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(21.9.30) 「絵はがきにならない風景スケッチ」の著者、花牟礼さんの退職記念

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 「絵はがきにならない風景スケッチ」の著者、花牟礼さんが退職されたらしい。この10月付けで上梓された水彩ストーリー「釧路湿原」全45点を見てはじめて知った。

 入社以来38年間の職場を去ったそうだから、私とほとんど同じような経歴だ。その退職記念として北海道釧路湿原の旅をし、水彩ストーリーを完成させたらしい。
思えば私も退職記念に青森から秋田の旅をしたが、誰しも旅をしたくなると北に向かうようだ。
演歌では女性はすべて「北に帰る」のだが、北と言う場所には何か物悲しさと、人をひきつける哀愁がある。

 釧路湿原には私も行ったことがある。花牟礼さんはカヌーに乗って釧路川を下ったようだが、私は走ったり、歩き回った。草原のあちこちから鹿が現れては消えていったのを思い出した。

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 花牟礼さんのスケッチを見ると、オジロワシカワセミをカヌーから見つけることができるようだ。日本に残された数少ない秘境のような場所で、私もカヌーに乗ればよかったと思っている。


注)今までカヌーに乗るには訓練が必要で、素人がすぐに乗れるようなものでないと思っていたが、水彩ストーリーを読んで、そうでないことを知った。
次回釧路湿原に行く機会があればカヌーに乗ろう。


 釧路湿原には外来種のウチダザリガニというザリガニが繁殖しているらしい。花牟礼さんとカヌーのガイドさんとの会話にそう有った。

いやあ・・・最近問題になっているのが『ウチダザリガニ』などの外来種・・・これは川底の水草を根こそぎ食べちゃうんで川の環境がどんどん変わって深刻な事態になっているんですよ。私どもも大変困っているんですが・・・でもこれは元々人間が食用として連れてきたものでして、連れてきた当時はホントに食料として必要だった訳です・・・実際とっても美味しいですけどネ」と言うことのようだ。

 花牟礼さんはこの、「釧路湿原」以外にも多くのスケッチをされていて、今度第3回目の個展を土気で開くのだと言う。
日程は10月27日から11月8日までで、詳しい情報は以下のURLをクリックすると見ることができる。
http://8760.y.mepage.jp/index.html

 花牟礼さんのスケッチはとても素朴な感じがして私は好きだ。また水彩ストーリーと言うジャンルは花牟礼さんのオリジナルで、とても面白い。こうしたジャンルを切り開こうとしている独創性にはいつも驚いている。

(追加)この釧路湿原シリーズは釧路湿原に旅をしたことをベースに花牟礼さんが創作したものだという連絡をいただきました。
花牟礼さんはまだ若く、定年になるような年齢でないことを思い出しました




 

 

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(21.9.29) 3党連立政権のほころび 亀井静香氏の砲号

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 早くも3党連立政権のほころびが出始めた。国民新党亀井静香郵政・金融担当相が「中小企業向け融資の元本の返済と利息を猶予する」と言い始めたからである。
いわゆるモラトリアム制度と言うのだが、徳政令といったほうが分かりやすい。

 徳政令鎌倉幕府の昔から行われてきた御家人救済法だが、歴史的にはその効果は一時的で、かえって金貸し業者が以後御家人に資金を融資しなくなったので、御家人の貧窮化は一層促進されたと言われている。
おそらく亀井氏はそうした日本史を勉強したことは無いのだろう。

 私は3党連立政権のほころびは外交問題であらわれ、特に社民党福島党首日米地位協定の改定を強く迫ることから始まると思っていたが、まったく予想が外れた。

 早くも鳩山首相にとって難問が出てきたわけだ。
日本の金融機関はリーマン・ショックで直接倒産した金融機関は無いが、地方銀行を中心にサブプライムローン関連の証券化商品を多く抱えて苦慮している。

 さらに新BIS規制で、自己資本比率向上を迫られているところに、モラトリアム導入が図られれば、中小金融機関を中心に倒産が発生しそうだ。
さっそく藤井財務相がモラトリアム導入に反対の立場をとったが、亀井金融・郵政担当相は「藤井さんは自分の仕事をすればいい」とにべも無い。

 平井官房長官も「導入については慎重に」との態度を表明したため、さらに亀井氏のトーンはアップし「私が担当大臣だ。官房長官がああだこうだと言う立場に無い」と言い放った。
最後は「反対なら鳩山首相が私を更迭すればいい。できっこない。選挙前から合意している話だ」と居直った。
完全に亀井氏鳩山内閣のお騒がせ大臣になったが、これは小泉内閣田中真紀子外相にそっくりだ。

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 さて、亀井氏モラトリアム発言をどう評価したらよいのだろうか。
通常民間に広く認められた商慣習を政治的にゆがめるのは、ほとんどの場合成功しない。
法治国家がその法律を一時停止するようなものだから、経済的な戒厳令と言える。

 何しろ元本も金利も回収できないとなると、そもそも金融業は成り立たないのだから、金融機関としては中小企業融資を中止する以外に残された道は無い。
その結果、中小企業融資が日本から消え去ってしまう。
亀井氏はこうした金融機関を金融検査で絞り上げようと言うのだろうか。
なぜ、亀井大臣の指示に従わないのだ。銀行免許を取り上げるぞ

 また、海外から見ると日本はイスラム国家のように利息を取ることを禁止したように見えるので、そうした国に対する資本進出は当然消極的になる。
日本はわけの分からない金融政策をとっている国で、信用できない」日本は鎖国体制に入るのだろうか。
亀井氏元警察庁出身だから、「経済も取締りを強化すれば政治のいうことを聞く」と考えているようだが大間違いだ。

 同じように中小企業を助けようとして失敗をした人に新銀行東京を設立した石原都知事がいて、ほとんどの債権を焦げ付かせてしまった。

 当時でも今でも優良な中小企業に対しては金融機関が融資を絞ることなど無く、貸せない相手に融資しなかっただけだが、新銀行東京はそうした企業を取引先として融資をし、事実上倒産してしまった。
今では安全確実な大企業にのみ融資をすることにして何とか存続だけはしているが、これでは中小企業融資が泣く。

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 なによりも亀井氏モラトリアム発言については、法的な根拠が無いことが問題だと思う。
俺が法律だ」と亀井氏金正日氏と同じように思っているらしいが、日本は法治国家ということを忘れているらしい。

 だから亀井氏の発言は本気であれば、まったく政治的・経済的センスを疑うものだし、ブラフであればこの時期に鳩山政権を揺さぶるのは適切とは思われない。発足した途端に「閣内不一致」を露呈していては、鳩山政権の未来はない。

 亀井氏が郵政・金融担当相になった本当の狙いは、小泉内閣の郵政事業分割民営化を元に戻すことにあるはずだが、その前にモラトリアム戦争を仕掛けて鳩山内閣を窮地に陥れては元も子も無いはずだ。

注)本件の落としどころは特別法を定めて、元本の返済免除相当額を日銀が金融機関に無利子で融資を行う日銀特融方式だと思う。
ただしこの方式の難しさは、元本返済を免除する中小企業をどのように選定するかにある。

 実際は優良な中小企業はまったく資金繰りなど心配しないで自力で生き残れるので、対象となる中小企業はほとんどが倒産予備軍になる。
こうした中小企業は金融危機があろうとなかろうと倒産する可能性が高く、モラトリアムは単に時間稼ぎをするに過ぎない。


 

 

 

 

 

 

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(21.9.28) 野口健さんの富士山クリーンツアーに参加した

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(西湖 いやしの里)

 娘が野口健さん富士山クリーンツアーに参加しないかと言う。
野口健さんはここおゆみ野の住民で、ヒマラヤ清掃登山や富士山清掃登山を行っている世界的アルピニストだ。
はっきり言えば、ここおゆみ野の誇りみたいなものだから、すぐに飛びついた。
よし、行こう。私も及ばずながら志を同じくするものだ

 娘の案内書を読んでみると、この富士山クリーンツアーを企画しているのは毎日新聞旅行で、それを資金的・人員的に各企業体がバックアップしていることが分かった。
娘が働いている企業もその一つで、毎年資金と人員をこのクリーン活動に投入しているらしい。

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 そしてその活動を現地で指導してくれるのが、ここ富士山の裾野でクリーン活動を10年以上にわたって実施しているNPO法人富士山クラブで、野口健さんはそこの顧問のような役割らしい。

 東京駅に集合し、新宿経由で出発した。バス2台、約100名のボランティアである。ボランティアには企業からおそろいのオレンジのTシャツがくばられ、何か仲間意識が高まる。サッカーの応援団みたいだ。

 富士山のクリーン活動は上から5合目辺りまでは非常に綺麗に清掃が行き届くようになったが、まだ青木が原の樹海には不法投棄されたごみがあちこちに残されているのだと言う。

 富士山クラブのメンバーが週2回樹海をパトロールし、不法投棄をした場所を見つけるとチェックをしておいて、富士山クラブ自身で処理したり、今回のようなボランティア活動時にごみを搬出しているのだと言う。

037_2   今回の場所は西湖の近くの林道大和田線で行われた。青木が原樹海の真っ只中なので、ごみに夢中になると「自身がごみになってしまう」ので林道から離れないように注意された。

 実際ごみの投棄がされるのは林道の沿線だけで、溶岩のくぼ地などがあるとそこに集中的に捨てられるらしい。
渡された竹のへらで地面を掘ると、次々にビニール袋に入ったジュースの缶や家庭ごみがでてくる。
缶のラベルからいまから30年ぐらい前のごみと分かる。

いやー、これでは貝塚を掘っているようなものだ」びっくりした。
一緒に掘っていたボランティアの奥さんが「人間の骨なんか出てきたらいやですね」と言っていたが、確かにそんな可能性もある場所だった。

029  野口健さんも一緒になってクリーン活動をしていたが、たまたま私たちの清掃範囲と違っていたので娘が残念がっていた。
一緒に掘れれば、いろいろお話ができたのに残念だわ・・・・・」

 今回初めての野口健さんをまじかで見る機会を持ったが、とてもスピーチの上手な好青年だった。
娘が「野口さんは、私と同じ年なのにこんなにも差がでるのね。一方は世界的アルピニストで、クリーン活動の先駆けだし、26才頃からヒマラヤの清掃活動をはじめていたのね」と言っていた。

今回の清掃活動関係の写真です。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/kZdVoH?authkey=Gv1sRgCOS1pJ3j16mapQE#

 

 

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(21.9.27) タムさんのサンチャゴ巡礼記

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 タムさんサンチャゴ巡礼記が上梓された。
この6月末から7月末までの約1ヶ月間をかけてサンチャゴ巡礼フランス道の巡礼を実施した報告書である。

 この巡礼には私も前半部分を同伴したのでとても思い出深い巡礼記だが、特にタムさんはもと総研主任研究員だったこともあり、報告がとても詳細に渡っている。

 地名ジットの名前などは克明で、この巡礼道をたどりたい人がいれば、格好の案内書になっている。
私もこの前半部門を「ロドリゴ巡礼日誌」としてブログに記載したが、私の巡礼日誌がどちらかと言うと文学系なのに対し、タムさんの巡礼記は調査報告書みたいだ。

 ここに掲載されている写真のいくつかは私のブログにも編集を施して掲載させてもらっているが、とても素敵な写真が多い。
特に後半部分は私は歩いていないので、ひまわり畑や麦畑の美しさに目を見張った。

 タムさんの巡礼記を見ると、私との心のすれ違いについて気にして記載した部分がある。そのまま記載すると以下の通りだが、なにせ長い間いつも一緒にいると細かな生活習慣上の違いがあらわになってしまうようだ。

 普段であれば何と言うことも無いのだが、互いに不機嫌になってしまうらしい。タムさんは以下のように記載している。
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<Yさんとの気持のすれちがい>

・14日間、同行してくれたYさんはマラソンやウオーキングの大ベテラン。200kmマラソンなども完走しており、歩く速度がたいへん早い。

  2人の間が離れると、初めは走って追いつこうとしたが、そのうち、こちらもマイペースで歩くようになり、離れすぎると彼は腰を下ろして待っていてくれた。
 10分以上待たすこともかなりあり、彼もいらいらしていたのではないかと思う。泊まる宿を決めて、彼には先に宿まで行ってもらうなどの工夫をすればよかったと今は思っている。

・Yさんはレストランやカフェが嫌いだった。日本では食事はいつも簡単な物で済ましており、巡礼路でもお店で買ったもので3食を済ますことが多かった。
 一方、私はパン中心の食事では体がもたないと思い、昼食は、肉と野菜をおいしく食べるために、できるだけレストランを利用した。また、午後の一休みに、私はカフェに入ってコーヒーを飲むのを無上の楽しみにしていたが、彼はこれも嫌いだった。道端に腰を下ろし水を飲めばよいという考え方である。

 彼は私に数回ほどおつきあいしてくれたが、内心は入りたくなかったようだ。彼がそんな思いでいるとは全く気づかずにいて、帰ってきてから初めてそれを知ったが、現場で率直に話し合えば『一人は中で、一人は外で』などの方法で解決ができたのではないかと今は思っている。」


 
こうした問題はあったもののタムさんは見事目的地まで到着した。
自分のペースで歩き、食事をし、レストランにはいれば、疲れることなく750kmを歩きとおせることを証明したわけだ。

 もう一度記すが、タムさんの巡礼記は詳細で、この道を巡礼する人のよい道しるべになっている。そのような希望者には是非一読することを薦めたい。

 以下のURLをクリックするとタムさんの巡礼記を読むことができます。
http://takesitamura.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-22f5.html

 

 

 

 



 

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(21.9.26) 体調不良と我が家の器具

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 このところの体調の悪さについてはしばしばブログに掲載してきた。まったく三寒四温みたいな体調で、少しよくなったかと思うとたちまちのうちに悪くなる。
のどの奥が常時痛くて、少し寒いと寒気がする。

 「とうとう私も寿命が来たか」と思っていたら、我が家のあらゆる器具に不具合が発生し始めた。
人の心と器具の間には何か相関関係が有るのだろうか?

