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(21.10.31) 光回線に変えようか?

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 私の現在のインターネット環境は、ヤフーADSL8Mなのだが、昨今You Tubeを扱うようになってから、なんとも不具合が発生している。
一番の悩みはアップロードがとても遅いことで、写真が10枚程度で15分程度かかる。

何で、こんなに遅いのだろうか」いらいらしながら待っているのだが、気がつくとアップロードに失敗していることが多い。

 途中でパソコンがスリーブ状態になっているので、もしかしたらこれが原因かもしれないが、何回もやり直すとそれだけで消耗してしまう。
You Tubeを扱いだしてからブログ作成にやたらと作業時間がかかりだした。

 先日娘がやってきて、「お父さん、それなら光に変えてみたら。まったくスムーズに動くのでいらいらがなくなるわよ」とアドバイスしてくれた。

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 今まで私が光に変えずにADSL8Mでがんばっていたのは、環境が変わると何が起こるかわからず、今度はそっちの方で消耗してしまうからだ。
よくNTTの光回線への勧誘があって「まったく問題ありません」といわれているのだが、過去の経験からは環境を変えると思わぬところで不具合が出てくる。

 かつて私がシステムの責任者だったころ、一番いやだったのは新しいシステム環境にしたり、ソフトを入れ替えたりした時で、必ず何らかのトラブルが発生して不眠不休でリカバリーをしていた。

 上司から「ちゃんとテストはしたのか」なんて叱責を受けるのだが、テストで100%トラブルを回避することはできないので、批判を甘んじて受けなければならない。
何もしないのが一番安全だ」経験則である。

 だから今回も影響を最小限に抑えるため「今までのシステムと電話の環境を変えずに、光回線に変えられない」というのが、変更する前提条件になった。電話はヤフーのIP電話を使用している。
調べてみると、ヤフーでも「yahoo! BB 光withフレッツ」というサービスをしている。

へー、ヤフーも光を扱っているんだ。NTTだけじゃないんだ」とても意外な気持ちがしたがWebで直接申し込みができるという。
画面を開いて申し込みをしようとしたら、こんどは書いてある内容がどうも理解ができない。
うぅーん、これじゃ、よっぽど回線や、電話のオプションについて理解していないと分からないじゃないか・・・・・・」ブツブツ

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 いったん止めて電話で確認しようとしたら、音声応答しか回答をしてくれないのでなんとも確認のしようがない。
一番わからなかったのはオプションで、「ぷらら」や「光電話」を選択する項目があるのだが、なぜこのようなことを選択しなければならないかのかが分からない。

まいったな、やはり光に変えるのは諦めようか」弱気になったが、とりあえずオプション項目は何も記載せずに申し込みをすることにしてみた。

 You Tubeのような映像を扱い始めるとこんなに回線問題がネックになるとは思わなかった。しかし将来は映像作家をめざしているのだから、この程度の苦労は仕方ないのかもしれない。
かんばれ、山ちゃん」叱咤激励をしている。

(今日のYou Tubeは花火です)
http://www.youtube.com/watch?v=sIPImfWu0is

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(21.10.30) 鳩山政権はてんやわんやの大騒ぎだ  普天間基地移設問題

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 当然といおうか、やっぱりというべきか、鳩山政権普天間基地移設問題はてんやわんやの大騒ぎになってしまった。
もともと自民党政権でも手を焼いていたこの問題を、社民党を内部に抱える鳩山政権がうまく処理できるはずがないと思っていたが、それにしてもこの混迷振りはひどい。

 大騒ぎの元は担当大臣の北沢防衛相が苦し紛れに、「(キャンプ・シュワブ)への移設は『国外や県外というわれわれ民主党の公約』をまったく満たしていないというわけでない」と発言したのがきっかけだ。

 では「キャンプ・シュワブは沖縄県以外にあるのだろうか」とみんな思ったはずだが、当然沖縄県名護市にある。

 北沢防衛相は海兵隊の一部をグアムへ、また普天間基地に配置されている空中給油機を岩国に移設することをもって、「まったく満たしていないというわけでない」と言ったのだが、これはかなり無理筋だ。
じゃー、キャンプ・シュワブへの移設はなくなったのですか?」という問いに答えられない。

 この混乱に輪をかけたのが岡田外相の発言で「代替地が嘉手納基地にならないか。沖縄の二つの大きな基地が一つになるのはメリットだ」と発言し、かってにクリントン国務長官に直談判に出向くと言い出した。

 岡田外相は本気だが、クリントン長官がこのような政府内部でも未調整の岡田外相の思いつき発言に軽々と乗ってくるとはおもわれない。

 なにしろ普天間基地移設は、橋本政権以来の懸案事項で、何回もすったもんだした挙句に、06年にようやく「在日米軍再編計画」として日米両政府が合意したものだ。
ゲーツ国防長官の言葉を借りれば「キャンプ・シュワブへの移設は、政党間の約束ではなく、日米両政府の合意事項だ」ということだ。

 この問題では社民党ももちろん黙っていない。福島党首は「普天間基地の問題解決には沖縄県民の負担軽減の観点から対応していくべきだ」と念をおした。

 当の鳩山総理は「最終的に決めるのは私だ。選択肢を新たに調査している段階だから、それなりの時間がかかる」と悠然と述べたが、本当は選択肢など存在しない。
外交はゲーツ国防長官の言うように「両国政府の合意事項」だから軽々に変えることなどできない。

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 江戸幕府が締結した日米和親条約を修正するのにどれだけ明治政府が苦労したかを思い出してもらえば分かるし、「サンフランシスコ講和条約は吉田茂首相が締結したので、政党が違うから見直しが必要だ」なんて言い出せば、国際秩序が崩壊してしまう。

 さすがに平野官房長官が見かねて「もう少し、注意して発言してほしい」と苦言を呈したが、鳩山政権はみんなで麻生前総理の舌禍をまねているみたいだ。

 アメリカの保守系新聞で共和党支持のウォールストリート・ジャーナルはとうとう頭にきて、「鳩山首相が代替案を十分考えているとは思われない」し、キャンプ・シュワブへの移設は国家間の約束事項で、もし「普天間基地移設計画が白紙になれば、当然沖縄海兵隊のグアム移設も白紙になる」と苛立ちを見せた。

 そして、返す刀でそれほどアメリカ軍を海外に追い出すつもりなら、
① 日本は独自に防衛費を増額するのか
② 北朝鮮の核や、中国の軍拡にアメリカなしで対抗できると思っているのか
③ 外交(口先)だけで、日本は安全を守れると思っているのか

と、噛み付いた。
普天間基地移設問題は国内問題ではなく国際問題だとの指摘である。

 実際普天間基地移設問題は、福島党首の言うような「沖縄県民の負担軽減」というような視点では解決できない問題といえる。
国際問題という視点から見れば普天間基地の位置づけは、アメリカが軍拡著しい中国や、核開発やミサイルを装備した北朝鮮と対峙する、その戦略のあり方にかかっていることがわかる。

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 実は日高義樹氏がつとに指摘しているように、アメリカ太平洋軍は現在大掛かりな再編作業を行っており、対中国、対北朝鮮の基地を沖縄からグアムに移設している。

 一番の理由は中国のミサイル増強がすさまじく、08年に行われたアメリカ太平洋空軍の演習(中国軍とアメリカ軍の戦闘を想定した演習)では、中国の移動式ミサイルで沖縄の基地はほぼ全滅してしまうことがわかった。
しかも日本の基地では弾薬庫が地上にあるため、それが破壊されたときの被害は想像を絶する。
まずい、このままでは沖縄駐留アメリカ海兵隊は全滅してしまう

 そのため、アメリカ軍は嘉手納を見限り、グアム前線基地に再編成することにして、最新鋭のF22戦闘爆撃機B1、B2という戦略爆撃機はグアムにのみ配置することにしてしまった。
グアムならミサイルが飛んでくるまでに迎撃が可能だ。中国の先制攻撃さえ防げれば反撃ができる

 そうしたアメリカの世界戦略の流れからすると、早晩嘉手納基地普天間基地も実質的にはアメリカにとって不要な基地になるのだが、たった一つのメリットは返還する時に日本から返還費用を巻き上げることができることだ。
日本がそれほどまでに基地を返還してもらいたいなら、グアムに移設する費用を日本政府が負担すべきだ

 さて、こうした情勢下で日本はどうすればいいのだろうか。最善は鳩山総理が言うように「結論を出すまでには時間がかかる」といって何もしないで動かないことだ。そうすれば米軍は自分の都合で沖縄からグアムに移っていく

 もっともその場合は日本は独自に中国と北朝鮮に対決しなければならなというさらに困難な問題に直面する。
だが、中国のミサイル攻撃を恐れてアメリカ軍がグアムに逃げてしまう以上、日本は日本でそれなりの覚悟をもって中国と対峙するしか残された道はない。

(今日のYou Tube は光徳寺です。村田川を越えて行きます
http://www.youtube.com/watch?v=Nt9X8Dbsex0

 

 


 

 

 

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(21.10.29) 御園生さんのジャーニーラン  米沢街道

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 先日御園生(みそのうさんが主催するジャーニーラン、下野(しもつけ)街道130km日光市今市から会津若松市)に参加して、すっかりまたジャーニーランに目覚めてしまった。
ジャーニーランとは楽しみながら走り、特に順位にこだわらない競技で、制限時間が時速6km程度で設定されているので、いくらでも寄り道することができる。

 今回は11月の2日、3日をかけて米沢街道75kmを走るのだが、この道は会津若松市から山形県の米沢市まで通じている。
距離的にはまったく問題ないが、下野街道の場合のように旧街道が山道になっているとかなり苦戦するかもしれない。

 実は私は米沢市についてまったく知らず、山形県にあるのかも知らなかったが、最近NHKの天地人をたまたま見ていたら上杉景勝が会津から米沢に転封される場面が出てきた。

 これも正直に言うが今まで上杉家がなぜ会津120万石になったのかも、その後米沢30万石に減封され、その後幕末まで上杉藩が存在していたのかも知らなかった。
上杉謙信は越後の武将で、武田信玄と川中島で戦っていたはずだが・・・・、なぜそれが会津や米沢に移ったのだろうか???」

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 急に上杉家の歴史に目覚めてしまい、Wikipediaで調べてようやく以下のことがわかった。

① 1578年、上杉謙信が急死して後継者を指名していなかったため、ともに謙信の養子だった上杉景勝上杉景虎の間で、後継者争いが発生し国力を消耗するが、結果的には上杉景勝が勝利する。

② 1581年、そのお家騒動の間隙を織田信長につかれ、信長の北陸方面軍団長の柴田勝家に攻め込まれ、ほとんど滅亡の寸前まで追い込まれる。

③ 1582年、
織田信長が本能寺で急死したことにより、こんどは織田家内部の後継者争いが発生し、羽柴秀吉から柴田勝家を挟撃する同盟を申し込まれそれに応ずる。
このときの交渉者が
直江兼次石田三成だったため、その後上杉家は豊臣家に急接近する。

④ 1583年、
羽柴秀吉柴田勝家の賤ヶ岳の戦いで秀吉側に立って参戦し、秀吉の天敵で勝家の同盟者、佐々成政と戦う。

⑤ 1584年、
羽柴秀吉徳川家康の小牧長久手の戦いでも秀吉側に立って参戦し、このときも家康の同盟者佐々成政と対峙している。

⑥ 1590年、小田原合戦でも秀吉側の武将として北条氏を攻める。

⑦ 1595年、豊臣家の5大老の一人になり、豊臣政権内部での重鎮になる。

⑧ 1598年、秀吉の命令で越後から会津120万石に加増されて移封される。これは秀吉に信頼されていた上杉景勝いつ反逆するかわからない伊達政宗最上義光を牽制する意味があった。

⑨ 1600年、関が原の戦いでは西軍にたって徳川家康と対抗する。これは景勝の家老、直江兼次石田三成との盟約に従ったものだが、西軍が敗れたため家康に投降し、その結果会津120万石から米沢30万石に減封され、幕末まで藩は続く。
なお、上杉家が取り潰しにならなかったのは、
直江兼次の懸命な工作によったのだが、天地人でもその辺の事情を描いていた。


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そうか、上杉家は謙信のあと大変だったんだ。ほとんどお家が取り潰しに成る危機を何回も乗り越えてきたのか」ようやく流れがわかった。

 今回は会津120万石時代に、直江兼次の居城があった米沢に走っていくわけだ。
またあの東北地方の美しい山河と歴史の重みのある米沢街道を写真に収められると思うと、とても楽しみだ。

(今日のYou Tubeは四季の道の晩秋です)
http://www.youtube.com/watch?v=rFjkE9bbk-4

  

 

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(21.10.28) JAL再建のダッチロール

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 JAL再建についてはほとんどダッチロールの様相を呈してきた。
なにしろ報道される新聞記事の内容が毎日ころころ変わるのだからすごい。

 24日の読売の記事では、特別立法の検討に入ったと言う。
内容は「日航再建の障害になっている企業年金の給付水準を強制的に引き下げることができる内容」だと言う。

 なぜそんなに年金問題が再建の支障になるかと言うと、年金資金の積み立て不足額が3300億円に登り、資本投入や融資が結局は年金資金に流用されてしまうからである

 この企業年金の引下げについては約9000名いるOBの3分の2の承諾が要るが、まったくOBとしては承諾するつもりはない。
JALの経営悪化の原因は政府の無謀な地方空港の建設にあり、無理やり採算の取れない航空路を開設させられた」との思いがあるからだ。
いわば「経営悪化は航空行政の失敗だから政府が責任を取るべき」と言って一歩も後に引かない。

 一方金融機関は約8000億円ある融資金のうち、2200億円の債権放棄、300億円の融資の株式化、さらに追加融資1800億円を求められているが、「約9000名の人員削減と、年金不足額の3分の1までの圧縮が確実に履行されなければ応じない」と突っぱねた。

 私も元金融機関の職員だから金融機関の気持ちは分かる。
人員削減も年金削減も抵抗が激しいので中途半端に終わり、結局は金融機関だけが債権放棄させられるのだろう。それでも経営が再建されれば報われるが、人員や年金問題が片付かない以上、数年後に再び同じ問題が発生する」と思っている。

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 国土交通省では再建タスクフォースを立ち上げてJAL問題の解決に向けた検討をしているが、JALの経営状況は日が経つにつれて悪化している。
10年3月期の収支見込は5月段階で▲630億円、それが9月段階で▲2000億円、そして最近タスクフォースが発表した収支見込は▲5000億円になっている。

 営業利益の赤字は2000億円だが、人員削減に伴う早期退職の費用や、大型機材の処分の特別損失で約3000億円が発生するという。

 企業が赤字から回復できず、かつこのように利害関係者が一歩も後に引かない場合の最善の措置は、民事再生法を適用していったん企業を倒産させ、裁判所の管轄下で再生を図る方法しかない。

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 民事再生法はアメリカの連邦破産法11条と同じで、アメリカではGMがこの方式を採用した。
基本的な法律の精神は「今までの債務(借入金、社債、株式、労働債権等)をすべてチャラ」にするというものである。

