潤しているとすっかり信じていたからである。

 NHKが沸騰都市の放送をしてから、その1年後の09年3月に、ドバイのナキール社を再取材をしたときは、責任者が「開発案件の見直しを実施している」と言っていたが、すでに資金繰りが悪化していたのだろう。

注)現在、ドバイ市場では資金繰りに窮した王族が金の大量売却をするといううわさが流れている。

 ナキール社の返済猶予でヨーロッパに激震が走ったのには訳がある
実はヨーロッパの金融機関は一般的に財務内容が良く分からない。それは、ヨーロッパの金融機関がアメリカ型の会計基準でなく、国際会計基準(実際はヨーロッパ型)を採用しているからだが、違いは不良債権の基準が甘いことだ。

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 一般的にアメリカでは市場価格があるものは市場価格での評価を要請されるが、ヨーロッパでは投資目的と販売目的に分けられ、市場価格が低下すると結局は塩漬けにされるため、当初販売目的だったものも投資目的に分類される

 この投資目的の債権は期日が来て実際に損失が確定するまでは、取得原価で評価されているのでそれまでは損失が決算書に現れない。
このような問題点があるため、ヨーロッパの銀行には実際かなりの含み損が隠されているはずだと言うのが市場の見方だった。

 アメリカはヨーロッパの主要国にアメリカを習ってストレステストを実施し、それを公表するように迫ったが、各国は「アメリカとは実情が違う」として公表を断っている。
なぜ公表しないのだ。ますますあやしい」市場は疑心暗鬼だ。

 こうした状況下でドバイショックが発生したものだから、市場は大騒ぎになってしまった。
残ったのは円とゴールド以外ないじゃないか」世界の資金が右往左往し始めた。

 今回の円高は金融恐慌の第2段階になる可能性が高い。
震源地は中東だが、津波はヨーロッパに波及してヨーロッパの金融機関が軒並み苦境に立たせられるだろう。

 西欧の金融機関は今までも証券化商品をたっぷりと購入し、東欧の経済危機により融資金の回収が危うくなっているところに、今度は中東への投資が焦げ付くのだから、アメリカ以上だ。

 ヨーロッパの金融機関の動きを注意深く追う必要がありそうだ。

 注)最近イングランド銀行が08年10月に秘密裏にRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)と住宅金融大手のHBCSに計9兆円の融資を行っていたことが明るみにでた。
アメリカではこうした金融支援はすぐ公表されるが、イギリスでは約1年間に渡って秘密にしていた。

 ヨーロッパの金融機関はスイスの金融機関が典型的にそうであるように秘密主義の傾向があり、市場はヨーロッパの金融危機のほうがアメリカのそれよりも深く厳しいのではないかと疑っている

 
 

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(21.11.28) 光回線にようやくかえた

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 先日(24日)、NTTの工事担当者がやってきて光回線にかえる工事を行った。
私はその日は極度に緊張して工事が行われるのを待っていたのだが、その理由はシステム環境を変えると、きっとトラブルが発生するに違いないと恐れたからである。

 前にも記したが私は長い間システム開発の責任者をしていて、トラブルが発生するのはシステムを入れ替えたり、ソフトを入れ替えたりした時だったので、すっかり現役時代の緊張感が戻ってしまった。

もし、光回線の接続に失敗したら、元のADSLの環境にすぐ戻せるだろうか?」
環境設定に時間がかかることを想定して、事前にブログの書きだめが必要ではないか?」
一週間も設定にあれこれやっていたら胃酸がどくどく出てきて病気になるのではないか?

 すっかりナーバスに成ってしまった。
工事担当者がやってきたのは約束時間の30分遅れだったが、その間の時間は何か死刑囚がその時を待っているような気持ちだった。

Dscf0074_2  私は工事そのものもどのようにして行うか興味深深で、「どのようにして光回線を引き込むのか」と思っていたら、電話線を引き込んでいる直系2cm程度のパイプに、光ケーブルを一緒に通すのにはびっくりした。
ちょうど下水道に設置されている共同配管口のようなものだ。

 もうひとつ私が分からなかったのは、従来の電話線の取り扱いで、「もしかしたら電話線を廃止して、光ケーブルに代えてしまうのだろうか」と思っていたが、電話線はそのままの状態で置いておかれることが分かってほっとした。

注)昔の環境が残っていれば、光回線でトラブルが発生した時に昔のネットワークに戻すことができる。かつてシステム開発を行っていた時は、つねにトラブル対策として、元の環境に戻せるように旧システムを保存していた。

Dscf0077_2  24日は1時間半程度で工事が終了し、NTTの責任範囲の回線終端装置の接続ができた。あとはヤフーから送られてきた光モデムの設置を私がしなければ成らない。

しかし今日はよそう」待ち時間や、工事をじっと注視していたため、すっかり疲れてしまい一日伸ばすことにした。
たまたま家に遊びに来ていたジュンジュン姉さんが「山崎さん、工事は工事人に任せておけばいいのに、ずっと工事に立ち会って覗いているのね」と笑わっていた。しかし工事の進捗過程を必ず見届けるのは昔からの癖だ。

Dscf0079  翌日(25日)、光モデムとネットワークケーブルの設定をおこなうまえに、風呂に入り身を清め、気合を入れた。
私はなにか難しいと思われる作業を行う時は必ず禊(みそぎ)をすることにしている。こうしないと精神が安定しない。

 ヤフーの取り扱い設定書は事前に何回も読んでいたので設定作業は意外に簡単に済み、「何だ簡単じゃないか。悩むのではなかった」と思っていたら、やはりトラブルが発生していた。

 ひとつはココログの画面がヘッダーだけになって記事が隠れてしまったことだ。これは経験からココログの設定画面で修正できることが分かっていたので、すぐに直したが、なぜココログの設定が崩れたのか良く分からない。

注)これは後でココログ側がこのような設定にいっせいに変えたのだと分かったが、その時は光回線のせいだと思っていた

 もうひとつは3台のパソコンのうち1台のネットワークがどうしてもつながらなくなってしまった。
変だなあ、他がつながっているのにおかしいじゃないか

 ネットワークケーブルを抜いたりさしたりしたり、光モデムの電源を落としたりあげたりしてみたが、うんともすんとも言わない。
3時間あまりあれこれと操作をしたが疲れきってしまった。
まあ、食事をして、落ち着いてもう一度しよう

 食事をした後でじっくりネットワークを見てみたら、ケーブルの差込口が硬くて十分に差し込まれていないことが分かった。
何だよ、これが原因か」簡単なことだが分かるまでは半日仕事の悪戦苦闘だ。

 ようやく光回線の環境が整ったので、You Tubeに画像をアップしようとしたら、今度はアップの仕方をすっかり忘れていた。
私は1週間も作業をしないとうる覚えになり、1ヶ月も間を空けると完全に忘れてしまう。
この記憶の悪さは何とかならないものだろうか・・・」ブツブツ。

 散々悩んだすえに、You Tubeに関する自分のブログを読み直して、Picasaムービーを使用していたことを思い出した。
ところが次はムービーの扱い方を忘れている。
これも半日近く悪戦苦闘してようやく作ったのが下のYou Tubeだ。

 いつものことだが、こうして私は胃を悪くするのだ。

注)このように環境を元に戻すのに時間がかかったため、まだ光回線でアップロードが早くなったのかどうか、確認が取れておりません。

写真の説明(上から順に)
① 光回線を家庭に引き込む工事
② 左の電話線の差込口のパイプに光ケーブルを通していた
③ 屋内の電話線と光ケーブルの差込口
④ 回線終端装置までの開通試験


久しぶりに作成したYou Tubeです。四季の道の紅葉です。
http://www.youtube.com/watch?v=tnQsqsqLVpo

  

 

 

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(21.11.27) 民主党政権のスキャンダルはネガティブキャンペーン

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 政治の世界において最も効果的な敵の追い落とし作戦はネガティブキャンペーンである。アメリカでは特に大統領選挙の終盤戦にこれが行われ、「ブッシュは兵役の義務を金で回避した」とか、「オバマは外交がずぶの素人で何も知らない」とか盛んに言われたが、日本のネガティブキャンペーンはもっぱら「金と女(または男)」と相場が決まっている。

 昨今の鳩山首相小沢幹事長に対するネガティブキャンペーンはもっぱら金に絡むものだ。

 鳩山首相は自らも「恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理がきわめてずさんだった」というように、金の面で脇があまい。
特に、自身の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」と鳩山家の資産管理団体「六甲商会」との資産管理があいまいで、政治資金が不足するとこの六甲商会から融通を受けていた。

注)現在まで判明した金額は六甲商会から3億円、母親から数千万円の資金が、友愛政経懇話会に流れている。

 しかしそのことを政治資金収支報告書に借入金として記載せず、なぜか架空の個人から献金を受けていたことにしたが、これは政治資金規正法に違反する虚偽記載に当たる。

注)政治家個人からの政治資金管理団体への献金の上限は1000万、その他個人は150万だから、それを越える分は借入金にしなければならない。

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 なぜ正直に記載しなかったのかの理由はいろいろ言われており、「個人献金が少なく格好がつかなくて、大衆政治家としての見栄で六甲商会(自身が鳩山家の当主)の金を献金として偽装した」とか、「他に記載できない筋(外国人、闇の世界の人)からの献金があるからだ」とか言われている。

 しかし私の正直な感想は、自分の資金と政治団体の資金の区分がつかないほど渾然一体となっていたことと、自身の資産が大きいため金の動きに執着しなかったためだと思っている。
なにしろ鳩山首相は他のどの閣僚よりも金持ちで、資産家のお坊ちゃんだ。
特に献金をしてもらわなくても、うちには資産がある」と言うのが実態だろう。

 しかし、それは首相としての脇の甘さにつながり、敵対者の格好の攻撃材料にはなる。

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 一方小沢幹事長の方の最近のネガティブキャンペーンの内容は非常にせこい。
小沢氏第一秘書が、同党の副幹事長青木愛議員の公設秘書採用で「給与の一部(10万円)を青木愛氏の政治団体に寄付する」ように強要したと言うものである。

 公設秘書の採用のメカニズムは、力のある政治家の公設秘書が取り仕切っていることが分かったが、寄付の強要は明らかに公設秘書給与法違反である。

 この青木愛氏の秘書は仕方なく10万円の寄付をしていたが、途中で6万円に値切ったため、小沢氏の第一秘書から「なめるなよ」と脅されて、秘書を辞めたという。
公設秘書の世界はやくざの世界と似ているらしい。

 公設秘書の給与は公務員のように号俸体系になっており35万円から55万円の間だそうだが、この青木愛氏の秘書は最低の35万円の給与から10万円を寄付するように強要され、居直ったようだ。
25万円では大卒の初任給レベルじゃないか

 この問題で小沢氏が直接かかわっていたとは思われず、狼の皮をかぶった狐が権力を行使していたのだと思うが、ネガティブキャンペーンとしては有効だ。
小沢のやつ、またせこいことをしているのか」と言うことになる。

注)小沢氏は公設秘書が団体献金を個人献金といつわって記載したと言われて、民主党代表をおろさせられた。

 自民党を中心とした反民主党グループは、当面こうした鳩山首相小沢幹事長をターゲットとしたキャンペーンを繰り広げていくようだ。
一方は金にルーズで一方は金にせこいから格好のターゲットになるのだろう。
日本では金と女の問題が発覚すると、ほとんどの場合政治家にとって命取りになるので、民主党としては油断大敵だ。

注)民主党は敵が多い。特に普天間基地と日米密約の公表でアメリカを敵に回した岡田外相が、次のネガティブキャンペーンのターゲットになる可能性が高い。


 

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(21.11.26) 小学校のマラソン教室 おゆみ野南小学校

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 おゆみ野南小学校のマラソン教室を始めてから4週目に入ろうとしている。このマラソン教室はわくわくキャンパスという父母が主体となって運営しているキャンパスで、マラソン教室はその一環として実施されている。

 知り合いのお母さんから「山崎さん、お願いします」と頼まれた。
私は頼まれると「いや」ということができない性格なので、「ええ、いいですよ」と気楽に答えた。

 当初は10人も集まれば大盛況だと思っていたが、40名あまりの申し込みがあって、実ににぎやかだ。
ここおゆみ野では冬場に子供たちの駅伝大会があるので、走る気持ちが盛り上がっているのだろう。

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 しかし、前にも書いたが私自身は30年近くマラソンを楽しんできて、日本国内のいろいろな種類のレースにでてきたものの、指導する立場になったのは初めてだ
急遽「長距離走の走り方」のテレビ番組を見たり、インターネットで小学生を対象としたマラソン教室のブログを見るようにしている。

 最近見たブログで一番参考になったのは「小学生は意外とロングランができ、4.3kmの周回コースを最後はビルドアップしながら走りきった」という記事だ。

 実は私も小学生の走力に驚いている。3年生ではとても無理ではないかと思う距離をらくらくと走ってしまう。
それも小柄の女の子が野口みずき選手のようなフォームで走るのだからびっくりだ。

 もっともそうではなくてすぐに息が上がってしまう子もおり、体力差が大きいのだが、意外とタフだというのが私の正直な感想だ。
今は駅伝の距離である3年生は500m4年以上は1000mをしっかり走れるように指導しているが、多くの子供はその倍程度は平気で走れそうだ。

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 木曜日の午後3時から約1時間半の時間をとって指導しているが、マラソンは1時間もすればやることがなくなってしまう。
小学生を1時間以上マラソンだけに集中させるなんてできそうもない。
残った時間帯はサッカーバスケットをして遊んでもらっているが、身体を動かし続けることが目標なのだからそれでいいと思っている。

 しかし40名の子供の指導を一人でするのは大変だ。誰か手伝ってくれると本当に助かる。
木曜日の午後3時から4時半まで、時間の空いているランナーはいないものだろうか。

注)ランナーでなくてもスポーツが大好きな人であれば歓迎します。

 

 

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(21.11.25)  日本経済はデフレから脱却できるか