 二階のトイレの水洗から水漏れが発生したのは、数日前だ。最初は自分がお漏らししたのではないかと思って愕然とした。
こんなにもらしても気づかないのでは、認知症が始まったのに違いない

 よく見るとシャワー部分をコントロールするところから水漏れがしていた。当初はたいしたことが無かったが、だんだんと水漏れが激しくなり、一日でバケツいっぱいたまるようになった。
「まずい、INAXに連絡して修理してもらおう

 ところが修理担当者はこのところの連休あけで大忙しらしくなかなかつかまらない。ようやく連絡がついたのだが、修理に行くのに時間がかかるので、とりあえず元栓を締めて置くように指導された。
元栓の締め方を担当者に聞いて、ようやく水漏れを防ぐ方法を知った。

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 水洗だけかと思っていたらガスコンロが動かなくなった。焚口が3つあるのだが、そのうちの2つがまったく動かない。
かみさんに「大多喜ガスに連絡をとったら」と言ったのだが、「そのうちに直るのよ、前もそうだったから」という。

 実際今日になって、火がつかなかった焚口の一つが復活した。なんとも不思議な現象だ。
不思議と言えば、パソコンのローマ字入力が何もしないのにかな入力になる現象はいっこうに改善されない、

 一度システムを落として再立ち上げをすると直るのだが、そのたびに落とさなければならないのはなんとも煩わしい。
いったいどうなってしまったんだ」愚痴がでる。

 体調が悪いとこうした器具の一つ一つの不具合が身体に障る。
普段なんと言うことも無く順調に生活しているときは感じなかったが、日々平穏がいかに大事なことかと言うことがしみじみ分かった。

注)今日のビデオは四季の道でよく会うサーカスわんちゃんを写してみました。編集ソフトをまだインストールしていないので、生のままのビデオですが、今後レベルを上げていくこととします(私の変な声が入ってしまっていますが、今回は勘弁してしてください)。

http://www.youtube.com/watch?v=ctNFUx7_aKk

 

 

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(21.9.25) You Tubeにようやく画面を貼り付けた

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 先日来You Tubeに挑戦してやっとのことでビデオをアップロードすることができた。
他の人が何気なくやっているのだからさして難しくは無いと思っていたが、操作を間違えて大騒ぎになってしまった。

 You Tubeの画面を開くと、「You Tubeを新世代のブラウザ Google Chromeを使用して快適に操作しよう」と書いてあったので、さっそく「Google Chrome」をダウンロードしてみた。

 私の意識としてはYou Tubeだけがこの新しいブラウザ「Google Chrome」の管理下におかれると思っていたのだが、大間違いだった。
これはGoogleの世界戦略の一つで、マイクロソフトインターネット・エックスプローラをすべてこの「Google Chrome」に乗り換えさせようとするものだったのでびっくりした。

 何しろ今までのインターネット・エックスプローラが動かなくなり、特に私が使用しているココログでは記事の作成が、HTML文書でないとかけなくなってしまった。

 ブログを作成したことの無い人は知らないと思うが、HTML文書とは前後にシステム文字を挿入しなければならない文字で、Wordのように自由に文字が書けない。
さらに問題なのは挿入した写真を編集画面で見ることができなくなってしまった。
しまった、Googleの戦略に乗ってえらいことになった。これじゃブログがかけない」頭を抱えた。

 いくらインターネット・エックスプローラを動かそうとしても、うんともすんとも言わない。あれこれ操作したが手に負えないことが分かった。
頭にだんだんと血が登ってきて何をしているのだか、自分でも分からない。
こうしたときは頭を冷やすために寝るに限る」昨日のことである。

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 今朝になって、冷静になって考えて見ると、「Google Chrome」をアンインストールすればいいことに気がついた。とりあえずアンインストールしたのだが、昨日パニックになって設定をいろいろ動かしたためにインターネット・エックスプローラがまともに動かない。
再び頭を抱えた。

 設定画面をあれこれいじっているうちに「初期設定に戻す」という項目を見つけた。
これだ、すべて初期設定にしてしまおう
ようやく「Google Chrome」をインストールする前の状態に戻ったが、それでもなんとなくパソコンの動作がおかしい。
何もしないのにローマ字入力が突然かな入力に戻ったりする。

 昔私がシステム開発の責任者だった頃、修正を行うたびに変な不具合が発生して頭を抱えていたことがある。
当然事前のチェックを十分行ってリリースするのだが、ユーザ部門の操作環境をすべて熟知しているわけでない。

突然、画面が消えてしまいました」なんて言われて調べてみると、確かに問題が発生していたりして、上司から「ちゃんとテストはしたのか」としかられたものだ。

 今は不具合が発生するたびに「初期設定にもどす」操作を行っているので、少しずつ環境が元に戻っているのだが、何か新しいことをはじめるたびに大騒ぎになるのはいつものことだ。

 ちょうど民主党政権の 八ツ場ダムと同じで、建設中止をしようとすればそれまでのしがらみがあって大騒ぎになるのと同じだ。
しかし、どうにかYou Tubeをこのブログに張りつけることに成功した。下記のURLをクリックすると見ることができる。

 今回は我が家のカメゴンが私の部屋に侵入する場面である。カメゴンのおかげで我が家はぼろぼろになってきているが、かわいいので我慢している。
しばらくカメゴンをモデルにビデオの操作を研究することにした。
http://www.youtube.com/watch?v=AUr_dYqr59I

 

 

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(21.9.24) 大前研一氏の経済観 PART Ⅱ 中国への傾斜と賞賛

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 昨日から大前研一氏の、Voice10月号に掲載された「急回復する世界、追いつけない日本」と題する論文を読んでいる。

 その副題が「中国の巨大な内需をどう掴むか」となっていて、大前氏の主張が「アメリカ、ユーロ圏、中国(これをG3と呼ぶ)の経済が急回復しているのに日本だけが取り残されている。取り残されないためには中国市場をターゲットに、輸出や投資活動を活発化させなければならない」と言うものだと言うことは昨日述べた。

 問題は大前氏のいうように、中国経済G3と呼ばれるほど世界の中で重きをなし、白馬の騎士のように世界経済を救うことが果たして可能かと言うことになる。

 大前氏中国経済を次のように分析する。
中国は輸出基地としての競争力を失い始めていた。理由は人件費の高騰で、中国政府は・・・給料を毎年15%ずつあげる政策をとった。
(その結果)現在の中国の人件費はベトナムの3倍、ミャンマーの10倍ほどになり・・・・輸出主導の経済モデルも・・行き詰まりを見せ始めていた


 実際中国の貿易統計を見ると、輸出はここ5ヶ月20%以上の減少が続いていており、減少そのものは10ヶ月連続になっている。
一般的にはこの現象はリーマン・ショックに伴う世界貿易の減少と説明されるが、大前氏はそれ以上にすでに中国経済に内在化された要因で輸出主導型の経済成長が行き詰っていたと説明する

 しかし、と大前氏は次のように説明を続ける。
今年1月、その景色は一変し、・・2年半をかけて52兆円の内需振興策を行うと中国は約束し、(さらに)銀行に対しても個人や会社に対する融資締め付けから一転し、お金を貸し出せと指示したのである

 その結果「09年第2四半期のGDPは、同年前期比7.9%の成長を記録した。内訳を見ると・・輸出産業は同年前期比で3割減って・・(本来ならマイナス成長になるはずなのにそれがプラス7.9%になったのは内需シフトを進めたからに他ならない」という。

注)GDPの計算上の純輸出は輸出-輸入だから、輸出の減少がそのままGDPに反映されるわけではない

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 大前氏が言いたいことは、中国は内需拡大に成功し、今までの貿易立国からアメリカのような消費大国にマジックのようにたちまちのうちに変わってしまった、と言うことで、こうしたモデルチェンジに成功した世界でもまれな成功事例だと言う。

「日本においてはGDPの構成比を1%変えるのは至難の業だが、共産党主導で強権的に政策を発動できる中国は、その変化を通達一枚でできてしまう」と中国共産党の経済運営を手放しで賞賛している。

 中国共産党こそは通達一本で輸出主導型から内需主導型へ経済をドラスティックに変えてしまう資本主義の優等生と言うことだ。

 正直言って本当か?」と言うところだが、実際中国の輸入が増えだして日本と韓国の輸出産業が息を吹き返しているのは確かだし、中国の不動産と株式が急回復しているのも確かだ。

 この現象を見て大前氏はこれを中国経済の質が変わったと説明するが、私の見方は違う。
私の見方は「中国はリーマン・ショックで輸出が大幅に落ち込んだため、世界でまれに見るケインズ政策を導入し、財政と金融面から他国を圧倒する資金供給を行っているから」と言うものだ。

 注)中国政府が発表している09年上半期のGDPは7.1%の増加で、その寄与度は投資部門+6.2%個人消費3.8%、純輸出▲2.9%なっている

 たとえば投資部門の増加は中国政府が発表した総額52兆円規模の公共投資がGDPを底上げしている。
その影響度は一年で投資額が26兆円だとすると、昨年のGDP390兆円6.7%に相当するから、半年で最低でも+3.4%程度はGDPを底上げしそうだ。
中国政府の発表+6.2%とは異なるが、財政支出があればそれなりの効果があるのは当然だ。

 また個人消費寄与率3.8%だが、こちらについては大前氏が言うような通達でたちまち消費が増加したわけでない(それほど中国の人民は甘くない)。

 ここは通達ではなく中国銀行がジャブジャブの資金緩和を行い、その資金が株式と不動産に流れていると言うのが実情だろう。
なにしろ中国銀行は今年の1月以降、上半期中に昨年1年間の増加資金の1.5倍の資金を市場にばら撒いた。

 ばら撒かれた資金は投資に向かわず、ほとんどが不動産株式に向かったため、バブルと言えるような高騰が起こっている。
こうした値上がり益を享受した層が自動車や不動産取得に向かっているので、消費が拡大している。

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 共産国家中国がケインズ政策の最も忠実な履行者だというのは歴史の皮肉だが、それは90年代の日本を研究した結果で、大胆な財政・金融政策だけが大不況を長引かせない唯一の方法と認識しているからだ。

 だから現状の中国経済は政府の懸命な努力によってもたらされた一時的なユーフォリアなので、中国ががんばっている間に世界経済が回復すれば、ふたたび輸出主導の経済成長に戻ろうと言うことだろう。
早く世界経済が復活してくれ。そうでないとわが国のケインズ政策も息切れしてしまう」これが中国政府の本音だ。

 同じ現象を見ても大前氏と私の認識はまったく異なる見方になってしまった。



 

 

 

 






 

 


 

 

 

 

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(21.9.23)  大前研一氏の経済観とサービサー

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 大前研一氏が、Voice10月号に「急回復する世界、追いつけない日本」と題する論文を掲載していて、その副題が「中国の巨大な内需をどう掴むか」となっている。

 題名や副題でも分かるように、大前氏の主張は「アメリカ、ユーロ圏、中国(これをG3と呼ぶ)の経済が急回復しているのに日本だけが取り残されている。取り残されないためには中国市場をターゲットに、輸出や投資活動を活発化させなければならない」と言うものだ。

 私の感度はアメリカもユーロも急回復は無理で、中国は金融バブルで底上げしていると言うもので見解の相違が有るが、大前氏がアメリカ市場の回復の事例としてあげているサービサーの動きついては、確かに注目すべきだと思われた。

 ところでサービサーという業務をご存知だろうか。サービサーとは債権回収会社(露骨な言葉で言えば取り立て屋のことで、日本では2000年2月サービサー法が施行され、それ以来銀行、証券、ノンバンク等がこの法律に基づき債権回収会社を設立して、現在は約100社あまりの会社がある。

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 なぜこのような会社が必要かといえば、日本のバブル崩壊で多くの住宅融資や一般融資が焦げ付き、とても金融機関が自前で債権回収ができなくなったからである。
それまでは債権回収業務は本人(銀行)弁護士に限られており、私も金融機関の融資担当者だった頃、この回収業務を担当したことがあるが大変な仕事だった。

 さらに私の経験を言えば、監査役をしていた頃子会社のサービサー会社を監査したことがある。当初私は、サービサーやくざの取り立て屋のような商売だと思っていたが大間違いだった。

 実際はサービサー法で厳格に業務の内容が規定されており、たとえば「午後9時から午前8時までの電話連絡・訪問、および意思に反する勤務先の訪問、反復または継続しての電話の督促」が禁止されていた。

 時に無理やり取立てを行った職員などがいると監査対象になり、「われわれは暴力団でないのだから、法律に反することはしてはいけない」などと監査報告に書いたものだ。

 アメリカのサービサー場合はもっと簡単で取立てではなく、ほとんどの案件がすぐさま競売にかけられ回収される。
もともともの競売債権は額面の2~3%程度で金融機関から購入しているので、3割程度落札できれば確かに25%の収益はでてきそうだ。

注)日本の場合はあまり競売にかけたがらない。競落人に暴力団が入ることが多く、社会問題になりやすいからだ。そのため通常は競売人は競落人を事前に用意して競売にかける

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 大前研一氏の説明では「ブラックドックやピコムという巨大資産運用会社が動き始め・・・・彼らの新しい取り組みメニューがサービサーで・・・・彼らの計算によれば、不良債権を買い取ったうえでうまく処理して売却すると、年率25%の運用益が出る」と判断してるという。

 そして「ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどもこのサービサー業務に事業に参入して、不良債権争奪戦になってもおかしくないくらい、・・・底値買いのチャンスとなってきている」という。

 大前氏が言いたいことは、「巨大資産運用会社が、不良債権を買いあさり始めたのはアメリカ経済が底値を打って、これ以上悪化しないと読んでいるからで、アメリカ経済もこれから急回復するだろう」と言うことだ。
もっとも大前氏は「いまだ状況は予断をゆるさない」と言っているので、手放しでアメリカ経済の復活を予測しているわけでない。

 この「サービサーがアメリカで動き始めたので経済は底を打った」と言う判断は、いかにも大前氏らしい感度だ。
はげたかファンドが動いたら景気は底打ちだ。負けないように不良債権を二束三文で買いあされ」と言うとことだろう。
私にはサービサーの動向で景気の動きをつかむと言う感度が無かったので、大前氏のこの指摘は参考になった。


注)日本では長銀や日債銀、北拓が倒産し、その残務処理のためにサービサーが設立された。一方でアメリカではAIGもシティーグループもまだ存命している間にサービサーが動き出すのだから、さすがに動きが早い

 しかしアメリカのヘッジファンドもただで起きないのと言うのはこのことで、次は不良債権の売買で一儲けしようと言うのは、いかにもはげたかファンドらしい。

 

 

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(21.9.22) 土地神話はなぜ崩壊したのだろうか

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 国土交通省が17日に発表した7月1日時点基準地価を見て「土地神話はなぜ崩壊したのだろうか」と考え込んでしまった。

 何しろ90年前後日本経済のバブルが崩壊してからと言うもの、地価は低下の一途をたどり、住宅地18年連続商業地は06年、07年のミニバブルを除けばこれも低下が続いている。
09年度は、全国平均で住宅地が▲4.0%、商業地で▲5.9%だという。

 過去からの推移は全国平均でピーク時対比住宅地は40%程度下落し、商業地はさらに激しく70%程度暴落している。
かつては日本に土地神話があり、「土地は絶対に値下がりがない。一時的に下がっても必ずあがる」と言われていたが、すでに20年近くほぼ直線的に値下がりが続いているのだから、神話の時代は終わったと言える

 土地も一般の商品のように需要と供給によって決まると言う通常の商品になったのだが、それならなぜ日本の土地は値下がりが続いているのだろうか。
一般的には以下のように説明される。

住宅地地価
① 人口が微増から微減になり、今後は人口減が続く
② 結婚をしないパラサイトシングルが増え、親元を離れない
③ 経済が伸び悩み、特に勤労者所得が減少している
④ 外国人が日本の土地を購入して住宅を保有しようとしない
⑤ リーマンショック後住宅融資に金融機関が消極的になっている


 人口が減って、収入が伸び悩み、金融機関からの融資が受けづらいのであれば日本人が住宅建設を積極的に行うことにはならないし、外国人は日本に魅力を持っていないので住宅取得をしないと言うことだ。

商業地地価
① 日本経済が伸び悩み、世界の経済の中心から外れている
② 郊外型店舗は増えるが商業地からは店舗の撤退が続いている
③ 日本の消費者の購買意欲が低下している
④ 金融機関が不動産融資に消極的
⑤ 海外のファンドもリーマンショック後資金手当てができなくなっている


 高度成長が終わった日本ではGDPは増えないし、消費も伸び悩み、商業地としての魅力が少ない。またリーマンショック投資ファンドが資金を一斉に引き上げてしまった。

 こうしてみると土地価格が上昇する要因はほとんど無いことが分かる。

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 イギリスやスペインでリーマンショックが起こる前まで急激な住宅価格の上昇が発生したが、これは主として外国人が住宅を購入したからだった。
イギリスの土地・住宅は主として石油成金のアラブ人とロシア人が、一方スペインの土地・住宅はイギリス人を中心とする金融成金が購入していた。日本人も昔、コスタ・デル・ソルに別荘地を買いあっていたのを思い出す。

 国内要因として住宅地地価が上昇することはほとんど考えられないが、国外要因として金持ちの中国人が日本に住宅地を求めることは期待できる。
世界的に見れば日本の住宅地はお世辞にもいいとは言いがたいが、中国に比べれば治安も便利さも格段に優れている。
価格が低下してくればそうした需要が出てきて、持ち直すかもしれない。