 債権者にとってはとんでもない法律だが、その企業が社会的に有用な場合は企業の存続こそが意味があるのだから、こうした措置が社会的に了承されてきた。

注)もっともそれでは債権者が倒産してしまうので、実際は事前調整型の民事再生法の適用になり、債権者がそれぞれ痛みを伴いながら債権放棄をするという構図になっている

 JALの現状から見たら、民事再生法の適用がもっとも適切と私は思うのだが、前原国交相はなぜかこの適用に躊躇して、わざわざ特別法を制定しようとしている。
民主党政権が発足したばかりの時に、大型倒産が発生するのを避けたいからだろうか。

 また26日の読売の記事では、特別立法だけでは問題が解決しないため「企業再生支援機構による金融機関からの債権の買い取りや、主要4銀行によるつなぎ融資に政府保証を付けるなど、政府が全面支援する内容」にするのだと言う。

 JAL再建の方法はひどいダッチロールで、最終的にどのような枠組みになるかは不明だが、抜本的な解決策でない限り数年経てばまた同じ問題で悩むのは確実だ。

(今日のYou Tube は弘前です)
http://www.youtube.com/watch?v=xSm5ZXN-FiA

 

 



 

 

 

 

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(21.10.27) 万引きの被害は止まるところをしらない

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 日本経済にとって万引きの被害は座視できないほどに大きくなっていることがわかった。警視庁がNPO法人「全国万引犯罪防止機構」に依頼して調査した推計では、東京都内での万引きの被害は推定で670億円になるという。

 東京都の人口は全国の約1割だから、日本全体では推定で6700億円程度の万引き被害が発生していることになる。
特に万引きの被害がひどいのはスーパー、コンビニ、本屋だそうだが、そのロス率来店内にあるものがなくなっている割合)は全体で約1%で、そのうちの約半分の0.5%が万引きによるものだという。

 なかでも本屋の被害は深刻で、別の調査では万引率は1.5%程度と推定され、利幅率が低いため1冊万引きにあうと、その損害を取り戻すために10冊の販売が必要になるのだそうだ。

 ここおゆみ野では書店がしばしば閉店している。すべてが万引きのせいだというのは言いすぎだが、それが原因の一部ではありそうだ。
というのも私が四季の道の清掃活動をしていて、明らかに万引きにあったと思われる本がよく茂みの中などに捨てられているのを見ているからだ。

 ほとんどがマンガ本で、まったく新品のマンガ本がそれも大量に隠されるように捨てられている。
仕方がないのでゴミとして処分するのだが、なにせ本は重たいのでゴミ袋に入れて運ぶのも一苦労だ。

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 こうしたマンガ本を万引きする理由は、中古書店に買い取ってもらい現金化するためだが、途中で怖くなって捨てたというケースではなかろうかと私は思っている。
捨てるぐらいなら、万引きなどするな」思わず叫びたくなる。

 推定では万引きは年々多くなっているそうだが、よく本屋が思い余って万引き現場の映像を公開するようなことがある。
この子が万引きをしました」と写真を店頭に張り出すような事例だが、たいていの場合は「子供の人権を無視した」なんて本屋の方が袋叩きに会うことが多い。

 この国では加害者の人権は守られるのだが、被害者の人権は守られないのが普通だから、万引きはとどまることを知らない。
私などは被害者の人権も加害者と同程度に守られるべきだと思っているが、法律の基本が加害者の人権を守る規定しかないので、被害者はどこまでも被害者のままだ。

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 しかしこうした万引きを放置しておくと、商行為そのものが成り立たなくなっていき、善良な書店などは次々に倒産してしまうのだから、警視庁もようやく本腰を挙げて防止策に乗り出すことになったようだ。

 ただし問題は被害届を出すのに手間隙がかかって、通常の商行為に支障が出てきてしまうことにあり、被害者が被害届を出さない場合が多い。
私も四季の道で、明らかに万引きにあったと思われるゴミの跡を見るのだが、警察に届けていちいち現場に立ち会う面倒くささや、住所・氏名・年齢・連絡先等をその都度伝えなければならないわずらわしさを思うと、さっさとゴミとして片付けてしまっている。

注)実際一番いやなのは発見者が犯人ではないかと疑われることで、そんなリスクを犯すくらいならゴミとして処理したほうが気がらくだ

 万引き被害をなくすためにはこうした実務上の問題点の解決も必要で、たとえば事前に万引き監視員制度を作って登録し、いちいち住所・氏名・年齢・連絡先等を伝えるわずらわしさをなくし、また発見者が万引き者ではないかと疑われるリスクを軽減する措置が必要だろう。


(今日のYou Tubeは昭和の森です)
http://www.youtube.com/watch?v=vZ3Tgo7hmCc
 

 

 

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(21.10.26) ちはら台走友会の養老渓谷RUN

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 昨日(24日)、ちはら台走友会養老渓谷RUNがあった。ちはら台から養老渓谷までのおよそ40kmを走り、養老渓谷の温泉につかり、食事をして帰ってくるRUNである。
養老渓谷は千葉県内ではもっとも高度の高い場所にある温泉地だが、高度が高いと言ってもせいぜい300m程度だ。

 今回の参加者は12名だったが、サポート隊が3名付いて、合計15名のメンバーで行われた。
私はよく個人的にも養老渓谷まで走って行くので、養老渓谷はなじみの場所だが、今回のルート選定は会長のYさんがおこなったので、まったく新しいルートだった。

 私が好んで走るルートは近くの村田川を下り、館山自動車道沿いに養老川まで行き、そこから養老川を遡ると言う川の道ルートだが、Y会長が剪定したルートはもっぱら山の道で、農道を縫うように走った。
走ったことのない人には簡単な地図を渡されてもさっぱり見当がつかない。

 もっともY会長をはじめ数人は試走していたので、今回は数人のグループごとに試走者に先導してもらった。
われわれのグループはY会長が先導者だ。
速さは1kmあたり6分30秒程度を想定していた。しかし実際に走ってみるとキロ6分程度になってしまい、走友会のメンバーらしくつい早くなってしまう。

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 実は走友会でもメンバーごとにスピードが異なるため、出発時間が調整されていて、遅いグループは7時、われわれ中間グループは8時、そしてスピードグループは8時半のスタートだった。

 走友会の誇るスピードランナーのYさんとMさんは遅れてのスタートだったが、11kmのエイドステーションで早くもわれわれ中間グループに追いついてきた。
もっともスピードを上げて走るとこの農道の道はすぐに間違ってしまい、あちこち道を縫うように走ることになって、われわれ中間グループの前を急に横切ったり、ふたたび消え去ったりしている。

 最近ちはら台では野生のサルが出没しているのだが、Yさんが赤のパンツでサルのように現れては消えるので「あのサルは実はYさんではないか」と言い合ったものだ。

 この日はあいにくと雨模様だった。特に後半なるに従って雨脚が激しくなり、私は雨具を用意していないことを悔いた。
防寒着を合羽代わりに使用して濡らしてしまったため、風呂から出た後の防寒着がなくなりひどく寒かった。
まずい、天候を読み間違えた

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 帰りはサポート隊の車に全員が便乗して帰宅したが、身体が冷え切ってしまい、我が家についたら震えが来ていた。
すぐに風呂にはいって寝ることにしたものの、身体に悪寒が走り「もしかしたら風邪をひいたかな?」と思ったが、うれしいことに朝には悪寒が抜けた。
いやー、助かった。今回はセーフだ

 昔はどんなに薄着であろうが、少々雨に当たろうがまったく問題がなかったのだが、最近はちょっと調整を間違えると風邪をひいてしまう。
あの寒くても走ると体中がポカポカしていたころが懐かしい。
それだけ身体の許容度が落ちてしまっているのだが、まあ雨の中を40km走って、なんとか持ちこたえたのだから良しとしよう。


(今日のYou Tubeは養老渓谷RUNです。相変わらず音楽の途中で画面が切れてしまいますが、まだ対応策が見つかりません)
http://www.youtube.com/watch?v=vlIJTiRzXe8

 

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(21.10.25) 郵政国営化は成功するか

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 民主党政権ができる前までは、曲がりなりにも郵政民営化の方向だったが、亀井金融・郵政担当相になってからは、すっかり郵政国営化の流れになってしまった。

 当面の流れとしては、ゆうちょ銀行かんぽ生命、および持ち株会社の日本郵政株式売却の凍結を図ることになりそうだが、これは民営化は絶対に認めず、すべての株式を国が持って国営事業として郵政事業を行うということだ。

 これまでの方針は日本郵政西川社長の下で郵政3事業郵便、貯金、保険)の合理化を着々と進め、十分な収益基盤を作ったところで、株式を売却し国家に収益をもたらすはずだったが、すっかり目論見が狂ってきた。

 国家に収益をもたらす親孝行な郵政事業から、また国家がお守りをする郵政事業への転換だが、はたして郵政国有化は成功するのだろうか。

 民営化された郵政グループの21年3期の決算状況を見ると、グループ全体で最終利益が4223億円で、これはNTTグループについで高収益だから、信じられないような優良会社ということになる。

 すべての会社(日本郵政、郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)とも黒字なのだから申し分ない。

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 しかし内容を詳細に検討してみる郵政グループの構造問題が分かってくる。
それは収益のかせぎ頭がゆうちょ銀行で、全体の約半分2293億円の収益を上げていることで、反対に言えばゆうちょ銀行の収支が悪化するとグループ全体の収益が大幅に減少するという構造になっている。

 ゆうちょ銀行がこの金融危機のなかで黒字とはびっくりだが、そのからくりは運用を手堅く国債で実施してきたからで、郵便貯金177兆円のうち、約9割155兆円国債運用に当てられている(それ以外も地方債等の運用で実に手堅い)。

 現在、国債の金利水準は10年ものが1.5%前後、一方郵便貯金の金利は5年物で0.3%だから、1%以上の鞘が抜けることになる。
現在の低金利政策の恩恵を十二分に受けている訳だ。

 意外だったのは従来の収支構造が崩れていることで、従来貯金と保険の黒字で郵便事業の赤字を補填してきたのだが、今回郵便事業が298億円の黒字になったことは快挙と言える。
お荷物と言われた郵便事業が黒字になるとは思わなかった。

 これは集配郵便局を約5000局から2000局に減らした合理化の賜物だが、一方で僻地で郵便物が届きにくくなったとの批判にさらされた。
民営化された郵便事業は金儲けばかりして、僻地に冷たい」と言うわけだが、黒字化したことは西川前社長の手腕だ。

 また郵便局が黒字なのはもっぱらゆうちょ銀行かんぽ生命からの手数料収入による。これは郵便局が赤字にならないように手数料率で手加減しているからだ。

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 さて、このように民営化された21年3期の成果は実に見事なもので、西川前社長の手腕は高く評価されてしかるべきだが、これが国有化された場合どのような変化があるのだろうか。

 現在全国一律サービスが義務化されているのは郵便事業だけだが、今後は貯金と簡保も一律サービスが義務化されそうだ。
都会はともかく、僻地の顧客がほとんどいない郵便局においてはシステム投資や人的配置をしなければならなくなり、収益は圧迫されるだろう。

注)通常ATM1台が1000万円程度するのだが、利用者は郵便局の職員だけと言うような事例が出てくる。

 またゆうちょ銀行が高収益なのは、現在の低金利政策にあるので、金利上昇局面になるといっぺんで収益は悪化する
郵政民営化ではそうなった場合の措置として自由な運用を認めているのだが、実際は金融機関と競争して企業融資に乗り出すノウハウはなさそうだ。
民営化された後も、国債や地方債以外の運用がほとんどないことがそれを示している

 従って金融情勢が変わり貯金金利が上昇すると、貯金事業は大幅な赤字に転落する。しかし民営化していれば独立採算のゆうちょ銀行だけの問題となり他に波及することはない。
一方国有化されて、再び郵政3事業が一体となれば、郵政業務が全体でひっくり返るというのが実態だろう。

 小泉改革では、独立採算制をとって経営努力を求め、それぞれの事業の黒字化を目指したのだが(実際21年3期はそうなった)、国有化されてどんぶり勘定になれば、しばらくは貯金業務で食いつなげるので合理化は停滞し、また昔どおりの郵便事業の赤字体質に戻りそうだ。

(今日のYou Tubeは飯豊山です。画面上部の←→をクリックすると、画面を大きくできます)
http://www.youtube.com/watch?v=DcyV6W07CC4

 

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(21.10.24) You Tube にはまってしまった

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 このところYou Tubeにすっかりはまってしまった。当初はビデオを撮って、それを編集してYou Tubeにアップロードするつもりだったが、なんともうまくいかない。

 ソニーのハンディカムというビデオカメラで撮影して編集をし、さらにYou Tubeに貼り付けるつもりだったが、ハンディカムに添付されているソフトがうまく操作できない。一番したいのは不要部分の切り取りだが、これのスタートとエンドの位置決めがなんとも難しいのだ。

 いやになって市販のソフトでよいものがないかと捜したら、TMPGEncというソフトがあり、これはこのブログの読者の横田さんの推奨品で、切り取りはうまくできたのだが、いざYou Tubeにアップロードしようとしたら、パソコンがすぐにフリーズして動かなくなってしまった。

 何回か繰り返したのだが、パソコン環境が悪いのか、回線環境が悪いのか、You Tubeの側に問題があるのかさっぱり分からない。
途方にくれていたら、得意のPicasaを利用する方法を思いついた。

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 ソフトというものは全体像が分かっていないとなんとも扱いづらいものだ。幸いなことにPicasaは写真の編集やWebにアップロードすることを日常的に行っていたので、問題が発生しても原因がすぐ分かる。

 このPicasaムービーという機能があることに気がついた。この機能を使用すると、ビデオをYou Tubeにアップロードすることができる。

 さらに写真もアップロードできて、その写真をパンしたり、写真に音楽を貼り付けれることもできる。
そうすると写真とビデオの中間のような映像になるのだが、これが気に入った。
電気自動車ではないがハイブリッド車という感覚だ。

 何か新しいことをするときは、すべての技術が新規だと、問題が発生したときにその原因追求が極度に困難だ。しかし従来技術が半分程度入っていれば、これは旧来型の問題か、まったく新規の問題か、見当がつくので理解が格段に早くなる。

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 今現在皆さんに見てもらっているのは、この写真をムービー仕立てにしたものだが、私はとても気に入っている。特に素敵な曲を貼り付けられるのがいい。曲は適当に事前に聞いて気に入った曲を貼り付けている。

 ただし始めたばかりで、以下の点についてはなお研鑽が必要だ。

① 曲と画面を合わせることができない。途中でパタという感じで曲が終わってしまうので、これを合わせるようにしたい。
② 最後の画面を入れておしまいだと言うことを示したいのだが、テキスト画面に文字入力する方法が分からない。
③ 映像がかなり荒くなるのだが、You Tube向けの映像の作り方がわからない。
④ 操作がいろいろあるようだが、なかなかしっくりと理解する段階にない。

 このように、まだまだいろいろな問題点があるが、写真仕立てのムービーに慣れたら、次は本格的なビデオに進もうと思っている。 

(今日のYou Tubeも四季の道です。まだ完全ではありませんが、努力をしております)
http://www.youtube.com/watch?v=wSxwbsWqDp0

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(21.10.23) マニフェストは単なる紙切れ 郵政民営化と鳩山首相の判断力

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 民主党の言うマニフェストとは国民に対する公約ではなくて、単なる紙切れだということが分かった。
日本郵政社長の後任人事にこともあろうに元大蔵事務次官斎藤次郎氏を指名したのである。

