(21.7.22) ロドリゴ巡礼日誌 その8
当初、このフランスの巡礼道を歩もうとして一番心配だったのは、「はたして巡礼道が今も残っているだろうか」ということでございました。
ムッシュ タムの話ではイスパニアのサンチャゴ巡礼道は貝のマークが道を指し示し、また巡礼者も多く、村人に聞けばすぐに巡礼道を指し示してくれる等まったく問題はないのでございますが、フランス道についてはそうした情報がなかったからでございます
実際にこのサンチャゴ巡礼フランス道を歩くジャポネは年間に10名程度のようで、イスパニアの巡礼道が毎年数千人の規模なのに比較するとまったく知られていない古道といってよいようなものでございました。
しかしこうした心配は結論から言えばまったく杞憂だったのでございます。フランス国においては、ジャポンの東海自然歩道のような遊歩道が整備されており、この巡礼の古道もそうした遊歩道として整備されておりました。 このル・ピュイから始まるサンチャゴ巡礼フランス道はGR65というのですが、GRは自然遊歩道位の意味で(正確な訳ではございません)、そうした自然遊歩道がフランス国では番号順に何本も整備されておりました(後でインターネットでGR65と検索すると、この巡礼道の情報が掲載されておりました)。
道はほとんどジャポンの自然遊歩道と同じで、違うことといえば道をほぼ直線に作っているため、上り下りが大変きついことぐらいでした。 こうした自然遊歩道を歩くための雑誌(旅行案内書)はフランス国では本屋で簡単に入手できますが、残念ながらジャポンでは入手することがとても困難でございます。
しかしジャポンにおいてもサンチャゴ巡礼協会(正式名は忘れました)なるものが組織され、そこでサンチャゴ巡礼をしようとしている人を対象に、事前勉強会がおこなわれておりました。
ムッシュ タムはとても用心深い性格なので、こうした勉強会に積極的に参加し、そこで先人が巡礼をしたときに使用した「Miam Miam Dodo(ミアム ミアム ドゥドゥ)」(「食べる食べる、泊まる泊まる」ぐらいの意味だったと思います)という旅行案内書のコピーを入手してきたのでございます。
そして実際に巡礼を始めますと、この旅行案内書が絶大な効果を発揮いたしました。上記に示すようにここにはGR65のルートと距離、および宿泊場所が記載されており、この案内書と実際のルートに書かれている国旗模様の印を確認してさえすれば、750kmに及ぶ巡礼道を間違いなくたどることができるのでございました。
「なんだ、思ったより簡単じゃないか」ムッシュ タムとそう語り合ったものでございます。
なおこうした案内書はすべてフランス国の言葉で書かれており、最初は何が何だか分からなかったのですが、絵文字もあって巡礼を重ねるに従って絵文字の意味も実体を伴って理解できるようになったものでございます。
また旅をしてみますと、この巡礼道はジャポネが旅することが少ない道だったため、巡礼宿やこの巡礼道をボランティアでサポートしている団体の人から「ここに来たジャポネの最初だ」とよく言われたものでございます。
これがサンチャゴ巡礼フランス道の8日目の報告でございます。
写真を掲載いたします。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/nFhZrE?authkey=Gv1sRgCJnP843Ki8iFcw#
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コメント
ロドリゴ巡礼日誌、毎回興味深く拝読しています。静かな風景がいいですね!。フランス道ル・ピュイ~サン・ジャン・ピエ・ド・ポー間の巡礼記を読み終えたら、タムさんの巡礼記(サン・ジャン・ピエ・ド・ポー~サンティアゴ・デ・コンポステーラ)を再読しょうと思っています。
伺います?。ル・ピュイ出発後地名の記載がないのはなぜでしょうか?。何処にいらっしゃるのか分かりません。
TBS「世界遺産」も、タムさんと同じコースを辿っています。ル・ピュイからのフランス道を見ることができます。
この巡礼路には前から関心があって、「星の旅人」(黛まどか)、「星の巡礼」(パウロ・コエーリョ)、「聖地サンティアゴ巡礼の旅」(フランシスコ・シングル)、日経記事「還暦カミーノ」(スクラップ15枚)を用意していたのですが、やっと読む気になりました。
余談:フランシスコ・ザビエルの故郷はピレネー山中だったらしい。長崎のザビエル像に帆立貝が二個ついています。
(山崎) 中央高地を歩いている間は、牧草地帯を西南西にひたすら歩いているといった状態で、途中には日本で言う町・村といったものはなく、集落があるといった状態でした。
中央高地を降りてようやく町・村が出てきます。
今後はできるだけ地名を入れることにします。
投稿: G爺 | 2009年7月22日 (水) 21時18分
やっとその8まで読了しました。痛快です!
人工物が少ないので風景が美しいですね。日本が見習わなきゃいけないところです
花の名前は、大雑把にすべて判定しましたのでコメントしました!
検索してみると、また、楽しいかと思います。
実際に庭で育てているものもあり、野生している環境がとても参考になります!
(山崎)ありがとうございます。今後も花の写真をリリースしていきますのでコメントをお願いいたします。
投稿: ささき | 2009年7月22日 (水) 13時04分