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 とうとう政府が悲鳴をあげた。11月月例経済報告で、「日本経済はおだやかなデフレ状況にあり、景気を下押しするリスク」が存在すると言い出したからだ。

 実は日本はここ10年来基本的にはデフレ状態にある。政府がデフレ宣言をしたのが01年3月だが、06年7月に一旦この「デフレ」という表現を使わなくなった。それが3年5ヶ月ぶりに、ふたたび「デフレ」と言う表現を月例経済報告で使用したのには訳がある。

 GDPの7月から9月までの実質成長率年率4.8%なのに、名目成長率▲0.3%となっている。
なにしろ消費者物価指数がここ7ヶ月に渡って低下しており、下げ幅も拡大している。
いくら生産しても価格が低下するので儲けにならない」企業は悲鳴を上げだした。

 デパートは二桁の売上げ減少が1年以上続いているため、銀座松屋では9800円のスーツを年2回のセールで売りだした。
高品質、高価格ではだれも買う人がいない
ユニクロのように高品質、低価格が時代の潮流になっている。

 デフレ脱却のために政府は09年度第2次補正予算を組んで、景気対策に取り組むと菅副総理は言っているが事はそう簡単ではない。

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 なにしろ日本経済は「デフレが当たり前の社会構造になっている」からである。需要拡大の最大の要因は人口増加豊かさへの希求だが、日本は人口は減少に転じ、老人人口の割合が毎年増加しているし、物がありあまってこれ以上購入するものがほとんどない

 毎回同じ事を言っているので恐縮だが、豊かな社会の老人が消費拡大に励むなんて事はありえない。

 私を例に言えば、食事は毎年細くなってきて、食べ物に対する欲求は低下するし、衣類はユニクロさえあれば満足してしまう。旅行も楽しいけれどもヨーロッパに行くには地獄のような長時間の飛行時間に耐えなくてはならない。
そんな苦労をするくらいなら、家でのんびりするほうがいい」ということになる。

 実際はブログを書いたり、小学生にマラソンを教えているのだが、このインターネット環境はもっとも価格低下が激しい世界で、私もほぼ無料でブログを製作しているし、見ている人も無料だ。
子供に教えているマラソン教室はボランティアだから、GDPの計算には入らない。
私の生活からはGDPを押し下げる要因しか存在しない。

 政府の試算では、デフレギャップはほぼ40兆円だと言う。供給能力に対して需要が40兆円足らないと言うことだが、これを埋めるのは容易でない。
供給能力が大きすぎれば、それを小さくするのが最も妥当な措置で、生産拠点をまだ需要のある海外に移すか、かつての炭鉱政策のように閉鎖をするか、織物業界のように余分の機織機を消却するか、漁船の減船のように計画的に削減するしか方法がない。

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 ただこの方策は国内に失業率の増加と言う副作用が伴うため、政府の政策として取りづらい側面がある。
そのため生産能力は一定にして、需要を無理やり作り出す措置がとられてきた。
景気対策として公共投資の拡大をするのがそれで、道路や橋や飛行場を必要ないのに作る政策である。

 確かにこれで一時的には建設業界などは潤うが、副作用は甚大で赤字国債の増発と、無用な設備のメンテナンスに費用がかかることになる。
そして何よりも問題なのは、無駄な経費をかけている間に、日本の国際競争力が失なわれることである。

 私の見た無駄な公共工事の事例として南アルプス寸又川沿いの約40km林道がある。南アルプスの最南端光岳(てかりだけ)から、この寸又川に降りると、そこから寸又峡温泉まで、この林道を歩くことになる。
林道と言っても国内材はまったく売れないから、林道として利用しているわけでない。土木工事が必要なのでただ作っただけである。

 ところがこの寸又川は急峻ですぐに土砂崩れがあって、林道が埋まってしまう。実際私が見たときは上流部分20kmは土砂に埋まっていた。
下流部20kmについては、地元の建設会社が砂防工事を行っていたが、本来何の役目もない林道さえ作らなければ、土砂崩れはおきないのだから不要な作業である。
無用に作って無用にメンテナンスを行っている典型的な事例だ。

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 このように日本の公共事業はただ雇用を確保するだけのために無駄使いをし続けてきており、当然の結果として日本の国際競争力は毎年低下してしまった。
古い産業を保護するために莫大な赤字国債を発行し続け、一方新しい産業は育たないからだ。

 今日本ではデフレ対策の思考の変革を迫られている。

① 日本経済はデフレになるのが当然の構造をしているので、無理な公共投資等で需要喚起をすると、財政赤字が拡大し、しかも無駄な公共物ばかりが後に残される。
② デフレから脱却する唯一の有効な方法は、世界の新たな需要を先駆けて開拓することで、特に環境関連産業(電気自動車、太陽光発電等)で世界のパイオニアになることである。


 さて鳩山政権はこうした取り組みを実施できるだろうか。自民党政権だけを行って、日本経済をつぶしてきたが民主党政権の経済政策はの方策を採ることができるだろうか。
菅副総理の第2次補正予算の中身が、大変興味あるものになってきた。

 

 

 

 

 

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(21.11.24) 第29回つくばマラソン

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 今年もつくばマラソンを走ってきた。今回は29回目の開催になり、出場ランナーは総勢12000名になったという。首都圏に近く、平坦なコースで走りやすいのが人気の秘密だろう。

 私はこのマラソンにはほぼ毎年のように参加しているので、自分では何回走ったのかすっかり分からなくなっている。
以前は一人で東京駅から専用バスに乗ったり、2005年からは開通したつくばエクスプレスに乗って出かけていたが、2年前からはちはら台走友会のメンバーと一緒に、自家用車に相乗りして出かけている。

 走友会に入会して始めて分かったのだが、レースに自家用車を利用していくことで時間的にも金銭的にも非常に楽になり、かつメンバーの手前変な走りができないので懸命に走ることになりメリットが大きい。

 もっとも今回は私は仮装装束で走ることにした。自分でも数えきれないぐらいレースに参加していると、ひどいマンネリに落ちてしまった。特に55歳ごろからはまったくスピードが出なくなり、走るたびにタイムが落ちてしまうので、すっかりやる気が失せている。
今回はしたことがない仮装で走ってみよう」先日おゆみ野の森で行った縄文時代人の服装があったので、目先を変えて走ることにした。

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スタート位置に行くところ

 しかしちはら台走友会のメンバーは燃えている人が多い。
もと実業団の実力ランナー小栗さんは、さして練習もしていなかったはずなのに、2時間40分で走ってしまうし、信じられないことに年齢を重ねるに従って早くなるYさん3時間そこそこの記録で走っていた。

 私とよく四季の道で走っている女性のOさんは、前回霞ヶ浦4時間15分で走ったのだが、後半まったく足が動かなくなったことを反省し、今回は前半を抑えて4時間をきることに成功した。
はやる気持ちを懸命に抑えたの。そしたら前半と後半が同じくらいのタイムではしれたわ

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 Tさんは私より3歳上のランナーだが、いままでフルマラソンを走ったことがなかった。アキレス腱が常時痛む持病を持っているが、前半ゆっくり入り身体が動くようになってから速度を速め、4時間45分で完走した。
いやー、この年になってもフルマラソンが走れるなんて、本当に久しぶりに感動した」喜びもひとしおだったろう。

 今回の取りまとめ役のマッスルさんは大の酒好きで、一日たりとも酒を飲まない日はなさそうだが、「やはり一年に1回は身体に負荷をかけないとだめなことが分かった」と妙に神妙な反省をしていた。
だからといって酒をやめるということではないらしい。

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(応援のおばちゃんダンス

 この日は雨がぱらつく冬日で静かにしていると震えが来てしまうほど寒かったが、走っている限りは問題ない。
私は通常のタイツの上に麻の袋をかぶっていたので、やや暑いぐらいだった。
麻袋がんばれ」なんて農家のおじさんに声援をしてもらったり、走っているランナーから「雨を吸い込んだら、重くなるでしょう」なんて同情されたが、すっかりこの仮装ランナーにはまってしまいそうだ。

 次は「少しずつ仮装のレベルアップを図ることにしよう」ひそかに決心してしまった。

 

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(21.11.23) NHKスペシャル 魔性の難問 リーマン予想

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 NHK数学界最大の難問リーマン予想の放送をするというので、ビデオに撮っておいた。
一般に数学に関する放送はほとんどの人が敬遠し、特に聞いたこともないリーマン予想などと言われると、それだけでチャネルをかえてしまいそうだ。
「数学なんてとんでもない。高校生以来見るのもいやだ

 しかしNHKはこの世紀の難問を一般の人にもわかりやすく理解させることに成功したようだ。なにしろ数学音痴の私でさえ問題の所在が理解できたのだから、この番組の製作者の能力は相当なものだ。

 この番組を見てはじめてリーマン予想がどのようなもので、この難問を解くために数学者がいかに苦労してきたかを知った。

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 リーマン予想とは、算数でも教わる基本的な数、素数の謎を解き明かそうと言う試みである。
素数とは1と自分自身でしか割れない数で、具体的には2,3,5,7,11、13・・・・・・と無限に続いていく数だが、一般的にはこの素数に意味がないと思われていた。

 ところがこの素数に意味があることを最初に発見したのは18世紀始めのスイス人数学者オイラーで、素数だけを使ったある種の数式の解が、円周率πと関連していることを証明した。

 まったくランダムに見える素数と円周率πとの関係は数学者を驚かせ、その後の素数の研究の礎となったと言う。
そして、このオイラーの式を関数化(ゼータ関数)してその解を求めようとしたのが、この番組のテーマであるリーマン予想である。

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ゼータ関数の式

 リーマン
は19世紀半ばのドイツの数学者だが、このゼータ関数の解がゼロになる位置を4つほど計算し、それが一直線上に並んでいることを発見した。
そこでリーマンは次のように予想した。
ゼータ関数のまだ発見されていないゼロ点の位置は、すべて一直線上に並ぶ
リーマンが発見した4つのゼロ点以外に、一直線上に並ぶゼロ点が無数に存在し、一直線上以外にはゼロ点は存在しないとリーマンは予想したことになる。

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リーマン予想のゼロ点が一直線に並んだイメージ

 その後の数学者は、このリーマン予想を証明しようとして悪戦苦闘する。
たとえば20世紀入り、イギリスのニュートンの再来とまで言われた大数学者ハーディはこの証明を完成させたと一時思われたが、大失敗をしてしまった。

 ハーディは確かにゼロ点は一直線上に並んでいることを証明したが、一直線上にないゼロ点が存在しないという証明に失敗したからだ。
これではゼロ点は一直線上にもまたそうでない場所にも多数存在することになってしまう。

 また第2次世界大戦後のアメリカを代表する数学者だったナッシュ博士は、この問題に挑戦して精神に異常をきたし、ほぼ30年間病気と格闘しなければならなくなった。
アメリカのアカデミー映画「ビューティフル・マインド」のモデルはナッシュ博士である。

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映画 ビューティフルマインド

 その後リーマン予想は数学者の鬼門といわれ、フランスの数学者ド・ブランジュ博士以外に正面きって研究する数学者はいなくなってしまったという。
リーマン予想の証明は困難で、これに取り付かれると精神に異常をきたす

 再びリーマン予想が注目を浴びたのは1972年で、アメリカのプリンストン大学の喫茶室で、著名な物理学者と数学者の何気ない会話からだと言う。

物理学者「あなたは数学のどのような問題を研究しているのですか
数学者「リーマン予想で使用されたゼータ関数のゼロ点の間隔を表す式です

 その数学者が書いた数式が物理学者が研究していたウランの重いエネルギーの間隔の数式とほぼ同じだったことから、素数が再び脚光を浴びることになった。
素数と原子や素粒子といったミクロの世界とは関連がある
これはリーマン予想の研究者ド・グランジェ博士の直感だが、それが実際に証明された瞬間だった。

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ミクロの世界とゼロ点の関係のイメージ図

 以来数学者と物理学者はこの問題の共同研究を重ねているがリーマン予想が証明され、素数と素粒子との間の関係が解き明かされる日が近づいていると言う。
そしてその関係が明らかになれば、この宇宙の成り立ちが分かり、宇宙の謎が素数にひそかに隠されていたという驚くべき事実が明らかになるのだそうだ。

 何か、アメリカ映画「ダヴィンチコード」みたいな話だが、数学の世界もずいぶんミステリアスだと感心してしまった。

 

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(21.11.22) 日米首脳会談の唯一の成果 スマートグリッドの共同開発

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(EIKO氏撮影 山崎編集

 鳩山首相オバマ大統領の日米首脳会談が13日行われたが、実に寒々とした雰囲気だった。
普天間基地問題では互いに主張を言い合っただけだし、インド洋の給油活動中止の代わりに、アフガンに対し日本が今後5年間で50億ドル民生支援をすることにした件は、アメリカは外交辞令的に謝意を述べただけだった。

 14日には鳩山首相オバマ大統領を日本に残してAPECの会議に出発したが、このことが何より日米間の隙間風を象徴している。
日本はアメリカよりAPECが大事なのだ
鳩山首相には東アジア共同体の構想しか頭にないようだが、自民党政権だったら絶対にこのような対応はしなかっただろう(最低限一緒に出かける程度の演出はしたはずだ)。

 それでも唯一の成果は日米共同でスマートグリッドの共同研究をすることに同意したことだろう。
スマートグリッドとは「賢い送電網」という意味だが、現在のアメリカの送電網は100年前の技術を使用した不経済極まりない送電網で、はっきり言ってしまえば「おばかさんの送電網」だからだ。

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EIKO氏撮影 山崎編集

 この送電網を賢くするためにはいくつものハードルを越えなければならない。
オバマ大統領09年1月に景気対策演説を行ったが、その中で「クリーン・ニューディール」なるものを提唱した。
石炭や石油や原子力に頼るエネルギーからクリーンエネルギーと言われる太陽光発電風力発電等にエネルギー源を切り替えようと言うことだ。