 これには日本中が驚いた。毎日新聞は22日の社説で「いったい、この人事をどう受け止めればいいのだろう。驚きとともに、鳩山政権への不審の念がわく」と言ったが、誰もが同じ気持ちを持ったはずだ。

 何しろ民主党は選挙前のマニフェストで「脱官僚政治」を歌い、鳩山政権の政権構想の5策の中で「天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する」と書いた。
ここでいう「全面的に」という言葉が「例外がある」という意味だとは日本語の新解釈だ。

 亀井担当相は「私の長い友人で、以前から将来の郵政事業について話し合ってきた延長線上でお願いした。役人出身というだけで、どんな仕事をしてもいけないというのはおかしい」と述べたが、元自民党守旧派の代表のような亀井氏ならば当然の判断だ。

 しかしこれに対する鳩山総理の「昨日の夜、亀井氏から話をいただいた時には驚きながらも、相当なつわものだから面白かろうと思った」という言葉にはまったく同意できない。

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 鳩山総理はすっかり忘れているようだが、昨年の日銀総裁人事で民主党が福田政権にとった態度を、私を含め国民は覚えている。
福田元首相に対し「元財務事務次官、武藤敏郎副総裁の昇格なんてとんでもない。元大蔵事務次官田波耕治氏も当然認められない」と蹴ったため、最後に妥協案として出された国際金融畑の元財務官渡辺博史氏についても「財務省出身者は絶対にダメだ」と一蹴したはずだ。

 その時の民主党の代表は小沢氏で、幹事長は鳩山氏だったはずだ。
いったい、武藤氏田波氏渡辺氏と今回社長に就任する斎藤氏とがどう違うのかさっぱり分からない。
平野官房長官が「回の人事がイコール天下りという理屈にはならない。財政と金融という部分でも違う」と説明したが、おそらく本人も何をしゃべっているのか理解できなかっただろう。

 私は鳩山総理が友愛を説く態度はとても好きで、友達だったら最高の友だと思うが、一方で政治家としての鳩山氏の判断力についてはまったく信用していない。

 なにしろ先日のIOCの総会において、東京が落選することを私でさえ分かっていたのに、石原都知事の要請を受けてのこのこ総会に出て行き、自身の影響力の無さを痛感して帰国したばかりではないか。

 今回はさらにひどく、自身が日銀総裁人事で「大蔵(財務)官僚は一切ダメ」と福田元総理に言い渡したことも忘れ、さらに民主党のマニフェストに何が書いてあるかもすっかり忘れて、「相当なつわものだから面白かろうと思った」とはあきれて物が言えない。

 もっとも政治は生き物だから、当然今まで言ってきた事を訂正しなければならないこともある。それならばそうと総理大臣が国民に説明して了承を求めるのが筋だ。
私が今回驚いたのは、鳩山首相が「斎藤社長の人事がマニフェストに書かれていることと異なる」との認識をまったく持っていないことだ。

マニフェスト、そんなものあったけ? 亀井君がそういうならいいだろう
この判断力の欠如をどのように評価したらいいのだろうか。

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 実は亀井担当相はそうとうな食わせ物だ。たった3名国民新党を率いて、鳩山内閣の鼻面を引っかきまわしている。
先の中小企業に対する「融資の元本と利息の免除」は鎌倉幕府の徳政令と同じで、金融秩序を崩壊させる試みだったが、こんどは「民主党のマニフェスト」をまったく紙切れ同然にしようとしている。

 日本郵政の社長人事は、国民に対する「官僚政治の打破」という約束を守るのか、それとも国民新党のようなもっとも古い政党に組して「官僚政治に戻るのか」の判断の分かれ目になるはずだ。
本来は率先して自らが社長後任人事をすべきなのに、亀井担当相に丸投げしただけでなく、元大蔵事務次官をあっさりと社長に据えてしまった。

官僚政治の打破はいったいどこに行ってしまったのだ!!!!」叫びたくなる。

 私のように引退して四季の道の清掃活動をしているだけものでさえ分かるこの理屈を、鳩山総理が理解しないことは信じられない思いだ。
私はあきれてしまったが、このような鳩山総理の判断力のレベルでは国民の信頼感が大幅に低下することだけは確かだ。

注)日銀総裁の人事でも鳩山氏はチョンボをやっている。幹事長として元財務官渡辺博史氏をいったん了承したが、小沢代表に一蹴され福田元総理に断りをいれなければならなくなった。
このときの福田元総理の言葉が「誰と話せば信用できるのですか。かわいそうなくらい苦労しているんですよ」であり、政治家としての鳩山氏の判断力の甘さを露呈した場面だった。


(今日のYou Tubeは苅田郷です。画面上部の←→をクリックすると画面を大きくすることができます。また宣伝がでてきますが×をクリックすれば消えます)
http://www.youtube.com/watch?v=l2-3AGqn0ew

 

 

 

 

 

 

 

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(21.10.22) 郵政民営化崩壊 西川殿切腹めされ

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(斎藤さん撮影 山崎編集)

 こうしたことを詰め腹を切らされたというのだろう。日本郵政社長西川善文氏の辞任のことである。
郵政民営化を推し進めた小泉元首相に請われて、三井住友銀行顧問元頭取)から日本郵政の社長に就任した西川氏は、小泉元首相の天敵、亀井静香金融・郵政担当相によって詰め腹を切らされてしまった。

 西川氏が詰め腹を切らされた直接の理由は「かんぽの宿のオリックスへの売却が不明瞭で、2400億の投資金額がたった109億円だったのは、オリックスとの間で癒着があったのではないか」という疑惑だったが、これは完全な濡れ衣である。

 この点については麻生前首相のときに、鳩山総務相によってオリックスとの契約が白紙撤回され、さらに西川氏の辞任を鳩山総務相が求めたものの、実際に首を切られたのが鳩山総務相だったことからもわかる。

 実はかんぽの宿とは、全国で105施設あるのだが、減価償却費を計上するといづれも赤字で、ただ単に元郵政職員の再就職の場としての意味しかなかった。
なぜそのような赤字の施設を次々に建設できたかというと、郵便貯金と簡易保険が黒字だったからで、その黒字分を郵政職員の再就職の場に利用していた。

 これは組織防衛としては当然のことで、今まで郵政一族のために働いてきた職員の労に報いていたわけである。
しかし日本全体の経済効率からいうと最悪で、赤字の郵便事業を貯金と簡保の黒字で補填し、さらにあまった分で職員の厚生施設に大盤振る舞いしていた構図になる。

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(斎藤さん撮影 山崎編集)

 これを小泉元首相は郵政事業を4分割し、日本郵便、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命に分け、さらに今まで福利厚生施設以外の何者でもなかったかんぽの宿を2004年から5年以内に処分するように法律で決めていた。

 西川社長はそれに従って、収益還元法で現在価値を算出して109億円オリックスに一括売却することにしたのである。
重要なことは収益還元法で計算すると、誰がどのように計算しても100億円程度の価値しかなかったということである。

 これは2400億円かけて建設した施設の利用者が、当初予定の24分の1しかなかったということと同じで、そもそも建設することに無理があったということだ。
注)日本では不動産バブル崩壊後は不動産は収益還元法で評価するようになり価値を生まない不動産はほぼゼロ査定になる。

 だからかんぽの宿問題西川氏追い落としの道具に使われただけなのだが、実際の西川氏の業績は申し分なかった。

① 郵政ファミリー企業219社のとの不明瞭な取引の見直し(ここに郵政OB約2000名が天下っており、随意契約で郵政公社から有利な取引条件を引き出していた

② 顧客管理システムを構築して名寄せを実施5億6000千万口座があって、名寄せがされていなかったため、一人が1000万の限度を越えて幾らでも貯金ができ、また税金逃れの隠し口座として使用されていた

③ 郵政全体の利益を倍増して経営を安定化させた随意契約の見直し、集配信局の大幅削減等で)。

④ 郵便貯金のネットワークを全銀協のネットワークと結び、利用者の利便性を向上させた。

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(斎藤さん撮影 山崎編集 赤とんぼを食べるスズメバチ)

 だから、郵政民営化路線そのものを否定しない限り、西川氏の馘首などはありえなかったのだが、郵政族のドン、亀井氏による巻き返しにあって、とうとう切腹させられてしまった。

 特にひどいと思うのは、後任に斎藤元大蔵次官を起用したことで、日銀総裁の人事であれほど大蔵官僚を嫌っていた民主党が様変わりの物分りのよさを示している。
官僚の天下り反対」はまったくポーズだけで、これでは民主党は大蔵省(財務省)の手先のようなものだ。

 なお、亀井氏を始めとする郵政族が郵政民営化になぜこれほど反対するかと言うと、郵便事業がまったくの赤字で、貯金と簡保がないと郵便局が成り立たないからである。
郵政時代24000有った郵便局が次々に廃業に追い込まれていき、このままでは郵便事業が成り立たなくなるのではなかろうかと言う危機感が郵政族にはある。
注)これは郵政族の支持基盤がなくなると言うことで、政治家にとっても死活問題だ

 実際、郵便物の取り扱いは主として電子メールの普及により、毎年数%ずつ減少しているし、ゆうパッククロネコヤマトにかなわない。
本来は合理化して対応すべきだが、それよりも貯金事業と簡保事業の利益で郵便事業の赤字を補填して、郵便局はそのまま残すのが一番ラクなので、民営化つぶしに狂奔すると言う構図になっている。

 4年前の郵政選挙で小泉氏が大勝してから4年、郵政民営化は風前のともし火になってしまい、再び官業の郵政公社が復活しようとしている。


(今日のYou Tubeは元花の美術館の館長、斎藤さんに案内された幕張の浜です)
http://www.youtube.com/watch?v=SRp9XNupHbo

 

 

 

 
 

 

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(21.10.21) 企画のたまご屋さん

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 まことに不思議な取り組みがある。「企画のたまご屋さん」という本の企画事業で、インターネットで必要事項を登録して出版社の編集者に企画書を送り、その企画を採用してもらって本にすると言う事業である。

 私が参加している読書会のメンバー、Kさんがこの「企画のたまご屋さん」のプロデューサーの一人で、読書会のメンバーに対し企画書を作らないかとの提案があった。

みなさん、本を出版しましょう。企画書の原稿を書いてもらって、私のほうで必要事項の補足して、実際に出版社から問い合わせがあれば、プロデューサーとして同伴してサポートします」と言う。

 私は当初自費出版のことかと思っていたので、「Kさん、前にNHKのクローズアップ現代でやってましたが、こうした出版は結局は著者が全部買い取り、無料で知り合いに配ることになるのではないですか。

番組では本屋に必ず置いてもらえるという約束が、実際はほとんどおかれることが無く著者とトラブルになっていましたよ。
出版社は著者に本を作らせ、すべて自分で購入させることで利益を得ていたはずです
」と聞いてみた。

 しかし、Kさんは違うと言う。

山崎さん、これは自費出版とはまったく違って、まさに売れる本を出版社の責任で販売するものです。それだけに内容は売れる本ではなくてはなりません。私は前に『子供たちへのブンガク案内』と言う本を書きましたが、自分で本を買い取るようなことはしていません。
企画書を全国の1000人近い編集者に送って見てもらい、これは物になると判断された企画だけが本になるのです


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 インターネットで「企画のたまご屋さん」の企画書の記載事項を取り寄せてみたが、実に詳細な内容が要請されていることが分かった。

 実は私は昔、シナリオ教室に通った経験があり、そのシナリオ教室では梗概こうがい)と言うものを作る練習をさせられた。
梗概とは絵画で言うデッサンであり、それを見ればシナリオの筋や面白さなどが分かり、テレビプロデューサーが映像化できるかどうか判断できるものである。

 私は本の企画書もこの梗概と同じようなもので、本の内容さえ分かればいいのだろうと思っていたが、どうやらそれだけでなく、企画意図や企画の背景、類書や類書との差別化まで記載しないといけないことが分かった。
イヤー、これは大変だ。相当出版事情に詳しくないと企画書もかけそうも無い

 もっともそうした出版社に対するアピールはこの「企画のたまご屋さん」のKさんのようなプロデューサーがサポートしてくれるらしく、「山崎さん、まああまり肩肘を張らず企画書を書いてみませんか」と言うことになった。

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 私は毎日ブログを掲載しているが、いままでこれを出版しようとは思ったことが無かった。一番の理由は本に比較してブログが圧倒的に自由だからである。
形式的にも自由で、写真も音楽も動画も自由に貼り付けることができ、なんとも面白い。マルチメディアを楽しめる。

 それにこの世界はなにより自由競争の世界で、読者にとって内容に興味があれば読んでくれるが、そうでなければ見向きもされない。

 ブログそのものはほとんど無料で製作され、必要なのは情熱と知識だけと言う世界であり、一方ブログの読者も無料で見ている世界だ。いわば金儲けとは縁遠い世界の話で、Googleと同様に無料だから広がっていくと言う世界といえる。

 それに比べると出版は制約が多すぎて、今一つ乗り気にならなかったが、Kさんの依頼でもあり、がんばって企画書を作ることとした。
出版にも挑戦してみるのは面白いかもしれない・・・・・

ロドリゴ巡礼日誌」にタムさんの情報を加えて、本にする企画書を作ってみる気になった。
しかし企画書つくりに1週間程度はかかりそうだ。

(今日のYou Tube)
四季の道を写してきました。宣伝文句が入りますが,×をクリックすると消えます。

http://www.youtube.com/watch?v=wAiZl4oq1AI

 

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(21.10.20) 人はなぜ悟らないのだろうか?

