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(21.7.24) ロドリゴ巡礼日誌 その9

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  キリスト暦2009年6月27日

 フランス国においては町や村が競争で「もっとも美しい町、村」を競っているようでございました。セバスチャンの話では毎年コンテストがあり、エントリーした町や村を審査員が巡回して審査を行い、「今年はこの町(村)が一番だ」というように決定するようでした。

 そうした町や村は住民がこぞって窓や庭を花で飾り、また街並みの保存をおこなうので、確かにとても美しい景観が演出されるのでございます。
セント・コム・ドルト(このように発音していいのか分かりません)もそうした町のひとつで、街中に入ったときムッシュ タムと二人で感嘆の声をあげたものでございます。
確かに美しい町だ・・・・・・・・・・

 ジャポンでもこのようなコンテストをおこなえば、地方の町や村が活性化することは間違いないのですが、ジャポネの性格からどこか一つの町や村が「ジャポンで最も美しい町」などと認定されると、周りの町からねたまれることは間違いなさそうです。
何であの町が一番なんだ。町長の働きかけが悪いんじゃねえか

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 この日泊まったところはエスティング(発音はかなり怪しいです)という町でしたが、このときはセバスチャンと別れた後で、たまたま町に入る橋を渡ったところで、ドイツ人ピーターに会いました。
ようやく中央高地を降り、川の道に入った頃で、この町もロット川の川沿いに建設されておりました。

 ピーターはすでにかなり前に到着し、教会ジットに宿泊を決めていたので「よければ私が泊まっているジットに宿泊しないか」と誘ってくれました。大きな町になりますとジットの場所を探すのが大変で、かなりうろうろしますので喜んでピーターの誘いに乗ったのです。

 教会ジットは前にも記しましたように、巡礼宿の最も古い形態を残しており、宿泊料は寄進者の懐具合に応じて自由であり、我々はピーターに教えてもらって20€寄進することにしました。これは個人ジット約3分の2程度の価格に相当いたします。

 そのかわり教会ジットでは巡礼者は食事の後片付けとミサへの参加が義務付けられているようでした。
こうしたしきたりを最初は知らなかったのですが、夕食が済んだ後、この教会の執事のような方がスケジュールの説明をしたのでございます。

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 私の前には若いとても声の美しいマダムが座っていたのですが、このマダムが親切に執事のフランス語を私にエゲレス語に通訳してくれたのでございます。

 私はマダムの言葉に従い食事の後片付けを行い、さらに「後、5分でミサが始まります」というマダムの言葉で祈祷室に集まりました。その部屋には20名程度の人々が集まっておりましたが、ムッシュ タムにはマダムの言葉を通訳しなかったので、そのまま街の散策に出かけてしまったようでした。

 フランス語とエゲレス語で書かれた祈祷書が渡され、牧師の奥様と見られる人が第一節を読むと、他の信者が第2節を読むというようにミサは始まったのですが、途中で全員で賛美歌を歌い、また奥様が祈祷書を読むという形式でございました。

 私はフランスの言葉を解さないため、どこが読まれているのか分からず、ただ祈祷書を持ってアーメンだけを言っていましたところ、このマダムが指で読まれている箇所を指し示してくださいました。

 マダムは私が当惑しているとその都度、その箇所を指で教えてくださるので、私としては精一杯努力し、このフランス語をエゲレス語の読み方で懸命に読み、賛美歌はアーメンだけを大きな声をだし、その場の雰囲気が壊れないようひたすら神に祈っていたのでございます。

 最後に黙祷の儀式があり、終わった人から適当にこの祈祷室から出て行くのですが、私は出るタイミングが分からず人数が真ん中あたりで祈祷所を出ることにいたしました。
黙祷ではなく人数を数えていたわけでございます。

 時間にして約30分ぐらいでしたが、ジャポンの生活のしきたりにすっかりひたってしまい、ミサより座禅が得意のわが身には、このミサの時間は何か永遠に続く煉獄の時間のように思えたものでございます。

 その結果、街の散策から帰って来たムッシュ タムに「教会ジットはミサへの参加が大変だから、今後は避けた方が良い」などと神の僕(しもべ)とは思われない言葉を吐いてしまいました。

 これがサンチャゴ巡礼フランス道の9日目の報告でございます。

写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/lwRYmJ?authkey=Gv1sRgCOWSyeWl3dbkNQ#

 

 

 

 

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