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(21.7.18) ロドリゴ巡礼日誌 その5

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キリスト暦2009年6月23日

 フランス国の巡礼の道を歩いてみてつくづく感じたのは、フランス国とはとても不思議な国だと言う印象でございます。
特別に印象深かったのは、この国の国土がとてつもなく広く、そして人が少ないことでございました。

 フランス国本土の面積はジャポンの約1.4倍、人口は約半分ですので、これだけ見ると人口密度はジャポンの約3分の1になりますが、フランス国は国土の大半が平野と高原であるのに対し、ジャポンでは国土の70%が森林に覆われていることにあります。

 このため実質的な人口密度はジャポンの10分の1程度になり、さらに人々が北部のパリ周辺と地中海沿岸の避暑地に集中して住んでいるため、フランス国の真ん中はがらがらに空いているのでございます。

 特に今回我ら二人が歩いている中央高地はフランス国でも極度に人口の少ない地域でございました。
たまたま巡礼道2日目から同行することになったフランス青年セバスチャンによりますと「パリのフランセにとっても、ここ中央高地は異郷の地」なのだそうでございます。

 ここ中央高地にもだいたい5kmおき位に村落はあるのですが、たいがいが10軒内外の集落で、自給自足の生活をしていると見えて店がほとんどないのです。
店がある村落はかなり大きな人口1000人程度はいると思われる村落に限られ、それも朝と夕方の数時間しか店が開かず、当然土曜・日曜はお休みになりますので旅をしながら物を買うことが極端に難しいのでございました。
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 我ら2人は当初ジャポンのイメージでコンビニがいたるところにあると思っておりましたが、大変な間違いでございました。
このことがムッシュ タムを異常に神経質にさせてしまったのでございます。
買えるときに買いだめをし、食べれる時に食べなければ餓死しそうだ・・・・・・・

 実はムッシュ タムはジャポンでは朝食を1時間かけて食する食通で、常にサラダと果物とジュースを欠かさず、また日常的にお米を中心とした食事を腹いっぱい取っておりました。
三度の食事は絶対で、コーヒーブレイクも必要としておりました。

 しかしこの地においてはそうした条件を満たすのがはなはな難しかったのでございます。
ジットでの朝食はコーヒーとフランスパンにバターをつけて食べるだけであり、夕食はそれに肉類がつく程度で、とてもムッシュ タムの食欲を満足させるようなものではございませんでした。

 このためたまたま商店が空いていると、バナナとりんごとハム、それにパン類をたっぷり買い込み、またところどころにある巡礼者を対象にしたレストランがあると必ず立ち寄り、サラダを中心とする食事を美味しそうに食べていたのでございます。

 一方私ロドリゴは何年にもわたる修行の過程で、身体を動かしている間はほとんど食べ物を食べない訓練をしておりました。そのため常に小食であり、商店においてもパンを少しだけ入手すれば十分で、はっきり言えば行動中は食べることが負担だったのでございます。

 このムッシュ タムの大食と私の小食が他の場所であればまったく問題がないのですが、ここフランス国の中央高地では大きな問題になってしまいました。
ムッシュ タムは数少ないレストランを見つけるたびに地獄で仏に会ったように喜び「ロドリゴ 寄って行こう。私はフランスのレストランがどういうものか知りたいのだ」と申すのでございました。
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 当初私もムッシュ タムの要望にできるだけ答えるべく、レストランでの食事を同伴したのですが、元々小食の身に過重な食事をしてしまったため、たちまち胃腸を壊してしまいました。
その後はムッシュ タムが「レストランによろう」と言うたびに、胃が切り切りと痛んだのでございます。

 小さな町にはさすがにレストランがあるのですが、私はそれを無視して通り過ぎようとし、一方ムッシュ タムは何とかレストランに立ち寄ろうと、互いに精神的葛藤を繰り返すのでございました。

 妥協点はムッシュ タムがサラダを中心とする食事を食べている間、私はコーヒーだけを飲むことなのですが、フランス国では事前にサラダの用意はしておらず、注文が有って初めて食材を切り刻んだりするため、1時間程度はかかるのでございました。

 こうして「こんな食事をする時間があったら先に進んだほうがいいのではないか」と思う食事嫌いの私と、「食べなければ動けなくなるのだから、時間を無視してもサラダを食べる」と強い決心をしているムッシュ タムとの精神的せめぎあいがその後も続いたのでございます。

 これがサンチャゴ巡礼フランス道の5日目の報告でございます。

写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/FZqmGL?authkey=Gv1sRgCKXG5cugs5Nd#

 

 

 

 

 

 

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コメント

ロドリゴ様
遙かなる異国の旅路、その出来事を美しい写真集とともにお聞かせ下さるのは、机の上の電脳を開く毎朝の大きな楽しみでございます。
嗚呼しかし、このようなことを申し上げて、ロドリゴ様に毎日の巡礼記録更新の苦行を強いることは慎まねばなりません。
おお神よ、ロドリゴ様を急かしてまで悦楽を求める私を、どうか罰してください。
日常の地域美化の苦行にも取り組まれておいでしょう。どうぞ無理をなさらず、お続けくださることをお祈りしております。

(ロドリゴ)yokuya様、私の巡礼日誌を毎朝見ていただいているとのこと、とても嬉しく思いました。実は書いていて「本当に喜んで読んでただいているのだろうか」と若干の疑念を抱いていたところだったからでございます。お便りをいただき、神のみなにおいて感謝申し上げます。

投稿: yokuya | 2009年7月18日 (土) 10時11分

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