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 「人はなぜ悟らないのだろうか」と思う。他人のことではない、自分のことである。
私は日ごろ健康そのものと思われているが、一方健康に関しては一家言があって、普段はどんなに健康でも病気になるときは病気になるのだと思っている。
だから定年退職してから早3年が経過したが、在職中は毎年1回必ず行っていた定期健診もまったくしなくなった。

病気になれば検診などしなくても自分で分かるし、それに癌にでもなれば寿命なのだから、天命を受け入れよう」そう思っていた。
自分ではこの考えはとても強固でゆるぎないものだと自信を持っていたが、実際はまったくそうでなかったことに愕然としている。

 実は最近身体の調子がなんとも悪い。それも常に悪いと言うほどではなくて「悪いと思ったときに悪い」のだから困ったものだ。
かみさんは「精神的なものよ」と言うが、それが確かであっても、「なぜ精神的に不調になるかが分からない

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 不安感に押しつぶされそうになり、先日からあわててインナーネットで人間ドックを検索している。私が元務めていた健康保険組合が人間ドックの補助を4万円ほどしてくれる。
だから価格が4万円程度で千葉市周辺の病院の検索をした。

 してみて分かったが人間ドックはなかなか混んでいて、来年の1月5日まで予約ができないと言う。
あのー、何とかもう少し早くできないでしょうか」日ごろ人間ドックを馬鹿にしていたが哀願口調になってしまった。
哀願が功をそうして11月30日になったが、これとても1ヶ月以上待たねばならない。

ダメだ、とてもその間の不安感に耐えられない
急遽家庭医のかない先生のところで、血液検査だけでもしてもらおうと、今日いそいそと出かけた。

 「あのー、先生、いつもではないのですが、寒気が抜けないのと、頭が重いのと、そしてそのことを気にすると胃腸の調子が非常に悪くなるのです。

 気にしなければなんとも無くて、かえって運動をしているときなどはとても気持ちよく、先週も130kmのマラソンをしましたが、そのときは何でもありませんでした。

 でも、静かにしていると、寒気がするのです

 かない先生は笑って、「まあ、血液検査でもしてみましょう。でも何もでないかもしれませんよ」と言っていたが、身体全体をチェックをしてもらわないと不安感で心が壊れてしまいそうだ。

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 よく女性の場合は閉経期にはいると更年期障害が発生して、体調が思わしくなくなるが、男性にもこの更年期障害があるのだろうか。

 しかし情けない。「神様のお迎えが来たら素直に受け入れよう」と思っていたはずが、実際お迎えが来そうになると、「あのー、神様、もう少しまっていただけないでしょうか・・・・」なんてことになってしまった。

 人間の悟りなんて所詮こんなものなのだろうか。
それとも私が特別に精神的に非弱なのかも知れないが、人間はなかなか悟らないものだと思う。


(別件)ようやくYou Tubeに写真を貼り付けて、ムービー仕立てにすることができました。これはビデオではないが、一見するとビデオのようにも見えます。
この方法はPicasaのムービーと言う機能を使用したもので、なかなか気に入っているので、しばらくこの技術の習得に全力を注ごうと思っています。

http://www.youtube.com/watch?v=LfD1oY2FYw4

 

 

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(21.10.18) 映像作家への道 その2 悪戦苦闘が続いている

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 相変わらずの悪戦苦闘が続いている。ビデオカメラの操作については何とか理解ができたレベルに達したが、これを編集してYou Tubeに載せる作業がまったくはかどらない。
本当はこの記事に貼り付けて「ここまで研鑽の結果が出ました」と言うところを示したかったのだが、まったくダメだ。

 先日コメントをいただいた横田さんが推奨してくれたソフト(下記にコメントの内容を貼り付けておきました)をインストールして操作をしているのだが、最後までなかなか到達できない。

 現在使用しているソフトは体験版で2週間の使用期間があり、気に入ったらインターネットで購入することになっている。
ソフトの値段は約1万円でやや高価なので、うまく使用ができなければ宝の持ち腐れになる。
懸命に操作をしているのだが、あいにくとこの体験版は途中結果を保存できない。
1~2時間程度操作をしてうまくいかないといやになって止めるので、次もまた一から操作をはじめなければならない。
もうやだ、何とかうまい簡単な方法が無いものだろうか

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   先日はこのソフトの使用法にあきあきして、ビデオレコーダを使用する方法に切り替えてみた。
ビデオカメラの映像をビデオレコーダに取り込んで、このビデオレコーダの操作で編集を行おうと言うものだ。

 私は歌謡番組をビデオレコーダに落として、その後要らない部分をカットする作業を日常的に行っているので、これが使えないかと思ったわけである。

 うれしいことにビデオカメラの映像はビデオレコーダにばっちり取り込め、それで不要部分のカットもできたので小躍りしてしまった。
よかった、これをDVDに落としてパソコンで取り込めばOKだ。You Tubeまで今一歩だ

 ところがこの映像をパソコンはまったく受け付けてくれない。「ファンクションが違います」というメッセージを出して、その後はうんともすんとも言わない。
ファンクションが違うと言われても、何のことか分からん」がっかりした。

 どうやらテレビの世界はその世界で完結しているらしく、パソコンとの相性はまったく悪い。
しかたない。また元にもどってソフトの研修をしよう

 一体いつになったらこのTMPGEnc Authoring Works 4 というソフトを理解できるのだろうか。もうすぐ2週間たって泣く泣く1万円でこのソフトを購入させられそうだ。
最近はGoogleなんかが無料のソフトを公開しているので、本当はそうしたソフトを使用したいのだが、あいにくとビデオを操作するソフトを見つけることができない。

写真編集用ではPicasaのようなすぐれた無料ソフトが公開されているのに、どうしてビデオはないんだ」思わず声がでた。

 もっともそれではソフト産業そのものが衰退してしまうので、相応の金は支払うべきなのだが、このソフトというものは十分使用して見ないと良いのかそうでないのか分からないから厄介だ。

 今日は愚痴しか書けない自分がなんとも腹立たしい。


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 なお、横田さんからいただいたコメントは以下のようなものでした

編集ソフトにもピンキリで、私は今のところTMPGEnc Authoring Works 4に落ち着いています。
これはDVDやBDへの出力がメインですが、生成されたMPEG-2形式動画ファイルはYoutubeにも投稿できます。

 なお、Youtubeサーバが内部で最適化(flv形式?)するので、公開できるようになるまでに時間がかかります。
TMPGEnc Authoring Works4 は字幕トラック(DVDやBDで、字幕をon/offしたり言語を選べる)を後からいつでも好きなときに編集できます。

 体験版で、字幕トラック付・メニュー付のDVD/BD作成まで試せますのでひとつどうぞ

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(21.10.18) 第2回おゆみ野四季の道駅伝の実行委員会が開催された

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(写真はすべて第1回大会のときの写真で

 17日に、第2回おゆみ野四季の道駅伝大会の第1回目の実行委員会が開催された。昨年は5月頃から会議を行っていたが、さすがに2回目になればノウハウが蓄積されているので関係者にも余裕が出ている。

 今回もおゆみ野地区社会体育振興会緒方さん実行委員長になって開催することになった。今回集まったメンバーは顔なじみが多かったので、またよろしくと言う雰囲気だ。

開催日は来年の2月14日の日曜日である。

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 第一回目は3年生以上の小学生だけの駅伝大会だったが、今回は中学生も含めることになり、徐々に拡大しようとしている。当初は小学校1、2年生も含める予定だったが、小学校の校長先生から「1、2年生が駅伝を走るのには無理がある」という意見が出されたので、取り止めにしたと緒方さんが説明をしていた。

 走る距離は小学生は昨年と同様、3年生が一人500m4、5、6年生は一人1000mで、新たに参加する中学生は一人1500m走ってもらうことになった。

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 今年も昨年と同様の走り方練習会を計4回予定している。
予定日は以下の通り。

*おゆみ野南小、金沢小、小谷小

・21.12.13(日) 13時~  冬の道の基点集合
・22.01.24(日) 13時~  冬の道の基点集合


*有吉小、扇田小、泉谷小

・21.12.20(日) 13時~  春の道公園集合
・22.01.30(土) 13時~  春の道公園集合


 今年もこの練習会の指導をすることになったが、昨年は多くのランナーの方に応援してもらってこの練習会を成功させた。
今年も是非お願いしたい。
なにせ私は63歳になって、思うように身体が動かなくなっており、とても一人の手に負えそうも無い。

 ランナーのみなさん、ぜひぜひ今回も協力をお願いいたします

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 なお今日の話し合いで昨年と変えたほうがよいと検討している点は以下の通り。

① 選手がゴール後に荷物が置いてあるスタート地点まで戻っていたが、寒い場合はかなりきついので、ボランティアで荷物をゴール地点までもっていきたい。

② 金沢小学校の前がゴール地点だったため、通勤客とのバッティングがあったので、ゴールをはちまんがた公園に移したらどうだろうか。

 次回の実行委員会は11月15日(日) 2時から開催されます。

 

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(21.10.17) 羽田の「国際ハブ化」のしまらない話 前原国交相の腰砕け発言 

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 なんともしまらない話になってきた。
前原国交相の「羽田空港の国際ハブ化」の話である。

 10月12日に前原国交相が「首都圏空港を国内線と国際線に分離する原則を取り払い、24時間稼動する国際空港化を徐々に目指していきたい」と述べたときは、さすが民主党は今までのしがらみを断ち切って、ようやくまともな航空行政をするようになったと思ったが、14日には急速にトーンダウンした。

 14日、千葉県の森田知事と会談後、国交相は「成田がメーンと言う位置づけは変わらない。羽田の第4滑走路ができても成田が中心的な役割だ」と述べたが、そうなると12日に言った「国際ハブ化する空港は一体どこなんだ」と聞きたくなる。

 一方、前日おおげさな怒りの会見をした森田知事は、「千葉に対しての思いやりが感じた。大臣と私の考えは同じ」と言って満面の笑みを浮かべたが、今までと一体何が違うのかさっぱり分からなかった。

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 過去自民党政権航空行政は「国内・国際分離」だったが、これは世界の流れに完全に逆行し、韓国の仁川空港やシンガポールのチャンギ空港に完全に遅れをとってしまった。
なにせ成田空港は、日本の人口の半分以下の韓国の仁川空港や、たった500万人のシンガポールのチャンギ空港より国際旅客数が少ない
世界的視野で見たら完全にローカル空港と言える。

 成田がローカル空港になった最大の原因は滑走路の拡張がままならないからで、ようやく2本体制ができたものの、騒音問題でいまだに24時間の使用ができない
これではハブ化しようにも発着数に制限がありすぎて、国際便を受け入れるのがやっとと言う状況だ。

注)一般的には1滑走路で1年間にさばける発着数は10万回。
羽田は来年4本になり約40万回、成田は2本で約20万回となる。


 なぜハブ化しないと問題かというと、「国内・国際分離」は地方から外国に行く人や、外国から地方に来る人たちにとって、不便この上ないからである。

 たとえば仁川空港チャンギ空港であればトランジットのロビーで休んでいれば、荷物は自動的に運んでくれるのに、羽田や成田ではその荷物をわざわざ受け取って、さらに1時間あまり電車で運び、また次の空港で荷物を預け入れしなければならない。
そのたびに、運んだり手荷物検査を受ける煩わしは言葉にあらわせない。

 それでも日本人であれば成田と羽田間の電車に乗るのは難しくないが、日本語を理解しない外国人にとっては、電車に乗るのも一苦労で、自分が乗っている電車が果たして正しいのかどうか神経をすり減らさなければならない。

注1)初めて訪れた国でそこの国の鉄道やバスをすぐに乗りこなす外国人などいない。

注2)JALには「てぶらチェックインサービス」と言うものが有り、地方に住んでいる人が直接荷物を成田に送ることはできる。ただしこのサービスはJALの持ち出しになっているはずだ。
一方外国人の場合はどうしても成田で荷物を受け取って羽田まで運ぶことになる

 そんな苦労をするくらいなら、地方に住む日本人にとって韓国の仁川空港を使用して海外に行くほうがどんなにか便利かわからないし、外国から地方都市に来る外国人も同じだ。
現在仁川空港と日本の地方空港の間には28の定期便が飛んでおり、おかげで地方に住む人たちが外国に行く場合も不便をせずにいられるのだから、われわれは韓国にどんなに感謝しても感謝しきれないほどだ。

日本の航空行政の失敗を補ってくださって、カムサハムニダ

 しかしこの航空行政の失敗はそれなりの問題があり、JALANAはみすみすお客を韓国のアシアナ航空に取られてしまい、これだけが理由でないもののJALはほとんど倒産寸前に追い込まれてしまった

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 前原国交相としては長期的視野にたって日本の航空業界(特にJAL)を支援するため、この羽田の国際ハブ化を打ち出したのだが、さっそく腰砕けになっている。

 実は自民党政権のときでも「国際・国内分離」は建前で、実際はなし崩し的に羽田をハブ空港にしようとしていた。
① 03年以降、ソウル、上海、香港への定期チャーター便が就航している(ここでのチャーター便とは路線認可をとらないが、実際は定期便と同じように運行している路線
② 成田で発着できない夜間の北米や欧州路線の受け入れ

 
このなし崩し方式は日本人の得意技で、自衛隊と同様たてまえと実態が異なるのだが、前原国交相はこのたてまえを実態に合わせようと言ったので、憲法第九条と同じように大騒ぎになってしまった。

 しかしこの「国際・国内分離策」を踏襲していく限り、じきにJALは倒産してナショナルフラッグは無くなり、ANAも細々と国内航空路線だけで生き残り、日本の地方空港は韓国の仁川空港のローカル線になることは確かなので(
成田を拡張できない以上)、羽田をハブ化するのは国家戦略としては当然の帰結なのだ。

 しかしここでも 八ツ場ダムと同様のしがらみが出てきて、既得権を失う自治体から大反対の合唱が始まっている。
かつて織田信長楽市楽座の制度を導入するため、従来の座と言われていた勢力を駆逐したが、変革には当然既得権者の痛みが発生するし、そうした人々が抵抗するのは当然だ。

 今のところ前原国交相と森田知事は同床異夢だが、前原国交相の腰砕け発言を見ると、国交相はたてまえを残したまま、羽田を実質的にハブ化する路線
自衛隊と同様の路線)に切り替えたみたいに見える。

 なんともしまらない話になってきた。


注)なお「羽田のハブ化」問題について、「ちば公園のベンチから」の斎藤さんがとても興味深い記事を書いていた。参照されると面白い
http://midorinochiba.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-f6c7.html

 


 

 

 

 

 

 

 

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(21.10.16) 犬に心があるのだろうか?

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 我が家には犬はいないが、私はとても犬好きである。四季の道で会う犬にはすべて声をかけることにしている。
元気かい?」などと言っていたら、犬の友達が増えてきた。

 思えば子供の頃はいつも犬と一緒だった。
長い間飼っていた犬はハチといい雑種だったが、お世辞にもかわいらしいさとは縁遠い犬だった。

 当時は犬は番犬として飼われており、昼間は鎖につながれているが、夜半は鎖から離され不審者が近づくと猛烈な勢いで吠え立てたものである。
年をとり、皮膚病にかかって背中はほとんど毛がなくなっていたが、それを病気だとは思っていなかった。
老人になりハゲたのだと思っていた位だ。

 このハチが老衰で死んだときは私が墓を作って庭に埋めた。その近くにグミの木が植わっていた。そのグミの木が毎年少し渋いが多くの実をつけるとハチがそのグミの実に変わったのだと子供心に思ったものである。

 その後も我が家には熊という獰猛な秋田犬が飼われたりして、犬とはいつも一緒だったが、「犬に心があるかどうか」などと考えたことは無かった。
番犬」それが私の犬に対するイメージになっている。

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 ところが最近、私がいつも見ている「元気姉ちゃんと散歩おじさん」と言うブログに、かぐや姫さんが以下のような記事を掲載したので驚いてしまった。犬は番犬でなく心の友達だと言う。少し長いが全文を掲載する。


竹ちゃん、有難うペットが家族になる時


 我が家の愛犬ラブラドール・レトリバーの竹ちゃんは本当に優しい性格です。

 朝晩気温が下がってくる今日この頃。私が風邪で38℃の熱を押して竹ちゃんと散歩に行くと、私に合わせて歩く速度を遅くしてくれるばかりか、一緒に病に伏してくれるのですよ。
 
 今朝の散歩は昨夜の熱の後ですから正直、嫌でした。散歩中、竹ちゃんに異変は無かったのですが、夕方の散歩では、ウンチは下痢便で食欲もありません。

 これと良く似た事があった事を思い出しました。1回目は2年前の秋。丁度今頃、家族に入院する者があり私が気落ちしていると竹ちゃんの口元に二つの禿げができました。500円玉と十円玉を並べた感じです。獣医さんの診断では私が元気の無いことに心を痛め、免疫力が落ちてダニに毛根付近を攻撃されて禿げてしまったと、説明されました。確か、血便が出ていました。

 二回目は今年の一月に私が風邪で39℃の熱を出した時も、鼻の際中央がちょっと禿げました。下痢と食欲不振がありました。

 こうなるともう偶然ではなく私の体調が悪いと数日後には竹ちゃんの体調も悪くなります。それだけ竹ちゃんにとって私は大事な人なのですよ。病気になるほど慕われるなんて経験はないですね。なんと繊細で優しい性格なのだろう。私の生涯において一番愛された経験です。(犬でも嬉しい!)