注)原子力については二酸化炭素を排出しないのでクリーンエネルギーに分類されることもある。

 しかし現実のアメリカのクリーンエネルギーの割合は世界のどこよりも低い。ブッシュ政権がクリーンエネルギーにまったく乗り気でなかったせいだが、太陽光発電などはヨーロッパや日本に大きく差をつけられている。

 それでもアメリカは戦略の国だ。自然エネルギーの大量供給と家庭での省エネを目指したスマートグリッドで巻き返しを図ることし、そのパートナーに日本を選んだ。
ヨーロッパは相手にしてくれないから、2、3位連合で西欧に対抗しよう」ということだ。

 スマートグリッドの具体的中身はクリーンエネルギーの開発のほかには以下の内容が挙げられている。

① 各家庭の家電製品をネットワークで結ぶ。
② パソコンで家電製品の消費電力を管理する。
③ 料金の安い時間帯に電力を購入して逐電する。
④ ハイブリッド車の蓄電池に電気を蓄える。


 日本においても鳩山政権が「20年までに二酸化炭素を25%削減する」と世界に公言したため、太陽光発電を20年度までに05年対比20倍増加させることになった。

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EIKO氏撮影 山崎編集

 スマートグリッドの問題点は、太陽光発電等で作り出した電力を現状の電力網に乗せて、従来の火力発電や原子力発電の電力と一緒に使えるかの確証を得ることにある。
電力の安定供給ができなければ、太陽光発電は使えない
日本の電力会社の安定供給能力は世界一だから、不安定な太陽光発電を嫌う。
実験は沖縄の離島で行う予定だったが、アメリカのニューメキシコ州で大々的に実験が行えることになった。

注)日本では規制が多く、既存電力網を使用しての実験は離島ぐらいでしかできないのだそうだ

 さてこの日米連合は成功するだろうか。日本はアメリカよりも停電範囲を最小限に抑える技術や、大規模工場の需要動向をIT技術で把握する方法や、電気自動車でアメリカを凌駕している。

 一方アメリカはGoogleのリーダーシップのもとにスマートグリッドなる戦略を描いて、遅れたアメリカの送電網を21世紀型に変更しようとしている。
アイデアはアメリカが提供し、手足が日本という構図は今も昔も変わりがない。

 隙間風が吹きすさぶ日米関係の中で、唯一の絆がスマートグリッドなのだから、できうれば成功してほしいものだと思う。
 

 

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(21.11.21) 地方空港は生き残ることができるか? 松本空港消滅危機

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 日本の地方空港の生き残りがますます難しくなってきた。日航が旅客数の減少や単価の低下に悩まされて不採算路線からの撤退声明を出したため、日航オンリーの地方空港の存続が危ぶまれている

 すでに地方空港の破産は北海道の弟子屈空港の事例(09年9月)が有る。
年間数百人程度の旅客数に悩まされた弟子屈町が廃止の申請をしたものだが、理由は安全管理のための投資約2億円ができなかったからである。
ほとんど顧客がいないのに安全管理や飛行場維持の費用など出せない

 現在もっとも問題になっているのは長野県の松本空港だが、ここはJALの子会社JAC札幌、大阪、福岡への航空路を持っている。
しかし搭乗率が極度に低く、96年26万人いた搭乗者が08年には6万人4分の1以下になってしまった。

 あまりの不採算に日航が悲鳴を上げて、松本空港のすべての路線から撤退することにしたため、長野県では大騒ぎになってしまった。
現状でも収入は直陸料2600万円程度であり、一方支出1億8000万円なので、約1億5000万円の赤字だがこれは全額長野県が補填している。

これからは一機も飛行機が飛ばないのに飛行場が存続してていいのだろうか?」子供でも不思議に思う状況になってきた。

注)長野県の村井仁知事は、現在コミュニティー航空会社に、松本空港への乗り入れを働きかけている。
しかし、それが実現したとしても直陸料は大幅に減少するはずだから、県の補填が増大することは間違いない。

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EIKO氏撮影 山崎編集

 同じような状況に置かれる空港に、広島西、札幌丘珠空港があり、何の対応をしなければやはり飛行機は一機も飛ばなくなる。

 また、来年3月に開港予定の茨城空港にいたっては、当初どこの航空会社も乗り入れを拒んだため、作った当初から廃港に追い込まれそうな状況になっていた。

 あわてた県は韓国のアシアナ航空に泣きを入れて毎日1便は確保したものの、旅客数が少なければアシアナ航空から、搭乗率保障を求められるだろう。

注)茨城県の当初計画では札幌、大阪、福岡、沖縄と路線を開設し、年間81万人の搭乗者を予定したが、国内航空会社から断られ、現状はアシアナ航空の約8万人のみが予定されている。しかしその数も期待数にすぎない。

このままでは総工費540億円、本体工事250億円はどぶに捨てたようなものだ」関係者からため息が漏れはじめた。

 なぜこれほどまでに苦境に陥る地方空港が発生するかと言うと、航空整備特別勘定約5000億円の資金がプールされており、1県1空港の掛け声に励まされて、飛行場を次々に作っているからである。

心配するな、金はいくらでもある。搭乗予想をでっち上げて空港を作ろう
旧運輸省の方針である。
それでも旅客数が増加している間は、何とか説明ができたが、昨年のバブル崩壊以降まったく目算が狂ってきた。
今年に入り国内・国際を問わず、旅客数が激減しており、どのような説明も不可能になっている。

注)日航、全日空とも国内・国際線の搭乗率が10%前後減少しており、回復のめどがたたない。

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EIKO氏撮影 山崎編集

 地方空港の受難はこれから始まる。JALは自分自身が倒産の危機にあり、不採算路線を維持することができない。ANAとてもJALほどではないが不採算路線を維持できないのはおなじだ。

 飛行機が一機も飛ばない空港はぺんぺん草が生えるだけで、職員や売店は何もすることがないのだから閉鎖する以外に方法はない。

 思えば、航空整備特別会計は罪な会計だ。予想をめいっぱいでっち上げて空港を作ったものの、あとにはぺんぺん草とカラスが遊ぶ飛行場を作るだけの公共事業に終わってしまった。

注)約100ある空港の9割は赤字といわれている。

 残されたのは地方自治体の赤字補填だけとは罪作りな話だ。


 


  

 

 

 

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(21.11.20) 日本経済の回復と輸出主導体質

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 ここにきて先進諸国の経済回復の基調が鮮明になってきたが、日本も09年第3四半期(7月~9月)のGDP年率4.8%と急速に回復してきた。

 内訳を見ると前期比もっとも大きく伸びたのが輸出+6.4%であり、一方個人消費は+0.7%だった。
また設備投資も回復して+1.6%となったが、住宅投資は相変わらず水面下にある。

 この世界不況が始まるや日本では内需拡大の必要性が叫ばれたが、内需と言っても個人消費はほとんど拡大せず、公共投資だけが大幅に伸び、そのうちに中国等の新興国の経済成長に伴い輸出が回復してきたというのが実態だ。

 今回も輸出主導の回復なのだが、実はそれ以外の方法は日本には存在しない。

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 なぜ個人消費が拡大しないかは理由がある。
日本のように人口が停滞する国では、老人人口の比率が毎年高くなっていくが、老人は消費活動に熱心でない

 私個人をみても分かるが、食欲はわかないし、衣類などはタイツがあれば十分だし、家の手当ては済んでいるので住宅関連はメンテナンス以外の需要はない。自動車などは年に2回程度しか乗らないので手放してしまった。

 実際ここ数年来デパート、スーパーは売り上げ減少に悩み、最近ではコンビニまでもが不況業種になってきた。
また旅行などのような遊興費の支出も体力勝負だから、若者のようにどこへでもいけるというわけでなく、結果として老人は医療費以外に金の使い道がない。

 また住宅投資が伸びないのも当然で、子供が少なくなれば親の持ち家があるので、自分で新たに新築する必要性が薄れる。
いずれお父さんの家がもらえるのだから、今は賃貸でいいや」と言うことになる。

 結局老人人口が増えると言うことは長期的に個人消費も住宅投資も漸減する

 だから内需拡大とは自民党政府がそうしたように、総額15兆円に登る公共投資の大盤振る舞いしかなく、不要な道路や橋や、飛行場をめったやたらと作ることだけだ。

注)麻生政権が行った消費拡大策の、定額給付金、エコカー減税、エコポイントのおかげで、消費はやや拡大したのは事実だが、効果は一時的なもので、消費を恒常的に増加させることはできない
自動車メーカーや電気メーカーはこうした措置がなくなると、すぐに売り上げが落ちてしまうと鳩山政権になきついている。

 後に残るのは膨大な財政赤字だが、リチャード・クー氏の言うようにそれ以外の方法はないのだから「これはいい財政赤字」と言うことになる。

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 しかし財政赤字を無理やり増大させることが本当に正しい態度なのだろうか?
ここには壮大な近代経済学の嘘があるように私には思える。

 かつてサミュエルソンの経済学を学んだときにとても不思議な感じがしたのは「クリーピング インフレーション」という概念だった。
穏やかなインフレと言う意味で、「経済が成長するためには穏やかなインフレーションの環境が最善だ」と言うのである。

 もう一つの不思議な概念は「GDPが毎年○○%成長しないと、失業率が増大して社会的不安が発生する」と言うもので、中国は8%、日本では3%程度の経済成長が絶対必要と言うものだ。

 二つあわせると、「インフレでなくては経済成長ができないのだから、インフレターゲットを設けて、日銀は資金供給を(ジャブキャブ)して何がなんでも経済成長をはかろう」と言うことになる。

 しかし考えても見てほしい。私のような定年退職者にとってはインフレは最悪の環境で、年金は増加しないのに物価が高くなって生活苦にあえいでしまう。
また毎年3%ずつ経済成長するということは、たとえばGDP約60%を占める個人消費の場合は毎年食料や衣類を3%ずつ増やしていかなければならない。

 しかし老人が増えている日本で、食料を毎年3%ずつ増やして食べていくことなど、どだい無理だ。無理して食べれば飽食になり糖尿病患者になってしまう。
だから個人消費が永久に3%増加するなんて事はありえない

 残された方法は公共投資を拡大して、不必要な道路や飛行場やダムや林道や漁港等を作って、後に膨大な財政赤字を残すことだけだ(実際そうしてきた)。

 しかし人間が成人になればそれ以上身長が伸びないように、経済も成熟すれば成長が止まる。少なくとも個人消費を中心とする内需は止まる。
そうした社会ではGDPは停滞するか、老人人口の増大にあわせて穏やかに減少していくのが正常だ。

 だから成熟社会では「GDPの拡大をはかる」などという政策目標は間違いで、不必要な公共投資は止め、GDPの減少は正常と認め、ありあまった時間でのんびり人生を楽しむのが最善の生き方になる。

注1)トインビーが「歴史の研究」で文明は成長し、成熟し、そして衰退を繰り返すといったが、この資本主義文明もいつまでも成長できないのは同じだと私は思っている。 

注2)ただしGDPをどうしても拡大したければ、国内需要が停滞するのだから、唯一の方法は輸出拡大しかない。世界には日本に比較して貧しく財に対する需要の大きな国(中国やインド等)があり、そこに対する財やサービスの供給には実需はある。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(21.11.19) 日本に電子書籍が根ずくか

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 Googleが巻き起こした日本の書籍を含めたデジタル化事業については、11月13日Googleから和解案再修正が行われ、「対象となる書籍の範囲が縮小され、米国の作品以外で対象となるのは、米国著作権局に登録された作品か、カナダ、英国、オーストラリアの3か国で出版された作品に限定される。
これにより、日本の作品のほとんどは対象外となる
」ことになった。

 世界中の著作権者を巻き込んだ騒動はようやく収まることになり、ことは英語圏だけの問題になったが、一方日本では国立国会図書館が所蔵する蔵書を電子化して、インターネットで無料または有料で配信する構想が存在する。

注) すでに国会図書館では50年の著作権保護期間が過ぎた明治・大正期の書籍約16万部をデジタル化し、「近代デジタルライブラリー」として、ネットで無料配信している。 

 国会図書館各公共図書館の要請に応じて図書の貸出しをしているが、特に希少本などについては紛失や汚れの問題がある。
これを電子化したものをインターネットで検索してもらえば、原本の保管は完璧に行え、かつ利用者の利便性は格段に向上する。

 確かに日本全体でも国会図書館だけにしか残っていないような本はまったくその通りだが、デジタル化の対象が現在書店で販売されているような本になると問題が一気にきな臭くなり、出版社、著者、書店等を巻き込んだ騒動になってしまった。

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 もしそうした本まで国会図書館がデジタル化して、無料か無料に近い金額でインターネットで検索できるようになると、紙の書籍はまったく売れなくなってしまい本屋はすべて廃業することになってしまう。
また物理的な本そのものがなくなると、製紙業界や本の取次会社も経営問題が発生し、残るのは著作者とそれをサポートする出版社のコーディネーター位になってしまう。

電子書籍などとんでもない。文化の崩壊だ」一斉に反対の声が上がった。

注)09年6月の著作権法の改正で、国会図書館は著作権者の承諾がなくても著書を保存目的でデジタル化できるようになり、予算の範囲内でデジタル化を実施することにしている。

 Google全米作家協会等との係争は、絶版本をめぐっての係争で、Googleが出版社に代わって絶版本の配信を有料で行うと言い始めたので裁判沙汰になったものだ。
絶版本は商業ベースに乗らないから絶版本になったのだが、インターネット上での配信ならば、ディスクの許す限り書籍のストックができるから、いわば無限大の規模で書籍を在庫できる。

注)アマゾンはインターネットで大抵の本を販売してくれるが、それをディスク上に保管して、アマゾンを凌駕するすべての書籍の販売を行おうとGoogle はしている。

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 日本では国会図書館があらゆる本を予算の範囲内でデジタル化できるのだから、それを図書館内では無料、インターネット検索では安価な金額で有料のサービスを始めれば出版業界のビジネスモデルは崩壊する。消費者にとっては、電子書籍は紙の書籍に比較して信じられないような安価な金額で入手できるのだから便利この上ない。

