(21.8.17) 耳がますます聞こえなくなってきた
どうしたらいいのだろうか、ますます耳が聞こえなくなってきた。テレビなどを見ていてもまともに聞こえるのはNHKのアナウンサーの声だけで、ドラマや大好きな笑点のようなバラエティー番組になると何を言っているのかさっぱり分からない。同時通訳などはひばりのさえずりだ。
思い余ってかなり前からテレビでは日本語字幕を出すようにしているが、ドラマはともかくニュースなどは字幕がかなり遅れて出てくるので今度は画面と字幕のアンバランスに悩んでしまう。
実際、日本語を日本語字幕で読むというのはかなり奇異なものだ。
また先週から母親の看病を週2日始めたのだが、母親はひどい難聴で補聴器がないとまったく会話が成り立たない。先日まで補聴器を修理に出していたのでその間は筆談で会話をしていたが、私も母親の蚊の鳴くような声は聞こえないので、これも筆談になってしまった。
「あんた、耳が遠いね」難聴の母親から言われてしまった。
会議などでも聞き取れないことが多く、また騒がしい宴会場での話なども相手が何を言っているのかさっぱり分からない。適当に相槌を打っているだが、ときどき変な対応をして相手にいぶかられる。
補聴器をすればいいと思われるが、自分の耳に補聴器を合わせるのは、実は至難の業なのだ。過去何回かトライしたがうまくいったためしがない。
引出にはそうした悪戦苦闘したあとの補聴器が転がっている。
耳になんら傷害のない人には理解不能と思われるが、難聴といっても色々なレベルがある。
一般的に難聴のレベルは以下のように進行する。
① 小さな声が聞こえなくなる。この場合は音を大きくすれば良いので、増幅器を購入すればよい。よく雑誌広告に出ている一つ2~3万円程度の補聴器がこれにあたる。
② 高い音か低い音が聞こえなくなる。通常は高い音の方が聞きづらい。この場合は聞こえない音域の音だけを増幅する補聴器が必要で、よくデジタル補聴器といわれているのがこれにあたる。
値段の幅は大きく、一つ10万~20万円のものが多い。
③ ある特定の音、特に子音が聞こえなくなる。それもすべてというより最初の子音が特に聞きづらい。
たとえば、「たてもの tatemono」が「あてもの atemono」と聞こえてしまう。
この場合、会話を継続すれば何を話しているか分かってくるので「あてもの」でなく「たてもの」の話だということが分かるが、つねに頭の中で修正作業をしないと会話が成り立たなくなる。
現在、私の難聴の度合いはこの子音が聞こえないレベルになってしまい、このままで行くと母音しか聞こえなくなるのではなかろうかと危惧してしまう。
しかも困ったことに私の経験ではこの子音を強調して聞きやすくする補聴器で効果的なものはない。
子音が聞こえないと、状況は次のようになってしまう。
「私は山崎次郎です watasiha yamazaki jirou desu」
第一段階
「あたしは あまざき いろう えす atasiha amazaki irou esu」
第二段階
「ああいあ あああいいおう えう aaia aaaiiou eu」
これでは相手が何を言っているのか、さっぱり分からない。
子音はともかく、音を増幅したり高音を聞きやすくする補聴器はあるのだから、それだけでも補聴器を使用する価値があるのだけれど、私の実生活と補聴器がどうしてもなじまない理由が一つある。
それは私が年がら年中スポーツをしていることで、スポーツと補聴器の相性は決定的といっていいほど悪い。
補聴器は体が動かないか、緩慢な動作しかしない人向きで、マラソンなどの運動をしていると汗で補聴器が滑りやすくなり、いつの間にかなくなってしまう。
前にカナル式という耳にすっぽり入る補聴器を使用していて落としてしまったときは愕然とした。一つ20万円弱していたので、探しまわったが見つけることができなかった。
「落とすくらいなら、もう使用しない」すっかり補聴器の使用を諦めた。
だがしかし、最近の難聴の度合いは限界を越しそうだ。そういえば森進一が補聴器をして歌っていた。森進一がそうしてがんばっているのだから、私も嘆いてばかりいないで、もう一度補聴器にトライする必要がありそうだ。
「主よ、これは主が私に課せられた試練なのでしょうか、ロドリゴは主の試練に耐えねばならぬのでしょうか」
「ロドリゴよ、心の声を聞くのじゃ、神の声のみ聞くようにせよ。笑点が聞こえないくらいで子供のように嘆き悲しむのではないぞ。
おおそうじゃ、良いことがある。森進一の『おふくろさん』を歌って元気を出すのじゃ!!!」
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