注)中国元は輸出政策のため、実態より安く為替管理されている。市場で自由に売り買いできるようになれば、かつての日本円が360円から90円前後になったように、大幅な元高になり、一気に購買力が増す。

 商業地地価についてはほとんど展望が持てない。ヘッジファンドは崩壊してしまったし、銀座からはルイ・ビィトンが逃げ出した。
商業用不動産を証券化して売り出すビジネスは、証券を購入する人がいない。
また日本がビジネスの中心になることは無いのだから、実需もほとんど増えない。
商業用地価はどこまで下がれば止まるのかという状況だ。

注)最近不動産関連の研究所が「商業用地価は下げ止まった」等の発表をしているが、金融緩和に伴う一時的な現象だと思っている。

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 はっきり言える事は、経済成長(GDP)と人口推移は土地価格と非常に強い相関関係が有り、GDPが増加して、人口が増加している場所でないと、地価は上昇しない
日本は1990年代以降、GDPは微増と停滞と微減を繰り返しているし、人口は長期的に減少が続く。

 アメリカやイギリスは金融工学で世界中をだまして経済成長を図ってきたが、化けの皮がはがれた今後は低成長になる。従って日本と同様、土地価格は長期的に低落する。

 思えば土地神話の時代は誰もが金持ちになって浮かれていた時代だ。今は土地保有者は誰もが貧乏人になる時代だが、だからといってこの時代が特に悪い時代ではない。
不動産を商品として売買するのでなければ土地価格が上昇しようが下降しようが関係ないし、新たに取得する人は安価に入手できるのだから、いい時代だとも言える。 

 


   

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(21.9.21) 季節の変わり目 PARTⅡ

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(タムさん撮影 山崎編集)

 季節はまったくすばらしく、太陽が降り注ぎ、秋風が心地よいのに私の体調は最悪だ。
ここ数週間、調子の好い日と悪い日が交互にやってきて、三寒四温みたいになってる。

 この1週間でも月曜日は元気にJOGをしていたのに、火曜日はひどく喉が痛み寝込んでいた。
水曜日は回復したので、清掃活動やJOGや読書会に参加していたら、木曜日は再び喉が痛んで寝込んでしまった。

 金曜日はやや持ち直し調子がよくなったので、土曜日ちはら台走友会8時間走に参加した。ちはら台かずさの道8kmの周回コースで何周走れるか競うレースである。
その結果は、今日(日曜日)は再び身体がふらふらで、胃腸の調子が極度に悪い。
それでも朝清掃活動に出てみたのだが、数百mおきに立ち止まっては休んでいた。
うぅーん、これでは四季の道で行倒れだ」家にいつ着けるかと言う状況だった。

 季節の変わり目にまったく対応できない。

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 ちはら台走友会8時間走は、私はこの日、他に用事があったので6時間で切り上げることにして約50km走るつもりだったが、32kmリタイアしてしまった。

 途中でひどい下痢に悩まされ、トイレで対応している間にすっかり走る気力がなくなってしまったからだ。どうやら風邪の菌が胃腸に入っているらしい
マラソンにとって大敵は下痢で、これが起こると腹に力が入らないだけでなく、身体全体に疲労感が充満してくる。

 しかもトイレでの処理が大変で、特に日本式トイレだとウンチングスタイルを取れない。マラソン経験者なら知っているが、足が疲労していて自分の足だけで身体が支えきれないからだ。
仕方が無いので、手で前の水道管を握ったり、後ろ手をついたりして身体を支えるのだが、手で支えている時間にも限界があり、疲れきってしまう。
うんうんうなっているうちに「今日はマラソンはここでやめよう」という気になってしまった。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 弱ったものだ。季節の変わり目になると風邪を引き、それがなかなか抜けない。しかも今は新型インフルエンザで大騒ぎをしている最中だ。
娘から「お父さん、マスクをしてよ」と言われてしまった。
医者になど行ったら、新型インフルエンザの患者にされかねないので、医者にもいけない。

 先週からはじめた筋トレも一休みをしなければならなくなった。再び腹の周りに脂肪がたまってしまうが、当面は風邪を直すことが大事だ。
まったく何もしたくないというのが本当で、今日はおゆみ野の森の定期活動日で、どんぐりを食べる試みがあったのだが、下痢症状でどんぐりなど食べたら、神様のお迎えが来てしまいそうだ。

 だから今日はもう何もしないで寝ていることにした。
ブログも調査をして書かないといけないようなブログはとてもかけず、書けるのは愚痴だけだ。

 

 


 

 

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(21.9.20) 成熟社会と私の個人的経験

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(タムさん撮影 山崎編集)

 最近の民主党の対応を見ていると、しばらく前の私にそっくりだ。
福祉政策を行うために、霞ヶ関埋蔵金や独立行政法人の資産活用に血眼になっている。

 なにしろ消費税は4年間上げないと約束し、ガソリンの暫定税率も廃止するのだから、残った財源は埋蔵金しかない。
官僚機構が隠しているすべての埋蔵金を洗い出せ
注)他に国債増発という手段があるが、これは最後の手段である。

 実は民主党が置かれている状態に今から約8年前の私が遭遇している。
このとき私は55歳で、通常の職員から特別嘱託という職員に資格が変わった。
特別職員になると管理職を止め、給与がそれまでの約60%に落ちる。
果たして生活できるだろうか」不安がよぎった。

 このとき現在の民主党と同じく、生活の徹底的な見直しを行った。何しろ入ってくる給与は大幅に減額されるのだから今までの生活でよいはずがない。

 私の生活を実際に見直してみると、実に多くの無駄な費用や財産があることが分かった。
列挙してみると以下の通りである。

① 保険
生命保険、傷害保険、がん保険、火災保険、自動車保険とあらゆる種類の保険に入っており、特に生命保険などはかみさんが林真須美になるのに十分な金額だった。
がん保険は取りやめ、生命保険と傷害保険は掛け金を大幅に圧縮した。


② 預金
投資信託や個人年金の掛け金を取りやめた。55歳になればこれからは貯蓄をするのではなく、蓄えた資産を消費に回す立場になったからだ。

③ 資産の売却
長野県の小諸市の近くに賃借権の別荘予定地を持っていたのだが、売却した。とても上物を建設できそうになかったからだ売却時期は55歳以前だった

④ 定期契約の中止
WOWOWO、ニュートン、ニューズウィーク、ランナーズの定期契約をやめた。雑誌は図書館で読むことにした。

⑤ マラソンレースへの参加の縮小
現役だった頃はシーズン中は毎週のようにレースに参加していた。年間に30回程度になる。一回あたりの参加費は3000円以上、それに交通費や食事代が入ると、10000円程度かかった。
これを月に1回程度に抑えた。

⑥ 自動車の廃止
最も不必要な資産は明らかに自動車だった。私は年間に1回~2回程度しか乗ることがなく、もっぱら息子と娘が使用していた。
毎年の保険、自動車税、2年に1回の車検はまったくの無駄金だった。
使わない自動車をなぜ購入したかと言うと、持っているとなんとなくうれしかったからである。
しかし、やはり無駄だ。これは最近になってようやく手放すことができた。


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(タムさん撮影 山崎編集)

 そうした圧縮の結果、55歳から60歳までの間で、さして生活に困ることはなくなった。子供はすでに成人しており、養育費が要らなかったのと、所得が少ないと所得税が大幅に安くなり、かつ保険や貯蓄に金を割かなくてすんだので、まったく手取りは従来と同じだった。
何だ、問題ないじゃないか」ほっとしたのを覚えている。

 60歳になり退職したが、今度は年金の掛け金や失業保険の掛け金も要らなくなり、通常の生活をする限りは支障はない。
そうか、年をとるとお金を使う必要がなくなるのだ」納得した。

 さて、これが私の個人的な経験だが、実は社会が成熟してくると、私の個人的経験が一般的なものになる。 

 日本のような成熟社会人口が停滞し、老人のウェイトが高くなった先進国をいう)ではGDPはまったく伸びない。成熟社会とは発展が止まった社会ともいえる。従って税金も伸びない。
ただし物はあふれんばかりだし、したいことはほとんど実現してしまった。
これ以上何をしたらいいの」というのが実態だ。
だから成熟社会では今までの生活方法の見直しが必要になる。

注)GDP神話に取り付かれている人は、常にGDPが増加しないと社会が崩壊するように騒ぐが、成熟社会では増えても減ってもさして変わりがない。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 日本ではインフラも十分すぎる位整い、今後作っても不要なダムかクマが遊ぶ高速道路しかできない。今は不要な資産をいかにして処分するかが課題となる。

 また貯蓄なども世界最大の資産規模に膨れ上がり、ただアメリカの国債を購入するために貢いでいる。お金は使わなくては何にもならない。今の日本に必要なのは貯蓄でなく消費である。

 また老人は元気でゲートボールをして楽しんでいる。登山をすれば老人ばかりだが、医療費を除けば、老人は他にかける費用はほとんどない。食欲はわかないし旅行も体力勝負だからあまりできない。エンターテイメントもテレビで十分だ。

 成熟社会は意外とお金がかからないし、過去の貯蓄を食いつぶしていけば十分生活できる。
自民党政権の成長政策一本から、民主党の福祉政策に大きく舵が切られたが、それはこの社会が成熟社会だからだと思うと納得できる。

注)ただし私の個人的経験では福祉対策は困っている若者を対象にすべきで、さして金の要らない老人にしても意味が無い

 経済成長が止まっても、生活を見直していけば十分満足のいく生活は可能だ。日本はそうした段階になってきた。


注)かつて私は西洋史を勉強して一番不思議だったのは、ローマ帝国のようなGDPを毎年拡大することに熱心だった古代から、生産がまったく停滞した中世に変わったことだった。
時代が逆行したのではないかと思ったが、実は物が十分いきわたれば、それ以上の物質生活を人は求めなくなると言うのが実態だと今は思っている。


 

 

 

 
 

 

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(21.9.19) 霞ヶ関埋蔵金問題 特別会計と独立行政法人

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(タムさん撮影 山崎編集)

 ここにきて再び霞ヶ関埋蔵金が脚光を浴び始めた。民主党が子供手当ての創出等に必要な財源として、この埋蔵金に目をつけたからだ。
一般に霞ヶ関埋蔵金2種類あり、一つは特別会計に隠されている剰余金・積立金もう一つが独立行政法人の剰余金・積立金である。
注)剰余金はその期の収入(フロー)、積立金はそれを積み立てたもの(ストック)

 埋蔵金問題の端緒は、自民党内の議論だった。増税なき財政再建論者だった中川秀直氏が「埋蔵金は存在する」と主張し、一方当時の与謝野薫財務相が財務省の意向を受けて「埋蔵金伝説のたぐいにすぎない」と否定したことから、埋蔵金論争が始まった。

 結論から言えば特別会計の埋蔵金は存在しており、それは財政投融資特別会計(財投特会)と外国為替資金特別会計(外為特会)に存在している。

 財投特会とは、国債を発行してその資金で天然資源開発というような商業ベースでは無理な政策案件への投資を行っている勘定で、資産規模は約200兆円毎年2兆円規模の収益(剰余金)が上がっている
注)国債の金利が低く、一方貸出金利が高いので利ざやが稼げる。

 外為特会は、円安誘導のため溜め込んだドルでアメリカ国債を購入し、そのアメリカ国債の運用利回り等で毎年3兆円規模の収益(剰余金)がある。
そして財政特会と外為特会が今まで溜め込んできた積立金は約28兆円規模に上っている。
ほれ見ろ、毎年5兆円も儲けてその積み立ては約30兆円ではないか。毎年の利益5兆円は一般会計に移してもらいましょう」これが民主党の主張だ。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 実際はすでに財務省も折れて、自民党政権だった18年度以降毎年2兆円規模の特別会計の剰余金をいやいやながら一般会計に繰り入れている。
さらに溜め込んできた積立金(財投特会から)世界的不況に対する特別措置として(20年度補正予算から約8兆円が一般会計に繰り入れられた。

 だから特別会計の剰余金・積立金についてはすでに財務省は落城していて、後はどの程度一般会計に入れるかだけの問題になっている

この金があるから天下りができるのに何てことだ」財務省は頭を抱えている。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 一方独立行政法人99純資産は約24兆円だが、こちらについてはどの程度剰余金があるのか明確でない。
自民党の行政改革担当相だった渡辺喜美氏が当時101有った独立行政法人を16削減しようとしたが、当時でも不要な資産は6000億程度と試算されていた。

 渡辺氏は官僚機構の抵抗の激しさと、福田内閣の優柔不断さに嫌気がさして自民党を離党したが、独立行政法人こそは官僚機構の最後の砦で、天下り先だからおいそれと削減には応じないし、当然剰余金も離そうとしない。(職員の約3割が天下りになっている)

 官僚の説明は「純資産6兆円規模の日本高速道路保有・債務返済機構の資産のほとんどが高速道路だから売却の対象にならないし、資産規模約3兆円の年金積立金管理運用は年金給付の財源だ」と言うものだ。
高速道路なんて誰も購入する人はいませんし、剰余金も微々たるものです」ということだ。

 民主党にとって独立行政法人の場合は剰余金を捻出すると言うよりも、機構そのものの廃止と補助金を削減すると言うのが本命のようだ。
毎年それぞれ3000億円前後の補助金を出している「国際協力機構」「宇宙航空研究開発機構」「新エネルギー・産業技術総合開発機構」「住宅金融支援機構」に対し目を光らせている。

 民主党の主要ターゲットは「宇宙航空研究開発機構」で、この機構を廃止するといっているので、開発機構の研究員は気が気ではないだろう。

 こうして民主党は特別会計から剰余金と積立金を取り崩させ、独立行政法人はそのものを廃止して補助金の削減と天下り先をなくそうとしているのだが、渡辺氏が泣いて敗退したように、特に後者の官僚の抵抗は大きそうだ。

 

 

 

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(21.9.18) 季節の変わり目

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(タムさん撮影、山崎編集) 

 季節の変わり目にすっかり弱くなってしまった。このところ数日おきに風邪を引いている。症状は毎回同じで、のどが急激に痛み出し、鼻詰まりが始まる。熱があるわけではなく、喉以外はさして問題ないのだが、身体を動かすのが億劫だ。

 仕方ないので風邪薬のルルを飲んで一日中家でごろごろしている。火曜日にこの症状が出て、その日、寝ていたら水曜日はすっかり回復した。
喜んで清掃活動や、マラソンや、読書会に出ていたら今日(木曜日)はまたのどの痛さに悩まされ、家で寝ている。

 ここにきて暖かな日と寒い日が代わる代わる来ているのだが、それへの対応ができないらしい。
暖かな日は上半身裸で何をしても平気だが、寒くなると長ズボンに靴下を履き上は長袖を着なければならない。

 どうもその着替えのタイミングを失するらしく、気がつくと風邪を引いている。
しばらく前までは気候がどのように変わろうとも、別に着替えのタイミングが遅れようともなんでもなかったのに、今はすっかり病弱になってしまった。
悶々と悩んでいたのだが、決定的な風邪を引く原因が分かった。

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(タムさん撮影、山崎編集)

 実はここ2週間あまり裸になって夢中で筋肉回復運動をしていた。身体から筋肉がなくなり、その代わり腹の周りにそれと分かる脂肪層がたまっていたからだ。

 原因は2週間前まで母親の看病に八王子の実家に毎週2泊3日通い、母親の食事の世話や買い物をしていたのだが、その間身体を動かすことが少なかった。

 私の身体は一日中動かしていないと脂肪が瞬く間にたまってしまう体質で、こうなると気持ちの悪いことこの上ない。
ちょうど海洋性のサメと同じで身体を動かしていないと生きていけない。
注)海洋性のサメは動くことでえらから酸素を吸収しているので、網にかかって動けなくなると窒息死する