 実際にこのネット環境を利用して無料化を実現しているものにブログがある。
ブログの作成費用はプロバイダーに対する利用料とNTTへの回線使用料の他にはほとんどかかっていない。
いわばただみたいな料金でブログは作れるのだから、費用を徴収してブログを維持しなければならないようなものではない。

 従来は書籍に比較してブログの水準は低く、いわば証券であればジャンク債のような扱いを受けていたが、昨今は著者によったら書籍を凌駕する水準のブログが現れてきた。
私もいくつかのブログをほぼ毎日見ているが、なまじ書籍を見るよりは面白く、専門性の高いものが多い。

 このようにインターネットの世界では無料でレベルの高いブログ文化というものが生まれている以上、紙で有料の書籍文化が徐々に廃れていくのはいたし方がない。

 完全に書籍文化がなくなるというのは言いすぎだが、紙の書籍だけにこだわっていては無料のブログ文化に負けてしまうので、その前に電子書籍という形でビジネスモデルを確立しようと思うのは当然の動きだ。

 だから世界ではGoogleが仕掛け、日本では国会図書館が仕掛けている電子書籍は案外早くこの世界に認知される日が来そうだというのが、ブログを毎日書いている私の予感だ。

 

 

 

 

 


 


 

 

 

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(21.11.18) 文学入門 「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎著

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 今回の河村義人さん主催の読書会のテーマ本は吉野源三郎著の「君たちはどう生きるか」だった。
この本を推奨したのは私のかみさんだが、かみさんは哲学教室に通っていて、哲学や倫理の本に詳しい。

 当然のこととして私は吉野源三郎氏を知らなかったが、Wikipediaによると以下のように説明されていた。

吉野 源三郎(よしの げんざぶろう 1899年- 1981年)は、編集者・児童文学者・評論家・翻訳家・反戦運動家。昭和を代表する進歩的知識人。『君たちはどう生きるか』の著者として、また「世界」初代編集長としても名高い。岩波少年文庫の創設にも尽力した。明治大学教授、岩波書店常務取締役、日本ジャーナリスト会議初代議長、沖縄資料センター世話人などの要職を歴任

 この「君たちはいかに生きるか」は戦前(昭和12年)、山本有三氏が編纂した「日本少国民文庫」全16巻の第12巻として発行されたのだという。
吉野氏によると、当初は山本有三氏が執筆する予定だったが、眼病を患いそれが不可能になったため、代わって執筆を引き受けたのだそうだ。

注)少国民文庫と言う意味は「少年少女国民文庫」という意味のようだ。

そうか、吉野源三郎と言う人は戦前、戦中、戦後を代表する知識人の一人なのか」ようやく納得した。

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 この本は主人公の中学2年生コペル君コペルニクスから類推したあだ名)とその若いおじさんとの対話がモチーフになっているが、それ以外にコペル君の友達が多く登場する。

 山の手に住むブルジョア出身の水谷君や、一方下町育ちの豆腐屋の浦川君、それと頑固一徹で正義感が強い北見君と言った登場人物である。
そして悪役として登場する山口君が陰湿に浦川君をいじめるのだが、その理由は裕福でなく、家の手伝いで朝早くから労働しているため、いつも授業で寝てしまうからである。

 浦川君をいじめる山口君達に対し、コペル君達は浦川君を守ろうと立ち上がるだが、そうした行為を通じて社会的にコペル君たちは目覚めていくというのが、この「君たちはいかに生きるか」の一つのテーマになっている。

 コペル君は一つ一つの事件が発生するたびに自分の行動を見つめ、自分のいき方の勉強をし、それをコペル君の若いおじさんが理論的にサポートしていくと言う構成になっている。

注)コペル君のお父さんが早世したため、この若いおじさんが父親代わりの役目を担っている。

 この本のもう一つの重大な事件は上級生を敬わない北見君を上級生が鉄槌を加えるというものがある。
コペル君、水谷君、浦川君はもし、北見君が鉄槌を加えられるようなことがあれば、団結して立ち向かう約束をするのだが、実際に事件が起こるとコペル君だけが足がすくみ、北見君を守るために立ち向かうことができなかった。

 このため、コペル君は自責の念に駆られ、病気になってほぼ半月間学校を休んでしまうのだが、おじさんに相談したことから、結果がどうなろうと正直な詫び状を書くべきだと言われる。
その結果は再び四人の友情は復活すると言う筋立てになっているが、「人間は誰しも心の弱さを持っており、そのために失敗した場合は、自己弁護をしてはいけない」と言う主張のようだ。

 この点について解説者の丸山真男氏は、「吉野氏に実際に起こった事件」ではないかと類推しているが、確かにこの部分の筆致は、経験したものしか書けないくらい生々しい。

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 さてこの本を読んだ私の正直な感想は、少年達の描写はとても生き生きしており、小説と言っても良いほどのできばえで、かつて井上靖氏の「しろばんば」を読んだときのような印象を持った。
一方おじさんがコペル君に教えようとする、社会学的、倫理的内容については「なんともいえない古さ」を感じてしまった。

 昭和12年という、いまから70年以上前の歴史的状況としては、おそらくもっとも進歩的な思想だったと思われるが、時代が大きく変遷してしまった今では古色蒼然としている感じだ。

 特にそれが顕著なのは「生産関係」の説明で、これは丸山真男氏が解説の中で述べているように「資本論入門」の少年少女向け説明である。
しかし現在では、「資本論」を読む人はほとんどおらず、そこで展開された思想は1990年前後のソビエトロシア東欧諸国の崩壊で実体を失ってしまった。

 社会理論はその当時の社会の実態から演繹されるのだが、理論が精緻化されたときには現実は先に進んでしまうので、社会理論は常に遅れるという性質を持つ。
はっきり言ってしまえば「昔の理論などほとんど役に立たず」、社会科学的分析は毎日現実と向き合っていないと、すぐに時代に置いていかれる。

 結論から言うと、私の読み方は少年たちの描写はとても興味深く読んだが、途中からおじさんの説明部分は興味を失い飛ばすという読み方だった。
しかしそうした読み方でも戦前の少年たちの生き様が良く分かる良書であることはかわりがなく、一読に値する本だと思う。

重要な注意
読書会の主催者、河村義人さんがこの本について書評を書いています。
内容を読まれると分かりますが、「おじさん」の態度に感銘を受けており、私の書評とはまったく異なります。

 是非、河村さんの書評も読んでいただき、比較してみてください
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/shiryou/2009/11/211118-4d5e.html

 

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(21.11.17) おゆみ野の森の秋祭り

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 おゆみ野の森秋祭りが昨日(15日)開催された。毎年春と秋の2回大きなイベントをここおゆみ野の森で開催していて、私も実行委員の一人としてそのうちのマラニックを担当している。

 マラニックとはマラソンとピクニックの合成語で、楽しく森を走ろうという趣旨で、せっかくの森だから森の中を駆け巡ってもらおうという意味だ。

 一周約500mのコースをこの森に作ることができるので、大人の男性は3周1500m、大人の女性には1000m、子供たちは年齢に応じて適度に走ってもらっている。
しかし実際やってみると小学校の上級生クラス3周をらくらくと走ってしまい、大人顔負けだ。

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 森の中を走ってもらうため、先週の土曜日に草刈隊のメンバーでコースの下草刈りをしておいた。それでも10cm程度の絨毯のような草が残っているので、走ってみるとふわふわする。

 今回もちはら台走友会四季の道ランナーズのメンバーに手伝ってもらった。ここおゆみ野の森は縄文時代の貝塚が残されているので、メンバーは全員縄文時代人の服装をして走ることになっている。
だんだんとこの服装がこのおゆみ野の森に定着したみたいだ。

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 マラニック以外に森のインストラクター斎藤さんの森の説明や、斎藤さんが懸命に手作りした輪投げや森のパチンコも用意された。
この輪投げ用の輪やパチンコは斎藤さんが自分のヨットの作業場で手作りしたもので、以下のブログを読むと苦労のあとがしのばれる。
http://midorinochiba.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-4136.html
http://midorinochiba.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-bf83.html

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 森では毎回森の演奏会が開催される。今回はハッピーベルというベルの演奏会だった。一つのベルが1つの音を出すので、演奏者はすばやくベルを持ち替えなければならず、なかなかスピードがいる。
感心してみてしまった。

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 今回の参集者は約200名で、前回の春祭りのときよりは少なかったが、実行委員は懸命におゆみ野の森でとれたひらたけでスープを作ったり、フランクフルトソーセージピザを作ったものだ。

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 みんなには楽しんでもらったものの、大きなお祭りは今回が最後になるかもしれない。今までは新都市ライフのメンバーが資金的にも人材的にも全面的にバックアップしてくれていたが、来年からは市民だけの催し物になる。

 実行委員のジュンジュン姉さんが、「来年からはできる範囲内ですることになるのね」としみじみと言っていたが、規模を縮小して開催することになるのだろう。

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(21.11.16) 老いの一徹 石原都知事の東京オリンピック招致声明

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24.6.14追加)私は21.11.16日の段階では以下の文章のように、石原都知事のオリンピック招致運動には反対だったが、今は東京再生のためには必要と判断し石原氏を応援することに変えた。

以下は当初の文章

 老いの一徹といおうか、石原都知事の判断力がますます危うくなってきた。
16年のオリンピック招致で手痛い失敗をした都知事は、その敗因分析をまったくせずに、20年の招致運動に乗り出すという。

 敗北直後の10月4日段階ではさすがに殊勝に「経験、データを詳細に発表し、都民に認識してもらったうえで、(次のオリンピック招致運動に乗り出すかは)民意を斟酌する」といっていたが、老人は物忘れが激しい。

 さすがに各党も困惑して、民主党からは「招致の総括がすんでいない段階で、・・・違和感がある」といわれるし、忠犬ハチ公といわれていた自民党からも「しばらく状況をみまもりたい」といわれてしまった。

 なぜこの段階で再招致の声明をしたかは、広島と長崎が立候補したことが刺激になったらしい。
東京でさえ失敗した招致運動を、広島や長崎くんだりでできるはずがない。俺以外にできるものなどはいやしない」プライドが許さないのだろう。

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 招致活動に失敗した直後「目に見えない非常に政治的な動きが歴然としてある」といって、ブラジル大統領の顰蹙(ひんしゅく)を買ったが、この言葉は真実である。

 国際オリンピック委員会の総会では約100名の委員が、開催国決定のための投票をするのだが、アフリカや中南米やアジアの貧しい国の委員の投票権は利権である。
その国のスポーツ委員会や委員個人にどれだけ利益をもたらすことができたかで、どこでオリンピックが開催されるか決まる。

 石原都知事の言う「(このままでは招致活動の)レガシー、遺産の伝承がなされない」という意味は「どうすればうまく買収できるか分かったので、今度はうまく買収工作をする」という意味だが、残念ながら次回も失敗するだろう。
買収工作には都だけでは不可能で、国を挙げて行う必要があり、ODA予算や現地の大使館をフル活用しなければならないが、鳩山政権はそんなつもりはまったくない。

 今回招致活動に都は約160億円実際は隠れた予算があり、その倍程度はかかったといわれている)の経費を使ったが、まったく無駄に終わってしまった。再び無駄な経費を支出しようとしている石原都知事に都民は鼻白んでいる。

 しかし老いだけはどうしようもないものだ。石原都知事は新銀行東京ですでに約1400億円相当の金をどぶに捨てたが、「すべては経営者の責任で俺の責任ではない」と居直った。

 そして今回東京オリンピック招致活動が失敗したのは「目に見えない力が働いたので、俺の責任ではない」というわけだ。

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 石原都知事の前半の都政は実にすばらしいものだった。都の財政を健全化させ、三宅島の噴火では危機管理能力を遺憾なく発揮し、警視庁のしりをたたいて中国人を始めとする窃盗団の締め出しに成功した。

 しかし後半は豊臣秀吉の晩年と同じく惨憺たるものになっている。
ゾンビ銀行、新銀行東京が生きていると強弁し、築地市場の移転では移転先に産業廃棄物が見つかって移転できず、そして今度は東京オリンピック招致を「買収工作をうまくやるから再挑戦させろ」という。

 石原都知事の任期は11年4月だ。石原都知事は次回は立候補しないといっているが、老人は物忘れが激しい。
オリンピック招致が成功するまでは都知事を辞められない」といいだしそうだ。
都民にとり最善の選択は、健忘症にかかった石原氏を再選させないことだろう。

 

 

 

 
 

 

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(21.11.15) ラトビア経済の崩壊とスウェーデンの憂鬱

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 バルト3国の一角、ラトビア経済の崩壊スウェーデン経済を道連れにしようとしている。

 東欧諸国の中でもっとも弱い輪が、たった340万人の人口を擁するラトビアであり、そのラトビアに対する債権額NO1国家がスウェーデンである。

 サブプライムローン問題が発生するまではラトビア経済は07年、08年と名目GDPの成長率が15%前後で、バルトの虎といわれるほど好調だった。
この好調な経済を支えていたのが、もっぱらスウェーデンからの投資で、バルト3国に対する投資額はほぼ8兆円で、これはスウェーデンのGDPの約16%に相当していた。

 なぜスウェーデンがこれほどラトビアを始めとするバルト3国に貸し込んだかというと、地理的近さもあるが、それ以上に3国がユーロペッグというユーロに対する固定相場制を採用していたからである。
ラトビア通貨ラトは固定相場ゆえにユーロと同じだと評価されており、貸し出し側からすると為替リスクがまったく存在しないと思われていた。

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 確かに経済が好調の間はそのとおりだったが、リーマン・ショック以降情勢が様変わりしてしまった。
投資ファンドを中心に東欧諸国から資金が引き上げられると、ラトビアは外貨準備が底をつき始め、IMFEUの支援なくしてラトの為替相場を維持することができなくなった。

 08年11月、ラトビアはIMF、EU、世界銀行から総額52億ユーロ約7000億円)の資金援助を受けることになったが、当然のこととしてIMFはラトビアに厳しい緊縮財政を要請した。

