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(21.6.8) 魔か不可思議な みずほ銀行行員の詐欺事件

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 信じられないような詐欺事件みずほ銀行で発生した。
直接の容疑は、みずほ銀行元調査役野邑(のむら)貞夫容疑者52)が架空の投資話みづほ銀行で元本保証、年利10%で米国債の秘密運用をしている)を会社経営者に持ち込み、1800万円を騙し取ったと言うものである。
その他の被害総額を合わせると約12億4千万円だそうだ。

 銀行員が「高利回りの秘密運用がある」といって会社経営者等から金を騙し取る手口はおなじみのケースで、それには驚かなかったが、今回は同行職員18名からも約4億6千万円を騙し取ったと言うのである。

 これには驚いた。一般人ではなく銀行のプロ18名もだまされたと言うのである。
会社経営者に対しては「頭取印を偽造した預り証」と「偽造の見積書」、それに見積書には組織上存在しない「資金運用部の部長名」が記載されていたと言うが、確かに外部のものにはこれが有効でも、内部のもにはまったく効果が無い。

 内部のものなら「資金運用部」という組織が無く、「資金運用部長」などいないのはすぐ分かるからだ。

 どうやら今回の詐欺話外部向け内部向けがあり、野邑容疑者内部では私設のファンドを運営していたのではないかと思われる。
私も元金融機関の職員だから分かるのだが、金融機関の職員の中には、株式の運用に自信があるが、なぜか出世競争には取り残された人がいる。

 野邑容疑者52歳調査役だから、明らかに金融機関の職員としては落ちこぼれだ。
こうした境遇の人の対応は二通りに分かれ、① 銀行の出世競争から離れれてもっぱら趣味に生きる人と、② 何とか自分の実績を金儲けと言う手段で実現しようとする人に分かれる。

 野邑容疑者の場合は明らかに後者で、株式運用のノウハウで少なくとも金融危機が発生するまでは世界のヘッジファンドと同様に、かなりの高利回りを実現していたはずだ。
そして同僚に「融派生商品に投資すれば、10%の利回りは確実なのに、俺の銀行は無能だからそうした投資機会を逃している。
私に資金を預ければ確実に10%の利回りを約束する
」と誘ったはずだ。

 そうでなければみずほ銀行の同僚18名が4億6千万円も資金を預けるわけが無い。
また、こうしたファンドを野邑容疑者00年から約8年間に渡って運営していたのだから、その間は確かに運用実績は良かったのだろう(なお金融機関の職員が他のビジネスを兼営することは内部規約で禁止されている)。

 しかし08年の金融恐慌が野邑容疑者のすべての努力を水泡に帰して私設ファンドが倒産し、明らかに詐欺容疑が成立する会社経営者に対する投資話(架空の投資案件で頭取印を偽造)で逮捕されてしまったようだ。

 野邑容疑者としてはほぞをかむ思いだろう。
確かに資金運用部はなかったが、俺が資金運用部で運用部長だったのだ。金融恐慌以前は10%の確定利回りは確かに稼いでいた。すべてはリーマン・ブラザーズの倒産のせいだ

 今回の野邑容疑者の逮捕事件で世間にはかなりの私設ファンドがありそうなことが分かった。
今後、そうしたファンドをめぐって訴訟騒ぎや悲喜劇が発生することを予感させた事件だ。

(注)なお、こうした裏ファンドで得た収益は、しばしば所得隠しが行われるので、対象者は所得税法違反の容疑がかけられるだろう。

 

 

  


 

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