 ペットだけど家族。家族だけどペット。この微妙な距離が段々縮まっていくのです。我が家で無言の『』を語る竹ちゃん。本当に有難う!早く元気になるからね。

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 「うぅーん」とうなってしまった。主人が病気になると犬も病気になるのだと言う。これでは犬と言うよりも確かに家族という感じだ。なにしろ免疫力が落ちてダニに攻撃されて禿げてしまうほど悩んでいるという。

本当に犬に心があるのだろうか
そういえば梅爺閑話梅爺さんが、「人の心、動物の心」(全文は長いのでリンクを張っておきました)と言う記事で「犬も、不安には怯え、それが原因でノイローゼにもなりますが、少なくとも、人間のように『変化がもたらすであろう先のことを推察』して、悩んでいるようには見えません。犬にとっては、わけもわからない『現在の不安』がノイローゼの原因です」と言っていたのを思い出した。

 梅爺さんも犬には心があるという。「現在の不安」などと聞くと芥川龍之介みたいだが、未来はともかく現在の状況を悩んでいることになる
私のように長い間「犬は番犬」と思っていたものには、驚くべきことだが我が家の陸ガメ、カメゴンでさえ呼べば飛んでくるくらいだから、犬に心があってもおかしくないのかもしれない。

 そう思っていたら、今度はチンパンジーが相手の要求行動に応じて道具を渡す「手助け」をするとの報告が京都大学霊長類研究所からされていた。
その棒とって
あいよ」という具合だ。

 どうやら動物は思いのほか賢いと思ったほうがよさそうだと認識を新たにした。




 

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(21.10.15) おゆみ野四季の道の壁画

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 うれしいことにおゆみ野四季の道に壁画が現れた。ジャスコから桜公園に下がっていくところにあるトンネル内の壁に、有吉中学校美術部の生徒が壁画を書いてくれた。

 実はこの場所は以前中学生がたむろしていた場所で、冬場に暖をとるため焚き火をしていた場所である。
壁の横で焚き火をすると漆喰がぼろぼろになって崩れてしまい、そこだけコンクリートがむき出しになっていた。

 何回か補修をしたもののすぐに崩れ落ちてしまい、なんとも汚らしい壁になってしまい、私も困りきっていた場所だ。
それが先日来壁の補修が始まり、今までの漆喰をすべて落として塗りなおし、さらにその上に美しい色取りのペンキが塗られていた。
よかった、これで四季の道もようやく綺麗になった」喜んでいた。

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 そのとき私は気づかなかったが、この美しいペンキはいわゆる下塗りで、今回その上に有吉中学校の美術部のメンバーが壁画を書いてくれた。
私は壁画を描く前日に、下見をしていた先生や生徒の集団に会ったので、不思議に思って先生に声をかけたところ、「明日、美術部の生徒がペンキ画を描く」のだという。
期待してます」と言ったら笑っていた。

 散歩おじさんによると、この壁画は「四季の道の名前に相応しい「春・夏・秋・冬」を表す動植物が生き生きと活動している様子が描かれていて」その内容は以下のようなのだそうだ。

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桜、つくし、タンポポ、蝶、鶯、


ひまわり、花火、ホタル、満月、盃に写る赤い月


満月、赤とんぼ、すすき、柿、ドングリ


かまくらと雪うさぎ、サンタクロース、雪ダルマ


 ちはら台ではこのペンキ画が実に上手に描かれていたので「おゆみ野ではなぜできないのだろうか」と不思議に思っていたところだ。
通常、美しいペンキ画が描かれると落書きが減ると言う傾向がある。
もっとも絶対に落書きが無いとはいえないが、されたらまた有吉中学校の生徒が補修してくれるだろう。

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 もう一つ私が悩んでいるトンネルに秋の道公園近くのトンネルがある。ここが定期的に落書きがされるので、そのたびにペンキで消していたが、この場所も壁画を書いてほしいものだ。
桜公園は有吉中学校が書いてくれたので、秋の道公園は泉谷中学校の生徒が書いてくれないだろうか。

 街中が汚らしい落書きではなく、ほのぼのとしたペンキ画で飾られたら、本当に楽しく散歩ができるのだが・・・・・・。

注)なおペンキは関西ペイントが無料で提供してくれたようだ。ペンキはかなり高価なので本当にありがたいことだ





 

 

 

 

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(21.10.14) 御園生さんのジャーニーランに参加した。 下野(しもつけ)街道 130km

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 久しぶりに御園生(みそのう)さんが主催するジャーニーランを走ってきた。ジャーニーランとは走ること自体を楽しみながら走る競技で、特に速く走る必要はなく、制限時間以内に目的地に到着すればよい。
注)制限時間は時速6km強程度に設定されているので、時間的余裕は十分ある。

 ただし、自分の必要とする荷物は自分で運ばないといけないので、競技用か登山用のリュックに着替えや雨具や懐中電灯や洗面用具を詰めこみ、そしてできうる限り軽くする工夫をして走ることになる。
私の場合はいつも3kg程度の重さしかない。

 今回は下野(しもつけ)街道約130km2泊3日で走る競技だった。日光の今市から会津若松までの街道を、旧街道が残っている場合は旧街道部分を、残っていない場合は国道を走ることになっていた。

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 コースは鬼怒川温泉川治温泉を経由しながら鬼怒川を遡り、さらに鬼怒川の支流の男鹿川を遡って、栃木と福島の県境の山王峠を越える。
峠を越えると今度は阿賀野川の支流の荒海川沿いに会津田島に行き、さらに支流名が変わった大川(阿賀野川を下って会津若松市に到着する。
一言で言って川の道といってよいような道だったが、約1000m山王峠大内峠はしっかりと頂上まで登って下らなければならなかった。

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 今回の競技参加者は15名で他に御園生さんを含めたサポーターが2名、計17名の人員だった。この種の競技はほとんどが趣味の世界に入るので、よほどの物好きしか参加しない。
多くの場合は昔は相応のランナーだったが、年齢を重ねて速く走れなくなり、もっぱら距離を稼ぐランナーにかわった人が多い。
従って年齢はかなり高く、50歳代が中心になる。

 この下野街道は会津藩主保科正之が参勤交代や会津の物資を江戸に運ぶための最短路として整備したため、会津の人の思い入れが強い

 なぜ分かるかと言うと、栃木県側の旧街道は国道にすっかり置き換えられほとんど跡形もなくなっているが、福島県側に入るといたるところに旧街道が残されている。
栃木県側ではもっぱら川の美しさだけが印象に残ったが、福島県側に入ったとたんに、草生したかつての下野街道が現れてきた。

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 この街道の最大の見所は大内宿だった。私は大内宿なるものをまったく知らなかったが、クリーンクラブの小太郎姉さんによるとこの地域では大内宿は大変な名所で、旧中仙道馬籠妻籠に匹敵するのだそうだ。
バスを連ねた観光客が来ており、名物のネギ蕎麦を食べるのが定番コースのようだった。

 昔ながらの宿場町が再現されており、もし観光客がいなければ、三船敏郎の用心棒の世界を見ているみたいだったろう。

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 今回のジャーニーランは当初楽勝だと思っていたが、福島県に入ったとたんに山道を走らされることになった。
特に大内峠からの下りについてはいたる所で道路標識が壊れており、また草刈も不十分なため私たちの約半数が路に迷ってしまった。
うぅーん、困った。一体どっちにいけばいいんだ。右か左か?」頭を何べんも抱えた。

注)下野街道は標識が壊され、雑草が路をふさいでいる場所と、標識がよく設置され、草刈もされて遊歩道として整備が図られている場所が、極端な形で共存している。

 私も3回ほど道を間違えたが、幸いにすぐに道の間違いに気づいたので問題が無かったものの、このままでは通常のハイカーがこの道に入ってくることはだんだんと少なくなってきそうだ。
私が福島県に住んでいたら、「すぐに標識の補修と草刈をしてしまうのだが」と思ったものだ。

 しかしジャーニーランは実に面白い。ここしばらく健康に不安があったが、走り出したらすっかりハイになり、快調な走りができた。
走っているときが一番気持ちがよく、私の身体が走りに特化していることがよく分かる。

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 この競技は競争ではないが、実際は何人かの足自慢がすぐに飛び出して、実質的に競争になる。
今回は超長距離ランでは日本を代表する一人といわれるAさんの後を懸命に追ったリして、すっかり数年前の走りを思い出した。
念願の会津若松の鶴ヶ城も見物でき、充実した3日をおくってしまった。

 

 

 

 

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(21.10.13) ウィニーは中立的な技術  大阪高裁の判決

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 ファイル交換ソフト、ウィニーを開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを助長したとして、著作権法違反のほう助罪に問われていた、元東京大助手、金子勇被告(39)に対し、大阪高裁は罰金150万円とした1審・京都地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した(10月8日 毎日新聞)。

 私は金子被告が無罪になることは、(20.3.31)ウィニー問題は大変だと言うブログで指摘しておいたので大阪高裁の判断には驚かないが、検察が金子被告を裁判にかけられると判断し続けていること自体は驚きだ。

 そもそも著作権違反のほう助罪なるものの成立要件は、直接に金子被告が特定人物に技術情報を教え、かつそれが違法に著作権侵害が可能であることを伝えない限り成立しない。

 一方金子被告WINNY(ウィニーと言うソフトが、サーバーを使用せずにパソコン同士で、かつ匿名性を保持したままファイル交換ができると、インターネット上で公開しただけだ。
いわば技術的には中立なソフトを公開しただけで、特定の個人に対しなんらほう助など行っていないし、またこうしたファイル交換ソフトは他にも存在して、WINNYだけが匿名性を持っているわけではない。

 もしこうした中立的な技術が問題だとなると、コピーメーカーのキャノンセイコーエプソンなども当然「違法コピーのほう助を行っている」と言うことになるし、銃器メーカーのコルトウィンチェスターなどは毎回殺人のほう助罪に問われてしまう。

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 大阪高裁の判決は非常に冷静で、まずWINNYを「価値中立のソフト」として認め、その上で「開発したソフトをインターネット上で公開した提供者はダウンロードした者を把握できず、違法行為をしているかを把握できない。
価値中立のソフトを提供した行為について、ほう助犯の成立を認めれば、ソフトが存在し、ソフトを用いて違法行為をするものがでて来る限り、提供者は刑事上の責任を無限に問われることになる
」として、罪刑法定主義の立場から金子被告無罪を言い渡した。

 京都地裁が頭に血が登って「利用者の多くが著作権を侵害することを明確に認識、認容しながら公開を継続した」として有罪判決を下したのとは大違いだが、京都地裁が頭に血が登った理由も分かる。

 それはWINNYを使用した個人情報等の漏洩が、日銀や官庁や自衛隊や、当の裁判所でも頻繁に発生して、このままでは社会の安定性が保てなくなってきたからである。
ならば「金子被告をいけにえにして、匿名のファイル交換ソフトを駆逐しよう」と思ったとしても不思議ではない。
京都地裁と検察は魔女狩りをしようとしたのだ。

 しかし日本は法治国家だし、今は中世ではない。
著作権法違法容疑はWINNYを使用して、違法コピーをした者にあり、価値中立のソフトを作成した人にはない。
またWINNYを使用して個人情報を盗んだ者は、その人が犯人であって、ソフト制作者の金子氏が犯人ではない。

 インターネットの時代は難しい。一度ソフトを公開すれば全世界の人が等しく知ることができる。そしてそれをどのように使用するかを開発者は具体的に把握できるわけでない

 だからわれわれのこうしたソフトに対する対応は、使用者にマナーが問われているのであり、① 違法な用途に使用しないようにすることと、② 暴露ウィルスが添付されて知らないうちに情報漏えいが行われないように、常時WINNYのチェックを行うことあるいは自動的にチェックを組み込んでおくこと)が必要なのだと思う。

 

 
 

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(21.10.12) おゆみ野守り人 最近の活動

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 おゆみ野守り人が新たな活動を始めた。地区の青少年の育成や、防犯に努力している組織の長や担当者に直接会って、インタビューをするという試みである。

 こうした組織にいて努力されている方々は、一般に守秘義務があったりして表に出ることが無い。いきおいそこに住む住民はそうした活動や努力があることも知らないし、そもそもそうした組織自体があることも知らない。

 今回の試みは守秘義務の範囲内で、一般の人に知らせたほうがよいことについてインタビューをして、ブログ「おゆみ野守り人」に掲載している。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/mamoribito/2009/09/post-ce50.html

 第一回目掲載は、家庭相談員Kさんだった。緑保健福祉センターTさん達と伺って話を聞いたのだが、そもそも私たちは家庭相談員なるものが存在していることすら知らなかった。

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 Kさんによると家庭相談員とは「緑区の0から18才未満の児童への虐待、親子関係、児童の障害、非行、不登校、さらには健康の問題まで、児童に関する相談は何でも聴きます」とのことで、イメージとしては児童にかかる何でも相談員と言うような役割に思えた。

 家庭相談員は「千葉市の非常勤職員です。緑保健福祉センター1階にある家庭児童相談室で働いています。千葉市では各区に一人配置しています」ということで、必ずしも人数は多くないが、相談件数は年間100件から150件程度あり、ほとんどがお母さんからの電話相談だという。

 直接緑保健福祉センターに出向くことがはばかられるお母さんが電話で相談してくるケースが多いと言う。
そしてそうしたお母さんの多くが「“私”は凄く頑張っている。でも子育ては思い通りにならないし、とても大変。私が困っていることは誰かが助けてくれるのが当然でしょう!?ただ私が困っていることを他の人に知られたくない・・・という気持ちになっているのだそうだ。

 実際おゆみ野地区は新興住宅地であるため、人間関係が希薄で相談する相手が存在しない場合が多く、多くのお母さん方が孤立しているのだそうだ。
注)つい最近、障害を持ったお子さんを殺害して、自分も自殺をしたお母さんのことが新聞で報道されたばかりだ。

 Kさんによれば「子育てに一生懸命であるが故に学校への不信感をあらわにしてしまう。不安や疑問を共有したり確認し合ったり、という人間関係が希薄なため、全て自分で抱え込まなければならなくなってしまう。せっかく子ども達のことを真剣に考えて何かしなければ、と思っているのにうまく進まない。こんな状況があちこちで繰り返されている」のだそうだ。

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 そうしたお母さん方の相談に乗るのが、家庭相談員の仕事のようだ。
今回のインタビューをしてみて、私たちの知らない仕事が熱心になされている実情を知った。

 おゆみ野守り人では毎月1回のペースでインタビューを行い、それをブログ「おゆみ野守り人」に掲載していくことにしている。
おゆみ野地区に住んでいる方たちがこのブログを見て、そうした地味だが重要な活動の実態を知っていただければ幸いだ。

