« (21.8.15) ヨーロッパ経済の分析はいかにしておこなったらよいのか? | トップページ | (21.8.17) 耳がますます聞こえなくなってきた »

(21.8.16) 自民党幕府の崩壊と大政奉還

21616_002
 
 自民党幕府の崩壊は時間の問題で、この8月30日の総選挙の結果は既に決したも同然だ。
民主党の地すべり的勝利と自民党の大敗北であり、前回の小泉郵政選挙の逆バージョンだと思えばイメージがわく。

 自民党政治が既にダッチロールになっていたことは安倍、福田、麻生と続いた政権がそれぞれ1年しか持たなかったことでも分かる。
このような短期政権はかつてのイタリアを彷彿とさせるが、最近では例を見ないほど短命だ。
衆議院で公明党を加えれば3分の2の議席を持っている政権で、このダッチロールは信じがたい。

 しかし自民党政権の寄って立つ基盤は既に崩壊していたと考えると、このダッチロールも説明できる。

21616_021

 外交面では日米安保条約によるアメリカとの同盟が一枚看板だが、安保条約そのものは強国ソビエトに対抗するための同盟であり、既に20年も前にソビエトロシアは崩壊してしまった。
今残っているロシアは核兵器の保有と天然資源の保有は一流だが、経済は中国にはるかに追い抜かされた二流国だし、アメリカと表面きって対抗する意思はない。

 日米安保条約による共通の敵がなくなってしまい、残ったのはならず者国家北朝鮮と軍拡著しい中国だが、日本にとっては脅威であっても、アメリカにとってほとんど無視できるような存在だ。

注)北朝鮮の脅威は核兵器をアルカイダ等のテロ組織に売却するのではないかという脅威だが、これは日米安保条約で保全する内容ではない。

 また中国については将来的にはともかく現状では空母も保有していない軍事二流国で、アメリカは中国を軍事的脅威とみなしていない。
それよりも経済のパートナーとオバマ政権はみなしている。


 日本とアメリカの同盟は共通の敵がいないのだから「敵なき同盟」として当然空洞化しており、自民党幕府の外交の寄って立つ基盤が崩れている。

21616_028_2

 一方内政では自民党幕府は、実際の実務を官僚に任せ、自分達はもっぱらばら撒き政治で道路とダムと橋の建設に奔走する土建業政党だったが、これも限界が来てしまった。
あまりに土木建築に邁進し、今では熊だけが遊んでいる道路を作ったり、何の目的か分からないダムを作るのには、さすがに選挙民が反対するからだ。

 土建業政党の自民党幕府の金づるは道路特定財源約6兆円の上がりにあったが、これによって特に地方の建設業者に仕事を配分し、一方自民党にたいする強固な金銭的支持基盤を作ってきた(一般会計の約80~90兆円は実質的に財務省が取り仕切っているため、自民党が自由になる金はこの道路特定財源のみといってよかった)。

 この道路特定財源田中角栄元首相が日本を土建国家にするために作った聖域財源であり、小泉元首相ですらこの聖域を犯すことができなかたものだ。
みなしゃん、日本は広い。この国中に新幹線と高速道路をひきつめようじゃありませんか

 しかしこの道路特定財源を一般財源化する話は福田前首相が約束し09年度予算から一般財源化された実際はその使途が相変わらず道路建設にむけられたものの、外堀は埋められたといってよい。
大阪城と同じで、本丸の落城は近いだろう。

 こうして自民党幕府は安保条約の空洞化と道路建設の衰退と共にその役割を終えてしまったといえる。

 私は外交・内政面で既に役割を終えた自民党が、惰性とは言えよくここまでもったことに感心してしまうが、さすがに限界があったようだ。
自民党幕府にかわる民主党政権が明治政府になれるかどうかは未知数だが、大政奉還がおこなわれ自民党幕府の時代が終えることだけは確かだ。

|

« (21.8.15) ヨーロッパ経済の分析はいかにしておこなったらよいのか? | トップページ | (21.8.17) 耳がますます聞こえなくなってきた »

評論 日本の政治・経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.8.15) ヨーロッパ経済の分析はいかにしておこなったらよいのか? | トップページ | (21.8.17) 耳がますます聞こえなくなってきた »