 鏡を見ながら腹を触ると脂肪がつかめ、一方肩の周りの筋肉がやせ落ちている。
まずい、何とかしよう。このままではサメと同じで死に絶えてしまう

 私は現役だったころ、毎日会社の屋上で昼休み筋トレをしていたことを思い出した。当時は筋肉が隆々としており、小柄なシルベスター・スタローンみたいだったので、「貴方はオリンピックの候補選手ですか」とよく聞かれたものだ。
それが引退していつの間にかまじめな筋トレから遠ざかってしまっていた。

 筋トレはタイミングが必要だ。現役のときは昼休みと決めて何があろうとも筋トレをしていた。時々大事な会議があったのを忘れてすっぽかした。
今はいつも昼休みみたいなものだから、シャワーを浴びた後裸の状態で筋トレに入ることにした。
裸の醜い姿を見ると「これでは七福神の恵比寿様だ。何とかしなければ」と思うからだ。

 腕立て伏せ50回、スクワット100回、爪先立ち200回、腹の前後動100回を毎回するようにした。時間にしたら10分程度でできる。
これを日に4回程度していた。
JOGもそれまでは毎日6km程度だったのを、倍の12kmに増やした。
これだけすれば、筋肉が復活し、脂肪がなくなるだろう

 確かに肉体は見る見る回復し、腹の周りの脂肪も前側にわずかに残る程度になったのだが、気候の変わり目を無視して裸で行ったため、風邪を引くことを忘れていた。

 年をとるというのはどうしようもないものだ。どこかに限界値があり無理が利かない。せっかく体型が戻ってきたのに、一方で風邪を引いて寝込まなければならない。
今日は悶々としてまた寝込んでいる。

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(タムさん撮影、山崎編集)

主よ、ロドリゴのあの肉体はどこに消えてしまったのでしょうか。今日も悪魔が風邪の菌を私に振りまきました
ロドリゴよ、お前は神のしもべなのじゃぞ。ミサをすっぽかして筋トレなどをしているから、悪魔君に頼んでまじめな信徒になるようにしたのじゃ

主よ、しかし私は筋トレをしながら主を讃えておりました
ロドリゴよ、お前の姿を見て有徳の信徒がお前のまねを始めた。今では神父までがカンフースタイルで説教をしておる。
このような異端は許すわけにはいかんのじゃ

 

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(21.9.17) JALはGMになるのだろうか? JAL再建計画の行方

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 JALの業績が芳しくない。時間がたつに従って悪化していく。何度も抜本的改善策なるものを実施し、その直後は改善されるのだが、再びもとの木阿弥になっていく。

 実は航空業界は構造不況業種といわれるくらい環境が厳しい。燃料費の高騰に悩まされ、テロやインフルエンザが発生する都度旅行客は減少する。

 日航は05年06年赤字で、07年はリストラ効果(4300人の人員削減・低採算路線の廃止・子会社売却等)がでて169億円黒字になったが、08年は燃料費の高騰とリーマンショックで再び630億円赤字になってしまった。

 メガキャリアが単独では生き残ることができないのは世界中同じで、04年にはエールフランスとKLMが合併し、08年にはデルタ航空がノースウェスト航空を買収し、09年にはルフトハンザがオーストリア航空を買収した。

 航空会社の収益構造を見ると、国内航空会社だけで独占している国内線からは収益が上げられるが、自由競争の国際線ではほとんどが赤字だ。全日空と異なり、日航は国際線のウェイトが高い。
日本人でもビジネス客を除くと、日航の国際線に乗る人は少ない。私などはヨーロッパに行くときは常にアエロフロートで、料金が極端に安いディスカウントキップを使用している。
注)かつてはアエロフロートのサービスは日航に大きく差をつけられていたが、現在はまったく問題がない。飛行機もボーイングやエヤバス中心になり、食事もなかなかのもだ。そして安い。

 日航の問題点は毎年数千億円規模の新たな資金が必要になることだ。しかもそれがほぼ赤字見合い資金のため、融資をしてくれる金融機関や投資先がない。
仕方なく09年6月には政府系金融機関日本政策投資銀行を中心に1000億の融資を受けたが、政府保証をつけなければならないほど日航の信用はなかった。
もはや日航からの回収は不可能です。政府が肩代わりしてください」金融機関から見放されている。

 しかもようやく調達したこの1000億円も、09年4月~6月の第一四半期ではやくも食いつぶしてしまった。その間の赤字が990億円になったからである。
こんなにも収益が悪化した原因は旅客数の大幅な減少である。09年6月は海外からの旅客数が対前年比25%の落ち込みになった。
日航は顧客からも見放されつつある。

 日航は日本政策投資銀行からの融資の見返りに、抜本的な改善策を作成するように政府から指示され、現在再建計画を作成中だ。その概要の説明が15日に行われた。

 現在取りまとめ中の再建計画では、本年度中にさらに2500億円の資金手当てが必要と言う。
大雑把に言って、四半期ごとに1000億円ずつ赤字が出るので、その穴埋めが必要だと言うことだ。

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 内訳はデルタ航空アメリカン航空の増資で1000億円、メガバンク3行からさらに1000億円の融資を得る予定に成っている(残りの500億円は未定)。

注)日航が取りまとめ注の再建計画の内容は以下の通り
① グループ全体で6800人の人員削減
② 営業費用を08年対比11年までに5000億円削減
③ 国際線21路線、国内線29路線の廃止
④ 09年度下期に2500億円の資金調達。外部出資1000億、金融機関の借入1000億
⑤ 企業年金の支払い減額

 日航は従来から高コスト体質だと言われているが、日航がもともと政府と民間の折半出資会社(ただし約20年前に完全に民営化した)だったことから、政治がらみの路線の押し付けがあったり、一方組合が親方日の丸意識で給与や企業年金の削減に抵抗してきた経緯がある。
旧国鉄と同じだと思えばイメージがわく。

 今回の日航の再建計画は確かに大胆なものだが実現性はかなり危うい

 たとえば国際線21、国内線29の路線の廃止を計画しているが、国内線のほとんどが政治的に押し付けられた路線であり、そのため当該自治体の抵抗を覚悟しなければならない。
この路線が廃止されれば地方の死活問題だ」大合唱が始まる。

 また組合については8組合があって、交渉に時間がかかることと、組合が賃金の引下げと企業年金の引下げに強く反対していることだ。
これはまさにGMUAW自動車全米労組)との関係と同じで、組合がおいそれと給与改定等に応じるはずがない。

 デルタ航空アメリカン航空との資本提携については、JALアジア路線中国、台湾、韓国、フィリッピン等)がこの二社にとって魅力的なことは分かるが、リストラが十分行われなければかえって負担になるだけだから、当然リストラ前提の資本提携になる。

 金融機関はこれ以上の融資は願い下げで、政府保証がない限り実施しない。

 現在の状況は昨年末のGMの状況と酷似している。

 GMワゴナー会長は昨年末「政府の支援がなければ来年前半には資金が底をつく」と居直ったが、日航の西松社長は同じく下期2500億円必要だと言う。

 当時GMはリーマンショックの後、販売量が毎月30%~50%落ちていたが、日航の乗客数03年以降傾向的に落ち込んでいた。特に09年6月海外からの旅客数が25%減少している。
売上高を見ても06年度2.3兆円、07年度2.2兆円、で08年度は2.0兆円と減少しており、09年度の落ち込みはさらに大幅になりそうだ。
注)JALの業績推移は以下のURLを参照
http://www.ullet.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA/%E6%B1%BA%E7%AE%97%E6%9B%B8

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 現状は再建計画が適正であれば政府が産業再生法による資本投入を行うと言う路線だが、日航を取り巻く環境は厳しい。

 結局GM連邦破産法11条の適用で、資本金、借入金、年金繰入金、給与を大幅にカットし、さらに首切りをして再生を図ることになった。これは利害関係者が多すぎて調整がつかない場合の最善の方法だ。

 はたしてJALはどうなるだろうか。今回の再建計画でも利害関係者が多すぎてとても実施に移すことが難しい。
最終的にはGMと同様、JAL民事再生法を申請し、負債を踏み倒して出直すことになるというのが私の予想だ。

 

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(21.9.16) 文学入門 「車輪の下」 ヘルマン・ヘッセ

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 今回の河村義人さんの読書会の課題図書はヘルマン・ヘッセの「車輪の下」である。この小説は若い時代に読んだことがあるはずだが、まったく記憶に残っていなかった。初めて読むような感覚だ。

注)河村義人さんとこの本のチューターのA.Tさんの感想文は以下のURLで見ることができます。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/shiryou/2009/09/post-2858.html

車輪の下」とは「車輪の下に轢かれるような惨めな生活をしないように努力せよ」と言う意味で、そう言われ続けてきた少年時代に対する反逆の小説である。
ヘッセはこの小説に書いてあるように1891年14歳のときにマウルブロン神学校に入学し1年間在学したのだが、神経衰弱をわずらい退学している。

 私は19世紀後半のドイツの片田舎に住む多感で優秀な少年がどのような人生をたどるのかまったく知らなかったが、この小説を読んではじめてその実態を知った。

 当時、貴族やブルジョアジーでない商工業者の子弟がたどるもっとも賞賛される人生は、ヘッセがたどったように神学校に入学し、そこを優秀な成績で卒業した後はチュービンゲン大学に進み、その後牧師になるか、地方の公務員になるか、教職につくことだったようだ。
そしてこのコースに乗れば学費は政府が見てくれていたようだ。

 日本でも明治期の子弟がたどった道が、牧師を除けば同じようなものだったことに符合する(日本の場合は軍人という道もあった)。

 この神学校に入るためにはラテン語ギリシャ語が必須だったが、これも明治期の日本が漢文や外国語が必須だったことと同じだ。

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 しかしヘッセはこのマウルブロンの神学校にまったくなじめなかった。神学校だけでなくすべての世俗的価値観が我慢ならなかったらしい。
この小説の書き出しがすさまじい。
最初に自分の父親を紹介するのだが、このような辛辣な書き出しは他に比較するものがないくらいだ。

ヨーゼフ・ギーベンラート氏は、・・・すぐれた点も変わったところも、別にもっていなかった。・・・・彼の内的生活は俗人のそれだった。・・・せいぜい因襲的な粗野な家庭心とか、息子自慢とか、貧乏人に対するむら気な喜捨心とかが、その身上だった。彼の精神的な能力と言えば、生まれついた、融通の利かないずるさと計算の才を出なかった。・・・・
このような父親に対する容赦のない罵詈雑言が延々と続くのだから驚いてしまう。

 ヘッセ神学校に入学したときの描写もすさまじい。
祈祷室で厳かな入学式が行われた。・・・父親たちは・・・殊勝な心根と、美しい希望とに、彼らの胸はふくれていた。そしてきょう自分の子どもを金銭の利益とひきかえに国に売ったのだなどと、考えるものはひとりもいなかった」ひどい皮肉だ。

 ヘッセは自分が天才であることを知っていたので、神学校のような「利発な子供を、社会の中間管理層予備軍に教育する組織」が我慢ならなかったようだ。

先生たちが最も恐れるのは、・・・早熟な少年に現れる異常な現象である。・・・天才と教師とのあいだには、昔から動かしがたい深いみぞがある。・・・教授たちにとっては、天才というものは教授を尊敬せず、14の年にタバコをすいはじめ、15で恋をし、16で酒房に行き、禁制の本を読み、大胆な作文を書き、先生たちをときおり嘲笑的に見つめ、日誌の中で扇動者と監禁候補者をつとめる不逞の輩である

 ヘッセはこの神学校にいたたまれず、結局は退学するのだが、確かに詩作にふける多感な少年にとっては過酷な環境だったろう。小説では退学したあと職人になり、友達との宴会の後自殺するように川にはまって死ぬことになっている。

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 しかし実際のヘッセ1962年85歳まで生きて永眠しており、それまでにゲーテ賞ノーベル文学賞を贈られているのだから、晩年は満足していたのではないだろうか。
見ろ、オレの生き方のほうが正しかったではないか

 この小説のテーマ「天才と世俗の対立」ではヘッセは当然のこととして天才側の擁護者だが、私の感想はいささか公平に欠けると思っている。
実際の世の中は多くの平凡人と一握りの天才から成っていて、平凡人だけだと因襲的な進歩が止まった世界になるし、天才だけだと混乱と騒がしさだけの世界になる。

 だから社会は凡人と天才がちょうどいいような配合で成り立っていることが重要であり、一方だけが生存権を主張するようなものでもない。
ヘッセの父親も神学校の校長も、凡人としては立派な人々だ。
親が子供の出世を願うのも、校長が生徒に安定した確実な生活をしてもらいたいと思うのも当然だ。

 この小説は「天才はこのように考える」と言う意味でとても参考になったが、凡人に対する罵詈雑言はやはり言いすぎだと言うのが私の感想だ。

 なお、私はこのような自叙伝的な小説がことのほか好きだ。社会科学や歴史の本を見ていては分からない、生きた人間の「私はこう生きた」という証言がそこにはある。

 すべてが事実ではないにしても、そこに語られる精神のありようはまったく真実だし、またその時代に生きた人でなくては語ることのできない事実もある。
この本で19世紀後半のドイツの精神史を知っただけでも非常な収穫だったと思っている。

 

 

 

 

 

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(21.9.15) 温室ガス削減交渉COP15は成功するか?