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(21.10.11) 第2回四季の道駅伝大会

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 来年の2月14日(予定第2回目四季の道駅伝大会が開催される。第1回目は小学校の3年生以上の児童約380名で実施されたが、今年は小学校1~2年生と中学生も含めて実施をすることになりそうだ。

 1回目はどうなることか散々心配したが、その日は好天に恵まれとても暖かな日だったので、まったく問題なく怪我人なども無かった。
どちらかと言うと僥倖だったといってよく、通常2月の中旬は天気が崩れやすい。
雪など降ったらことなのだが、そうした対策も必要だろう。

 今年もキックオフミーティングが9月に行われ、実行委員会が10月から開催されるようだ。
中学生も参加するとなると、かなりのペースで走り抜けるはずだから、運営ももう一段の工夫が必要だろう。

 昨年はコーンの配置や、ルート上にテープを張ったり、交通整理の要員を多くの方にお願いしたが、今回もまたお願いしなければならないだろう。

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 私のところにはマラソンコーチの依頼がいくつか来ている。有吉小でのマラソン教室、おゆみ野南小金沢小の駅伝の指導だ。
また、開催前に何回か実行委員会主催の駅伝教室も開催しなくてはならないだろう。

 私一人で行うのはかなり事だから、またランナーの皆さんに応援を依頼しよう。
なにせ自分自身の身体がだんだんと動かなくなってきているので、若いぴちぴちランナーが指導者に入ってもらわないと身体が持ちそうに無い。

カメゴン、また四季の道駅伝が始まるよ。今回は中学生も参加するので昨年より大規模になりそうだ
ではまた先生は駅伝の指導をするのですか?」
うん、いくつかの小学校から依頼が来ている。誰か一緒にやってくれる人を募集しなければならなくなりそうだ

先生はこのところ体調を崩していますが、大丈夫ですか?」
ようやく、落ち着いてきたみたいだ。数日前までは大騒ぎして、神様のおむかいが来るのではないかと思っていたが大丈夫そうだ

四季の道にランナーがあふれるようになるといいですね
そうだね、特に子供たちが走ってくれるのが一番だから、また今年もがんばることにするよ

依頼:四季の道周辺のランナーの皆様
今年もマラソン大会が開催されますので、マラソン指導や当日の交通整理等のお手伝いをお願いいたします。

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(21.10.10) 下野(しもつけ)街道路草ジャーニーラン

800px1   (画像はwikipediaより

 久しぶりに御園生(みそのうさんが主催するジャーニーランに参加することにした。
ジャーニーランとは走ることを楽しみながら旅をすると言う意味で、御園生さんはこのジャーニーランの創始者の一人だ。

 ジャーニーランでは荷物をすべて背負って走るのだから、あまり速くは走れない。時速6kmから7km程度のゆっくりした速度で走る。
途中で腹が減ったら適当にコンビニなどに立ち寄って食事をする。

 地図を渡されて、ところどころにチェックポイントがありそこに必要な文字を記入する。たとえば(     )宿と書いてあれば、(今市)宿という具合で、これでその場所を通過した証拠になる。

 私は御園生さんのトランスエゾ北海道の襟裳岬と宗谷岬の間約500km)旧中仙道旧東海道のジャーニーランに参加しているが、旧街道を走るのはなかなか楽しい。
旧中仙道には妻籠宿馬籠宿が往時のままで残されておりとても感動したのを覚えている。
道幅は大抵が3m未満で、昔の街道が意外に狭かったのが分かる。

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(この写真は下野街道ではありません)

 今回は野(しもつけ)街道を走るのだが、この街道は江戸時代に会津藩主保科正之によって整備された街道で、会津の若松城下から下野の今市にいたる約130kmの街道である。
かつては会津藩の参勤交代のルートであったが、今は国道が側に整備されて、この街道は一種の遊歩道になっている。

 旧街道を走ったり歩いたことの無い人は知らないが、古道はほとんどが直線に作られている。少々の山などは迂回などせずまっすぐに上り下りするのでかなりきつい。
昔の人はそうした高低差をものともせず歩きとうしていたようだ。

注)フランスの巡礼道もまっすぐに道が作られていた。かつては土地の私有権などはほとんど無かったのと、まっすぐに作るのが作りやすかったためと思われる。

 00003_011_3路が急斜面になると石畳がひきつめられているが、当然のことに段差は無い。段差など作ると大八車のような運搬手段が通れなくなるからだ。
ただし石畳は雨など降って濡れていると滑りやすくなり、走ることができなくなる。

 私は昔、萩往還道が雨に濡れていた時に走ったが、すぐに転んでしまって往生した。下が石畳だから転ぶと大変痛い。
痛テー、本当に昔の人は転ばずに走れたのかい???」不思議に思ったものだ。

 この街道沿いには鬼怒川温泉、川治温泉、湯野上温泉があって、ちょっとした温泉郷だ。また昔の宿場町などが残されておりノスタルジーを感じさせる場所だ。

 10月10日からの3連休に3日かけて130km走るのだから、平均して毎日40kmちょっとを走ればいい。
この種の競技としては楽な部類に入る(トランスエゾは平均して80km走らなければならない)。

 心配は私の体調で、このところ不調を囲ってきたので大丈夫かと言う気持ちもあるが、走り出すとハイになるので何とかなるだろう。
天候も回復しそうなので、写真もばっちり取れそうだ。

 本当に大好きな旧街道のジャーニーランなので大いに楽しんでくることにしたい。

 

 

 

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(21.10.9) オーストラリアの意外な自信 政策金利の引き上げ

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 ここにきて豪州準備銀行RBA)が政策金利3.00%から0.25%引き上げ3.25%にしたことが世界の経済界に衝撃を与えている。
それと言うのも9月下旬に開催されたG20の会議で「景気刺激策を緩和して金利を元に戻すのは早すぎる」と確認したばかりだからだ。

 経済運営で最も難しいのはこの緩和から引締めに転ずるときで、早すぎると経済が再び失速するし、遅すぎると有り余った資金が土地や株式に流れてインフレが亢進する。

 オーストラリアG20の一員なのだが、「わが国は別だ。G20の確認など知らぬ」と言う態度だ。
RBAスチーブンス総裁は「豪州経済の状況は予想を上回る強さを見せ、景況感などを示す指標も回復してきた」と非常に楽観的だ。
この時期にこれだけ楽観的になれる先進国の総裁は珍しい。

 従来オーストラリアの経済は貿易収支は常に赤字(経常収支も赤字で、それを資本収支で生めることで成り立っていた。
貿易収支の赤字分を各国からの借入や投資で補ってきたわけだ
アメリカとそっくりだが、一つだけアメリカと決定的に違うところがある。

 それはオーストラリアドルが基軸通貨でないと言うことで、放っておいても資金が集まるアメリカと違う。このためオーストラリアは基本的に高金利政策をとってきており、この高金利で各国の資金を呼び寄せていた。
リーマンショックが始まる前の政策金利は7.25%で、日本においても外貨預金として人気だったはずだ。

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 もう一つのオーストラリアの特色は資源大国ということで、石炭や鉄鉱石の主要な輸出国だが、その最大の貿易相手国が最近は日本に代わり中国になってる。
このため中国経済が好調になれば、オーストラリア経済も潤う構造であり、昨今の中国の経済成長を好感してRBAは強気になった。

中国の経済成長は目覚しく、近隣の経済圏や商品市場に大きな影響を及ぼしている」という訳だ。
今回の利上げの直接的な理由としては「企業信頼感指数が+18ポイントで、小売売上高が09年8月、前月比0.9%の増加になった」と言うことだが、オーストラリアの企業家のマインドも非常に明るいと言うことだろう。

 また昨今住宅価格が上昇して住宅融資が拡大していることもRBAの利上げ材料になっている。
このままの低金利を放って置くと、インフレが再発するのではなかろうか

 かくしてRBAとしては伝統的な高金利政策に戻るのが正しいという判断をしたのだが、いつまでも低金利でいると国内的にはインフレが起こり、対外的には外資が入ってこなくなることを恐れているのだろう。

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 さてこのオーストラリアの判断は正しいだろうか。
すべてはここでも中国と言うことになる。中国の第2四半期のGDPの伸びは政府発表で7.9%であり、本年度目標の8%は達成できると強気だ。

 私は先に中国のマクロ数字政治的粉飾があり、信頼できないことを述べたが、数字はともかく中国政府がまれに見るケインズ政策を実行していることは確かだ。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/21910-f18a.html

 これにより経済は上向いてきており、日本韓国輸出産業も息を吹き返している。だから中国を主要な貿易相手国としているオーストラリアが楽観的になる気持ちは分かる。

 問題は中国が懸命な財政・金融政策をとっている間に、世界経済が持ち直すかと言うことになるが、アメリカ経済は相変わらずどん底であり、ヨーロッパも日本も急激な回復は望むべくも無い。

 その結果、中国は今までの外需頼みを止めて、内需重視に転換して自立的な経済成長を達成することを求められているが、それは中国に資金的余裕がある間はできると言うことだろう。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/21924-188c.html

 かつて日本も1991年にバブルが崩壊した後、赤字国債を増発しておよそ150兆円規模ケインズ政策を行ってきた。そしてそれが有効な間はどうにか数%の経済成長が可能だった。
中国はあのときの日本と同じで、溜め込んだ資金でここ2年間で52兆円規模のケインズ政策を行うことにしている。しかし資金が底をつけばGDPの成長率は鈍る。

 オーストラリアの利上げはすべて中国経済頼みであり、中国経済が世界経済のけん引役になれるとの前提に立っている
はたして中国と心中する気になったスチーブンス総裁の読みはあたるだろうか。
早すぎる引締め政策に転換して失敗し、経済を失速させた橋本内閣のようにならないだろうか。

 世界各国の経済担当者は、このオーストラリアの早すぎる決定に戸惑いながらも、その結果に注目している。
しかしその結果が判明するのはもう少し時間がかかりそうだ。


 


 

 

 

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(21.10.8) 文学入門 沢木耕太郎 「凍」

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写真は私が個人的に撮ったものでギャチュンカンではありません

 今回の河村義人さんの読書会のテーマ本は沢木耕太郎氏の「(とう)」だった。
私はいつものように沢木耕太郎氏についてまったく知識が無かったが、ノンフィクション作家として非常に著名な人であり、この「凍」でも講談社ノンフィクション賞を受賞していた。

 「凍」は登山家山野井泰史氏(やまのい やすし 1965年生)とその妻妙子氏がヒマラヤ、ギャチュンカン7952m北壁を登坂した記録を沢木氏がほとんど小説と同じレベルで記載したドキュメンタリーである。

 山野井泰史氏と言っても登山関連の書物を常時見ているような人でないとほとんど知らないが、世界の最難関な岸壁をソロと言うスタイル(一人で、かつ無酸素で登る方式)で登坂をしている登山家で、ヒマラヤの8千メートルを越えるチョ・オユーK2の単独登山を成し遂げている。

 このソロと言う登山方法を編み出した人はイタリア人、ラインホルト・メスナーメスナーはソロでかつ無酸素でヒマラヤの高峰を何度も征服している。
山野井泰史氏はこのメスナーの後継者のような人だが、山野井氏のスタイルは困難でかつ美しい岸壁を登るということで、このギャチュンカンの北壁は2000mの高度差でほぼ垂直に聳え立っている。
山野井夫妻はこの北壁をほぼ6日で登坂して降りてくる予定だったが、実際に降り立ったのはその数日後だった。

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 下降途中でなだれに会い、妙子氏が宙吊りになったのを救出したり、自身が目がほとんど見えなくなっていたからである。遭難の一歩手前だった。
ヒマラヤの登山では登るときよりも下降するときの方が難しい。
多くの場合、疲労困憊してようやく登頂アタックに成功した後で、岸壁を下降しなければならないからだ。

注)私とタムさんを槍ヶ岳の北釜尾根に案内してくれた登山家もその1ヵ月後、K2登頂した後下降時に消息を絶ってしまった。

 さらに山野井夫妻のように、少人数の無酸素アタックの場合は荷物を最小限にしているため、下降時のロープやビバーク用の十分なテント、それに食料がほとんど無いから最短時間で下降しないと凍死してしまう。

 この本を読んで本当に驚くのは下降時にやむなく絶壁でビバークするその方法である。ロープでブランコを作り、宙吊りになりながらそこで一昼夜を過ごすのだが、マイナス30度を越す吹雪の中で、眠ることはほとんどできず、おしっこはそのまま漏らさざるを得ない。

 その後目は酸欠と雪盲でほとんど見えなくなり、以降の下降は手探りでせざる得なくなったという。
手袋を脱いで手探りで岩の割れ目を探したために指がほとんど凍傷になってしまった。

 こうして山野井夫妻は足と手の指をほとんど失いながらも、何とかベースキャンプにたどり着くのだが、それから街までは救出に駆けつけたシェルパに担がれて病院に運ばれている。

 私はこの「凍」というノンフィクションで初めてヒマラヤの無酸素登山の厳しさを知ったが、かつて自分もこうした登山家になろうとして、六甲のロックガーデンでソロの練習をしていたことを思い出した。
当時は30歳前後で体力的には絶頂にあり、どんな岩場も登れると思っていたが、もし登山家になっていたら、山野井氏のような意志力がないから簡単に死んでいただろう。

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 さて、この沢木氏の「凍」については、文章力も山野井夫妻の精神のありようも十二分に描ききって申し分ない。
山野井夫妻の奥多摩でのストイックな生活もとても参考になった。
このドキュメンタリーは、ほとんど小説と言っていいレベルに達しているが、さぞかし取材は克明に行われたのだろう。

 この作品でたった一つの不満写真や挿絵が無いことである。ロッククライミングアイスクライミングの技術は専門の領域であり、普通の人はそこで使用される道具や登坂方法を知悉していない。
こうした専門用語は言葉で説明してもほとんど理解できないが写真を掲載すればたちどころに分かる。

 私はかつてウィンパーアルプス登攀記を読んで感動したが、何よりその挿絵が気に入ったものだ。
私のかみさんが「どうも読みづらい」と言っていたのは、専門書を何の予備知識もなしに読まされるようなものだからだろう。

 沢木
氏の文章力を認めるのにやぶさかではなく、この本が一流であることを素直に認めるが、さらに映像表現にするとすばらしい物ができそうなことも確かだ。

なお、山野井夫妻の日常と、ギャチュンカン登坂の記録のユーチューブを発見しましたので貼り付けて起きます(最初のコマーシャルは飛ばしてください)。

http://www.youtube.com/watch?v=RZHnQ51uolk

http://www.youtube.com/watch?v=xisCMCuVvjo&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5Y-cG4ejrRw&feature=related



 

 

 

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(21.10.7) 小泉改革の影のブレイン 高橋洋一氏の不思議な弁明 

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 最近まれに見る不思議な本を読むことになった。ただし中身ではなくその書き出しについてである。
著者は小泉内閣の影のブレインで、かつ竹中平蔵氏の懐刀と言われた元内閣参事官高橋洋一氏だが、本の題名は恐慌は日本の大チャンス」(09年9月発行)である。

 私はこの本の副題「官僚が隠す75兆円を国民の手に」にひかれ、民主党が狙っている埋蔵金の明細を確認したくてこの本を購入したのだが、書き出しの不思議さに驚いてしまった。
序章「埋蔵金を埋め戻す官僚」の最初の項目が「霞ヶ関に刃向った者の末路」で、自身が遭遇した窃盗容疑についての弁明が記されている。

