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(21.11.3) NHK特集 自動車革命 スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち

012

 最近見た番組の中で特筆に値するほど衝撃的な番組だった。
電気自動車への革命が信じられないスピードで進められており、しかもその主要なプレーヤーが中国やインドのような農村地帯から起こった小企業と、もう一方はアメリカのシリコンバレーのベンチャーIT企業だと言う。

 このような小規模の自動車メーカーをスモール・ハンドレッドと呼ぶこともはじめて知った。言葉自体は「小さな100社」だが、100には意味がなく「多くの小企業」と言う意味らしい。

あれ、電気自動車の開発を進めているのは大手の自動車メーカーじゃなかったのかしら
私の常識は日産の電気自動車やトヨタのハイブリッド車だから、中国の電気自動車にはびっくりしてしまった。

001  番組では中国の山東省にある小企業が、時速40kmの電気自動車を13万円で作っており、農村部に浸透していると言う。
これはバイク並みの値段じゃないか!!!!」
もっとも中国政府はこれを自動車とは認めず、運転免許もナンバープレートもないのだが、外形や中身は自動車そのもので、どうやら中国政府も黙認のうえで、この電気自動車産業を後押ししているようだ。

 もう一つの例は山東宝雅というもう少し規模の大きな中小企業だったが、電気自動車の試作車をミラノの自動車ショーに出展する模様を放送していた。
できた試作車はお世辞にも美しいボディラインとはいえないが、そこの社長の言葉がすごかった。
世界中の貧しい人が、この電気自動車のターゲットです
貧乏人相手の自動車産業が電気自動車だという。

006  なぜ、中国の農村工業のような小さな会社で電気自動車ができるかと言うとガソリン自動車に比較して構造が簡単で、部品もガソリン自動車の10分の1程度なのだそうだ。
モーターに車輪をつければ自動車になる」という。
しかもガソリンと違って発熱がないので、ボディに鋼鉄を使用する必要がなく、軽いプラスチックで済むという。

008  一方日本では日産自動車が社運をかけて電気自動車(EV)の開発に取り組んでいる。かつては技術の日産と言われ、トヨタと覇権を争っていたが今ではすっかりトヨタに水をあけられ、ルノーに身売りをしてしまった。
この日産が21世紀は電気自動車の時代と位置づけ社運をEVにかけた。
番組では、ゴーンSEOが東奔西走してEVの売込みをしている場面が写されていた。

 しかしここでもライバルは中国の企業で、上海モーターショーに従業員数13万人のBYDという会社から展示されたEVは走行距離が300kmだという。
日産のEV150kmの走行距離しかないため、担当の副社長が衝撃を受け、実際にBYD社に乗り込み試乗をさせてもらっていた。

 試乗の結果では、BYDの車はバッテリーを目いっぱい積み込んで、2トンの重さになっており、重戦車並だが、乗り心地は悪くないと言う。
将来は手ごわい競争相手になる可能性があると、番組が指摘していた。

019  一方アメリカではオバマ大統領グリーン・ニューディール政策をかかげ、約1兆円の規模で電気自動車を後押しするのだと言う。
この計画の実質的なプランナーはGoogleで、Googleの提唱するスマート・グリッドがこの戦略の柱になっていた。

 スマート・グリッドといわれても何のことか分からないが、電気自動車のバッテリーを発電所に代えてしまって、家庭用電力はこの自動車のバッテリーから供給し、それをIT産業のGoogleが電気の供給管理をするのだと言う。

 ホワイトハウスの担当者が「アメリカがこの方式で世界標準を確立する」と言っていたのが、いかにも戦略の国アメリカらしいし、Googleが乗り出しているのだから成功する確率も高い。

013  私自身は普段自動車に乗ることがほとんどなく、我が家の自動車も処分している。
だからこの電気自動車の問題も切迫感がなく、「所詮は自動車にすぎないだろう」と思っていたが、21世紀の産業革命だといわれるほどの衝撃があることを、この番組ではじめて知った。

 日本ではいまだに「EVかハイブレッドか」という程度の感度だが、世界では「スモールハンドレッドと既存の自動車産業の戦い」であり、「IT産業と自動車産業の戦い」であり、「電力業界とスマート・グリットの戦い」であることを認識した。

 そして電気自動車の時代は意外に早くやってきそうで、私が生きている間に世界中の車が電気自動車に変わってしまいそうな情勢には驚きを禁じえなかった。

そうか、石油文明の一つが、今こうして消え去ろうとしているんだ!!!」

 

 

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