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 次期首相の鳩山由紀夫氏が「2020年までの日本の温室ガス削減目標(中期目標)として1990年対比25%削減」を表明したことに対し、世界中が驚いた。
ただしこの表明は「すべての主要国(アメリカ、中国のこと)の参加による意欲的な目標の合意が、日本の約束の前提」と条件付にはなっている。

 特にヨーロッパでは「日本は大きな一歩を生み出した」とか「膠着している先進国と途上国の削減目標などの議論を前に進める力になる」等、非常に好感を持って受け取られている。
民主党の福山政調会長などは「日本がこれだけ賞賛されたのは見たことがない」と手放しの喜びようだ。

 麻生首相90年対比8%の削減目標を表明したときは、国連のバン事務総長が「もっと野心的なものを期待していた」とがっかりしていたのを思い出す。何しろ国連の要請数字は25%~40%の削減だったから、8%などは削減しないのと同じだと写ったのだろう。

 このように世界の評価は中国を除き(中国は「各国の国情を十分に考慮し、先進国と途上国を区別すべきだ」とクレームをつけた。日本が何をしようと中国は温室ガスの削減はしないと言う意味だ)好意的なものだが、国内に目を転じると産業界はブーイング一色だ。
経団連清水副会長(東京電力社長)は「達成には失業者の大幅増加、多大な国民負担を伴う。納得性のある説明が政治の責任だ」と、日本の実情を無視した決断だと言わんばかりだ。

 こうした目標数字を鳩山次期首相が表明したのは、この12月から温室ガス削減交渉COP15が始まるからで、それに先立ち民主党の「環境重視の立場」を明確にしようとしたものだ
民主党は自民党政治とは違って、ヨーロッパと共同で温室ガス削減交渉を前進させる

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 だがこの温室ガス削減交渉とは非常に問題のある国際会議で、一言で言ってかつての国際連盟のような主要国が参加しない、片肺飛行のような会議といえる。

 1997年に締結されたCOP3京都議定書ではアメリカ、中国、インド、ブラジルと言った二酸化炭素主要排出国がそっぽを向いたが、今回も中国をはじめとする開発途上国は削減目標に反対している。
温室ガス削減は先進国の任務だ。開発途上国は二酸化炭素を撒き散らそう

 前回の温室ガス削減交渉は大失敗だったのは、世界のトップ排出国、アメリカと中国がこの枠組みから外れてしまったために、温室効果ガスの削減はまったく不可能になってしまったからだ。
注)この2カ国のウェイトは約40%だが、近年ますますそのウェイトが増加しており、ヨーロッパや日本がいくら削減しても意味がなくなっている。

 それでもヨーロッパはまじめに取り組んできたが、日本はすっかりやる気をなくし、90年対比で約10%も温室ガスが増加してしまった。2012年までの削減目標が6%だったため、都合16%も増加しており、日本は削減国にペナルティーを払わなければならない。
削減なんてできそうもない。金を払えばいいんだろう」これが自民党政権の基本的立場だった。
注)ペナルティーの金額は5000億円から1兆円の間になりそう。

 日本は環境先進国とよく言われるが、それは全体の約35%を占める産業部門だけの話で、残りの運輸(約19%)、オフィス(約18%)、家庭(約14%)などはまったく手付かずと言っていい。

 運輸においてはハイブリッド車や電気自動車が決め手なのだが、本年のに入りようやくハイブリッド車が売れ出したと言う状況だ。
オフィスは従来に比較して省エネに熱心になったとはいえ、残業好きの日本人がいる限り、蛍光灯もクーラーもたった一人のために稼動していたりする。
また家庭の省エネなどはどこでやっているのという状況だ。
かくして日本の二酸化炭素の排出量は毎年増加してしまった。


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 実は二酸化炭素の排出を抑えるためにまず実施しなければならない方法は、炭素税の導入である。
炭素税は北欧諸国やイギリスなどではすでに導入しているが、フランスでもサルコジ大統領が来年から導入すると表明した。

 炭素税とは二酸化炭素を出すものにはすべて課税され、たとえばガソリン、石炭、ガス等の使用に対し使用者が支払うことになる。
簡単に言えばガソリン代、電気代、ガス代に上乗せされるのだから、一般的には増税になる。
二酸化炭素を使用することにペナルティーを与える
注) ただし日本の場合はガソリンは暫定税率で税金が高く設定されているため、暫定税率を廃止してそれに変わって炭素税が導入されそうだ

 こうして税金を上げ、二酸化炭素を使用することが高価になると知らしめた後に、二酸化炭素を使用しない生活へのモデルチェンジを誘導する。

具体的には25%削減のために以下の政策が必要になるとされている。
注)ただし数値は麻生内閣の試算で使用した数値で、財界の要請を強く受け、温室ガス削減が不可能な理由付けのために使用された。

① 石油・石炭の火力発電所を原子力発電所に代える
② 太陽光発電を大幅に導入する(現状の55倍程度)
③ 新車販売の90%を次世代カーに切り替える
④ 省エネ効果のない住宅の建替えをする
⑤ 企業に排出枠の割り当てと排出枠取引を導入する


 こうしたことで25%削減を達成できなければ、ふたたびヨーロッパにペナルティーを支払わなくてはならない。

 やや試算が大げさとしても、常識的には後10年余りで、このような措置が可能となりそうもない。
原子力発電は住民の反対が多いし、太陽光発電が55倍になるなんてありそうもないし、新車販売の90%がエコカーになるはずがない。
結局民主党の二酸化炭素削減策はCOP3の京都議定書と同様金で解決するよりほかに手はなさそうだと言うのが実情だ

注)今回の選挙で私は民主党を応援したのだから、責任のいったんは自分にもある。ペナルティーを払うだけでは能がないから、何とか25%削減の方法がないか、このブログで検討していくことにしよう。
理想主義の息子を持った親が、息子の後始末をしなければならないような立場になってしまった。





 

 

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(21.9.14) 苅田郷(かったごう)のやきもの展

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 今年も古民具工芸の村苅田郷(かったごう)やきもの展が開催されている。この地域一体は緑区刈田子(かりたご)町と呼ばれている古い農家が残っている農村地帯だが、この刈田子(かりたご)古名は苅田郷(かったごう)で、もともとは北信濃の現在の飯山市近在にあった地名だ。
かつて、苅田郷に住んでいた人たちが、この刈田子に移り住んだという意味だ。

 やきもの展はこの苅田郷の若い当主が、笠間でやきものの修行をした後、ここに窯を構え、毎年1回笠間焼きの友人と開催している陶芸展だ。
毎年ここでコップ等を購入しているので招待状が来る。

 今年は9月12日(土)から9月23日(水)12日間開催されると言う。時間は朝の10時から夕方の5時までだ。

 さっそくかみさんと出かけて行って、いつものようにコップを購入してきた。土の香りがするこのコップがなんとも好きなのだ。

21913_016  民芸の里の
苅田郷高梨性だが、このあたり一体の農家の性はすべて高梨性だ。そしてここ民芸の里の高梨家が本家だと言う。
実は高梨家は戦国時代から続く由緒ある家柄で、現在NHKで放送している大河ドラマ「天地人」にでてくる上杉家の家臣であるが、当初は同盟者だった。

 なぜ高梨一族が上杉家の家臣になったかのいきさつは、武田信玄に追われたからである。
当時北信濃は諏訪氏、村上氏、高梨氏といった豪族が割拠していたが、いずれも武田信玄によってその領地を奪われた。

 高梨氏は娘を上杉氏(当時は長尾氏)に嫁がせ、その娘が上杉謙信(当時は長尾景虎)を生んだ。高梨家は長尾家の母方の親戚である。
この高梨家の領国北信濃現在の飯山市の一帯)の土地を武田信玄に奪われたことにより、その失地回復戦争レコンキスタが始まった。
上杉謙信と武田信玄の川中島の戦いである。
叔父上の土地を何としても取り戻してご覧に入れる

 しかしこの勝負は結局決着がつかず、高梨氏は旧領を回復することができなかった。
そのため上杉謙信の家臣となって高梨氏は生き残ることになったのだが、領地がないため、上杉家からあてがいぶちをもらっていたわけだ。

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 上杉氏はその後武田氏と和睦し関東の覇権をめぐって、北条氏と対立した。その時上杉方の先方として高梨一族は率先して戦闘に参加した。
北条氏の領地を奪って、高梨一族の再興を図ろうとしたのだと言う。
叔父上、北信濃はあきらめて下され。その代わり坂東の土地を進呈しよう」そういわれたのだろう。

 結局その試みは一部成功し、関東のあちこちに高梨一族が散らばることになったらしい。野田市の野田醤油高梨性だが、高梨一族の末裔である。

 そして苅田郷高梨家もそうして関東に居ついた一族の末裔だと言う。
この話は苅田郷高梨さんやきもの展をしている若主人のお父さん)から聞いた話だが、おゆみ野という近代的な街の隣に、このような由緒正しい人々が住んでいることに驚かされる。

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(21.9.13) 周期性頭髪苦悩症候群 老いたるウェルテルの悩み

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 周期性頭髪苦悩症候群という病名をご存知だろうか。ドクトル山崎が命名した奇病の名称で「周期的におこるハゲの悩み」のことである。

 私がはげ始めたのは36歳の頃からだが、真珠腫性中耳炎の手術をした後から頭頂部の毛が急速に抜けてしまった。
後ろから見ると太陽が光り輝いている。
兄貴はローマ法王みたいだ」弟からからかわれる。
うぅーん、何とかならないものだろうか!!」

 一時期リアップフラバサイトという育毛剤を懸命につけ相当の効果があったのだが、残念なことにひどい副作用に悩まされた。

 リアップはマラソンでスタートダッシュをすると急激に心臓が痛み、狭心症になったような症状を呈する。私の唯一の趣味と言っていいマラソンができなくなりそうだった。
うぅーん臓が止まっては毛がはえても意味がないリアップをあきらめた。

 それからしばらくたってフラバサイトを挑戦してみることにした。蛍光灯に照り返す頭を見るのが辛かったし、他の育毛剤なら何とかなると思ったからだ。
しかしフラバサイトも副作用があった。夜中にひどいのどの渇きに襲われ、まったくつばが出なくなるのには驚いた。
眠りと頭髪とどちらが大事だろうか?フラバサイトも泣く泣くあきらめた。

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 今は63歳になり、うれしい事に同僚もハゲたり白髪になってきたので普段はまったく気にならないし、外出時は帽子をかぶっているのでここしばらくは精神的に安定していた。

 ところが最近我が家にかみさんの友達がよくやってくるようになった。かみさんよりかなり若い魅力的な奥さん方だ。
私もおゆみ野の森でこの奥さん方とは一緒に活動しているので、夫婦で友達のようなものだが、再びハゲの悩みが始まった。

 なにしろおゆみ野の森では帽子をかぶって若作りをしていたのでハゲを見せたことがない。
おかげでおゆみ野の森では「山崎さんは実に若くて素敵だわ」なんていわれて実にいい気分だった。

 しかし家の中で帽子をかぶるわけには行かない。
うぅーん、困った。秘密のベールをはぐべきか、それともハンカチでハゲを隠そうか・・・・・」

 思い悩んで今はハンカチで頭を隠しているが、煩わしいことこの上ない。若いお母さん方が来るたびにハンカチを探し回らなくてはならないからだ。
先日は洗濯機に入れてあったハンカチで頭を隠したがびしょびしょだ。
がまんならん何とかならないだろうか

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 再び副作用がなさそうな、あまり強烈でない育毛剤をつけることにした。紫電改である。そのため今度は育毛剤の効果についてレベルを落とした。
せめて頭頂部に産毛を生やそう
なんともささやかな目標だが、せめて毛があればハンカチで隠さなくてもすみそうだ。

まあ、山崎さん、ハゲだったの
いや、ハゲの一歩手前です。ほら産毛があるでしょう

 男はいつまでたっても見栄で生きているのだ。
こうして私の周期性頭髪苦悩症候群の悩みは尽きない。

 

 

 

 

 

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(21.9.12) 千葉県庁不正経理事件 千葉はどうなってしまったのか

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 困ったことだ。だんだんと千葉県民と言うことが言いづらくなってきた。
千葉市前市長は業者にたかり、千葉市前議長は業者をやくざまがいの恐喝で脅して金を詐取しようとしたが、今度は県庁が組織的に約30億円不正経理を働いていたという。
もはや県民としてお天道様の下をまともに歩けなくなってしまった。
「あっしの生国は緑区でござんす。緑区はおゆみ野でござんす。それ以上は聞かねえでおくんなせい!!」

 自治体の不正経理については06年以降、毎年のようにどこかの府県で発生していたが、千葉県の不正経理の金額は突出して大きい。
しかもこの30億円03年から07年までの5年間の調査結果だから、本当はさらに多額の不正経理が行われていたことになる。

 千葉県庁で不正経理が発覚した端緒は09年2月農林水産部物品納入担当職員3名が、詐欺容疑で逮捕されたことに始まる。県費約2300万円を詐取したのだが、その手口が「預け」と称する不正経理で業者に預けていた金を私的に流用し、愛人と高級料亭での飲み食いに使用したのだと言う。

 私は「預け」という不正経理の方法をはじめて知ったが「経理職員が物品納入業者に架空の請求書をださせ、業者の口座に代金を振り込んでプールする方法」で、なぜそのようなことをするかと言うと予算が余ったときにあたかも使用したように見せるためである。

 こうしたお金は裏金なのでまともな帳簿が作成できず、その引き出しの管理は実質的に業者にやらせて、手数料を支払っていたと言う。
県庁ですが宴会で使用したいので、現在の裏金の残高を教えてください

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 この4月森田知事が就任してから、この不正経理事件に本格的に取り掛かり、特に7月から公認会計士弁護士からなる外部審査委員会を設置して調査に乗り出した。
その結果、不正経理30億円と、そのうちの不正使用7億円、さらに不正使用の中で完全に私的使用と思われる1億1000万円が判明したのだという。

 不正使用7億円の内訳は職員が個人的にネコババした1億1000万円以外は、集団的遊興費に使用したらしく、卓球台や将棋版、および県庁職員相互間の宴会費等に使用されたらしい。
森田知事はこの7億円分については、過去・現在の管理職約5400人で返済すると言う。

 今回の千葉県庁の不正経理については、森田知事外部審査委員会を設置して本腰をいれて調査しなかったら、県庁職員はだんまりを決め込む予定だったらしい。
それと言うのも従来からいた県の内部・外部監査人(1998年の改正地方自治法により、外部監査も行われていは昨年から調査を開始していたと言うが、進展が見られずこの件の監査についてサボタージュしていたようだ。
注)08年度会計検査院の検査で12府県で不正経理が発覚したため、千葉県でも同様の不正経理がないか調査をはじめていた。

 森田知事は前知事の堂本さんにも弁済を求めるつもりのようで、「堂本さん、これはあんたの責任だよ」と言うことのようだ。

 なぜこのような不正経理が延々と継続した(ある業者は40年ほど前からあったと証言した)かの原因は以下のように説明されている。

① 長年の慣習や前例踏襲で特に問題と思わなかった
② 発注と商品を確認する検品を同じ職員が実施していた
③ 予算枠を使い切らないと翌年は減額されるので、なんとしても使おうとした


 今回の不正経理65億円相当の消耗品購入費で行われていたのだが、なぜ30億円も不正ができるかと言うと、消耗品なので現物確認ができないからだろう。
たとえはコピー用紙を1000枚購入し、現在それがゼロ枚でも「使用した」と言えばすむので、パソコンのような耐久消費財と違って在庫管理がされていない。

 したがって、消耗品の場合は発注と検品を厳密に実施する以外に方法がないが、これが同一の人が行っていたのだからいかようにも操作ができるわけだ。
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 もっとも不正経理30億円のうち、犯罪や明らかに不適切な使用が7億円だと言うことは、残りの23億円は経理上は不適切だがやむ終えない処理だと、森田知事が認識したことになる。

 調べてみると今回の不正経理は県土木整備部農林水産部に集中しているが、この2部は国からの補助金行政によって成り立っている。

 国庫補助金はその使途が厳密に決められており、また予算の執行は予算案が成立するまで待たなくてはならないから、予算審議が長引くと4月から6月までの期間は補助金は交付されない。
しかし一方その間でも業務は執行されるので、こうした端境期を乗り切るために「預け」と言うような不正経理をせざるを得なかった事情もある。
必要悪」と言う位置づけだろう。

 ただし今回の結果から分かったのは4分の3は制度の欠陥を補ったもの、4分の1が集団的および個人的ネコババということのようだ。
民主党の言うようにひもつき補助金行政は止めて、一括交付金にすれば不正経理の温床は少なくなるはずだが、それにしても7億円相当はネコババをする体質があるのだから、内部監査はまじめにやってほしいものだ。

 今回私が一番問題だと思ったは、従来からいた内部・外部監査人がまったく機能せず不正を見逃し続けていたことだ。
監査人は職員の友達ではなく、県民のために働いているのだが、そうした自覚は皆無だったのだろう。

 監査人が「預け」金で一緒に飲み食いしているようだったら、千葉県庁の明日はない。

 

 

 

 

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h(21.9.11) 鳩山由紀夫氏の政治哲学と日米同盟の行方

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 次期総理大臣鳩山由紀夫氏の「私の政治哲学」という論文がVoice9月号に記載された。またその一部(特に外交政策)についてニューヨークタイムズ紙に掲載され、これがアメリカの保守層に衝撃を与えていると言う。
どうやら鳩山は反米主義者らしい」という感度だ。

 私もこの「私の政治哲学」という特別寄稿を読んでみたが、政治家が書いた論文として際立って格調が高く、鳩山氏が並みの文筆家でないことがよく分かった。

 この論文の骨子は「友愛」である。友愛と言う言葉はそれほど一般的ではないが、祖父鳩山一郎氏クーデンホフ・カレルギーの「全体主義国家対人間」の日本語訳を行ったときに、フランス革命のスローガンの一つだった「博愛」をあえて「友愛」と訳したのだという。