 通常経済学関連の本を購入する人は、経済にかかる情報を得ようとして本を購入するのであって、本人が窃盗容疑で逮捕されたと言うようなことには興味は無い。
そうした道徳的なことと、経済的知識とは別のものであり、知りたいのは埋蔵金の実態だけだ。

 だが、この本ではまず窃盗事件の弁明がなされ、しかもその弁明がなんとも不十分な内容なので読む人に対し非常な不安感を与える。
なぜ、そんなことをわざわざ最初に書く必要があるのだろうか

 事件そのものは広く新聞報道されているので知っている人も多いと思うが、読売新聞3月30日の記事をそのまま掲載すると以下の通りだ。

東洋大教授の高橋洋一容疑者(53)を窃盗容疑で書類送検した。

 同署幹部によると、高橋容疑者は24日午後8時ごろ、東京都練馬区の温泉施設「豊島園庭の湯」の脱衣所で、区内に住む男性会社員(67)が使っていたロッカーから、現金約5万円が入った財布や、数十万円相当のブルガリの高級腕時計を盗んだ疑い。ロッカーは無施錠だったという。

 男性の通報で駆けつけた同署員が調べたところ、防犯カメラに高橋容疑者に似た男が写っていたため、浴場から出てきた高橋容疑者に事情を聞くと、盗んだことを認めたという。調べに対し、高橋容疑者は「いい時計だったので、どんな人が持っているのか興味があり、盗んでしまった」と供述しているという。

 逮捕しなかった理由について同署は「証拠隠滅の恐れがないと判断したため」としている。

 高橋容疑者は小泉政権のブレーンとして郵政民営化道路公団民営化などを推進。安倍政権では内閣官房参事官として公務員制度改革の青写真を描いたが、2008年3月に退官。「さらば財務省!官僚すべてを敵にした男の告白」などの著書がある。東洋大は「教育に携わる者として許し難いことであり、厳正に処分を行いたい」としている

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 さて、これに対する高橋氏のこの本での弁明は「事件は私のミスから始まったと言う事実だけである。ミスを犯した私が、根拠の無い邪推で被害者面をして自己弁護するのは許されない」と言っているので、てっきり高橋氏は窃盗を行ったのだと思ったが、そうではないと言う。

 弁明は「(財布と時計を)後で届けようと、その程度に意識していた
ところがマッサージをしてもらっている間に熟睡してしまい「つかの間の熟睡が記憶を頭のなかからすっかり消えさり」、人の時計と財布を自分が持っていることも忘れてしまった。
そして通報を受け出口で待ち構えていた警察官に職務質問され、自分が持っていることをそのとき気づいたのだと言う。

 「まったく知らなかった」と弁明したが警察官が「子供だましのようなことは言うな」と言い、マスコミには言わないと約束したので、それならば面倒を避けようと容疑を認めたと言う。


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うぅーん」とうなってしまった。高橋氏は何を弁明しているのだろうか。
表題は「霞ヶ関に刃向ったものの末路」なのだから、これは冤罪だと言っているのに等しい。
そうなると、当局にはめられたと言うことで、わざわざ鍵をかけずに財布と時計を高橋氏がいつも使用するロッカーの中に隠していたと言うことになる。

 高橋氏がそれをネコババするのを確認して、待機していた警察官が現行犯で逮捕したと言うことになるのだが、高橋氏はそうではないと言う。
まったく記憶にございません」国会での釈明と同じだが、なぜか財布と時計を持っていたのは事実だからそれは「自分のミス」だと言う。

 なんともつじつまの合わない弁明だ。通常であれば「届けるつもりが忘れた」というはずなのだが、そういわないところが不思議だ。
こんな不可思議な書き出しをされては、この本を読むものにとって、埋蔵金問題より高橋氏の窃盗容疑が冤罪かそうでないかの方が気になる。
なにしろ高橋氏は「霞ヶ関から蛇蝎のように嫌われている男」なのだ。

 どうしてこんなに奥歯に物が挟まったような書き出しをするのだろうか。
そして、この本全体もキレがなく、非常に読みづらい。
警察との間で何らかの密約があって、不起訴処分にする代わりに明確に述べることがはばかられているからだろうか。
それなら、最初から何も言わないほうがいいくらいなのだが、不思議な感覚にとらわれる本だ。

 

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(21.10.6) 失敗記 その14  自律神経失調症の巻

Img_1259_2  (タムさん撮影 山崎編集)

 人間は何度も懲りずに同じ間違いを繰り返すらしい。ここ数週間身体が不調で、どうしても寒気が抜けなかったがようやくその原因を掴めそうになってきた。

自律神経失調症の巻
 ここ数週間なんとも不快な日々が続いていた。のどの奥が痛み、軽い風邪症状がでて、寒気が抜けない。
ほかの人が半そでで平気で歩いているのに、半そでの上に長袖のシャツを着ないと寒いのだ。

 最初は単なる風邪だと思っていたが、ちっとも回復しない。特にひどくなるわけではないが、何しろ直らないのだ。1ヶ月以上この症状が続いている。
これは何か重篤な病気になったに違いない。喉が痛いから喉頭がんだろうか
再び癌ノイローゼが始まった。

 癌ノイローゼになると次は精神性胃炎が始まる。胃酸がぐじゅぐじゅ出て、胃壁や腸内壁を溶かすのですっかり体の調子が悪くなる。
歩いていても吐き気がして、数百メートルおきに休まなくてはならない。
まずい、こうしたときはかない先生に診てもらうのが一番だ

 かない先生はここ鎌取で一番の名医である。なぜそう言えるかというと、前回も私が精神性胃炎を患っていることを一目で見抜き、胃酸を押さえる漢方薬の処方をしてくれた。

先生、のどの奥が痛くて、寒気が抜けないのです。それと胃の周りがとても不快で力が入りません
まあ、山崎さん、今回も胃酸を押さえる漢方薬と、のどの薬を出しましょう。これで様子を見てください
かない先生は余計な検査などせず、しばらく漢方薬で様子を見ることをする。

 他の医院に行くとそれこそ検査づけになって、その結果「まあ、たいしたことはなさそうです」と言うことになるのだが、かない先生は強い薬を出さない。
最初はヤブではないかと思ったが、今では大大先生だ。

 今回も胃の周りの不快感は収まったが、そうなるとこの寒気はなんだろうとピンポイントで原因探求ができるようになった。
実はそれが原因ではないかと恐れていたことが一つあった。

Img_1121_2  (タムさん撮影 山崎編集)

 育毛剤である。
私はこの8月の終わりごろから、育毛剤の紫電改をつけている。それも最初のうちは一日に1回程度だったが、そのうちにのべつ幕なしにつけるようになった。
なにしろ産毛が抜けなくなって、だんだんと頭髪が増えてくるのだ。
よし、今度こそ復活が図れる」調子に乗って量を増やし始めた。麻薬患者と同じだ。

 実は育毛剤では過去2回失敗してる。
1回目はリアップで、これも実に効果的だったのだが、途中から心臓がおかしくなってきた。マラソンでスタートダッシュすると心臓が急激に痛み、狭心症のような状態になってしまう。
従来はこうした症状はまったく無かったので驚いた。
当時使用していた薬はリアップだけだったので、それを止めて心臓の痛みは直った。

 2回目はフラバサイトである。これも実に効果的な育毛剤だったがやはりつけすぎると夜のどが完全に渇いてつばがまったく出なくなる。
なぜだ、なぜつばが出ない
このときもフラバサイトを止めたらそうした症状は無くなった。

 今回紫電改も、やはり夜中にのどの渇きがあったが、それほどひどくなかったので止めなかった。
まあ、このぐらいならつけ続けてもいいだろう
ところが、そのうちに寒気が収まらなくなってきたわけだ。

 私は育毛剤をつけすぎるたびに、身体のどこかしこに支障が出てくる。
心臓であったり、のどの渇きであったり、寒気であったりする。
ようやくこうした症状を全体として理解できる病状を発見した。
自律神経失調症である。薬はそれ自体毒だからやはりつけすぎには必ず副作用がでてしまう。

 私の場合は自律神経の制御がおかしくなって、その育毛剤が持っている毒にあたってしまうようだ。
心臓の制御も、つばの制御も、体温の制御もコントロールが利かなくなってしまったようだ。

 先日から紫電改をつけることを止めたら、ここ数日体調は改善の兆しを見せ始めた。
嬉しいことにさして、寒気がしなくなっている。
やはり、そうか。育毛剤は私には会わないのだ。ハゲを甘受して生き延びる以外、道はなさそうだ」3度目にしてようやく悟った。

 現状で100%確実に原因を突き止めたとまでは断言できないが、ほぼ間違いないと思われる程度までには原因が分かった。
はげだけでは人間は死なないが、はげ対策を熱心にすると、どうやら寿命を縮めるらしい。

Img_0918_2 (タムさん撮影 山崎編集)

先生はまた育毛剤で失敗したようですね
はは、そうなのだ。つい調子に乗ってのべつ幕なしにつけていたら、今度は体温調節ができなくなった

はげの悩みはそんなに深いものなのですか?」
カメゴンはもともと毛がないからこの苦しみは分からないだろう

でももう63歳ですから、少々はげていても問題ないはずですが・・
我が家に、若い奥さん達が集まってきていたので、格好をつけようとして失敗したんだ。カメゴンは女性だから分からないだろうが、男はいつまでたっても見栄で生きてるんだよ

 

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(21.10.5) 映像作家への道  悪戦苦闘

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 何とか映像作家になれないものかと悪戦苦闘を始めた。約1ヶ月前にソニーのハンディカムというビデオカメラを購入したのだが、その後放って置いた。
一番の理由は操作が複雑で、なんとも気乗りがしなかったからだ。
スイッチを入れるのですら、考え込まなければならない。

 私はパソコンブログを掲載したり、Picasaで写真の編集処理をしたり、小学校でパソコンを教えたりしているので、さぞやシステムやメカに強いと思われているが、実際は反対だ。
パソコンなどを理解するために、解説書を何冊も買い込み、ウンウンうなってようやく何とかなるレベルに到着する。

 本一冊まじめに読んでから初めてシステムやメカの操作ができるようになるのだから時間がかかることおびただしい。
お父さんはいつも解説書が離せないのね」娘に笑われている。

 私の息子はあるシステム会社に勤めていたが、新しくパソコンや携帯やビデオデッキやカメラを買ってきても、まったく操作手引書など見ずに、初期設定も接続もらくらくとやってしまう。
オマエどうして手引書なしで、何でもできるんだ?」
うぅーん、大体こうした物はパターンが決まってるんだよ。勘で分かる

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 ここにきてビデオカメラの操作に習熟しようと決心したのは、NHKのプラネットアースのようなすばらしい映像を見てきたからである。
何とかしてこんなすばらしい映像を自分でも撮ってみたいものだ」真剣に考えてしまった。

 実は私がなりたかった職業に山岳写真家が有ったが、それと同じくらいテレビ局のカメラマンになりたかった。
自然のアルバムとか、日本の名峰シリーズとかプラネットアースのような自然物を見て、そうした映像を取れるカメラマンはなんと幸せな人たちだろうと思ったものだ。

 かつては映像用カメラは高価で、NHKのような組織に入らないと操作することすらできなかったが、幸いに最近では安価でしかもテレビ局のカメラと同じ程度の機能を持ったビデオカメラが出回っている。
よし、俺も遅まきながら映像作家になろう」ここ二三日で決心した。

 気持ちはとてもハイにはなったものの、しかしこの年になると新しいメカには手も頭もついてこない。
たとえば携帯など、こちらからかけるとき以外使ったことはないし、いつも机の脇にあるので一方通行の固定電話になっている。
 
 このままではビデオカメラも携帯並みになってしまうので、義務として毎日1回はビデオカメラを操作することにした。
「こうすれば、何とか慣れてくるだろう
今日も近くの泉谷公園に行って撮影をしてきた。

 ハンディカム本体については漸く使用の仕方が分かりかけてきたが、パソコンでの編集がまったくできない。私の予定では不要部分を削除して、必要な部分に言葉の説明をいれ、分けて撮影した部分を一本の映像にし、最後にYou Tubeに乗せたいのだが、今のところ亀の歩みだ。
今日も一日中編集ソフトをいじっていたが、まったく進展が無かった。

 亀と言えば我が家のカメゴンを対象に「陸ガメの育て方」なるビデオを作るつもりだが、一体いつになったらうまくいくのだろう。

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 昔、パソコン教室のサイモン先生が「ソフトが分かるのは、あるとき突然に全体を理解するものです。それまでは何をしているのだか暗中模索です」と言っていたが、その通りなのだろう。

 本当は今日作品ができる予定だったが、まったく不可能だ。これでは映像作家になる前に神様のお迎えが来てしまいそうだ。


「先生は、今度はビデオですか。メカに弱いのによく決心しますね
まあ、カメゴン、そう言わないでくれ。昔NHKのカメラマンになりたかったた願望が漸くかなえられようとしているんだ。
この年になると新しいことを始めることじたい大変なのだから、大目に見てくれ


私のシリーズを作ってくれるのですか?何かあほ亀シリーズになりそうですね。トラちゃんの亀版になるのではないですか」
いや、今はそれどころじゃないんだ
編集がちっともできないので、時間がかかりそうだ。それでも陸亀シリーズを今年中には何とか完成させるよ

これは、あまり期待しないで待っているのがよさそうだなあ!!

