(21.6.7) 儒教国家北朝鮮の後継者問題
金正日総書記が老いの一徹で最後の賭けに出ている。昨年の8月脳疾患で倒れた後、すっかり身体が弱った金総書記だが、それだけに後継者問題で執念を燃やし始めた。
「俺の命は短い。何とかして後継者に磐石の国家を残さなければ金王朝が崩壊する」
選ばれたのは3男の金正雲氏(26歳)だと各国のメディアが一斉に報じだした。
金正雲氏は党組織指導部長で、金総書記の愛情を一身に受けていると言われ、先月行なわれた2回目の核実験のあと、正式な通達が労働党幹部や軍幹部に伝えられたと言う。
「金正雲を尊敬しろ」
北朝鮮が友好国中国の制止もまったく聞かず、長距離弾道ミサイルの発射実験や核実験を強行しているのは、すべて金総書記の健康不安から来ている後継者問題があるというのが、観測筋の見方だ。
北朝鮮の経済は完全に崩壊しており、そのため北朝鮮は精巧な偽札を作ったり、高品質の覚醒剤を作って外貨を獲得してきたが、アメリカ、中国、日本の官憲の目が厳しくなって、外貨稼ぎもままならない(ただし偽札についてはまた出回り始めたとアメリカの当局が警戒している)。
「だから俺が死亡した後に残せるのは、ミサイルと核弾頭だけだ」
最後の金総書記の遺産相続というわけだ。
現在アメリカが最も恐れているは、ミサイルと核弾頭がアルカイダのようなテロ組織に流出することである。
それゆえアメリカと日本は、強制的な船舶の臨検を国連制裁決議に入れようとしたが、今回も中国の反対で強制力は無くなった。
しかし追い詰められた北朝鮮は危ないビジネスに走る可能性が高い。
一方で金正雲氏の後継問題は北朝鮮内部においても物議をかもしだしそうだ。一番の問題は金正雲氏が長男でないことである。
儒教国家北朝鮮では長子相続が正当と判断されるから、三男の金正雲氏の後継は異例と言うことになる。
長男には正男氏がいて、従来はこの正男氏が後継者になるものと思われていた。ところが正男氏はかなりの遊び人で01年5月に日本に密入国しようとして正体がばれ、強制退去を命じられてしまった。
正男氏は秋葉原でゲームやパソコン等を購入するのが目的だったようだ。
この失態で正男氏は金総書記から叱責を受け、その後後継者レースから失脚したと噂された。
また次男の正哲氏は、もともと影が薄く後継者レースに名前が出ることはほとんど無かった(正男氏が失脚したと噂が出た後、一時後継者とみなされたことはあった)。
金総書記の立場は、死期が近づいたときの豊臣秀吉にそっくりだ。なんとか正雲氏を後継者にすべく、実力者序列NO2の張成沢氏に正雲氏の後継を依頼している。
「張成沢殿、おぬしだけが頼りじゃ。どうか金王朝のことはよろしく頼む。正雲のことをささえてくりゃれ」
張成沢氏は金総書記が脳疾患で倒れた後、北朝鮮の実質的な政務を執り行っており、現在は金総書記の忠実なしもべを装っている。
しかし後継者の金正雲氏は金日成のような輝ける実績はなく、また金正日氏程度の政治力も無い。たんなるお坊ちゃんだ。
崩壊直前の金王朝がお坊ちゃんでは救えないのは誰の目にも明らかだ。
だから金総書記が死去した後、張成沢氏が徳川家康になるのはほぼ間違いないだろう。
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コメント
写真の花のことですが、
テンニンギク(天人菊)で、英名は「ガイラルディア」という名前のようですよ。
夏から秋にかけてさくようですから、まだ探せそうですね。
私も、どこで撮影されたのか興味ありです!
投稿: あずき | 2009年6月12日 (金) 10時58分
今日のお写真はどこで撮影された、何というお花ですか?
すばらしい!!
(山崎)場所は四季の道ですが、正確にどこだったかは忘れています。花の名前については、(私は誰でも知っている花の名前以外は知らないので)、この花の名前は知りません。
おゆみ野の森のインストラクター、佐々木さんに聞くのが一番ではないでしょうか。
投稿: junjun姉さん | 2009年6月12日 (金) 01時01分