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(21.10.28) JAL再建のダッチロール

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 JAL再建についてはほとんどダッチロールの様相を呈してきた。
なにしろ報道される新聞記事の内容が毎日ころころ変わるのだからすごい。

 24日の読売の記事では、特別立法の検討に入ったと言う。
内容は「日航再建の障害になっている企業年金の給付水準を強制的に引き下げることができる内容」だと言う。

 なぜそんなに年金問題が再建の支障になるかと言うと、年金資金の積み立て不足額が3300億円に登り、資本投入や融資が結局は年金資金に流用されてしまうからである

 この企業年金の引下げについては約9000名いるOBの3分の2の承諾が要るが、まったくOBとしては承諾するつもりはない。
JALの経営悪化の原因は政府の無謀な地方空港の建設にあり、無理やり採算の取れない航空路を開設させられた」との思いがあるからだ。
いわば「経営悪化は航空行政の失敗だから政府が責任を取るべき」と言って一歩も後に引かない。

 一方金融機関は約8000億円ある融資金のうち、2200億円の債権放棄、300億円の融資の株式化、さらに追加融資1800億円を求められているが、「約9000名の人員削減と、年金不足額の3分の1までの圧縮が確実に履行されなければ応じない」と突っぱねた。

 私も元金融機関の職員だから金融機関の気持ちは分かる。
人員削減も年金削減も抵抗が激しいので中途半端に終わり、結局は金融機関だけが債権放棄させられるのだろう。それでも経営が再建されれば報われるが、人員や年金問題が片付かない以上、数年後に再び同じ問題が発生する」と思っている。

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 国土交通省では再建タスクフォースを立ち上げてJAL問題の解決に向けた検討をしているが、JALの経営状況は日が経つにつれて悪化している。
10年3月期の収支見込は5月段階で▲630億円、それが9月段階で▲2000億円、そして最近タスクフォースが発表した収支見込は▲5000億円になっている。

 営業利益の赤字は2000億円だが、人員削減に伴う早期退職の費用や、大型機材の処分の特別損失で約3000億円が発生するという。

 企業が赤字から回復できず、かつこのように利害関係者が一歩も後に引かない場合の最善の措置は、民事再生法を適用していったん企業を倒産させ、裁判所の管轄下で再生を図る方法しかない。

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 民事再生法はアメリカの連邦破産法11条と同じで、アメリカではGMがこの方式を採用した。
基本的な法律の精神は「今までの債務(借入金、社債、株式、労働債権等)をすべてチャラ」にするというものである。

 債権者にとってはとんでもない法律だが、その企業が社会的に有用な場合は企業の存続こそが意味があるのだから、こうした措置が社会的に了承されてきた。

注)もっともそれでは債権者が倒産してしまうので、実際は事前調整型の民事再生法の適用になり、債権者がそれぞれ痛みを伴いながら債権放棄をするという構図になっている

 JALの現状から見たら、民事再生法の適用がもっとも適切と私は思うのだが、前原国交相はなぜかこの適用に躊躇して、わざわざ特別法を制定しようとしている。
民主党政権が発足したばかりの時に、大型倒産が発生するのを避けたいからだろうか。

 また26日の読売の記事では、特別立法だけでは問題が解決しないため「企業再生支援機構による金融機関からの債権の買い取りや、主要4銀行によるつなぎ融資に政府保証を付けるなど、政府が全面支援する内容」にするのだと言う。

 JAL再建の方法はひどいダッチロールで、最終的にどのような枠組みになるかは不明だが、抜本的な解決策でない限り数年経てばまた同じ問題で悩むのは確実だ。

(今日のYou Tube は弘前です)
http://www.youtube.com/watch?v=xSm5ZXN-FiA

 

 



 

 

 

 

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評論 日本の政治・経済 JAL問題」カテゴリの記事

コメント

燃料油の先物取引で、ババを引いたため、円高になってもコストが下がらない、と聞いたことがあります。
本当なのでしょうか。確か、昔同じようなことがあったような。
何故、民主党がここまでJALを庇うのかが、判りません。
赤字路線を押し付けた(これまでの)国の責任だ、と考えているのでしょうか。

(山崎)先物予約の失敗は以下のように言われています。どの程度の損失になったかは私は知りません。
「86年から96年のドル為替先物予約の失敗。相場の専門家が一致してドル安=円高の流れを予想していた時期に、日航経営陣は、ドル高を予測し、そのためドル買いを固定するような為替予約を入れた。ドル高、ドル安どちらにも柔軟に対応できる通貨オプション等を利用するというのが常識だが、ドル高に賭けたといわれても仕方がない無謀な行為であった。しかも、最長11年という長さで先物予約をしていた。このドル高に偏った一方的な為替先物予約は、財務省OBの役員が進めたもの」

前原国交相は、倒産させたあとの処理が読めず怖いので、現状をあまり変えずにJALを再生させる方法を検討しているのではないでしょうか。

投稿: yokuya | 2009年10月28日 (水) 19時28分

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