注)IMFは倒産した国へ短期の資金手当てをする代わりに、先進諸国からの借入金の返済ができるように、倒産国の体質改善をさせる国際的な枠組。
アメリカを中心とする先進諸国借金取立組合だと思うとイメージがわく


 それまでは経済の好調から大盤振る舞いの財政支出が可能だったが、急に公務員給与や民間給与の30%の引き下げや、福祉予算の削減を実施しなければならなくなり、国民の不満は頂点に達して09年2月には政権が崩壊してしまった。

 しかしラトビアIMFの要請を受けざる得ない立場にある。
09年8月、格付機関S&Pがラトビア国債をジャンク債に指定してしまったため、民間からの資金調達は絶望的で、残りはIMF等の公的機関からの支援しかない。

 こうした場合、他の東欧諸国は通貨の切り下げで対応しているが、バルト3国はユーロペッグだから、切り下げができず、ラトビアはラトを支える以外に方法はない。
もちろんユーロペッグからの離脱をすることはできるが、そうすると2012年のユーロ加盟はできなくなる。

注)ユーロペッグを採用していないポーランド・ズロチは約30%、ハンガリー・フォリントは約20%の切り下げを行った。

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 そして何よりも問題なのはラトビア人の借り入れの約90%ユーロ建てだということだ。
この理由はラトでの借り入れ金利よりユーロでの借り入れ金利が約半分程度であるためで、「ラトもユーロも同じなら金利の低いほうがいい」と国民が判断していたからだ。

注)経済学的に言えば、固定相場制をとっている2国間の金利が異なる場合は、高い金利をつけているほうが無理な相場維持をしていることになる。

 しかしこれが完全に裏目に出る可能性が高い。もしラトビア政府がラトを支えきれずユーロペッグから離脱して、通貨切り下げを行うと、その段階でラトビア人の負債は急激に膨れ上がってしまう

注)たとえば50%切り下げをすると、ユーロの支払いのためラトでの返済金額はいままでの2倍が必要になる。

 不動産価格が約50%程度も低下してそれでなくても含み損があるのに、返済金額は2倍になってしまったら、ラトビア人はお手上げだ。
もう煮ても焼いてもいいから好きにしろ」居直るしかない。

 しかしそうなると貸し込んでいたスウェーデンが危くなる。実際スウェーデンからファンドマネーが引き上げられ始め、あわてたスウェーデン政府はECB(ヨーロッパ中央銀行)に泣きついた。
このままではわが国の外貨準備が枯渇する。ユーロを貸してください

 09年6月、ECBとスウェーデン中央銀行との間で100億ユーロ1.3兆円)の通貨スワップ協定が締結されたが、これだけでは収まりそうもないというのが市場の見方だ。

 スウェーデンはそれまでバルト三国を始めとする東欧諸国に対する投融資でぼろもうけをし、国内では手厚い福祉行政を実施してきた。
しかしこのGDPの16%にものぼるバルト三国に対する債権が焦げ付いたら、羨望の的だった福祉国家は終焉してしまう。

 そしてスウェーデンがこければ、スウェーデンを支えてきたEUに多大な影響が及ぶのだから、EUは今懸命にラトビアを支え、火の粉がEUに及ぶのを避けようとしている。


 

 

 

 

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(21.11.14) ヨーロッパ経済のブービーレースを制するのはどこか スペイン経済

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 ヨーロッパ経済のブービーレーススペインイギリスの間で行われている。この両国は一頃まではヨーロッパ経済の牽引役として、世界中から羨望の的だったのだから、世の変遷は激しい。

 スペイン経済94年から07年まで年平均3.6%の経済成長を遂げ、ユーロ圏の新規雇用の3分の1はスペインで創出されるといわれていた。未曾有の建設ブームに沸いていたからだ。
しかしサブプライムローン問題がささやかれ始めた07年夏場まではまだ住宅ブームに沸いていたものの、08年のリーマンショック後はジェットコースター並みの経済失速に見舞われている。

 スペインが未曾有の建設ブームに沸いたのには訳がある。
1999年ユーロ圏に参加して、人・物・金の動きが自由になると、イギリス・ドイツ・フランス・北欧等からスペインめがけて資本が押し寄せてきた。

 風光明媚で暖かく、不動産価格が相対的に安かったスペインの沿岸は、ヨーロッパの金持ちや中産階級の別荘ブームに沸いてしまった。
日本でもバブル華やかななりし頃は、長野や北海道に別荘を求める人があとをたたなかったのを思い出してほしい。

注)不肖私も長野県の学者村と言うところに、賃借権の別荘地を手当てしたが、いつまでたっても別荘が建てられずその後手放してしまった。

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 スペイン経済は観光と建設業でもっていたようなものだが、その住宅建設等に急ブレーキがかかり、とうとう直近で失業率は20%程度と、ヨーロッパ最悪の失業率になってしまった。
建設労働者が次々に失業しているからである。

 スペインの建築ブームは当初は外国人が主導していたのだが、不動産価格が1995年から2007年の間に約3倍程度上昇したため、スペイン人も舞い上がってしまった。
外国人に負けじと不動産を担保に金融機関から借入を図り、かつては堅実と言われていた性格がすっかりバブルってしまった。
1980年代の日本人と同じだと思えばイメージがわく。

 現在売れ残りの住宅が約150万件程度あり、これが新規建設に急ブレーキをかけており、回復までに5年~7年はかかると言われている。

 しかしリーマン・ブラザーズの倒産で世界中が大騒ぎになった08年9月の段階ではスペインはかなり冷静だった。
それはサンタンデールBBVAといたスペインのNO1,NO2の金融機関がサブプライムローンに汚染されていなかったからである。

注)スペイン中央銀行が市中銀行に危ない投融資(サブプライムローンがらみの証券化商品)をさせないように眼を光らせていた。

 日本では「蜂に刺された程度」と言う認識だったが、スペインでも同様で、反対にこれを好機として捉え、特にサンタンデールはイギリスの住宅金融会社やブラジルの市中銀行等を次々に傘下におさめ、一時は西欧の白馬の騎士だった。

注)日本の野村ホールディングスがリーマンのアジア・ヨーロッパ部門を買収したのと似ている。

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 しかしさすがのサンタンデールも息切れがしてきた。サブプライムローンこそ手を出さなかったものの、国内での不動産融資が次々に焦げだしたからである。
不良債権の割合が08年3月1.24%だったのが、09年3月には2.49%と倍増し、これからどの程度上昇するか分からなくなってきた。

 あわててサンタンデールは買収したばかりのブラジルの銀行の売却先を探さなくてはならなくなった。
遅れると資金繰りが逼迫して自らが倒産しかねないからだ。

 結局スペインは外国資本による建設ブームでもっていたのだが、それが去ってしまえば昔の観光だけで生きる静かな生活に戻らざる得ない。
今のスペインはバブルがはじけたあとの日本とそっくりだ。
家計や企業が目いっぱい不動産に投資したが、価格の急落で借金のほうが多くなってしまった。

 現在までに30%程度不動産価格が低下したが本格的な低下はこれからだ。スペインには長く厳しい冬が迫っており、イギリスとの間でブービーレースを演じているが、おそらくラストランナーは観光だけのスペインになるだろう。



 

 

 

 

 

 

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(21.11.13) 世界の問題児 イギリス経済

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 ここにきて世界の問題児イギリス経済であることが明らかになってきた。
09年第3四半期(7月~9月)のGDPの伸び率が、アメリカ、ドイツ、フランス、日本といった先進各国がプラスに転じ、バーナンキFRB議長が「最悪期は脱した」と宣言したのに、イギリス経済は相変わらず水面下にある。

 あまりにひどい現状に格付機関のフィッチが「AAA格付のなかで、リスクがもっとも高いのはイギリス国債」であり、「財政の調整が進まなければ、格付の引き下げを検討する」と言ったものだから、イギリス経済に対する信任が大幅に低下し始めた。

 実際イギリス経済6四半期に渡ってマイナス成長を続けており、イギリスはスペイン、アイルランド、ギリシャ、ラトビアと一緒になって、一周遅れのランナーになっている。

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 イギリス経済は金融業、不動産業、北海原油で成り立っているようなものだが、金融業については金融機関を史上最大規模で支えているのに改善の兆しはまったく見えない。

注)イギリス政府は金融機関に対し約200兆円の支援を行っており、この金額はイギリスのGDPにほぼ匹敵している。
具体的には以下の通り

① 資本投入         約7.5兆円
② 債務保証         約88兆円
③ 今後の債務保証     約37兆円
④ CP等の購入       約20兆円等
 

 また不動産業は住宅価格がいつまで低下するのか分からないような状況で、北海原油も枯渇し始めた。

 イギリス経済をこれほどまでに苦しめている原因は、皮肉なことにサブプライムローン問題が発生するまで、イギリス経済に我が世の春をもたらしてきた金融業にある。

 世界に先駆けてビックバンという金融革命を成し遂げ、シティは世界でもっとも自由で世界最大の市場に生まれ変わった。
しかも主としてオイルマネーを導入するために、イギリスの指標金利は常にECB(欧州中央銀行)の指標金利より高めに設定されていた。
そのため「高金利で、安全で、自由に換金できるイギリス国債」の人気は高かったものだ。

 イギリスには資金が流れ込み、有り余った資金が不動産市場を加熱させ、2000年~2007年の間に不動産価格が約3倍に値上がりした(アメリカは約2倍)。
金融機関はすっかり舞い上がってしまい、自己資本に対する融資や証券化商品の残高は約8倍と、完全なレバレッジ経営になってしまったアメリカは約4倍)。

山高ければ谷深し」のたとえどおり、アメリカ以上にバブルったイギリス経済は低迷している。
日本やドイツが中国等の新興国への輸出増によってようやく最悪期を脱していても、イギリスは常に貿易収支が赤字で輸出増による回復もできない。

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金融機関は含み損を抱え、政府の支援でかろうじて生きてるだけだ。住宅価格はどこまで下がるかわからない。これじゃ回復のめどが立たないじゃないか・・・・・・」でるのはため息だけだ。

 果たしてイギリス経済は今後どうなるのだろうか。
現状はかつての日本の失われた10年にそっくりで、赤字国債を増発して史上最大規模の財政出動をしても、経済は一行に上向かない。

注)09年度のGDPに対する財政赤字は約14%。08年まではEUの財政規律の約3%を維持していた。

 日本には貿易黒字という脱出手段があったが、イギリスにはよれよれの金融と不動産、それに枯渇しつつある北海原油しかない。
もはや自力で復活する条件はなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

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(21.11.12) NHK アインシュタインの眼 長距離ランナーの極意

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(ケニアのモグス選手の理想的な走り

 小学生のマラソンの指導を先週から始めている。ここおゆみ野では2月に四季の道の駅伝大会があり、そのための指導をおゆみ野南小の知り合いのお母さんから頼まれた。

 小学校にはわくわくキャンパスという取り組みがあり、毎週木曜日の3時から4時半まで地区の大人が小学生の指導をし、地区との交わりを深くする行事らしい。
そんな訳で、山崎さんお願いします」と言われた。

 今は約30名の小学生を相手にマラソン教室を開いているのだが、よく考えてみたら私は本格的なマラソンランナーとしてのトレーニングを受けたことがない。
もっぱら市民ランナーとして好きで走ってきただけだ。

 マラソン暦は30年になるベテランで、国内の主要な競技(ただし市民ランナー向け)にでているから、確かに経験豊かなのだが、もっぱら自分のために走ってきたので、指導法を知っているわけでない。

 それが急に指導者になってしまったので、少しは理論的な面の研鑽が必要なことを痛感した。
そう思っていたらNHKのアインシュタインの眼で「長距離ランナーの極意」と言う番組を放送していたのでさっそく見てみた。

 放送では山梨学院大学のエース、中川選手がモデルになって走っていたが、ポイントは以下の通りだ。

① 上下動を抑える(飛び跳ねるような走り出なく、頭の位置を一定に保つ
② 左右に身体を揺らさない(
まっすぐに身体を保ってゆれない
③ 頭、腰の着地点を一致させる
腰を折ったような走りをしない

211110_014_3(左が中川選手、右は素人ランナー、素人ランナーは飛び跳ねるような走りで、かつ身体が一直線になっていない

 こうしたことは頭では分かるのだが、実際に理想的な走りをするのは難しい。私の場合はやや腰が落ちてくの字型になり、特に右に揺れる癖がある。

 中川選手のほかにケニア出身のモグス選手の走りをハイスピードカメラで捕らえていたが、ケニヤの選手は短距離選手のような足を高く上げる走りをしていた。
この走りをするためには大腰筋という足を引っ張りあげる筋肉を発達させることが必要だが、日本選手にはこの筋肉が弱い人が多いそうだ。

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(有森選手のかかと走法の走り

 またゲストに出ていた有森選手かかと着地の必要性を強調していた。重心の移動を、かかと→真ん中→指先と移していく走り方だが、アマチュアランナーのほとんどが足の裏全体で着地する、ばたばた走りになっていると言う。
私の場合も左足の重心移動がうまくいっていない。

 子供たちにこうした基本を教えるのはかなり事だが、やはり理論的な話もしてあげる必要があるので、次回は有森選手の走りの紹介をしてあげよう。
そのうちビデオカメラで撮影してフォームの研究も必要になってくるかもしれない。

 

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(21.11.11) Googleが世界を変える  書籍デジタル化計画

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 Google全米作家協会・全米出版社協会との間で争われていた「書籍デジタル化計画」の和解案が、ここに来て世界中の著作権者(作家協会と出版協会)を巻き込んだ大騒ぎに発展している。

注)「書籍デジタル化計画」とはGoogleとアメリカの主要大学図書館とが提携して、そこの図書をすべてデジタル化する計画。主要図書館にはアメリカの書物だけでなく、世界各国の書物もある。
実際はすでに700万部の書物のデジタル化がされている。

