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(21.7.27) ロドリゴ巡礼日誌 その12

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キリスト暦2009年6月30日

 中央高地を約1週間かけて横断した後は、川の道になっておりました。川の名前はロット川といいましたが、そのロット川に沿って町や村が建設されていたのでございます。

 この町や村には当然教会があり、巡礼者はその教会を一つ一つ訪ねながら巡礼の旅を続けるのでした。
しかしこの川の道は実は大変な道だったのでございます。

 中央高地の場合はほぼ一直線に西南西に道が続いておりましたが、川の道は川の蛇行にあわせて右や左に蛇行し、しかも巡礼道は川に沿うのではなく、教会から教会へ山越えをさせられるのでございます。

 ジャポンでもそうですが、古道は昔より山の道で、それは川沿いに道を作ると大雨で道が寸断され、また橋を作る技術がつたなかったため橋をつくれないか、あるいは作ってもしばしば橋が流されてしまったためでございます。
それに比べますと山の尾根道は崩壊することが少なく、上り下りの苦労を別にすれば実に安全な道だったのでございます。

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 しかしムッシュ タムにとってこの山道の連続は身体に対する負荷が相当なものになっているようでした。特に中央高地を降りてから気温が急激にあがったことや、ほぼ2週間にわたって晴天が続いたことが体力の消耗に拍車をかけているようでした。

ロドリゴ、何とか山道を歩かない方法はないものだろうか
国道を行けばいいけれど、巡礼道を外れますよ

 国道は川に沿って走っておりますので、距離は若干長くなりましたが平坦で、歩く負荷は山道の比ではありませんでした。我ら2人は毎日30km歩くことにしていたのですが、ムッシュ タムの疲労は山道に耐えられなくなっているようでした。

 こうして我ら2人はムッシュ タムの提案を入れて山道を避け国道を歩むようにしたのですが、この道の欠点は距離が長くなることでした。ムッシュ タムはそれにも耐えられないようでした。
ロドリゴ、何とか距離を短縮できないだろうか
ムッシュ タムの提案はA→B→C→Dと教会をたどるところをA→Dとたどって距離の短縮を図ろうというものでした。

いくらなんでも神様がお許しくださらないのではないでしょうか
いや、ロドリゴ。神のご意思は私がサン・ジェン・ピエル・ポーまで行き着くことなのだ。もし行けなかったりしたら神がどんなに嘆きかなしまれることだろう。だから途中の手段は問わないのだ。歩いていることには変りがないのだからね

 ムッシュ タムは総研の主任研究員だっただけあって、理屈付けがとても上手でございました。私はいささか後ろめたさがありましたが、ムッシュ タムを何とかサン・ジェン・ピエル・ポーまでたどり着かせるのが私の役目でも有りましたので、短縮路をとることに同意したのでございます。
主よ、主は短縮路を許すほど融通無碍なのでございましょうか

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 こうして30kmの距離を25kmに短縮しながら、この地方では非常に大きな町、フィジャックに到着したのでございます。
フィジャックロット川に沿って建設された町でしたが、ここは観光地らしく川を渡る橋のたもとでジャポネの一行に会いました。

 このジャポネの一行は10名程度でしたが男は2名で後は中年以上の女性の集団でございました。
このジャポネの一行は私たちが巡礼の旅をしていることに大いに驚き、記念写真を所望されたりしてなにかちょっとした有名人になったような気分でございました。

 これがサンチャゴ巡礼フランス道の12日目の報告でございます。

写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/wFbLoD?authkey=Gv1sRgCMKu2aKWxJyS0QE#

 

 

 

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コメント

ロドリコさま ご無沙汰しております
遅ればせながら巡礼の旅、大変お疲れ様でした
掲載されている写真を拝見すると、
まさに「安野光雄」さんの世界というか・・・
フランスの片田舎の美しさはまさに「どこを切り取っても絵になる」と申し上げたくなりそうな
まさに「2~3年分のスケッチの材料」が貯まりそうな旅でしたね
・・・もちろん実情はそんな暢気なものではなさそうだったのは毎日の更新でお察しいたします
私自身も人生の先の先のいずれかに、観光地図に拠らない気まま旅を満喫したいと思います
それまでは・・・・健康維持に努めねばなりませんね~

(ロドリゴ)花牟礼様でしたら、きっと多くのスケッチの材料を入手できることは間違いありません。私は写真しか撮れませんので写真集にしておりますが、いつか必ず花牟礼様が巡礼の旅をされることを主にお祈りしております。

投稿: 花牟礼 | 2009年7月29日 (水) 21時30分

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