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(21.11.25)  日本経済はデフレから脱却できるか

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 とうとう政府が悲鳴をあげた。11月月例経済報告で、「日本経済はおだやかなデフレ状況にあり、景気を下押しするリスク」が存在すると言い出したからだ。

 実は日本はここ10年来基本的にはデフレ状態にある。政府がデフレ宣言をしたのが01年3月だが、06年7月に一旦この「デフレ」という表現を使わなくなった。それが3年5ヶ月ぶりに、ふたたび「デフレ」と言う表現を月例経済報告で使用したのには訳がある。

 GDPの7月から9月までの実質成長率年率4.8%なのに、名目成長率▲0.3%となっている。
なにしろ消費者物価指数がここ7ヶ月に渡って低下しており、下げ幅も拡大している。
いくら生産しても価格が低下するので儲けにならない」企業は悲鳴を上げだした。

 デパートは二桁の売上げ減少が1年以上続いているため、銀座松屋では9800円のスーツを年2回のセールで売りだした。
高品質、高価格ではだれも買う人がいない
ユニクロのように高品質、低価格が時代の潮流になっている。

 デフレ脱却のために政府は09年度第2次補正予算を組んで、景気対策に取り組むと菅副総理は言っているが事はそう簡単ではない。

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 なにしろ日本経済は「デフレが当たり前の社会構造になっている」からである。需要拡大の最大の要因は人口増加豊かさへの希求だが、日本は人口は減少に転じ、老人人口の割合が毎年増加しているし、物がありあまってこれ以上購入するものがほとんどない

 毎回同じ事を言っているので恐縮だが、豊かな社会の老人が消費拡大に励むなんて事はありえない。

 私を例に言えば、食事は毎年細くなってきて、食べ物に対する欲求は低下するし、衣類はユニクロさえあれば満足してしまう。旅行も楽しいけれどもヨーロッパに行くには地獄のような長時間の飛行時間に耐えなくてはならない。
そんな苦労をするくらいなら、家でのんびりするほうがいい」ということになる。

 実際はブログを書いたり、小学生にマラソンを教えているのだが、このインターネット環境はもっとも価格低下が激しい世界で、私もほぼ無料でブログを製作しているし、見ている人も無料だ。
子供に教えているマラソン教室はボランティアだから、GDPの計算には入らない。
私の生活からはGDPを押し下げる要因しか存在しない。

 政府の試算では、デフレギャップはほぼ40兆円だと言う。供給能力に対して需要が40兆円足らないと言うことだが、これを埋めるのは容易でない。
供給能力が大きすぎれば、それを小さくするのが最も妥当な措置で、生産拠点をまだ需要のある海外に移すか、かつての炭鉱政策のように閉鎖をするか、織物業界のように余分の機織機を消却するか、漁船の減船のように計画的に削減するしか方法がない。

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 ただこの方策は国内に失業率の増加と言う副作用が伴うため、政府の政策として取りづらい側面がある。
そのため生産能力は一定にして、需要を無理やり作り出す措置がとられてきた。
景気対策として公共投資の拡大をするのがそれで、道路や橋や飛行場を必要ないのに作る政策である。

 確かにこれで一時的には建設業界などは潤うが、副作用は甚大で赤字国債の増発と、無用な設備のメンテナンスに費用がかかることになる。
そして何よりも問題なのは、無駄な経費をかけている間に、日本の国際競争力が失なわれることである。

 私の見た無駄な公共工事の事例として南アルプス寸又川沿いの約40km林道がある。南アルプスの最南端光岳(てかりだけ)から、この寸又川に降りると、そこから寸又峡温泉まで、この林道を歩くことになる。
林道と言っても国内材はまったく売れないから、林道として利用しているわけでない。土木工事が必要なのでただ作っただけである。

 ところがこの寸又川は急峻ですぐに土砂崩れがあって、林道が埋まってしまう。実際私が見たときは上流部分20kmは土砂に埋まっていた。
下流部20kmについては、地元の建設会社が砂防工事を行っていたが、本来何の役目もない林道さえ作らなければ、土砂崩れはおきないのだから不要な作業である。
無用に作って無用にメンテナンスを行っている典型的な事例だ。

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 このように日本の公共事業はただ雇用を確保するだけのために無駄使いをし続けてきており、当然の結果として日本の国際競争力は毎年低下してしまった。
古い産業を保護するために莫大な赤字国債を発行し続け、一方新しい産業は育たないからだ。

 今日本ではデフレ対策の思考の変革を迫られている。

① 日本経済はデフレになるのが当然の構造をしているので、無理な公共投資等で需要喚起をすると、財政赤字が拡大し、しかも無駄な公共物ばかりが後に残される。
② デフレから脱却する唯一の有効な方法は、世界の新たな需要を先駆けて開拓することで、特に環境関連産業(電気自動車、太陽光発電等)で世界のパイオニアになることである。


 さて鳩山政権はこうした取り組みを実施できるだろうか。自民党政権だけを行って、日本経済をつぶしてきたが民主党政権の経済政策はの方策を採ることができるだろうか。
菅副総理の第2次補正予算の中身が、大変興味あるものになってきた。

 

 

 

 

 

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