 なぜアメリカで行われている裁判の和解案が世界中の作家協会と出版協会を巻き込むようになったのかは、アメリカの裁判制度の集団訴訟という仕組みに原因がある。

 この集団訴訟はその判決や和解が関係者全員に効力が及ぶと言う訴訟で、日本の裁判のように訴訟当事者だけの問題にとどまらない。
アメリカで著作権を保持しているすべての国の著作権者が対象だから、なんと約180カ国の著作権者が対象になってしまった。

注)アメリカは世界約180カ国と著作権保護条約を結んでいる。

 しかもこの集団訴訟から抜けたい場合は、その旨アメリカの裁判所に申し出なければならないので、アメリカの法律事情などさっぱり分からない各国の著作権者は頭を抱えてしまった。
一体なぜ俺が裁判の当事者なんだ。裁判から降りるための申請書なんてどう書いたらいいのか分からないし、アメリカの法律手続きなど何も分からないじゃないか・・・・

 実際の和解案の内容はGoogleと著作権者にとって痛み分けといっていいような内容で、双方にメリットもデメリットもある。

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 和解案は以下のようなものになっていた。

① 著作権保護のため非営利機関「版権登録機構」を設立する(作家と出版社が設立し、その費用はGoogleが出す)。
② 無断でデジタル化した書籍などの著作権者に対しGoogleは補償金を支払う。
③ 絶版などで米国内で流通していないと判断された書籍をデジタル化し、そのアクセス権と広告掲載権をGoogleに認める。
④ デジタル化した書籍の販売価格は著作権者が決め、収入の63%をGoogleは著作権者に支払う。
⑤ アメリカ国内でのみの営業になる。

は「絶版で流通していないかどうかの判断」をGoogleでなく作家と出版社の「版権登録機構」に判断させると言う意味であり、
は無断でコピーをして著作権法に違反したことにの賠償金支払いである。

 ここまではGoogleの妥協と言えるが、次の内容がGoogleが狙っている世界的規模のデジタル化計画の中身である。

絶版本は今後はGoogleが版元になると言うことであり、世界的規模のデジタル本屋が出現する。
はそこから得た収益は、著作権者に63%の割合で支払うと言うものである。

 この和解案連邦裁判所が承認しないと効力が発行しない。
当初はこの夏にも認可が下りる予定だったが、ここに来てドイツやフランス政府からこの和解案に対し反対の意思表示がされたため、いまだに承認はされていない。

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 さてこうしたGoogleの「書籍デジタル化計画」をどのように評価したらよいのだろうか。
Googleから言わせれば、「絶版の書物をGoogleが再版して販売するのだから、著作権者にとっては願ってもない機会になり、うずもれた書物が再び世に出ることになるメリットは大きい」と言う。

 実際に出版界では価値があっても売れない書物はすぐに絶版になってしまい本屋の棚から消えるので、確かに著者にとっては願ってもない僥倖といえる。
もっともこうして売れなかった書籍がGoogleで売れ出すと元の出版社は再版本を出そうとするから、話はかなりややこしい。

注)世界には著作権者が不明の書物も多い。この場合は100%、Googleが版権を確保することになる。

 またフランスやドイツが反対するのは、自国の著作が勝手にアメリカで絶版本と判断され、その版権がGoogleのものになってしまうことへの危機感からでている。
わが国の書籍や著作権に勝手に手を触れるな」と言うことだが、アメリカの集団訴訟と言う裁判方式から、アメリカは勝手に手を触れざる得ない。

 この問題の本質は「世界のすべての絶版本をGoogleが版権を確保する」という問題で、世界最大のデジタル本屋がアメリカに出現することになる。
今はアメリカ国内だけでこの事業をするということになっているが、軌道に乗れば世界各国に展開するのは、以前もめたGoogleニュースの場合と同じだ。

注)Googleニュースは当初アメリカで始まり、日本に展開する時は大手新聞社がこぞって反対した。しかし今ではGoogleニュースにほとんどすべての新聞社がニュースを提供している。

 果たして絶版本の版権Googleだけに許していいのだろうか。私のようにGoogleに対し好意的な者は「他に絶版本を再版するところがないんならGoogleにしてもらってもいいじゃないか」と考えるが、ことは自国の文化をどのようにして保存していくかの問題なので一筋縄ではいきそうもない。

 当然、アメリカ以外の各国の著作権者は大反対だ。
アメリカの連邦裁判所の判断が待たれるところである。

 

 

 

 

 

 

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(21.11.10) 国内排出量取引制度が始まる 鳩山政権は本気だ

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 鳩山政権「20年度までに温室効果ガスを90年対比25%削減する」と世界に公約したが、その一環として国内排出量取引制度11年度までに導入すべく、法整備に乗り出すことになった。

 今までも国内排出量取引制度は一応あったのだが、企業の自主参加で、かつ排出量の上限も自主申告だったから、実際は何もしていなかったのと同じだった。
自民党政権は単にやっているそぶりだけのために排出量取引の真似事をしていたが、鳩山政権は本気で取り組むらしい

 経済界は今までは反対一色だったが、ここに来て反対派と賛成派に分かれてきた。
鉄鋼や電力といった石油や石炭等の燃料をがぶ飲みしている業界は、相変わらず大反対だが、電気や自動車といった業界は賛成に回った。
太陽光発電電気自動車を次世代産業に育てる絶好の機会だからだ。

 今回の国内排出量取引制度は、国内の主要な企業や事業所に強制的に参加させ、かつ排出量の上限は政府が強制的に割り当てるというのだから、今までとは様変わりだ。
そして、排出量の削減が未達に終わった企業は、目標を達成した企業から排出権という権利を購入して穴埋めをするか、政府にペナルティーを払わなくてはならない。
すでにヨーロッパではこの制度が導入されており、排出権の市場規模は4兆円を超えているという。

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 この制度の最大のポイントは排出量の上限をどのようにして決めるかにかかっている。この上限がゆるければ企業はちょっとした努力で目標を達成できるので、未達成の企業がほとんど存在しないことになる。

 一見万々歳だが、実際は温室効果ガスの削減は国全体としてはほとんど削減されないので、これでは20年度までに25%削減する国際的な公約が守れない。

 一方排出量の上限を厳しく設定すると、ほとんどの企業が未達に終わってしまい、数少ない達成した企業から排出権を高価な金額で購入するか、政府にペナルティーを払うことになるから企業活動が阻害される。
排出権を購入したために赤字企業に転落しました」なんてことになる。

 この排出量の上限を設定する作業は、先行しているEUでも試行錯誤の連続で、07年には大甘な上限枠だったため、二酸化炭素のトン当たり排出権が1ユーロにまで下がってしまった。

 ここまで下がると企業にとっては、二酸化炭素を垂れ流して排出権を購入するのがもっとも合理的な行動になってくる(通常排出権はトン当たり20ユーロ~30ユーロが適正な価格と思われている)。

 通常上限枠を設定するには、 前年度の二酸化炭素排出実績をまず把握し、それに対し  20年度までに国際公約である25%削減が可能なように、国全体の削減目標を決める。
それを ③ 業界別に割り振り、さらに  企業別、事業所別に割り振っていくのが通常のパターンだ。
このように決めるのをキャップ&トレード方式という(政府が上限枠を決め、未達分は排出権のトレードで補う制度)。

 鳩山政権が本気で国内排出量取引制度を導入しようとしていることが分かったので、企業としては今後は以下のような条件闘争に転換するはずだ。

① 企業から排出される二酸化炭素は国全体の約40%相当だから、その割合で削減枠を決めてほしい(家庭や運輸や事業所の削減を企業に上乗せするな
② 昨年度の排出量実績だけでなく過去の取り組みも考慮してほしい(
過去削減に努力してきた業界とそうでない業界を同じレベルで割り当てるのは不公平だ
③ 業界の事情を考慮してほしい(
不況業種だから設備投資ができない。好況業種に割り振ってくれ)。
④ わが社は倒産寸前で、温暖化対策の設備投資をする金がない(
わが社が倒産したら国が面倒を見てくれるのか

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 こうした話があちこちから出て、最終的な調整結果は大甘になることがおおい。しかしそれでは国際公約はまったく守れなくなって、最終的には政府が代表してペナルティーを払うことになり、国際的な枠組みの中で排出権を購入することになる。

 私の予想は、国内排出量取引制度を導入しても、国内だけの努力ではとても25%削減を達成することが不可能で、前回のCOP3と同様に金で解決するのではないかと思っている。

注1) COP3の京都議定書では12年度までに90年対比6%削減を約束したが、現状で16%程度増加してしまいとても削減できそうもないので、5000億円~1兆円の範囲で日本はペナルティーを払うことになる。

注2) 温暖化対策の経緯については、このブログのカテゴリー「評論 地球温暖化対策」を参照してください。 
 

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(21.11.9) Googleさん ありがとう

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 Googleさん、ありがとう。私ほどGoogleに感謝している人もいないのではないかと思う。それくらい私はGoogleのお世話になっている。
Googleのおかげで、記憶力に障害のある人も、自由にブログが書けるからだ。

 実は私には後天的に受けた記憶障害があり、特に長期の記憶が常におぼろげになってしまう。
記憶の限界はほぼ1週間で、それ以上経つと人の名前地名や、記憶のディティールが薄れて、すべてアバウトの世界になる。

 会社にいた頃検査官だったのだが、2週間から3週間ほど出張して帰ってくると、同僚の名前をほとんど忘れているのには難渋した。
仕方がないので、そっと名簿表を出して名前の再確認をしてそれから会話を始めなければならなかった。

 特に上司で役職で呼んでいる場合はまったく名前を忘れてしまい、「お宅の部長は誰でしたっけ」なんていわれると、大ピンチになったものだ。

 私が記憶障害になったのは幼児期の母親の教育にある。私の母親は極度に教育熱心で、しかもすぐに切れる性格だった。
小学校1年~2年生の頃、母親の前に正座させられ、国語と算数の予習、復習をさせられるのだが、少しでも間違うとピンタを食らうので緊張が高まってしまい、手から力が抜け鉛筆を握ることができなくなった。
注)ダグラス・グラマン事件の国会の証人喚問で日商岩井の副社長がサインができない場面があったがそれである。

 鉛筆をすぐ落とすので再びピンタをくらい、「なぜ、鉛筆を持たないの」と叱責を受けた。
鉛筆がもてない」と泣き声で訴えたが、再びピンタをくらって、「お前は勉強がいやだから、そうして逃げる」と言われ、手足を縛られて押入れに閉じ込められたものだ。

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 それが毎回のパターンだったのだが、極度の精神的緊張が続くと頭が壊れてしまうらしい。
おばあちゃんが見かねて「そんなに子供をしかると馬鹿になるよ」と仲裁してくれたが、仲裁が入ると母親はさらに興奮して私を殴りつけたものだ。

 勉強と言っても小学校の1~2年生のレベルだから、記憶力だけを使ったものだったが、その記憶力を司る海馬のどこかに精神的傷が残ったらしい。
その後、私は物を覚えることが極度に苦手になった。

 人の名前を忘れてしまうので、鬼ごっこなんかは最悪で、「○○ちゃん、見つけた」と言うことができない。私は小学校の5年までいじめられっ子だったが、この記憶障害のせいだったと思っている。

 また漢字などは、小学校6年生の時にようやく1年生レベルの漢字を覚えていた位で、学校の教科書はまったく読めず、ひらがなばかりが教科書にふられていた。

 さすがに中学生になれば自分の弱点が分かってきたので、普通の人の数倍の努力でこの記憶障害をカバーするようにしてきたが、いまだに漢字を間違えてしまうのはそのせいである。

 しかし、本当にうれしいことに昨今は記憶力をそれほど求められない社会に変わってきた。インターネットGoogleさえあれば知りたい情報はたちどころに集まるし、うる覚えの内容を確認することもわけもない。

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 私は記憶(メモリー)に障害があるが、判断力や分析力(CPU)はまったく正常なので、データさえ集まればたちどころに評論や論文が書ける。
記憶が悪いと言っても長期記憶が問題なので、さすがに1週間程度は覚えているから、ブログを書くのには支障がない。

注)会社員だったころ、ある会社の分析ですばらしいものがあった。いったい誰が書いたのだろうと思って名前を見たら、自分だったので驚いてしまった。私は自分が書いたものも忘れてしまう。

 ブログを見た人から「山崎さんは物知りですね」と言われることが有るが、実情は以上の通りで、まったく物知りではない。
すべてはGoogleのおかげである。

 私がこうした本来ならば隠しておきたいことを公開するのは、私のような幼児期に虐待を受けてそれが精神的な傷になっている人がいたり、あるいは子供をどうしても虐待することをやめられない人がいるからである。

 私はこのブログのカテゴリーシナリオ ぼくが生きたとき」(リンクが張ってあります)で幼児期の経験を公開しているが、上記のようなトラウマに悩まされてたり、虐待をやめられない人には、是非読むことを薦めたいからだ。
特に虐待を受けてきた人とっては「同じような経験を持つものがいて、それでも63歳まで生きてこれた人がいる」のだから、きっとその人が生きるのに役立つと思っている。

重要な注意:それ以外の人が読むことは薦められない。内容が暗いのと、また通常の人にはありえない経験だからだ

 

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(21.11.8) 光回線に変えようか その2

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   なんとも気重な気持ちになってきた。自分自身が何をしているのか良く分からないのだ。
先日ソフトバンク光回線の申し込みをしたら、昨日(4日)、Yahoo! BB 光 with フレッツ用のユニットが送られてきた。

 梱包をあけて見て驚いた。これは確かにYahoo! BB 光 with フレッツ用のユニットなのだが、内容を見ると私の申し込みが光ネクスト光プレミアムかを聞いてきている。それによって設定方法が違うのだと言う。
さて、ネクストとかプレミアムとかはまったく記憶にないな・・・・・私の申し込みは一体なんだったんだろう???」

 申し込みの時にその内容をアウトプットした覚えがあるので、探したがどこを探しても見つからない。どうやら申し込みをすればその内容で機器が送られてくると思っていたので、申込書を捨ててしまったらしい(すてたかどうか記憶にない)。