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(21.10.4) オリンピック招致失敗と鳩山首相の甘い観測

Image0     2016年オリンピックブラジルリオデジャネイロに決定した。南米で始めてのオリンピック開催と言うことで、国を挙げての招致活動が功をそうした形だ。

 一回目の投票でシカゴが落ち、2回目の投票で東京が落ちた。リオマドリードの決選投票になったが、66票対32票という圧倒的な大差でリオの開催が決定した。
北京(アジア)→ロンドン(ヨーロッパ)→リオデジャネイロ(南米)各大陸持ち回り形式が今回も踏襲された訳だ。

 私は21.9.8 に「東京オリンピック招致絶望 石原都政の黄昏」(リンクが張ってあります)という記事を書き、東京招致の可能性が無いこと、一位はリオであることを予測していたので、結果そのものはまったく驚かないが、鳩山総理がIOCの総会に出向いていったのには驚いた

なぜ、はっきりと負けることが分かっており、石原都知事のパフォーマンスにすぎないオリンピック招致活動に出向いて行ったのか」という驚きである。

 東京オリンピックがないと分かったのは8月、IOC理事会による競技種目の決定で野球ソフトがはずされたからである。
野球とソフトが盛んな国ではオリンピックは開催しませんよ
これがIOC理事会のメッセージで、東京シカゴではオリンピックはしないと言う意味だった。

 さらにダメ押しは9月始めのIOCの調査報告書の中で、「東京は世論支持率で最も低い」と評価されたことで、「石原都知事だけが一生懸命でもダメですよ」と念を押されたからだ。

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 最もIOC理事会の意思はそうであっても約100名もいる総会の委員については、ロビー活動でその意思を左右することができる
今回の投票結果を見てロビー活動を熱心に行ったのはリオマドリードで、一方まったく行わなかったのが東京シカゴであることが分かった。

 日本とアメリカは金融危機の対応にてんてこ舞いで、とてもロビー活動に手が回らなかったようだ。
世界にはアフリカやアジアや中南米や東欧諸国のような貧しい国がある。
こうした国へのロビー活動とはスポーツ施設の資金援助や、選手強化のためのコーチ派遣から、ODAによる橋や道路建設までのさまざまなバリエーションがある。

 またIOC委員個人に対しては子供の留学の斡旋や委員の事業会社に対する融資から、直接的な金銭の受け渡しまでさまざまだ。
貧しい国と個人にとってはこのIOC委員と言う役柄は利権以外の何者でもない
だから、そうした国に対する働きかけが従来ロビー活動として行われてきた。

 ただしこうした活動は開催都市だけではできないので国と一体になって行なう。そして国がロビー活動をするための条件とは政府がオリンピック招致に熱心で、かつ資金的余裕があることだ。
今回その条件を満たしていたのは金融危機の影響がほとんど無く、政府が熱心だったブラジルのリオジャネイロだけだった。

 意外にマドリードが健闘したのは前IOC会長サマランチ氏(スペイン人)がヨーロッパ各国に働きかけたからである。ヨーロッパ各国は金で動くことは少ないが、同情票はいく。
お願いだ、私の顔を立ててくれ。ロンドンオリンピックの招致に努力したではないか。今回はそのお礼をしてもらいたい

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 さて、鳩山首相のことである。IOC理事会が東京ではオリンピックは行わないと言うメッセージを発し、かつ国としてのロビー活動を一切行っていなかった日本がどうして招致に成功すると思ったのだろうか。

 東京オリンピック招致活動は、新銀行東京で大失策を演じた石原都知事が、起死回生の賭けに出た最後の戦いである。
このままでは無能な都知事としてのレッテルを貼られる。何とかオリンピック招致を成功させ、有能な都知事だったと言う名誉を歴史に残そう」としてはじめたものだ。

 民主党新銀行東京の処理についてにがにがしく思っており、都知事と民主党との仲は犬猿の関係だった。
だから鳩山首相は負けると分かっていた招致活動にのこのこでて行って、自分の影響力がまったく無いことを世界に知らしめる愚は冒すべきでなかった。

 私は「友愛」を説く鳩山首相の優しさは個人的にはとっても好きだが、世界の動向を見抜く目についてはまったく信用していない。
私のような定年退職者で情報と言えば新聞情報が主な者でさえ、東京招致が絶望であることが分かっていたのだから、一国の首相としてそれに気づかないのは迂闊以外の何者でもない。

 閣内には亀井静香氏のように折あらば寝首をかこうとしている人もいるのだから、政治はリアリズムであり、そして貧しい国への「友愛」とは言葉ではなく「金銭その物」であることを理解し、甘い観測はしてほしくないものだ。

注)今回の招致活動で鳩山首相と同じように、世界に向けてその無能さを証明した人にオバマ大統領がいる。
オバマ大統領はロビー活動もせずに総会に出席したアメリカの唯一の大統領だが、自分の人気が世界に通用すると誤解していた。
先進国以外では人気とは「金」であることを身にしみていることだろう。

 

 

 

 

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(21.10.3) 鞆の浦(とものうら)の潮の流れは速い

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 いや驚いた。あまりに早い時代の流れについてである。
民主党政権ができて利用価値の無い公共事業を中止すると言っていたら、今度は裁判所が景観を重視しない公共工事は中止すべきだと言い出した。

 広島県福山市の鞆の浦(とものうら)に建設しようとしていた橋と埋め立て工事を「歴史・文化的景観が失われる」と広島地裁が工事差し止めの判決を言い渡した裁判のことである。
裁判所のほうが民主党政権の先に行ってしまった。
鞆の浦の潮の流れは速い。

 鞆の浦と言う場所は万葉の昔から和歌に詠まれているが、ここが瀬戸内海の潮の変わり目の場所だからである。当時の船は瀬戸内海の潮流に乗って鞆の浦まで来て、そこで潮が変わるのを待った。
たとえば大阪から九州に行く場合、紀伊水道からの上げ潮に乗って鞆の浦まで行き、そこで豊後水道への引き潮に乗って九州に向かった。

 大友旅人の歌にも歌われている。
わがもこが 見し鞆の浦の むろの木は 常世にあれど 見し人ぞなき
私のいとしい妻が往時には見た鞆の浦のむろの木は、長く命を保っているのに、この木を見た妻はもういない、悲しいことだ

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(画像はWikipediaより)

 しかし江戸時代まで海上交通の要衝だったこの場所も、時代の流れに取り残され1961年には1万3千人いた人口が、2009年には5千人約3分の1に減ってしまった。過疎の街になり、残されたのはほとんどが老人ばかりだ。

 街の道路は狭く、常に街の真ん中で渋滞が発生し、下水道も整備が遅れていたという。
このため渋滞を緩和する方法としてバイパス道路を建設することにしたが、問題はそれをどこに作るかということになった。
1983年のことで、今から約26年前である

 日本列島改造論を田中首相が唱えていたのはその10年前だが、80年代は日本があげてバブルに浮かれていた建設ラッシュの時代だ。
当時は景観などと言うものに対する配慮はまったく無く、かえって古いものをどんどん壊すことが近代化だと思われていた時代だ。

 計画は鞆の浦を埋め立て、海をまたいで橋をかける案になっていた。
海を跨いだ近代的な橋」当時の近代のイメージにぴったりだ。日本橋の上にかけられた首都高と同じだと思えばいい。

 一方、鞆の浦には江戸時代の港の特徴と言われる、階段状になった船着場の雁木(がんぎ)、常夜燈、波止、船の修理をしたたで場船番所が残っていた。古きよき時代の日本の原風景とも言える。

 その原風景を道路の拡張工事で約2割のたで場が壊されることになっていた。
古い江戸時代を取り壊して、鞆の浦を近代的な美しい街にしよう」当時はそう考えられていたはずだ。

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 それから26年経ち、時代が大きく急旋回した
日本のバブルの崩壊以降、公共工事はほとんどの物が無駄で、業者と献金を受ける政治家にとってだけ重要なものだと言うことが分かってしまった。
しかし自民党政権はそのシステムを改めることを躊躇したため、国民からそっぽを向かれ、無駄な公共工事を止めると公約した民主党政権に変わった。

 時代の意識が変わったと言ってもいいだろう。
古いものは壊すものではなく、守り育てるものであり、江戸時代の景観こそが財産と人々が思うようになったからだ。
海を埋め立てるなんてとんでもない。バイパスは海の上でなく山の中を通そう

 私はかつて旧中山道妻籠宿が、江戸時代の面影のまま残されていたことに感動したが、鞆の浦江戸時代の港がそのまま残されていることに人々が感動するようになった。
スタジオジブリ宮崎駿さんはこの港町で、「崖の上のポニョ」の構想を練ったそうだ。

 今回の裁判ほど画期的なものは無い。政治家と業者とコンサルタント会社と役所が結託して、不必要な橋や埋め立て工事をすることを差し止めた。
そしてそれが景観を守る瀬戸内法に抵触するとの判断がすばらしい。
裁判所は常に時代に遅れるものだと思っていたが、その考えを改めることにした。

 これでようやく日本も無駄に物を作る時代から、古いものを大切にする新しい時代に入ってきたようだ。
この時代をどのように呼べばいいのか知らないが、時代が確実に変わって来ていることだけは確かだ

 

 

 

 

 

 

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(21.10.2) 円高と藤井財務相の見識

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 日本においてもようやく見識を兼ね備えた大臣が出てきたと感心してしまった。藤井財務相のことである。

 ここ数日円高傾向が続き、28日の為替相場は一時88円前半まで円高が更新した。これに対し藤井財務相は記者団に対し「今は異常でもなんでもない」と円高を容認する発言をしたのである。

 今までの自民党政権の閣僚だったら「あまりに急激な円高は輸出産業にマイナスで、ようやく持ち直してきた景気に水をさす」と言いそうだが、さすがに民主党の財務相はそうした泣き言を言わなかった。

 藤井財務相は24,25日のG20で、アメリカは消費抑制、日本と中国は外需頼みを止めて、内需中心の景気刺激策を取ることを約束し、また24日ガイトナー米財務長官との会談でも「(輸出振興のための)円安政策は採らない。為替は不介入が原則」と約束したばかりだ。
その舌の根も乾かないうちに「やはり日本は円安政策で輸出企業を支援します」なんていったら、国際的な公約を踏みにじることになる。

 だから藤井財務相の発言は当然と言えば当然の発言だが、それでも財務大臣が国策として円安政策を放棄したことは特筆に値する
それと言うのも従来日本政府は公然とではなかったものの、実質的に円安政策を採り続けて、輸出産業の支援をしてきたからだ。
注)自民党政府は円安でないと日本がつぶれると言う恐怖感を持っていた。

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 通常円安政策をとる方法は三種類ある。

① 為替市場での直接的な為替介入
 日銀が国債を発行して円資金を得て、その金でドルを購入する。ドルはそのままま持っていても金利を生まないから、そのドルでアメリカ国債を購入する。外国為替資金特別会計に計上されているアメリカ国債約60兆円はこうして積みあがった。
ただし、日銀は04年以降直接的な為替介入を行っていない。

注)1円円安にするためにほぼ1兆円の資金でドル買いをしなければならないといわれている

② 低金利政策を導入する
 長らく日銀はゼロ金利政策を導入してきたが、他国はリーマン・ショックまでは高金利政策だった。金利差が大きいと(通常3%程度開いた場合)、低金利の国(日本)で資金調達し、それを高金利の国(アメリカ等)で運用すれば、何もしなくても利益を出せる。

 この場合も円をドルに代えるので円安になるが、日本政府はこのゼロ金利政策をとることによって円安に誘導し、輸出産業を保護していた

③ 金融機関を統制化に置く
 金融の自由化政策が完了しているため、日本では行っていない。現在この方式を採用しているのは中国で、外為を扱える金融機関を特定し、さらに元とドルの交換できる取引を限定し(たとえば輸出入だけを認める等)、そこでの交換レートを政府が指示し、同時に監視する。これによって元安に誘導できる。

 日本政府は上記②の政策をとって、実質円安を実現し、輸出主導の景気拡大策を採り続けてきた。
しかしリーマン・ショック以降アメリカ政府もゼロ金利政策をとるようになったので、現状ではこうした方式は意味を成さなくなっている。

注)他国との金利差が減少したため、110円前後だった円が90円前後まで円高になった。これ以上の円高になるには日本政府の円高を容認する姿勢が必要になる

 日本が輸出支援策を放棄して、内需拡大策を採るのが世界的公約であれば、円高こそ内需拡大に役立つことは確かだ。
なにしろ輸入物価はすべて安くなり、自給率40%と言われる食料価格も低下する。

 日本人は黙っていても裕福になって行くのだが、今までは円安政策をとることで国民生活の犠牲のうえに輸出産業に利益を与えていた

注)たとえばトヨタは1円円高になると300億円営業利益が減少するといわれているが、今までの円安政策で年間、300億円×20円=6000億円の支援を日本政府から得ていたことになる。

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 私は最近フランスに旅行して円の購買力が無いことに目を剥いてしまった。当時1ユーロが130円前後だったのだが、実質的な1ユーロの購買力は100円程度だった。
なんて、物価が高いのだろう」と思ったが、すべてこの日本政府の円安政策による。
私の感覚では1ドルは70円、1ユーロは100円程度が生活実感にあう。

 通貨安政策は一種の出血輸出で、いまだに中国と韓国が実施しているが、日本のように十分成熟した国はそうした政策をとって他国の産業を窮地に追いやるようなことをすべきでない。
円高こそ国の利益だ」そう言える国に変えることが今求められており、そうした意味で藤井財務相円高容認の発言を高く評価したい。

 

 

   

 

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(21.10.1) デフレの時代とパラダイムシフト

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 総務省29日発表した8月全国消費者物価指数前年同月比▲2.4%05年を100とした指数で、100.1になったそうだ。
前年に高騰していた原油や食料品の価格が落ち着き、一方消費低迷で商品の価格の値下げ競争が激化しているからだと言う。
東京都9月の指数は99.7でさらにデフレが進んでいる。

 私のように年金生活者デフレになると物が安くなり、一方年金額は一定だから生活が向上する。そうした意味ではデフレになればなるほど助かるのだが、一方生産者スーパーのような小売業者にとっては地獄のようなものだ。

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 なぜ物が安くなるのだろうか?
 通常日本のような人口が減少し、高年齢化する社会では物を買わなくなるのでデフレは必須となる。
人口減少はそのまま需要減少につながるし、一方高齢者は若者のように新規機能の製品に飛びつかない。古いものを大事に使うのが高齢者だが、一番の理由は新たな機能を操作できないからだ。

 私などは携帯電話に新規機能が付いたと言われるたびにうんざりする。
パソコンもこれ以上OSが進化してどうなるのかと思うし、最近買い込んだビデオカメラなどはいまだに使い方が分からない。

 物は昔ながらのオーソドックスなものが一番使いやすいし、新しいものはそのたびに苦労するので購入に躊躇する。
だから新製品はなかなか売れなくなり、需要は停滞する。

 ヨーロッパは日本に先駆けて人口が停滞していた社会だが、イギリス人などが古いものを大事にする性質を昔は不思議に思っていた。
成熟した社会では物はあふれかえっているので、自分が好きなものだけを使用し、新しいものが何でもいいとは言えなくなることを知らなかった。

注)一時期イギリス人もバブルっていたが、それまでのイギリス人の性格は古いものを大事に使うと言うものだった

 先日NHKテレビで「中国社会の光と影」と言う番組を放送していた。中国の都市部に住む若者が次々に新製品を購入し、親は子供のために住宅を購入していた。
こうした、発展途上国(人口が増え、若者が多く、まだ商品に対し需要がある国)では、当然インフレが更新しGDPが伸び、それを幸せと感じているが、日本の80年代にそっくりだった。

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 私たちは長らくGDPが増加することが無条件に善だと思っていたが、衣食住が足りればそれ以上何を求める必要があるのだろうか。
まったく無用な八ツ場ダムを作るためにあくせくするよりは、高原で寝そべっているほうがいい。

 成熟社会では必要なものがすでにそろっている。だからGDPを増やすためには、不要なものをつくらなければならないし、そうしたものを購入しなければならない。
成熟社会では無駄に働き無駄に消費することが求められる。
しかし、あるとき人々はこうした生き方に疑問を持つようになるのだ。
われわれは何か間違っているのではなかろうか?」

 前にも記したが私はローマ帝国のような物づくりの好きな社会がなぜ中世のようなGDPが停滞して宗教心だけが向上する社会に変わったのか不思議に思っていた。
しかし最近になって、物はあふれてしまうとそれ以上物に対する興味を失うことに気がついた。

 日本やアメリカや西洋のような成熟社会は今後長いデフレの時代に入りGDPはほとんど増加することは無いだろう。
一方、中国やインドのような発展途上国は相変わらずGDP信仰が盛んだろうが、それも時間の問題だ。
日本はあの80年代からたった20年で、GDP信仰に疑問を持つ社会になっている

 だから21世紀の中ごろまでにはほとんどの国が豊かになり、物に対する興味がなくなるだろう。GDPは停滞から後退局面入り、人々はGDPと言う言葉があったということすら忘れてしまうはずだ。

 

 

 

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