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(21.9.19) 霞ヶ関埋蔵金問題 特別会計と独立行政法人

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(タムさん撮影 山崎編集)

 ここにきて再び霞ヶ関埋蔵金が脚光を浴び始めた。民主党が子供手当ての創出等に必要な財源として、この埋蔵金に目をつけたからだ。
一般に霞ヶ関埋蔵金2種類あり、一つは特別会計に隠されている剰余金・積立金もう一つが独立行政法人の剰余金・積立金である。
注)剰余金はその期の収入(フロー)、積立金はそれを積み立てたもの(ストック)

 埋蔵金問題の端緒は、自民党内の議論だった。増税なき財政再建論者だった中川秀直氏が「埋蔵金は存在する」と主張し、一方当時の与謝野薫財務相が財務省の意向を受けて「埋蔵金伝説のたぐいにすぎない」と否定したことから、埋蔵金論争が始まった。

 結論から言えば特別会計の埋蔵金は存在しており、それは財政投融資特別会計(財投特会)と外国為替資金特別会計(外為特会)に存在している。

 財投特会とは、国債を発行してその資金で天然資源開発というような商業ベースでは無理な政策案件への投資を行っている勘定で、資産規模は約200兆円毎年2兆円規模の収益(剰余金)が上がっている
注)国債の金利が低く、一方貸出金利が高いので利ざやが稼げる。

 外為特会は、円安誘導のため溜め込んだドルでアメリカ国債を購入し、そのアメリカ国債の運用利回り等で毎年3兆円規模の収益(剰余金)がある。
そして財政特会と外為特会が今まで溜め込んできた積立金は約28兆円規模に上っている。
ほれ見ろ、毎年5兆円も儲けてその積み立ては約30兆円ではないか。毎年の利益5兆円は一般会計に移してもらいましょう」これが民主党の主張だ。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 実際はすでに財務省も折れて、自民党政権だった18年度以降毎年2兆円規模の特別会計の剰余金をいやいやながら一般会計に繰り入れている。
さらに溜め込んできた積立金(財投特会から)世界的不況に対する特別措置として(20年度補正予算から約8兆円が一般会計に繰り入れられた。

 だから特別会計の剰余金・積立金についてはすでに財務省は落城していて、後はどの程度一般会計に入れるかだけの問題になっている

この金があるから天下りができるのに何てことだ」財務省は頭を抱えている。

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(タムさん撮影 山崎編集)

 一方独立行政法人99純資産は約24兆円だが、こちらについてはどの程度剰余金があるのか明確でない。
自民党の行政改革担当相だった渡辺喜美氏が当時101有った独立行政法人を16削減しようとしたが、当時でも不要な資産は6000億程度と試算されていた。

 渡辺氏は官僚機構の抵抗の激しさと、福田内閣の優柔不断さに嫌気がさして自民党を離党したが、独立行政法人こそは官僚機構の最後の砦で、天下り先だからおいそれと削減には応じないし、当然剰余金も離そうとしない。(職員の約3割が天下りになっている)

 官僚の説明は「純資産6兆円規模の日本高速道路保有・債務返済機構の資産のほとんどが高速道路だから売却の対象にならないし、資産規模約3兆円の年金積立金管理運用は年金給付の財源だ」と言うものだ。
高速道路なんて誰も購入する人はいませんし、剰余金も微々たるものです」ということだ。

 民主党にとって独立行政法人の場合は剰余金を捻出すると言うよりも、機構そのものの廃止と補助金を削減すると言うのが本命のようだ。
毎年それぞれ3000億円前後の補助金を出している「国際協力機構」「宇宙航空研究開発機構」「新エネルギー・産業技術総合開発機構」「住宅金融支援機構」に対し目を光らせている。

 民主党の主要ターゲットは「宇宙航空研究開発機構」で、この機構を廃止するといっているので、開発機構の研究員は気が気ではないだろう。

 こうして民主党は特別会計から剰余金と積立金を取り崩させ、独立行政法人はそのものを廃止して補助金の削減と天下り先をなくそうとしているのだが、渡辺氏が泣いて敗退したように、特に後者の官僚の抵抗は大きそうだ。

 

 

 

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