まずいな、何とか自分の申し込み内容を確認したいものだ」頭を抱えた。
ソフトバンクの画面をあけて、自分の申し込み内容を確認したかったのだが、いくら操作しても出るのは現状のADSL8Mの契約内容だけだ。

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 光BBユニット接続ガイドには申し込み内容によって8パターンに分かれており、今のところ自分の当てはまる接続方法を確定できないでいる。
これは完全にまずいぞ
また前のINS64や、ADSL8Mに変えた時の悪夢がよみがえってきた。
あの時も、設定が完了するのに1週間かかった

 私は何か設定環境を変えると1週間程度、あれやこれやでうまくいかず悩むのだ。
こうしたことは業者に頼めば一定の費用(1万円弱)で設定してくれるのだが、私は今も昔も自分ですることにしている。

 費用がかかることがいやだという気持ちもあるが、それ以上にシステム経験25年のベテランということになっているのでプライドが許さない。
情報処理資格試験の合格証をいくつも持ち、NTTコミュニケーションズのインターネットの合格証も持っている。

 形式要件からみたらまったく申し分のないSEなのだが、実際に作業を始めると、実はからっきしいくじがない。
娘からは「お父さんは手よりも頭のほうが働くのね」といわれるし、息子からは「情報処理の資格なんて何の意味もないんだなあ」と完全に馬鹿にされている。

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 だから「この程度の設定ができないようでは、沽券にかかわる」と意地でもやり遂げようとするので、どうしても一週間程度あれこれと悩んでしまうのだ。
この気持ちの重たさはなんとも言いようない。また胃酸がグチュグチュでて病気になりそうだ。

 もう少ししたら、NTTから光回線に変える工事日を指定してくる。
光に変えるなんて言わなければよかった・・・・・・・」気持ちがナイーブになってきた。

 しかも今はブログを毎日書いている身だ。一週間もシステムが動かなくなったらブログも休まなければならない。
この際沽券は捨てて、業者に頼もうか」悩みが尽きないのだ。

注)悩んでいたら、今日(6日)ソフトバンクから契約の確認証が送られてきた。これを見てもYahoo! BB 光 with フレッツの契約をしているだけで、ネクストとかプレミアムとかは何も書かれていない
「やっぱ、よく分からん」
という状況だ。

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(21.11.7) 反米主義者岡田外相を交渉相手からはずせ  アメリカの戦略

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 アメリカは岡田外相反米主義者と位置づけ、交渉相手から除外する作戦をとり始めた。
オバマ大統領が来日する12,13日前に岡田外相はなんとか渡米しクリントン国務長官とさしで普天間基地移設先を嘉手納基地へ統合する案を飲ませようとしたが、当然ながらアメリカは乗ってこなかった。

注)国会日程の関係で渡米ができなかったという説明がされているが、取りやめの理由をスケジュールにするのは失敗した時の常套手段だ。

 毎日新聞によれば、岡田外相の嘉手納基地への統合案の明細は、10月5日(今から1ヶ月以上も前の段階で信じられないことに嘉手納町の宮城町長からすっぱ抜かれている(宮城町長は国民新党の下路氏からその内容を聞いたそうだ)。
宮城町長はこの内容を嘉手納基地のウィルズバック司令官に見せ、共同で岡田外相の嘉手納統合案をつぶそうと持ちかけた。

 その時示された岡田外相の案は以下の通りだそうだ。
① 15年の使用期限を付け、普天間基地を嘉手納基地に統合する。その後はグアム、米国本国に移転させる。
② 嘉手納のF15、28機を他基地に移し、他基地からの外来機の訓練を禁ずる。
③ 嘉手納より南の基地の返還を図る。


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 岡田外相クリントン国務長官と会談する前に、すべて手の内が明らかになってしまったのだから、これでは交渉にもならない。
岡田外相は「交渉は秘密裏に行い、成果だけ発表する」という外交の基本を知らないようだ。

 一方、アメリカとしては普天間基地キャンプ・シュワブへの移設でさえ、すったもんだの挙句に日米両政府で合意にこぎつけたのが06年なのだから、また一から交渉をするつもりなどまったくない。
ゲーツ国防長官の言うように「日米合意は政府間の約束であって、政党間の約束ではない」からだ。

 実際首相や外相が変わるたびに今までの条約や合意を反故にしてしまっては国際関係は成り立たないから、これはゲーツ国防長官のいうことの方が正しい。

 アメリカが岡田外相反米主義者として危険視しているのには訳がある。
鳩山首相の「東アジア共同体構想」にはアメリカが入っていないことは明白だが、鳩山首相はそのことを明確には述べてはいない。

 一方岡田外相10月7日日本外国特派員協会の講演で、「日本、中国、韓国、アセアン、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で考えたい」と明確にアメリカ抜きであることを明言した。

注)通常東アジアと言えば日本、中国、韓国、北朝鮮、(台湾、フィリッピン)の範囲で、アセアンは東南アジア、インドは南アジア、オーストラリアとニュージーランドはオセアニアと言うはずだ。

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 もう一つの懸念材料は岡田外相が、「日米密約を公開する」と言っていることで、藪中外務次官に11月末までに報告せよと命じた。
米軍の核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認する日米密約があるはずだ」と岡田外相は外務省に迫っているが、これは日米安保のアキレス腱ともいえるタブーだ。
藪中次官としては対応が極度に難しいだろう。
岡田外相をたてればアメリカがたたず、アメリカをたてれば岡田外相がたたない。
外交と言うものを理解してくれ藪中次官としては叫びたい境地に違いない。

 実際問題として、アメリカ艦船が日本に寄港するときに核をはずすことは実務的にも煩雑だし、第一寄港時に戦争が起これば反撃もできなくなるのだから、核を搭載していることは当然だ。
この問題を自民党政府は大人の判断で黙認してきたのだが、岡田外相はそれを白日の下に照らすという。

鳩山政権が反米的だとは思っていたが、特に岡田外相がもっとも反米的だ」アメリカは鳩山政権とは普天間基地問題を交渉せず、特に岡田外相とは交渉しないことに決めたようだ。

 アメリカ政府としてはより親米的な政権ができるか、鳩山政権が大きく舵をきって現実的な政権になるまでは日米関係を凍結することにしたらしい。
したがって今回のオバマ大統領の来日は表敬訪問の範囲を出ることはないだろう。

注)普天間基地の問題は凍結して、経済問題と地球温暖化対策のみ話し合われるだろう。

 今後発生が予想されることは鳩山政権閣僚のスキャンダルである。
鳩山首相献金偽装問題はかなり前から出ていたが、今回は7200万円の所得を税務申告していないことが分かった。
一方岡田外相は身奇麗な人だが、誰でもたたけば埃がでる。

 いずれ次々にスキャンダルが発生して、そのことの対応に鳩山政権が追われる日が近そうだ。
「アメリカを敵に回すと怖いぞ」という訳だが、当然のこととしてアメリカが表立ってそう述べることはありえない。

注)日本の長期政権はいづれも親米で、中曽根政権はアメリカの不沈空母になると明言していたし、小泉政権はアメリカンスタンダードを世界標準だと偽って日本に導入するほど親米だった。一方憲法改正を公約し、日本の完全独立を目指した安倍政権は閣僚のスキャンダルに見舞われ、短期政権で終わっている。

 

 

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(21.11.6) モンブラン山岳マラソン NHK ワンダー・ワンダー

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 NHKが放送したワンダー・ワンダーと言う番組を見て、世の中には実に魅力的なマラソン競技があるものだと思ってしまった。モンブラン山群のトレイルコースで、フランス・イタリア・スイスを駆け抜け、再びフランスのシャモニーに戻ってくるレースで、正式名をウルトラトレイル・デュ・モンブランという。

 走行距離は166km制限時間は46時間2500m級の峠を7回も越え、登る距離は富士山の2.5倍だというから、2日間かけて富士登山競争2.5回するようなものだ。
毎年8月の末に開催されて、今回で7回目になる大会だそうだ。

 この競技に参加した選手数は世界各国から2300人というから、日本で行われるウルトラマラソンの参加数とほぼ同じ位だ。
最高年齢は70歳シュバイツアーさんという方だったが、みごと227位でゴールしていた。

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 日本からは山岳レースのエース鏑木毅かぶらぎ つよし)さんが参加していた。鏑木さんは前回の第6回レースで4位に入賞していたが、今回はさらに上位入賞を狙っての参加だった。
結果的には3位で、22時間44分で走りきっていた。
上位選手は一日以内で走りきってしまうが、ほとんどの選手は2日間を目いっぱい使って完走を狙っている。

 私もこの種の競技には何回か出たことがあるが、日本の山岳レースとしては東京の五日市で行われている日本山岳耐久レースが有名で、この競技は約73kmの奥多摩の山を24時間で走りきるものだ。
それに比較してもモンブラン山岳マラソン2倍以上の距離があり、また2500m級の峠を7回越えなければならないのだから、高低差は半端ではない。

日本山岳耐久レースを2倍以上きつくしたレースか!!いや、高低差を考えれば3倍というところかな・・・・・・

 また約2日かけて行うレースとしては、日本では萩往還250km川の道270kmがあるが、こちらは山を1回越えればいいのだから身体に対するダメージはとても想像できない。

 鏑木さんも「足が石膏になる」といっていたが、きっとそうだろう。
完走した最高齢のシュバイツアーさんは「私たち人間は精神があるから完走できるのです。動物だったらきっと止めてしまうでしょう」といっていたが、確かにこの競技は「精神力」で走っているようなものだ。

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 このような2日間かけて行う競技でもっとも重要なことは絶対に寝ないことで、寝ないで身体を動かし続けていれば必ずゴールができる。
完走するには平均時速は4.6kmでいいのだから歩きを少し早くした程度だ。

 だから平地と下りをかけて、登りを歩いていても大丈夫なのだが、実際は食事をしたり、マッサージをしたり、道を間違えたり、あるいは睡眠をとったりすると瞬く間に時間がなくなってしまう。
このモンブラン山岳マラソンの完走率は60%だというから4割の人がリタイアしている訳だ。

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 しかしこの番組で放送してた、峠から見たモンブラン山群の美しさはたとえようもなかった。
私もこうした景色を走りながら眺めたいものだ」つくずくそう思った。

 私は十分年をとり、ウルトラマラソンはもう引退することにしていたのだが、消えかかっていた情熱に火がつきそうだ。
人生の最後の記念にモンブランの周りを走ってみようか・・・・・
かみさんは許してくれそうもないが、来年を目指してトレーニングをそっとはじめることにした。

 

 

 

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(21.11.5) 雪の米沢街道 雪中行軍75km

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(米沢街道1日目、ようやくランナーがゴールに到着したところ。御園生さんが出迎えている

 今回の御園生(みそのう)さんのジャーニーラン、米沢街道75km雪中行軍になってしまった。
なにしろ11月初旬としては珍しいくらいの冬型の天気になってしまい、ここ福島から山形にかけての県境の山は大荒れの雪景色になってしまった。

注)今回のジャーニーランは米沢街道・二本松街道を4日で走るRUNでしたが、私は後半の米沢街道(11月2日、3日)に参加しました。

 通常ならばこうした場合、レースは取り止めになるのだが、御園生さんのジャーニーランは取り止めになることがない。
参加条件として「自己責任」が歌われており、出るも止めるも自己責任だから、当然行き倒れても自己責任になる。

 今回の参加人数は17名で、他に御園生さんを含めたサポート隊が3名の20名で行われた。この種の競技に参加するランナーはほとんどがベテランで、過去に何回も厳しい天候のもとで競技をした経験があるので、少々の天候不順では驚かない。

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米沢街道2日目、桧原峠越えが始まった) 

 私も昔、やはり御園生さんのトランスエゾというジャーニーランを、台風の中で走ったことがある。雨脚が極度に強く目の前がまったく見えないほどだった。
その時は知らなかったが、私たちが渡った橋がその後土石流でうずまって交通遮断になっていた。

 雪の中を走った経験は、富士五湖100kmに参加した時にある。このレースは4月に開催されているのだが、前日ひどい雪になってしまい競技ははじまったものの途中で警察からストップがかかり、50km程度の所で取り止めになった。

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前を行くWさんの力走

 しかし御園生さんの競技は何があっても中止になることがないので、「今日は八甲田山の雪中行軍か」と覚悟を決めた。

 私は前日(2日)の会津若松市から北塩原村までの約45kmはすっかりコースを外れてしまい、桧原湖ひばらこ)の北側に出なければならないのに、南側に出て約10kあまり余計に走らなければならなかった。
イヤー、桧原湖は意外に大きいんだ」呆れたり、感心したりして走ったものだ。

 この日(2日)の午後から天候が崩れ、最初は雨模様だったのだがだんだんとみぞれになり、2時ごろから雪になってしまった。それもかなりの大雪だ。この日のゴールの民宿にたどり着いた時は全身寒さで固まってしまっていた。

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不肖 私。これがマラソンなのだから笑ってしまう

 翌日(3日)も雪が降り止まなかったが、いつものように雪中行軍が開始された。
宿泊した民宿、えんどうのご主人はとても親切な方だったが、ありがたいことにビニール袋を用意してくれた。
これで足を包んで、それからランニングシューズを履くと、雪で濡れないので寒さをしのげる。
ランニングシューズは登山靴と異なり、上部はメッシュでできているので、こうしないと最悪の場合は凍傷になってしまう。

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桧原峠越え

 私は若いWさんと二人で果敢に飛び出したのだが、村では15cm位の積雪が桧原峠(ひばらとうげに入るとだんだん深くなり、平均で30cm、雪だまりでは40cm位の深さがあり、難渋する。
Wさんは長身で足が長いためあまりこの雪を苦にしている様子はなかったが、私は短足なので目いっぱい足を上げなくては前に進めない。
うぅーん、サラブレッドとロバの戦いのようなものだ

 しかも小川にかかっている丸木橋を渡っているときに、私はもんどりうって小川に落っこちてしまった。深さは15cmから20cmだから命には別条ないが、雪解け水だらか凍え上がる。
チメテー、ケツが凍りそうだ」悲鳴を上げた。