 クーデンホフ・カレルギーと言っても私を含めほとんどの人が知らないが、戦前「汎ヨーロッパ主義」を唱え「今日のEUにつながる汎ヨーロッパ運動の最初の提唱者」でナチスを批判したため、ヒットラーに追われアメリカに亡命した人だ。
その時の逃避行で映画カサブランカラズロのモデルになった人だそうだ。

 カレルギーの「友愛」は中庸の精神であり「友愛が伴わなければ、自由は無政府状態の混乱を招き、平等は暴政を招く」し「人間にとって重要でありながら自由も平等もそれが原理主義に陥るとき、それがもたらす惨禍は計り知れない」という。

218_034  鳩山氏はこのカレルギーの友愛の精神で、平等の原理主義に陥った共産主義や全体主義を否定し、返す刀で自由のアメリカ型資本主義を否定する。

冷戦後の日本は、アメリカ発のグローバリズムという名の市場原理主義に翻弄され・・・・・・・自由の経済形式である資本主義が原理的に追求され・・・・人間は目的でなく手段に貶められた
そして「道義と節度を喪失した金融資本主義、市場至上主義にいかにして歯止めをかけ、国民経済と国民生活を守っていくか」が政治家の使命だと鳩山氏は述べる。
自分は中庸の政治家と言う位置づけだ。

 鳩山氏の主張は国内政治については明確だ。
友愛の政治は、衰弱した日本の公の領域を復活し、また新たなる公の領域を創造し、それを担う人を支援していく

 その具体的方法として、
① 郵政民営化は、長い歴史をもつ郵便局とそれを支えてきた人々の地域社会での伝統的役割を復活させるために、(小泉内閣の郵政民営化を見直し)
② 中央集権国家である現在の国のかたちを、地域主権の国に変革し、・・・・国の役割を、外交・防衛・財政・金融・資源・エネルギー・環境等に限定し、生活に密着したことは権限・財源・人材を基礎的自治体に委譲する
、のだと言う。

 このあたりまでは従来の民主党の主張の中で言われてきたことで、国民の多くが支持している内容だろう。わたしも基本的に鳩山氏の主張に賛成する(ただし私は郵政民営化については小泉首相を支持した)。

 しかし鳩山氏がこの特別寄稿の中の最後で述べた外交政策ナショナリズムを抑える東アジア共同体」構想には、私も驚いた。
一言で言って東アジアに「友愛」のもとに「EUと同じような東アジア共同体を作り上げよう」と言うことで、鳩山氏の意識下ではカレルギー鳩山氏は時代を越えた同志と言うことになる。

 鳩山氏はまず「アジア通貨統合の実現」を目指し、「その背景となる東アジア地域での恒久的な安全保障の枠組みを創出する努力」が必要だと言う。
日米安保条約に代わり、東アジアでEUのユーロと同様の通貨同盟を実現し、その担保として「東アジア集団安保体制」の確立が必要だと言っているようだ。

 この主張は確かに戦後の50年間の日米安保条約体制に対する挑戦に写る。
なにしろ鳩山氏は次期首相だ。
鳩山は反米主義者で、日米安保条約を破棄しようとしているのか」アメリカの共和党系の議員やシンクタンクが色めきたった。

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 さらに昨日(9日)調印された3党連立の合意文書がダメ押しになりそうだ。
緊密で対等な日米同盟をつくる。日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍のあり方も見直しの方向で臨む」と合意文書は言う。

 通常対等な同盟とはアメリカがアフガニスタンで戦争を始めれば、直ちに日本もアフガニスタンで戦闘を開始することだが、いままでの民主党の主張からはその反対の主張しか聞かれない。
したがってこの部分は単なる枕詞で、本音は「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍のあり方も見直しの方向で臨む」ということのはずだ。

 この合意文書を読めば、「やはり鳩山は反米主義者で中国よりの人物」と写るだろう。
しかも、鳩山氏の「東アジア集団安保体制」は日本の強さの同盟でなく、弱さの同盟であることに特色がある。
中国は軍事的にも経済的にも東アジアの覇権国家だ。ここに対抗するには韓国や台湾やフィリッピン等と共同で中国に立ち向かわなくてはならない。そのための集団安保だ

 さて、この鳩山氏の外交はうまくいくだろうか。アメリカとの同盟より中国との同盟の方が国家の安全保障になると言えるだろうか。
日本人の一般的な感度は「中国よりはアメリカのほうがましだ」と言うものだから、鳩山氏の東アジア共通通貨も集団安保もおいそれとは日の目を見ることはなさそうだ。

 正直言って今回の鳩山氏の論文を読んでみて、民主党の外交戦略小沢氏の国連中心主義から鳩山氏の東アジア集団安保)についてはゆれが大きすぎて、本気で何を求めているのか分からない。
夢と現実との区別がつかないと言う感じだ。

 結局首相就任後、現実の世界情勢と向き合いながら、中庸の「友愛」の精神で外交戦略を試行錯誤せざるを得ないというのが実際だろう。 

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(21.9.10) 中国経済の奇怪な法則 経済成長率は忠誠度

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 マーフィーの法則というのをご存知だろうか。

マーフィーの法則」という名は、オハイオ州の米軍基地内のに勤務していたのマーフィー大尉の名前を採ったとされ、その逸話は以下のようなものである。

 マーフィー大尉は、トラブルを起こした装置を調べて誰かが間違ったセッティングをしていた事を発見した。ここで彼の言った台詞 "If there is any way to do it wrong, he will." 「失敗する方法があれば、誰かはその方法でやるがこの「法則」の土台となったものだそうだ。

 予測できる失敗は必ず起こるとか人間の深層心理にあることは必ず実現するというぐらいの意味らしい。

 このマーフィー大尉の法則にもう一つ、中国政府の奇怪な法則を付け加えることにした。
経済成長率は地区共産党員の忠誠度をあらわす」という法則だ。
序列順位を少しでも上げたい地区党員は思いっきり経済成長率を上げて報告すると言う意味である。

 8月29日付けの中国系香港紙・大公報に興味深い記事が載った。
南京市の人民代表大会で「今年上半期の南京市の経済成長率は前年同期比10.2%」とだと市政府が発表したが、石油化学関連企業を経営する常務委員から「でたらめだ」と批判を浴びたという。

南京の経済は電力を大量に消費する重化学工業が中心だ。上半期の工業用電力が1.7%しか増えてないのに、GDP伸び率が10.2%というのは議論の余地がある」とその常務委員は述べたそうだ。

 実は中国の統計がいかさまではないかとの指摘は中国以外の専門家からはたびたび指摘されている。
よくある指摘は石油使用量とGDPとの関係からの推定で、従来の石油使用量とGDPの関係を調べてそこに整合性をもとめ、現在発表されている統計数字の人的操作を疑うということが多かった。

 今回は外国の研究者でなく、当の中国の専門家からの指摘だが、この議員はおそらく地方幹部の怒りを買って、常務委員の肩書きを剥奪されるだろう。

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 実は中国が発表するマクロ数字はほとんどが政治的プロパガンダとして発表され、中南海の経済担当者でさえ、本当の経済実績を把握することができない。

 特にGDPは曲者で、これは国家的な公表数字だから特に重要視され、たとえば南京市GDPが中国政府が目標とする8%を下回るようなことがあれば、地区委員会の責任問題になりかねない。

GDPによって出世も降格も決まるとなると、GDP経済学の数字ではなく心理学の数字になる。
なにしろ地区担当者は目標達成の責任者であるとともに、統計数字の報告の責任者でもあるのだ。

統計担当者工業用電力が1.7%の増加にとどまり、とても政府の言う8%の成長率は達成できません
地区委員会同志君は何か勘違いしているのではないか。かつてGDP成長率について我が委員会が正確な数字を挙げたことが一度でもあったか。北京政府が8%と言ったら、何があろうとも8%なのだ

統計担当者最近は外国だけでなく、我が中国の研究者も南京市が発表する数字に疑問を呈しています。特に電力需要との関連でその数字は政治的粉飾ではないかと言われました
地区委員会同志、警察と監獄は何のためにあるか知っているかね。そうした流言飛語を取り締まるためだ。安心してGDPの数字を10.2%と報告したまえ

統計担当者しかしそれでは統計数字の信憑性が損なわれます
地区委員会君はどうやらマーフィーの法則を知らないようだね。我が中国においてはGDPの成長率は中南海に対する忠誠度をあらわしている。
わが忠誠なる南京市企業が電力の使用効率を5倍にあげ国家目標を達成したのだ。
この数字を見て、胡 錦濤主席もお喜びなられるだろう


 実際問題として、すべての数字がでっち上げと言うのは言いすぎだが、下部組織からあがってくる数字はそのたびに政治的脚色が加えられる。
何しろ数字を報告する人はすべて共産党組織の幹部で出世主義者だ。

 たとえば鉄鋼生産量対前年比10%アップするように指令が来たとする。生産現場で実際の数字が5%アップだとしたら、現場担当責任者の首が飛ぶ。
仕方なく現場担当責任者はたとえば前年度の不良在庫を当年度の生産額に加えて9%アップだとの報告書をでっち上げる。
大限の努力をしましたが、惜しくも9%のUPにとどまりました

 この数字を見た地区担当者は次のように考える。
これでは目標達成にならない。どうせ中南海は数字の裏づけなど取らないのだから10%UPと報告しても分かるまい。いや思い切って12%にしよう

 この数字を見た中南海統計数字担当者は次のように考える。
全国から上がってくる数字はすべて10%以上だ。胡 錦濤主席の指示は実に偉大だ。目標は達成された。わが国は大躍進だ

 かくして「経済成長率は地区共産党員の忠誠度」というマーフィーの法則が証明され、めでたく党中央の目標は達成される。

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 このようにして中国のマクロ数字はほとんどが政治的脚色が施されているため、まともに信じることができない。
信じられる数字は外国に対応する数字がある場合で、たとえば貿易統計は中国の輸出は外国の輸入となるので、確認が取れる。
また、アメリカ国債の残高はアメリカの財務省が発表しているので裏づけが取れる。

 さらに各都市レベルのミクロ数字は研究者が実際に確認できるので嘘が少ない。
しかしGDPのような外国にその数字の裏づけがないような数字で、実際に何段階にも渡って操作されている数字はまったく信用ならない。
中国当局でさえその数字の信憑性が分からないと言うのは本当だ。

 かくして09年度のGDPはめでたく8%を上回る成長を遂げることになるが、それを本気で信じるのはおろかだ。


 

 

 

 


 

 

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(21.9.9) 八ツ場(ヤンバ)ダム入札延期と地方自治

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 地方自治とはなんと難しいことだと思った。今回の 八ツ場(やんば)ダム建設の入札延期に伴う地方自治体の反応のことである。

 民主党がマニフェストに記載した「もっとも無駄な公共投資」とされた 八ツ場ダムについて、関係自治体(1都5県)からは「利水・治水の面から絶対に必要」との意見が次々と出されている。
これには民主党もびっくりしたのではなかろうか。

 民主党としたら各自治体から「良くぞ中止してくれました。これで無駄な経費の出費がなくなり、本当に助かります」と言われると思ったら、まったく反対の反応だ。

 特に東京都知事なんかは「 八ツ場ダムは利水・治水の面から必要で、中止になったら費用負担金約457億円について国に返還を求める。完成させるよりもばらしてダメにしたほうが、保障を含めお金がかかると思」と述べている。

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 実は東京都知事の言葉にはいくつかの嘘と誇張がある。

 まず利水・治水の面から必要と言うことはまったくの嘘だ。
利水については東京都は水の確保が有り余っており、今後どうやって減らせばいいのかを検討しなければならない。

 このことについては 八ツ場あしたの会が詳細な分析をしており、「工業用水は1970年代から横ばいないしは減り気味で、その後増え続けた水道用水も1990年代からは横ばいです(図1)。首都圏ではいまだに人口が増加していますが、一人当たりの給水量は減少を続けています。これは節水機器の普及と漏水防止対策の推進によるもの」だそうだ。

 件の東京都についても「水あまりが最も顕著なのが東京都です。東京都の水道用水は1980年頃からすでに頭打ちでした。ところが水源開発が次々と進められた結果、保有水源はどんどん増え続け、現在では一日701万m3に膨れ上がっています。

 一方で、一日最大給水量は最近10年間に100万m3/日も減少して、約530万m3程度になっているため、現在は約170万m3という大量の水源があり余っている」そうだ。

注)以下のグラフで確認していただけると石原知事の言葉が嘘であることが分かる
http://www.yamba-net.org/modules/tinyd2/index.php?id=3

 また治水については建設省(現国土交通省が進めた、大規模堤防(スーパー堤防により水害の危険性は大幅に緩和されと当の建設省(国土交通省が説明している。
それは当たり前で、いつ完成するか分からない 八ツ場ダム建設を待たないと治水ができないなんていったら、それこそ関係住民から袋叩きにあってしまう。

  八ツ場ダムは治水上も利水上もすでに不要となったダムなのだ。

 費用分担金457億円誇張で、このうちの約4割は国からの助成金になっている。だから東京都が負担した金額は実際は307億円だと言う。
それよりもさらに最終的な追加負担額約200億円(最終負担額は653億円と推定されている)がなくなるのだから本来は喜んでよさそうなものだが、石原都知事はダムを完成させろと言う。

注)最終的な金額の推定は、以下のブログの数値を使用。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/boso/nakayama02.htm

 一番分からないのは、「完成させるよりもばらしてダメにしたほうが、保障を含めお金がかかると思う」と言っていることで、何をバラすと言っているのだろうか。
現在まで作ったのはインフラ部分で、道路やJR吾妻線の移設や、住宅地でこれらはそもそもばらすような代物ではない。
あえて言えば仮排水工事がそれにあたるが、トンネルの両側をふさげばよいだけだ。

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 だから石原都知事のクレームは単にためにする議論なのだが、それにしても何でそのようなことを言うのかは検討の余地がある。
結論から言えば、「すでに支払った費用分担金を返してくれ」と言うことで、「特定多目的ダムおよびその施行令」には国が自ら中止する場合が想定されていないため、分担金の返礼については、ルールが存在しない。

このまま行くと、国に分担金を踏み倒されるかもしれない。そうならないようにクレームをつけておこう」と言うのが本音だろう。

 民主党も大変だ。誰が見ても不必要なダム一つ中止するにも、関係自治体すべてからクレームが出るのだ。
しかしこの程度のことでひるんでは、そもそも不要な公共工事など何一つなくなることはないのだから、断固とした対応を望みたいものだ。

 

 

 

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(21.9.8)  東京オリンピック招致絶望 石原都政の黄昏

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 16年夏季五輪
に立候補した4都市に対するIOC評価報告書が公表された。
東京招致委員会の武田副会長は3日、都庁で会見し「他都市と比べて低い評価と言うわけでない」と述べたが、昨年の1次選考では4都市中トップの総合成績だっただけに焦りの色が隠せなかった。

 東京は安定した財政力、コンパクトな開催、治安が評価されたものの、世論支持率では4都市の中でもっとも低い55.5%だったことがマイナス要因とされている。
一所懸命なのは石原都知事だけだろう」と言うことだ。

 実は東京開催については、昨年の1次選考以降開催に不利な条件が続出している。
この8月に行われたIOC理事会で16年夏季五輪の追加種目は7人制ラクビーとゴルフに決まり、野球とソフトが落選した。

 このことは16年オリンピックは野球やソフトがメインになっている都市では行わないと、IOCの理事会がメッセージを出したと言うことだ。
東京は苦しくなった。

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 また、財政力については「(東京都の)開催準備金400億円などで十分に対応できる」としているが、IOCも東京都も本気で信じていない。
オリンピックでは思わぬ追加費用が発生するのが普通であり、そのために政府の財政支援がぜひとも必要だが、日本では麻生首相個人保障しかない(国会決議がない)。

