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(21.9.12) 千葉県庁不正経理事件 千葉はどうなってしまったのか

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 困ったことだ。だんだんと千葉県民と言うことが言いづらくなってきた。
千葉市前市長は業者にたかり、千葉市前議長は業者をやくざまがいの恐喝で脅して金を詐取しようとしたが、今度は県庁が組織的に約30億円不正経理を働いていたという。
もはや県民としてお天道様の下をまともに歩けなくなってしまった。
「あっしの生国は緑区でござんす。緑区はおゆみ野でござんす。それ以上は聞かねえでおくんなせい!!」

 自治体の不正経理については06年以降、毎年のようにどこかの府県で発生していたが、千葉県の不正経理の金額は突出して大きい。
しかもこの30億円03年から07年までの5年間の調査結果だから、本当はさらに多額の不正経理が行われていたことになる。

 千葉県庁で不正経理が発覚した端緒は09年2月農林水産部物品納入担当職員3名が、詐欺容疑で逮捕されたことに始まる。県費約2300万円を詐取したのだが、その手口が「預け」と称する不正経理で業者に預けていた金を私的に流用し、愛人と高級料亭での飲み食いに使用したのだと言う。

 私は「預け」という不正経理の方法をはじめて知ったが「経理職員が物品納入業者に架空の請求書をださせ、業者の口座に代金を振り込んでプールする方法」で、なぜそのようなことをするかと言うと予算が余ったときにあたかも使用したように見せるためである。

 こうしたお金は裏金なのでまともな帳簿が作成できず、その引き出しの管理は実質的に業者にやらせて、手数料を支払っていたと言う。
県庁ですが宴会で使用したいので、現在の裏金の残高を教えてください

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 この4月森田知事が就任してから、この不正経理事件に本格的に取り掛かり、特に7月から公認会計士弁護士からなる外部審査委員会を設置して調査に乗り出した。
その結果、不正経理30億円と、そのうちの不正使用7億円、さらに不正使用の中で完全に私的使用と思われる1億1000万円が判明したのだという。

 不正使用7億円の内訳は職員が個人的にネコババした1億1000万円以外は、集団的遊興費に使用したらしく、卓球台や将棋版、および県庁職員相互間の宴会費等に使用されたらしい。
森田知事はこの7億円分については、過去・現在の管理職約5400人で返済すると言う。

 今回の千葉県庁の不正経理については、森田知事外部審査委員会を設置して本腰をいれて調査しなかったら、県庁職員はだんまりを決め込む予定だったらしい。
それと言うのも従来からいた県の内部・外部監査人(1998年の改正地方自治法により、外部監査も行われていは昨年から調査を開始していたと言うが、進展が見られずこの件の監査についてサボタージュしていたようだ。
注)08年度会計検査院の検査で12府県で不正経理が発覚したため、千葉県でも同様の不正経理がないか調査をはじめていた。

 森田知事は前知事の堂本さんにも弁済を求めるつもりのようで、「堂本さん、これはあんたの責任だよ」と言うことのようだ。

 なぜこのような不正経理が延々と継続した(ある業者は40年ほど前からあったと証言した)かの原因は以下のように説明されている。

① 長年の慣習や前例踏襲で特に問題と思わなかった
② 発注と商品を確認する検品を同じ職員が実施していた
③ 予算枠を使い切らないと翌年は減額されるので、なんとしても使おうとした


 今回の不正経理65億円相当の消耗品購入費で行われていたのだが、なぜ30億円も不正ができるかと言うと、消耗品なので現物確認ができないからだろう。
たとえはコピー用紙を1000枚購入し、現在それがゼロ枚でも「使用した」と言えばすむので、パソコンのような耐久消費財と違って在庫管理がされていない。

 したがって、消耗品の場合は発注と検品を厳密に実施する以外に方法がないが、これが同一の人が行っていたのだからいかようにも操作ができるわけだ。
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 もっとも不正経理30億円のうち、犯罪や明らかに不適切な使用が7億円だと言うことは、残りの23億円は経理上は不適切だがやむ終えない処理だと、森田知事が認識したことになる。

 調べてみると今回の不正経理は県土木整備部農林水産部に集中しているが、この2部は国からの補助金行政によって成り立っている。

 国庫補助金はその使途が厳密に決められており、また予算の執行は予算案が成立するまで待たなくてはならないから、予算審議が長引くと4月から6月までの期間は補助金は交付されない。
しかし一方その間でも業務は執行されるので、こうした端境期を乗り切るために「預け」と言うような不正経理をせざるを得なかった事情もある。
必要悪」と言う位置づけだろう。

 ただし今回の結果から分かったのは4分の3は制度の欠陥を補ったもの、4分の1が集団的および個人的ネコババということのようだ。
民主党の言うようにひもつき補助金行政は止めて、一括交付金にすれば不正経理の温床は少なくなるはずだが、それにしても7億円相当はネコババをする体質があるのだから、内部監査はまじめにやってほしいものだ。

 今回私が一番問題だと思ったは、従来からいた内部・外部監査人がまったく機能せず不正を見逃し続けていたことだ。
監査人は職員の友達ではなく、県民のために働いているのだが、そうした自覚は皆無だったのだろう。

 監査人が「預け」金で一緒に飲み食いしているようだったら、千葉県庁の明日はない。

 

 

 

 

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