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ここの丸木橋を渡っているときに私は小川に落ちた

 それからは止まると震えがくるので止まることもできず身体を動かし続けなければならない。
「そうか、八甲田山で遭難した青森第5連隊の将兵はこうして遭難したんだ」歴史を追体験してしまった。

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ようやく山を降りたところ

 米沢市に到着し、米沢市の博物館のトイレで着替えをした時はしんそこほっとしたが、この日も雪が降ったり止んだりの雪国の天候で、着替えをしても寒さから回復できない。

 私のつもりでは米沢城を見るつもりだったが、城はなく上杉神社になっていた。
そうか、米沢城はもうないのか」少しがっかりした。
寒さのため、観光をする気にもならず、すぐさま帰宅をしてしまった。

 しかし、まあ、御園生さんのジャーニーランは相変わらずタフだ。

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(21.11.4) 花牟礼祐一さんの葦ペン水彩画展

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 花牟礼(はなむれ)祐一さんの葦ペン水彩画展が、土気の梟(ふくろう)画廊で開催されている。
花牟礼さんはサラリーマンだから普段の日は画廊に出てこれないが、休日は画廊に出ていると思って、今日(31日の土曜日)かみさんと見学に行った。

 梟画廊あすみが丘の住宅街の一角にあるほとんど民家のような建物で、看板がないとそこが画廊だと言うことがわからない。
また画廊と言っても喫茶店と兼ねていて、コーヒーやピザを食べることもできる。

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 11時ごろ行ったのだが、私たち以外に見学者はいなかった。どうやら土曜日の午前中は人が少ないらしく、梟画廊の奥さんが相手をしてくれた。
この画廊に花牟礼さんの水彩画およそ60点近く展示されており、それとは別に花牟礼さんの全作品がファイルされていた。

 原画はインターネットで見るときよりも大きく、A4判ぐらいの大きさだった。
あれ、原画はかなり大きいんだ」意外な感じがした。

 花牟礼さんの水彩画は通常の水彩画とは異なり、水彩ストーリーといい、絵と文章と物語が一体化された独自の形式を持っている。
イメージ的には紙芝居に一番近いので、花牟礼さん自身も「電子紙芝居」と言う表現を使っているが、内容は重厚で見ごたえがある。

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 私は花牟礼さんの作品の中で、「逆井(さかさい)の鐘」が一番すきなのだが、その作品も多く出品されていた。「逆井(さかさい)の鐘」は戦国時代、関東の覇権を争った北条氏古河公方(こがくぼの戦いを、古河公方側の武将、逆井城主逆井常繁を通して描いたとてもユニークな作品だ。

 何より戦闘場面の緻密な描き方にはびっくりするが、花牟礼さんの時代考証は確かで、当時の状況がビジュアルに分かる。

 1時ごろになって花牟礼さんも画廊に現れたのでしばらく談笑したが、見学客も来はじめたので帰宅することにした。
この展示会は3回目だそうだが、このようなユニークな水彩画はあまりないので、時間がある方には是非見学を薦めたい。

第3回水彩画展の日程は10月27日から11月8日までで、詳しい情報は以下のURLをクリックすると見ることができます。
http://8760.y.mepage.jp/index.html

 

 

 

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(21.11.3) NHK特集 自動車革命 スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち

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 最近見た番組の中で特筆に値するほど衝撃的な番組だった。
電気自動車への革命が信じられないスピードで進められており、しかもその主要なプレーヤーが中国やインドのような農村地帯から起こった小企業と、もう一方はアメリカのシリコンバレーのベンチャーIT企業だと言う。

 このような小規模の自動車メーカーをスモール・ハンドレッドと呼ぶこともはじめて知った。言葉自体は「小さな100社」だが、100には意味がなく「多くの小企業」と言う意味らしい。

あれ、電気自動車の開発を進めているのは大手の自動車メーカーじゃなかったのかしら
私の常識は日産の電気自動車やトヨタのハイブリッド車だから、中国の電気自動車にはびっくりしてしまった。

001  番組では中国の山東省にある小企業が、時速40kmの電気自動車を13万円で作っており、農村部に浸透していると言う。
これはバイク並みの値段じゃないか!!!!」
もっとも中国政府はこれを自動車とは認めず、運転免許もナンバープレートもないのだが、外形や中身は自動車そのもので、どうやら中国政府も黙認のうえで、この電気自動車産業を後押ししているようだ。

 もう一つの例は山東宝雅というもう少し規模の大きな中小企業だったが、電気自動車の試作車をミラノの自動車ショーに出展する模様を放送していた。
できた試作車はお世辞にも美しいボディラインとはいえないが、そこの社長の言葉がすごかった。
世界中の貧しい人が、この電気自動車のターゲットです
貧乏人相手の自動車産業が電気自動車だという。

006  なぜ、中国の農村工業のような小さな会社で電気自動車ができるかと言うとガソリン自動車に比較して構造が簡単で、部品もガソリン自動車の10分の1程度なのだそうだ。
モーターに車輪をつければ自動車になる」という。
しかもガソリンと違って発熱がないので、ボディに鋼鉄を使用する必要がなく、軽いプラスチックで済むという。

008  一方日本では日産自動車が社運をかけて電気自動車(EV)の開発に取り組んでいる。かつては技術の日産と言われ、トヨタと覇権を争っていたが今ではすっかりトヨタに水をあけられ、ルノーに身売りをしてしまった。
この日産が21世紀は電気自動車の時代と位置づけ社運をEVにかけた。
番組では、ゴーンSEOが東奔西走してEVの売込みをしている場面が写されていた。

 しかしここでもライバルは中国の企業で、上海モーターショーに従業員数13万人のBYDという会社から展示されたEVは走行距離が300kmだという。
日産のEV150kmの走行距離しかないため、担当の副社長が衝撃を受け、実際にBYD社に乗り込み試乗をさせてもらっていた。

 試乗の結果では、BYDの車はバッテリーを目いっぱい積み込んで、2トンの重さになっており、重戦車並だが、乗り心地は悪くないと言う。
将来は手ごわい競争相手になる可能性があると、番組が指摘していた。

019  一方アメリカではオバマ大統領グリーン・ニューディール政策をかかげ、約1兆円の規模で電気自動車を後押しするのだと言う。
この計画の実質的なプランナーはGoogleで、Googleの提唱するスマート・グリッドがこの戦略の柱になっていた。

 スマート・グリッドといわれても何のことか分からないが、電気自動車のバッテリーを発電所に代えてしまって、家庭用電力はこの自動車のバッテリーから供給し、それをIT産業のGoogleが電気の供給管理をするのだと言う。

 ホワイトハウスの担当者が「アメリカがこの方式で世界標準を確立する」と言っていたのが、いかにも戦略の国アメリカらしいし、Googleが乗り出しているのだから成功する確率も高い。

013  私自身は普段自動車に乗ることがほとんどなく、我が家の自動車も処分している。
だからこの電気自動車の問題も切迫感がなく、「所詮は自動車にすぎないだろう」と思っていたが、21世紀の産業革命だといわれるほどの衝撃があることを、この番組ではじめて知った。

 日本ではいまだに「EVかハイブレッドか」という程度の感度だが、世界では「スモールハンドレッドと既存の自動車産業の戦い」であり、「IT産業と自動車産業の戦い」であり、「電力業界とスマート・グリットの戦い」であることを認識した。

 そして電気自動車の時代は意外に早くやってきそうで、私が生きている間に世界中の車が電気自動車に変わってしまいそうな情勢には驚きを禁じえなかった。

そうか、石油文明の一つが、今こうして消え去ろうとしているんだ!!!」

 

 

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(21.11.2) 高級ブランド店の撤退と、文化度の向上

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 経済危機が思わぬところに反映してきた。海外の高級ファッションブランド店が日本から相次いで撤退しているのだという。
私のように着るものといえばスポーツ用ジャージかユニクロだけの生活をしているものにとっては、まったく関係ない話ではあるが、経済動向としては興味がある。

 最近の高級ブランド店の撤退の状況は以下のようだそうだ。
① ヴェルサーチ 4店舗閉店して日本から撤退
② ルイ・ビィトン 銀座への出店中止
③ シャネル 九州の店舗を閉店
④ ポロ ラルフローレン 東京、銀座の2店舗閉鎖
⑤ ダンヒル 表参道店を閉鎖

 私のように名前は聞いたことはあるが、何を売っているのかさっぱり知らないものにとっては、「だからどうなの」という世界だが、高級ブランド店の国内市場は約1兆円で、ここ2ヵ年は毎年10%程度の落ち込みだという。

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 顧客層はしばらく前までは金持ちの日本人が対象だったが、昨今は中国人観光客がお得意様に変わってきた。
中国では偽ブランドばかりで、本物を求めるならば日本で買い物をするのが一番だと中国人のあいだではいわれている。

 かつて日本の観光客がパリの高級ブティクで買い物競争をしていたが、それと同様なことを、中国のお金持ちが日本でしていることになる。

 ところが、昨今の中国の経済成長が著しく、場所によっては高級ブランドの直営店を中国に出すことが可能になってきたらしい。
日本人の顧客は高級品に見向きもしなくなったし、買い物客が中国人ばかりなら、中国で店を持ったほうが合理的だ

 かくして高級ブランド店は大挙して中国進出を始めた。
もっとも中国は偽者天国だから、ほとんどの人が偽のルイ・ビィトンのバックを持って天安門広場を歩いていたなんてことになりそうで、高級店の中国進出も一筋縄では行きそうもない。

 それに高級品嗜好が強いのは一種の成金趣味で、日本人観光客がルイ・ヴィトンのバックを買いあさっていたころ、当のフランス人は一部の人を除いて見向きもしなかったそうだから、ようやく日本も文化的先進国になってきたわけだ。
成金趣味は中国人にバトンタッチしたほうがいい。

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 ブランド好きの放送作家、山田美保子さんの話が毎日新聞に載っていた。
高級ブランドブームは私たち50代前半が女子大生のころから引っ張ってきたけど、ブランド好きにはエルメスのバーキンもいきわたり、私たちも将来の蓄えにシフトしている。
若い人は数十万円のスーツなんて買いません。衰退も仕方ない
」のだそうだ。

 もっともエルメスバーキンといわれても何のことかわからない者にはどうでもいい話だが、日本が貧しくなってきた分文化的には向上したことだけは確かなのだから喜ばしいことだ。



 

 

 

 
 

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(21.11.1) 人間の精神力はどこまで強いのだろうか  第一幸福丸の3名の生還

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 今回ほど驚いたことはなかった。キンメダイ漁船幸福丸3名の漁船員の生還についてである。

 なにしろ台風の大波で転覆してから約92時間後に救出されたというから、ほぼ4日間も転覆した船内に閉じ込められていたことになる。
この船には8名の乗組員がいたが、他の4名は同じ船内にいたが、すぐに脱出している。
注)最新の情報では、乗組員4人はすばやく船から逃げ出したが、3名は船倉に閉じ込められて逃げることができなかったという。また船長は救命いかだで脱出していた。

 私が一番驚くのは、いつ沈没するかもしれない船内に残こされ、かつ酸素が限界がある中で精神的なパニックを起こすことなく4日間も耐えたその精神力である。
この人たちは、何でこんなに精神が強いのだろう」驚嘆以外に言葉がない。

 今回救出されるまでの92時間という時間は過去に例がなく、71年に北海道稚内沖で転覆した第18幸徳丸の25時間が最高だそうだから、ほぼその4倍も耐えていたことになる。

 専門家も一様に驚いているが、生還できた原因として以下のような理由をあげている。
① 海水温が25度と高かったこと
② 直射日光を浴びなかったため、体内の水分が保持できたこと
③ 空気の消費を最小限にとどめたこと
④ 互いに励ましあったこと
⑤ ペットボトルに水が残っていたこと

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 しかし私が見たところ最大の要因はこの3名の漁船員の精神力の強さのように思える。
というのも、私のような精神力が極度に弱いものは、こうした状況におかれるとまず間違いなくパニックに陥り、次にはこの暗い船内から外にでようともがくのに違いないからだ。

いつ、海底の藻屑になるかわからない船内にいるのはいやだ」恐怖感に襲われる。
もっとも外は外で台風の大波が荒れ狂っていたわけだが、とりあえずは暗闇と転覆の恐怖には打ち勝てない。
救命着もなく、救命いかだも発見できなければ、まずおぼれて死んでしまうのだが、それでも私の場合は船外に脱出を試みるはずだ。

 かつて私が見た潜水艦映画では、浮上できなくなった艦内でだんだんと空気がなくなり、兵士の一人がパニックに陥ってピストル自殺をする場面があった。なにか自分の姿を見ているようだった。

 一方、第一幸福丸の船長牧山さんは救命いかだの中で死亡してるのが見つかったが、このいかだは船が沈んだ際に、自動で船から離脱する膨張式救命いかだだそうだ。
おそらく船長は船を操縦していたはずだから、転覆と同時に海に放り出されたのだろう。

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 今回は船内に残こされた3名は救出され、一方脱出したか海に放り出された5名は死亡したか行方不明になっている。
今回の救出劇を見ると、日本の海上保安庁の捜索能力や救出能力が非常に高いことがわかったから、船さえ沈没しなければ荒れた海に飛び込まずじっと船内で待つ方が生存率が高いといえる。

注)発見は海上保安庁ではなく海上自衛隊だとのコメントをいただきました。
「捜索能力についてですが、発見したのは海上自衛隊の航空機です。
捜査は、海上保安庁と海上自衛隊、発見が海上自衛隊、救出が海上保安庁になります


 しかし一般的には船のどこかが破損してそこから大量の水が浸水し、沈没するほうが多いのだから、実際の判断はやはり難しく、私の場合はまず間違いなく生き残れないだろう。

(今日のYou Tubeは銚子漁協と外川漁協です)
http://www.youtube.com/watch?v=0EeY10LMDJ0

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