 民主党が東京オリンピック開催に反対していたからで、それだけでなく民主党は石原都知事の新銀行東京への対応をにがにがしく思っている。
個別案件としても計画にある五輪スタジアム建設には大反対だ。
石原は新銀行東京で大失敗をし歴史的汚名を残そうとしているが、これをオリンピック招致をすることで名誉の回復を図ろうとしている

 民主党はマニフェストで不要な公共事業は抑制するとしており、公共事業を削って福祉予算を増大しようと言うのが戦略だから、おいそれと石原都知事の戦略に乗るはずがない。

 またこの東京オリンピック開催について国民の支持がないのは明白なので、民主党としては「原の個人的パフォーマンスに付き合うのは馬鹿馬鹿しい」と思っている。

 かくして政府の財政支援はあてにできないため、財政力が十分というわけに行かなくなってきた。
石原都知事はIOC総会に、鳩山新首相が乗り込んで、「財政支援を100%行う」と言ってほしいのだが、いままでの民主党と石原都知事との関係から鳩山新首相が総会に出ることはないと思う(かえって民主党は東京オリンピック開催を失敗させて、石原都知事の自民党都政から民主党都政への奪還を狙うはずだ)。

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 ここにきてブラジルのリオデジャネイロが得点を重ねている。リオデジャネイロは南米で始めてのオリンピック開催と言うことでのアピール性もあり、また国を挙げての開催の機運ももりあがっている。
実際問題として国の後押しが期待できるのはブラジルだけだ。
その他の国はリーマンショックの対応で財政は火の車だ。

 唯一の問題は安全面だが、オリンピックの期間中ぐらいは軍隊を派遣してでも安全確保を図るはずだから、問題はなさそうだ。

 開催都市決定は10月2日だから、開催日決定まで1ヶ月を切った。この段階でもっとも有利なのはリオデジャネイロで、次がシカゴと言うところだ(シカゴはオバマ人気で沸いたが、アメリカ政府の財政支援が得られるかどうかが不明確だ。景気対策や金融対策で手一杯でオバマ政権としてシカゴ開催のサポートをする余裕がない。この点が不安材料になっている)。

 東京とマドリードは圏外と言う状況だ。石原都知事の都政も完全に黄昏を迎えてきた。

(21.9.28)追加
 私の予想に反して、鳩山首相がIOCの総会に出席すると平野官房長官が発表した。鳩山首相が出ても東京オリンピックの目はないと私は思っているが、この首相出席には驚いている。
 政敵石原氏を追い落とすいい機会なのに、この鳩山首相の甘さはどうしたことだろう。
上杉謙信が武田信玄に塩を贈った故事に倣ったのだろうか。
鳩山氏は育ちのよさと優しさを兼ね備えた政治家だが、これが命取りになるようなことがないことを望むだけだ。

 

 

 

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(21.9.7) 千葉市炎上 PART Ⅱ 市議会議長逮捕

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 千葉市
が再び炎上している。前回は千葉前市長鶴岡啓一氏が、市道の拡張工事に伴う入札の便宜で、警視庁に逮捕されたのだが、今回は市議会議長小梛(おなぎ)輝信氏恐喝未遂の疑いで千葉県警に逮捕されてしまった。

 恐喝未遂の内容は、JR稲毛駅前で建設中の7階建てのビル工事にかかる恐喝で、不動産会社社長を呼びつけて数千万円を脅し取ろうとしたという
Image0_2  読売新聞の取材では、小梛(おなぎ)輝信容疑者との一問一答で何があったか実にリアルに再現されている。
なお括弧の青字は私が挿入したもの

記者ビル建設工事の関係で不動産会社が脅されたとの話があるが

小梛不動産屋が俺のところに来たから(実際は呼びつけた)、『小仲台はうるさい街なんだよ。ここには自治会の会員に暴力団がいるんだ』と言った(実際はまったく問題が起こっていなかった)。
それで、たまたま机の上に名刺が置いてあったから(
実際はいつも用意していて脅しに使っていた)、『こういうのもいるから、あんた工事を止めなさいよ』と言った

記者金を要求したのか

小梛うちの自治会では工事業者と協定書を結ぶことになっているが、あそこ(小仲台)は言うことを聞かない。それで不動産屋が来て100万円で口説こうとした。それで『ふざけるな』と言った(こんなはした金で俺が動くと思っているのかと言った)。俺だったら20億、30億もらうって言うんだ(不動産会社社長はこのような大金を支払えないので、頭を抱えて千葉県警に訴えでた)」

記者暴力団との関係は

小梛子供の頃から『お兄ちゃんなんて言っていた』(子供の頃から暴力団とは知り合いだった)。稲毛の街を守ってくれている(稲毛の街は警察でなく暴力団が守っている。本当だろうか?)。暴走族なんかが夜中うるさいと、若い衆が出てきて抑えてくれる。だからやくざもんというより、みんな自治会なんだ(こうして自治会を動かして反対運動をさせ、俺が金をピンはねしてるんだ)」

詳細は以下参照
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090904-OYT1T00103.htm

 かつてこれほどすごい市議会議長の告白を聞いたことがない。まるでゴッドファーザーの映画を見ているみたいだ。

お願いです。このマンション問題を解決してください
あんたはなぜ最初にここに来なかった。警察なんかに言っても埒があかないのは分かっていたはずだ。それにあんたは今まで一度も私をゴッドファーザーと呼んだことがなかったはずだ
「お許しください、ゴッドファーザー」(小梛の手にキスをする建設業者
♪♪♪♪♪(ゴッドファーザーのテーマソング

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 しかしなぜこれほどまでに一般の建設工事なのに、市議会議長は金を脅しとろうとしたのだろうか。
これが公共工事であれば入札の便宜を図る見返に、金銭を求めることは分かるが(鶴岡前市長の場合)、何も関係ない一般の建設工事に介入するとは不思議としかいいようがない。

 一番考えられる理由は千葉市の財政状況が悪化し、箱物行政が終了し、今まで野放図に拡大していた公共事業にストップがかかったためだと思われる。
公共工事がないんじゃゼネコンから金をむしりとれない。仕方ないから仲のいい暴力団を使って、わざと一般建設の建設反対運動を起こし仲介料をむしりとろう」としたのだろう。

 しかし困ったものだ。これでは市議会議長がやくざの親玉のようなものだ。千葉市民はやくざを市議会議長にしていると日本国中に触れ回っているようなものだ。
もはや千葉市民だと言ってお天道様の下で大手を振って歩けなくなってしまった。

ご住所はどちらですか?」
はは、東京の近くです
東京の近くと言うと、埼玉ですか?」
はは、まあ、そんなところです

 

 

 

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(21.9.6) ふるさとは近きにありて思ふもの 八王子市  

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 私の故郷は東京の郊外、八王子市である。かつては絹織物も町として知られ、町には機屋(はたや)が数多く存在し、私の父親も一時「しまかい」という絹織物を東北の呉服店に販売する卸と行商の中間のような仕事をしていた。

 江戸時代は八王子市は宿場町で、甲州街道沿いに多くの宿場が立ち並んでいたと思うが、私が物心ついた頃には目抜き通りには呉服店が立ち並んでいた。
もっぱら栄えていたのは甲州街道沿いで、一方八王子駅は甲州街道からかなり離れた場所で、現在とは違い駅周辺は閑散としていた。今から約50年前のことである。

 私はこの町を大学卒業以来離れ、その後この町に立ち寄ることが非常にまれになった。父母はこの町で暮らしていたのだが、正月に1回家族全員が集まる行事以外に立ち寄ることがなかったからだ。

 それが母親が腰椎の圧迫骨折をして寝込んでしまったことから、兄弟全員で母親の面倒を見ることになり、毎週1回2泊3日の予定で八王子の町を訪れるようになった。
頻繁に八王子に来るようになってから、不思議なもので昔の記憶がよみがえり始めた。

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 現在母親が住んでいる場所は暁町というのだが、この町を流れる浅川をはさんで八王子駅と反対側にある。
昔は浅川の北側は雑木林と農家しかない町の郊外だったが、その後町の乱開発が始まり、母の家もその一角にある(父親は10年以上前に他界した)。

 暁町そのものは道路整備が整わないままに家が立ち並んでしまったような場所だが、幸いに近くに小宮公園という都会の公園とは思われないような静かな公園があり、また北島三郎が住んでいる北島御殿というビバリーヒルズにあるような邸宅もある。

 母の看病の傍ら、小宮公園や浅川を走り回っているうちに、八王子の町が再びしっくり来るようになってきた。
やはり、ここが故郷か」という感じだ。

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 浅川は昔は機織で使用する染料が流れ込んでいたためいつも紺色ににごり、また下水道も整備されていなかったためどぶ川のような流れだった。
子供の頃、この浅川で水遊びをしたが、学校からは「不衛生なので、浅川で泳いではいけない」と注意されたものだ。
ちょうど中国や東南アジアの河川をイメージすれば当たる。

 この浅川が清流に変わっていたのには驚いた。母の家に行くためには浅川大橋を渡るのだが、ここから見た浅川は実に美しい。
流れは決して深くはないが、大きな鯉が悠然と泳いでいるのが分かる。
私はこの鯉を見るのが好きで、いつもしばらく鯉を眺めている。

 私の小さい頃この浅川のイメージアップのために金魚を放流したことがあった。川に金魚がいるのはなんとも不思議だったが、数年でこの金魚は絶滅した。当時の水質ではとても金魚が生息できるような環境でなかったからだろう。

 浅川といえば台風の後の浅川の流れはすごかった。普段は川幅3分の1程度の水量しかないのだが、台風の後は川幅いっぱいにあふれんばかりに濁流が流れていたのを覚えている。
台風が過ぎた後はこの浅川の濁流をあきもせず眺めていたものだ。

 母親の看病のおかげで、何か古い昔の記憶がやけによみがえってしまった。
室生犀星は「ふるさとは遠きにありて思ふもの」と歌ったが、私のような即物的な人間は近くにないと故郷は思わないらしい。

 

 

 

 

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(21.9.5) 民主党政権と官僚のバトル  消費者庁長官は官僚か民間か   

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 民主党政権官僚のバトルが始まった。消費者庁長官の人事をめぐる関が原の戦いだ。
ことの起こりは麻生内閣が消費者庁長官に8月11日、元内閣府事務次官内田俊一氏を内定したことから始まる。
つづいて9月1日の消費者庁発足にあたって野田聖子消費者行政担当相は「消費者庁は国会で全会一致で決めた普遍的なもので、長官人事はほかの省庁の事務次官にものが言える人として内田俊一氏を決めた」とコメントした。

 一方民主党としてはマニフェストで官僚支配からの脱却を歌って308議席を獲得したのだから収まらない。
鳩山代表は31日「麻生内閣で決めた初代長官人事に関し、見直しの可能性が残っている」と早速牽制球を投げた。
民主党の人権・消費者調査会長仙谷氏はもっとはっきりと「うちの担当大臣が決まったら人事を洗いなおす必要がある」といっている。
消費者行政のトップに官僚を据えるなんてとんでもないということだ。

 一方当の消費者庁は「長官人事の政治介入を許せば前例になってしまう。無理やり交代させたら労働権の侵害になる」と徹底抗戦を見せている。
国家公務員法第75条で国家公務員の身分は手厚く保証されているではないか」ということだ。

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 この戦いこそは民主党官僚組織関が原になるはずで、もしこの人事で民主党が妥協するようなことがあれば、民主党の言う官僚支配からの脱却は絵に描いた餅になる可能性が高い。

 実は自民党政治は実質的には官僚支配の政治で、政策の決定は事務次官会議最高議決機関だった。
内閣はこの事務次官会議で了承されたことのみ決定していたのだから、政治家は官僚のスポークスマンのようなものだった。

 時に田中真紀子氏のように官僚体制に果敢に挑戦する人もいたが、結果は大臣も事務次官も更迭されるという「喧嘩両成敗」となり、大臣が次官より上になることはなかったといえる。

 実際次官が更迭されるのは、担当部署の不祥事か、本人の不祥事の場合だけだったから、消費者庁の幹部が言うように「無理やり交代させたら労働権の侵害になる」と言うことになる。

 その結果自民党政治がしてきたことは、人事があたかも内閣が決めたように取り繕うことだけで、野田聖子氏が「自民党支持者だから内田俊一氏を選んでいるわけでない私に選べる権限はない)」と言っているのは本当だ。

 この実質官僚支配の構造は明治政府発足以来の基本構造だから、おいそれとは変わるはずがないが、民主党はこの日本の基本構造に挑戦するという。
事務次官会議を廃止して閣僚委員会に権限を移す」

 その試金石がこの消費者庁の長官人事を覆えさせることができるか否かにかかっている。消費者庁長官人事一つできないようでは、所詮官僚支配からの脱却は夢のまた夢だ。
どうなるか目が離せない。

 

 

 

 

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(21.9.4) 日本男子柔道の黄昏

Gsi0909011152000p31_3     日本男子柔道の暗雲は晴れそうにない。
このたびオランダのロッテルダムで行われた世界柔道選手権では、男女7種目合わせて金3、銀1、銅3合計7個のメダルにおわったが、これは男女同時開催となった87年以降で最低の成績だ。

 それでも女子は金3、銅2と健闘したが、男子は銀 1、銅 1で惨敗といってよいような成績で、五輪、世界選手権を通じて初めて金メダルがゼロという成績だった。

 日本の男子柔道に明らかな黄昏が訪れたのは2年前リオデジャネイロ大会からで、この時は日本のエースだった井上康生鈴木桂治が初日の予選でばたばたと負け、ようやく無差別級で棟田金メダルを1個とってかろうじて面目を保った大会だった。

 その余波を引きずり北京オリンピックでも日本は男女それぞれ2つずつ、計4個の金メダルを獲得したものの、ギリシャ大会の金8個には遠く及ばなかった(金メダル以外の男子選手は1、2回戦でばたばたと敗退した)。

 そして今回のロッテルダム大会ではとうとう男子の金メダルは0個になってしまった。

 なぜ、こんなに日本男子柔道は弱くなってしまったのか。
すべては前々回ギリシャで開催されたオリンピックに原因がありそうだ。
このときは日本柔道が最も華やいだ大会といってよく、日本の美しい一本柔道で男女合わせて8つの金メダルを獲得した。
これで日本の一本柔道の正しさが証明された」誰もがそう思ったはずだ。

 しかしこの時から各国は日本柔道対策として返し技を徹底的に研究し始めた。
一本柔道の弱点は返し技に弱い。返し技を徹底的に研究しよう

 覚えておられるだろうか。リオデジャネイロ大会では絶対優勝すると思われていた井上鈴木が返し技であっさりと負けてしまった。
なぜだ、なぜ日本の柔道が負ける」関係者が蒼白になったのも無理もない。
一本柔道が返し技に破れた瞬間だった。

注)柔道をしたことがある人なら経験的に知っているが、かけ技より返し技を習得するほうがはるかにたやすい。

 その次の北京大会では、日本男子はみじめだった。返し技を警戒して攻めをゆるめたため、力ずくで押してくる外国選手に力負けをしポイントで次々に敗退してしまった。
一本取れなければポイントで負けるのが日本柔道だ

 そうしたなかで果敢に攻めた石井内柴だけは金メダルを取ったが、他の選手は一回戦でほとんど敗退している。

 いったいどうしたらいいのだろうか。一本柔道は返し技に弱く、返しを恐れて何もしなければポイント柔道で負けてしまう。
今回の世界選手権では対策がとられることもなく、何もいいところなくバタバタと負けたというのが実態だ。
内柴塘内棟田もまったく気力がなえていたが、こうしたベテランにスタミナのいるポイント柔道をさせるのには無理がある。

