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(21.7.26) ロドリゴ巡礼日誌 その11

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キリスト暦2009年6月29日

 この巡礼の旅で私が最も悩んだのは物価高でございました。しばらく前まで170円前後だったユーロが130円前後まで円高になりましたので、「これなら安く旅行ができそうだ」と喜び勇んでいたのですが、大変な間違いだと気がつきました。

 たとえばジャポンでまったく同じ製品が売られている缶入りコカコーラ1.1€~2.0€(140円~260円もするのでございます。
ジャポンでは自動販売機で120円、私が好んで買い物をするジャスコでは80円前後で売られているコカコーラが、でござます。

 実は物価高公的価格鉄道運賃、地下鉄運賃等は政府によって低く抑えられているようでした)を除く、消費財一般に及んでおり、ちょっとしたパンを買っても4€(500円前後)とられ、また単三の乾電池2本が6€(約800円)するのには目を剥いてしまいました。
ジャスコで買えば10本は買えるじゃないか

 こうした物価高の要因はいくつかありそうで、ここ南フランスの田舎ではそもそも商店がほとんどないのでございます。少し大きな村では食料品店がありますが、そこ1軒だけということが多く、まったく競争のない地域独占商店なのでございました。
購入者も主として巡礼の旅をしている旅行者で一見客ですから、ジャポンでもよくある観光地の高価格になっておりました。

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 私は当初、この高価格は田舎だけだと思っておりましたが、その後パリで数日間過ごして高価格は田舎だけでなく、それほどひどくはないものの、やはり高価格であることを知りました。
たとえばパリで世界各地共通のマクドナルドのビッグマックのセットが6~7€(780円~910円)しておりました。

 何を購入してもジャポンの感覚では1€=100円程度の価値しかなく、決して130円の価値はなかったのでございます。
この原因は日本政府の低金利政策で円が安く抑えられているからで、異国の地に来て初めて財務省と日銀の円安誘導策を身をもって体験させられてしまった訳でございます。

 またジャポンによくあるスーパーやコンビニや量販店を見かけることは非常に少なく、何かジャポンで流通革命が起こる以前の古きよき時代のジャポンそっくりでございました。

 そのためフランスの田舎において、円安と観光地価格と流通革命前夜のトリプルパンチを食らって四苦八苦したわけでございます。
ロドリゴジャポンの枢機卿舛添師から僅かな年金をいただいている身なので、ひとしおこの高物価が響いたのでございます。

 しかしムッシュ タムは神の僕(しもべ)としてはまれに蓄財の才があり、資金的に余裕がありましたので、好んでレストランで食事をしておりました。
「私はフランスのレストランがどのようなものか知りたいのだ」が口癖で、心からフランス国の食事を楽しんでいる風でございました。

 一方私ロドリゴは元々小食なせいもありますが、かかる高物価を想定していなかったため金銭的な面でも切迫してまいりました。
そのため途中からムッシュ タムのレストラン通いには付き合わず、もっぱら食料品店で買い入れたパンにバターと若干の果物とコカコーラで自炊をしていたのでございます。

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 ムッシュ タムはレストランから帰って来ると、嬉しそうにレストランでの食事のメニューを私に話し、何かとても幸せな雰囲気でしたが、食事嫌いの私にとってはかなりわずらわしいことでございました。

 こうして食事を文化としてとらえるムッシュ タムと燃料補給に過ぎないと思っている私とのあいだの食事に対する対応がひどく離れてきたのでございます。

 これがサンチャゴ巡礼フランス道の11日目の報告でございます。

写真を掲載いたします。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/fkXwwC?authkey=Gv1sRgCICan5Cgu-2k2QE#

 

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コメント

巡礼の旅、楽しく拝読させていただきました。

私どものような若輩が言うのもなんですが、
肉体的に苦しい旅を想像しておりましたが、どうやら精神的な鍛錬の旅をしてこられたようですね…。
普段から運動不足の私にしてみれば、たぶん両方やってくると思われますが。

聖人ロドリコさまと、ムッシュ・タムさま、お疲れ様でございました。

(ロドリゴ) ロドリゴは肉体的な修養はジャポンにおいても常にしてきましたので、今回は精神の修養の場と思っております。

投稿: あずき | 2009年7月26日 (日) 08時26分

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