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(21.9.29) 3党連立政権のほころび 亀井静香氏の砲号

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 早くも3党連立政権のほころびが出始めた。国民新党亀井静香郵政・金融担当相が「中小企業向け融資の元本の返済と利息を猶予する」と言い始めたからである。
いわゆるモラトリアム制度と言うのだが、徳政令といったほうが分かりやすい。

 徳政令鎌倉幕府の昔から行われてきた御家人救済法だが、歴史的にはその効果は一時的で、かえって金貸し業者が以後御家人に資金を融資しなくなったので、御家人の貧窮化は一層促進されたと言われている。
おそらく亀井氏はそうした日本史を勉強したことは無いのだろう。

 私は3党連立政権のほころびは外交問題であらわれ、特に社民党福島党首日米地位協定の改定を強く迫ることから始まると思っていたが、まったく予想が外れた。

 早くも鳩山首相にとって難問が出てきたわけだ。
日本の金融機関はリーマン・ショックで直接倒産した金融機関は無いが、地方銀行を中心にサブプライムローン関連の証券化商品を多く抱えて苦慮している。

 さらに新BIS規制で、自己資本比率向上を迫られているところに、モラトリアム導入が図られれば、中小金融機関を中心に倒産が発生しそうだ。
さっそく藤井財務相がモラトリアム導入に反対の立場をとったが、亀井金融・郵政担当相は「藤井さんは自分の仕事をすればいい」とにべも無い。

 平井官房長官も「導入については慎重に」との態度を表明したため、さらに亀井氏のトーンはアップし「私が担当大臣だ。官房長官がああだこうだと言う立場に無い」と言い放った。
最後は「反対なら鳩山首相が私を更迭すればいい。できっこない。選挙前から合意している話だ」と居直った。
完全に亀井氏鳩山内閣のお騒がせ大臣になったが、これは小泉内閣田中真紀子外相にそっくりだ。

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 さて、亀井氏モラトリアム発言をどう評価したらよいのだろうか。
通常民間に広く認められた商慣習を政治的にゆがめるのは、ほとんどの場合成功しない。
法治国家がその法律を一時停止するようなものだから、経済的な戒厳令と言える。

 何しろ元本も金利も回収できないとなると、そもそも金融業は成り立たないのだから、金融機関としては中小企業融資を中止する以外に残された道は無い。
その結果、中小企業融資が日本から消え去ってしまう。
亀井氏はこうした金融機関を金融検査で絞り上げようと言うのだろうか。
なぜ、亀井大臣の指示に従わないのだ。銀行免許を取り上げるぞ

 また、海外から見ると日本はイスラム国家のように利息を取ることを禁止したように見えるので、そうした国に対する資本進出は当然消極的になる。
日本はわけの分からない金融政策をとっている国で、信用できない」日本は鎖国体制に入るのだろうか。
亀井氏元警察庁出身だから、「経済も取締りを強化すれば政治のいうことを聞く」と考えているようだが大間違いだ。

 同じように中小企業を助けようとして失敗をした人に新銀行東京を設立した石原都知事がいて、ほとんどの債権を焦げ付かせてしまった。

 当時でも今でも優良な中小企業に対しては金融機関が融資を絞ることなど無く、貸せない相手に融資しなかっただけだが、新銀行東京はそうした企業を取引先として融資をし、事実上倒産してしまった。
今では安全確実な大企業にのみ融資をすることにして何とか存続だけはしているが、これでは中小企業融資が泣く。

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(マッスル氏撮影 山崎編集)

 なによりも亀井氏モラトリアム発言については、法的な根拠が無いことが問題だと思う。
俺が法律だ」と亀井氏金正日氏と同じように思っているらしいが、日本は法治国家ということを忘れているらしい。

 だから亀井氏の発言は本気であれば、まったく政治的・経済的センスを疑うものだし、ブラフであればこの時期に鳩山政権を揺さぶるのは適切とは思われない。発足した途端に「閣内不一致」を露呈していては、鳩山政権の未来はない。

 亀井氏が郵政・金融担当相になった本当の狙いは、小泉内閣の郵政事業分割民営化を元に戻すことにあるはずだが、その前にモラトリアム戦争を仕掛けて鳩山内閣を窮地に陥れては元も子も無いはずだ。

注)本件の落としどころは特別法を定めて、元本の返済免除相当額を日銀が金融機関に無利子で融資を行う日銀特融方式だと思う。
ただしこの方式の難しさは、元本返済を免除する中小企業をどのように選定するかにある。

 実際は優良な中小企業はまったく資金繰りなど心配しないで自力で生き残れるので、対象となる中小企業はほとんどが倒産予備軍になる。
こうした中小企業は金融危機があろうとなかろうと倒産する可能性が高く、モラトリアムは単に時間稼ぎをするに過ぎない。


 

 

 

 

 

 

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