 吉村強化委員長は「若手を鍛えていくしかない。ハングリーさを持たせる必要がある」といい、篠原監督は「熱いものがつたわってこない。若い選手が出て思いっきりやって負けたほうが、まだ気持ちがいい」とぼやく始末だ。

 ベテラン勢の一本柔道は日本国内では通用するが、海外では返し技が進歩し、まったく通用しなくなった。オリンピックや世界選手権はスタミナ勝負のポイント柔道に変わった。

 日本の柔道指導者はまだ美しい日本の一本柔道にこだわっているが、それが若手の成長を妨げている。
若手選手に外国選手には絶対に勝てない柔道を教えているからだ。

 北京オリンピックで金メダルを取った石井がいい例だ。石井は一本柔道にこだわらず、スタミナ中心のポイント柔道で金メダルを取った。
しかし日本の指導者からは「あれは柔道ではない」と酷評をあび、柔道がいやになって格闘家に転出してしまった。

 しかし石井の例を見ても分かるとおり、外国選手と戦うときはスタミナ勝負のポイント柔道に日本選手を鍛えなおすことが唯一の対応策だと私は思っている。

 まるでレスリングみたいだが、柔道も世界の潮流に乗らないとと金メダルには届きそうにない。
だから今必要なのは指導者の意識改革ということになるのだが、ロンドンオリンピックまでに間に合うか心配だ。

注)写真は男子100キロ超級3回戦 モンゴルのガンフヤグ(上)に敗れた棟田康幸=ロッテルダム(共同)

 

 

 

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(21.9.3) アメリカ商業用不動産価格の暴落と金融危機の第2段階

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(金融危機第2段階の足音が近づいてきたと言っているワンちゃん)  

 サブプライムローン問題
に端を発したアメリカの金融恐慌は表面的には落ち着いている。特に5月のストレステストの結果発表で、追加する資本金は10社に対し、せいぜい7兆円規模だとFRBがお墨付きを与えてからまったく問題がないかのようだ。

 決算数字を見ても第一四半期以降黒字の金融機関が続出しており、これで金融危機は収束したとFRBは考えているらしい。
もっともなぜ黒字になるのかは証券化商品時価会計を止めたからで、その理由が振るっていて、誰も証券化商品を買う人がいなくなり、市場価格が分からなくなってしまったからである。

どうせ市場価格が分からないのなら取得原価でいいやFRBは太っ腹だ。
これで隠された住宅関連の損失はIMFの試算で09年4月現在約90兆円(9900億ドル)規模になるから、黒字にならないほうがおかしい。

 サブプライム問題をこうして隠蔽していたら、今度は商業用不動産の価格が下落し始めた。住宅価格06年から暴落が始まったのだが、商業用不動産はそれから2年遅れて08年から暴落し始めた。
個人より企業の方が資金的な懐が深く、持ちこたえていたのだろう。

 住宅価格の方はピークから約35%低下して下げ止まりの傾向が見えてきたが、商業用不動産は約35%低下してこちらはさらに低下傾向を示している。
日本の例では、商業用不動産価格はピーク時から87%下がってようやく下げ止まったので、それから見るとまだまだ地獄を見そうだ。

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Image01  商業用不動産価格の暴落がどの程度金融危機問題に発展するかは融資規模を見るとわかる。

住宅用不動産商業用不動産の金融機関の融資規模(証券化商品を含む)を比較すると、09年4月現在のIMFの推計で住宅用がローン・証券込みで約1100兆円(12兆ドル、商業用が約240兆円(2.6兆ドルだから住宅用の約2割に相当する。

 一方評価損失は住宅用がこれもローン・証券込みで130兆円(1.4兆ドル、商業用が38兆円(0.4兆ドルで、住宅用の約3割に相当する。
ただし問題は商業用不動産の価格がさらに低下し、たとえば日本に倣って70%程度低下すると評価損は76兆円規模になり、住宅用の約6割になってしまう。

 今問題になっているのは、商業用不動産価格は今後も急低下して、ピーク時対比70%程度(87%はともかく70%は行きそうだという感度は低下するのではないかと思われていることだ。
こりゃ、ヤバイ。住宅用だけでなく商業用もつぶれたら、金融機関は持たない

 この商業用不動産の価格の急低下についてリチャード・クー氏は「金融の問題が再び注視されるようになるのは時間の問題」だと氏の本「世界同時バランスシート不況」の中で以下のように述べている。

「(09年)8月時点の株式やCDS市場は、足元で月間7.6%も下がっている商業用不動産の問題を・・・無視しているが・・・いつまで続けられるか疑問である。
米国の住宅価格はピークから約35%下がったといわれるが、・・・その損失は約140兆円(
IMFの試算では約130兆円)といわれている。
そこに)商業用不動産が35%も下がった問題が乗っかるのだから、・・・金融の問題が再び市場で注目されるのは時間の問題だろう。

 商業用不動産価格については価格の急落が始まったばかりであり、底入れの気配はない


注)市場は最近(8月末以降)この商業用不動産価格暴落に伴う金融機関の損失に気づいてきたみたいで、株式の動きが不安定になっている
また為替もじりじりと円高になってきた。
ひところ高くなっていた原油価格も再び低下すると私は思っている。


 アメリカの金融問題はサブプライム問題から、商業用不動産の暴落問題に移ってきたので、今後はこの価格動向に目が離せなくなってきた。
金融危機の第2段階といえる。

 

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(21.9.2) マリコ姉さんのプレゼント

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 今日(1日)は台風一過だ。空は青空とはいえないが晴れていて昨日のように寒くはない。昨日は台風の風雨で一日中家の中に閉じ込められた。
当然四季の道の清掃活動はしていないから、今日は台風の後の後片付けに出かけた。

 幸い倒木は少なかったが(都川の調節池の側のねむの木が根こそぎ倒れていた)、壊れた傘の放置は相変わらずだ。
実は台風の後、この傘の後始末にてんてこ舞いになる。たいていの場合は軸や骨が折れ曲がっていたりしてたたむことができず、ちょうど白鳥が羽を痛めて倒れているような状況になっている。

今日は何本回収することになるのかな・・・・・
傘はたためない場合は、骨とビニール部分を分離して、とりあえずビニールだけ回収し後で一括して骨を回収をすることにしている。
雨にぬれてびしょびしょになっているので、骨とビニール部分を分離するのも一苦労だ。

 今では傘はダイソーなどで100円で買えるので、壊れたらすぐに捨てられる。何でも物が安くなると消耗品になってしまい、その結果四季の道に放置された傘の回収は私の仕事になってしまった。

注)昔は傘は耐久消費財だった。傘屋さんという商売があって、折れた骨の骨接ぎなどをしていたものだ。

 今日も傘を拾っていたら「山崎さん」と声をかけられた。声の主はマリコ姉さんで、私に山形のお土産の「冷やしラーメン」を渡そうとしていたらしい
「山崎さんに会おうとしていたのだけれど、なかなか会えなくて・・・・・

賞味期限が近づいていたので気がきでなかったらしい。

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 実はマリコ姉さんは私の家が貧しく食べ物にも事欠いているのを知っている。何しろ我が家のテーマソングはバッハの「飢餓線上のアリア」で、食べ物がないときは妻とカメゴンと三人で大声でこの曲を歌うことで空腹から免れている。
回り近所からは陽気な家族と思われているが実情は厳しい。

まあまあ、山崎さん、こんなに傘を拾ってくれて・・・・
山崎さんが空腹なのに懸命に清掃してくれているので、私のできることは山形のお土産を山崎さんに渡すことだけね・・・・
・」

 このようにして我が家はマリコ姉さんに助けられて今日まで生き延びてきた。

 ちょうど私の立場は最近見た映画「剣岳 点の記」の行者みたいなもので、マリコ姉さんはさしずめ長次郎というところだ。
お坊様、どうぞお受け取りください
これは、これはご奇特な・・・・・ありがたくちょうだいいたします

 この冷やしラーメンは山形では名物らしく、秘伝のスープがついた一品だそうだから、今日は数日振りにまともな食事にありつけることになった。

主よ、このロドリゴと妻とカメゴンに今日の糧をおあたえ下されたことに感謝いたします
カメゴンがおいしそうにラーメンを食べていた。

 

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(21.9.1) リチャード・クー氏の時代 バランスシート不況理論の隆盛

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 ここにきてリチャード・クー氏のいう「バランスシート不況理論」が世界的な認知を得始めた。
一般の人にとっては「バランスシート不況理論」といってもさっぱりイメージがわかないと思うが、この理論はケインズ経済学の不況理論を日本の失われた10年に適用し、それを精緻化したもので、今回のリーマンショックから始まる世界同時不況の処方箋として提案されているものである。

 もっともクー氏に言わせると、この理論はケインズ理論と一線を画するもので、クー氏独自の日本経済分析と1929年から始まる世界大恐慌の分析から生まれたもので、ケインズ革命に匹敵する経済学の新理論ということのようだ。

 私はクー氏の論文はVoice等に掲載された論文しか読んだことがなかったが、このたび発売された「世界同時バランスシート不況」を読んで、この理論の持つ革新性に驚いてしまった。
確かにこれは新理論というのに相応しい。クー氏の鼻息が荒いのもうなずける

 バランスシート不況とはクー氏の定義によると「借金でファイナンスされたバブルが崩壊し、借金に見合う資産がなくなった民間が一斉に利益の最大化から債務の最小化にシフトすることからおこる不況」で、実際は日本の失われた10年、今回のリーマンショック後の世界不況、それと1929年の世界大恐慌に典型的に現れた不況と定義されている。

 ここでのポイントは企業家の行動指針が「利益の極大化」でなく「債務の最小化」になることで、これはアダムスミス以来言われ続けてきた経済人の行動指針が変わったのだから、当然それに対応する経済学も変わらなければならないクー氏は言う。

 なぜ経済人が債務の最小化に走るかというと「バブルに乗って借金までして投資に走った人々が、バブル崩壊によって資産価値が暴落すると、負債だけ残り、債務超過という状況になる。・・・このような状況に置かれた企業や個人は・・・・毀損したバランスシートを修復するために必死に債務を減らすようになる」からだと説明される。

 株式会社の場合、債務超過になれば株価は暴落するし、企業の格付は低下するし、金融機関からの融資は受けにくくなるし、場合によったら経営陣は退陣しなければならない。そうならないために借金を懸命に返済しようとするだろう。

 個人の場合はバランスシートという概念がないが、住宅融資を借りて建てた住宅が半分の価格になってしまったような場合に相当する。この場合は返済しようにも原資がないから、二度と借金をせず、生活は可能な限りきりつめ、住宅価格と借金が同額になるまで窮乏生活をおくりそうだ。

 こうした状況になると、中央銀行がいくら金利を引き下げ、場合によったらゼロ金利になっても借り手が現れなくなる。また量的緩和でやはり中央銀行が金融機関に資金を供給しても誰も借り手が現れないから、その金は金融機関にとどまり死に金となる。

 一言で言えば金融政策がまったく機能しなくなる状況で、実際日本の失われた10年と、リーマンショック後の世界経済がそうした状況下に置かれており、金融政策が機能しない以上、残された処方箋は政府の財政出動しかない。

 この主張は竹中平蔵氏のようなマネタリストに対するアンチテーゼで、竹中氏が小泉内閣の閣僚だった02年から04年ごろのマネタリストの主張「経済政策とは金融政策で行うべきであり、日本の失われた10年のように野放図な財政出動は、国の財政を毀損する悪行だ」という主張と真っ向から対立している。

 クー氏は日本の失われた10年とは、20世紀の世界恐慌が起こった後、約60年を経て発生したバランスシート不況であり、それに対する約150兆円規模の財政出動こそが唯一の処方箋であったし、21世紀のリーマンショック後の世界経済を復活させる唯一の方法だという。

 クー氏はそれを証明するためにいくつかの図表を作成した。図16で日本の不動産(市街地価格指数: 商業地の価格指数で住宅地の指数ではない)が87%も低下したのに、GDPがなぜ低下しなかったかと疑問を投げかける。
日本のように土地本位の経済で、これほど土地価格が低下したのにおかしいではないか

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 次にクー氏はその間、土地と株式で日本が失った富を図17で計算してみせる。その金額は約1500兆円であり、日本の1年間のGNPの約3倍に相当する。あの大恐慌でさえ失われた富はGNPの1年分だった。
GNPの3倍の富を失ったのに、GNPが一度も低下しなかったではないか。これが奇跡といわないで何といえよう

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 その答えは「日本では・・政府が財政出動ということで(誰も使わない)過剰貯蓄を借りて使ってくれたからである。・・・そのことが1500兆円の富を失ったのにもかかわらず、日本経済がGNPを落とさずにすむことを可能にした」という。

たった150兆円の財政出動で、日本経済の失速が免れた。その免れた金額は約2000兆円(失った額と増加した額の合計に相当)だ」とクー氏は試算する。
これが成功体験でなくてなんであろう。日本の失われた10年は実は金融恐慌に対する唯一の処方箋で、リーマンショック後の全世界がこの日本の体験を真似るべきだ」とますますボルテージが上がる。

 クー氏の理論は明確だ。金余りが発生し、その金を企業も個人も使わないときは政府が国債を発行して調達し、土木事業でも何でもいいから使用すればよい、ということになる。そして財政赤字がいかに膨らもうとも、バランスシート不況の場合はそれ以外の対処方法はないのだから、その財政赤字は「よい赤字」だということになる。

 私はクー氏の言う「バランスシート不況」という概念と、それに対する財政出動という処方箋は基本的には正しいと思っている。
確かにマネタリスト得意の金融政策がまったく機能しない不況があり、それをクー氏が「バランスシート不況」と定義したのは卓見だ。

 現在世界経済がこのバランスシート不況に陥っており、各国が政策金利をいくら引下げ、中央銀行が資金供給をいくら行っても資金需要が出てこないことに気づけば、結局は財政出動による景気下支えしかないということに悟る時期が来そうだ。

 そうなるとクー氏の理論は21世紀の大恐慌を救った経済理論となり、ケインズの不況理論を精緻化した経済理論として評価されることになるだろう。


(注1) しかしここまで読んではたと考え込んでしまった。確かに処方箋が財政出動しかないとしても「土木建築でも何でもいい」というのはやはり言い過ぎのような気がする。
クー氏も「羽田空港の拡張」の例を挙げているように、最低でも将来のインフラ整備に当てるべきではないだろうか。

 たとえば私だったら以下のインフラ整備に重点を置いてみたい。


・ すべての電柱の地下への敷設
・ 街にあふれる看板類の撤去と、残った看板の色彩の統一
・ 街のごみ回収システムの再構築(パリやシンガポールのように街にゴミ箱を設置し、それを回収するシステムを構築する)
・ 河川の完全浄化
・ 海岸線に漂着するごみの完全除去
・ 古い町並みの保存

(注2)バランスシート不況に陥って、なおかつ金融政策が有効に働いている例が1つある。それは中国の場合で、中国は本年度すでに約100兆円規模の資金を市中銀行にばら撒いた。

 こうした資金は日本やアメリカのような市場経済の国では、企業や個人が借りないから金融機関にとどまり死に金となるが、中国の場合は強制的に国営企業等にその資金を割り当てた。

 しかし企業としては設備投資の資金需要がないので、仕方がなく土地投資と株式投資で資金の運用をしている。
その結果、かつてのバブル期と同様不動産価格と株式が上昇し、それで利益を得た企業や個人が設備投資や耐久消費財の購入に走りはじめた。

 これが日本や韓国の輸出企業が中国貿易で息を吹き返した理由だが、中国だけがこのバランスシート不況の中で、金融政策がそれなりに機能した稀有な例となっている


 独裁国家の資本主義だけが金融政策が機能するとはなんとも皮肉だ。

 


 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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