« (21.6.1) 千葉市の財政崩壊とその隠蔽方法 | トップページ | (21.6.3) 文学入門 村上春樹「蛍」 »

(21.6.2) デフレの時代 その1

214_016  

 世界的な金融恐慌で、石油穀物の値段が劇的に低下してきたが、ここに来て身近な消費財の値下げが一斉に始まっている。

 先鞭をつけたのはスーパー業界で、イトーヨーカドーイオンPBプライベートブランド)を中心にこの4月頃から大幅値下げに踏み切った。
イオンなどは「イオンの反省」という新聞広告までだし、
イオンの価格は他店にくらべて、決して安くは有りませんでした」
「イオンの売場は、欲しいと思える商品が並んでいませんでした」
「もう一度、お客様が求める本当の低価格、売場、サービスを取り戻すことに全力を尽くしていきます」
とまで言うのだからすごい。

 イオンの最近のヒット商品はPB食パン1斤88円だという。しばらく前まで150円前後に設定されていたのだから、劇的な値下げだ。

 コンビニにおいてもPB商品が増えており、かつては便利だが高かった商品がスーパーと対抗するようになり、かつ売れ残り食品の値引き販売まで始まった(公取委が「セブンイレブン本部が契約店の値引販売を禁止する」のは独占禁止法違反だと指導した)。

 外食産業すかいらーくのような高価格メニューの店は流行らなくなり、低価格メニューのガストに衣替えしている。
牛丼すき屋第二次牛丼戦争をしかけて、並を330円(▲20円)に値下げした。

 百貨店はまったく販売が不振で、ここ14ヶ月前年割れしているが、銀座松屋では9800円スーツを限定200着販売し完売した。
百貨店でも特売が日常化している。

 高速道路料金は政府の指導で全国一律1000円になり、今度はアクアラインの料金が千葉県知事の指導で800円になる。
トヨタはエコカーのプリウスを最低価格205万円(▲30万円)で販売して自動車販売不振を一気に挽回しようとしているし、政府はエコカーを導入すれば自動車取得税重量税を大幅に減額して後押しすることにした。

 海外旅行代金も円高とガソリン価格の低下で劇的に安くなっており、一頃旅行者泣かせだったサーチャージも終わりに近づいた。
今日の新聞には改正薬事法の施行で大衆薬が安くなるといっている。

 すべての価格が低下するデフレの時代が再び始まった。
なにしろ昨年の第4四半期以降、GDPの約6割を占める消費は、前期対比落ち込んでおり(08/10~12 ▲0.8%、09/1~3 ▲1.1%)、高価格商品はまったく売れなくなっている。
内閣府の発表では09/1~3期の需給ギャップ▲8.5%で、過去最悪でこれを金額に直すと約45兆円の需要不足だという。
これではものの値段が上がるはずがない。

 この状況がいつまで続くかはもっぱら景気動向に左右されるが、私はこの状態はかなり長く続くと見ている。
理由は
① 今年は確実にマイナス成長、来年以降も低成長が続くこと
② アメリカ政府の国債増発によって、円高傾向が定着し、輸入品の価格が低下すること


 デフレは私のような年金生活者にとっては天の恵みのようなものだが、生産者にとっては地獄の苦しみで、それに適応した企業だけが生き残ることになりそうだ。

 

 

|

« (21.6.1) 千葉市の財政崩壊とその隠蔽方法 | トップページ | (21.6.3) 文学入門 村上春樹「蛍」 »

評論 日本の政治・経済 円高・デフレ」カテゴリの記事

コメント

PB商品を出すにしても品質には手を抜かないで欲しいですね。
アナログTVの時もPB商品があったのですが、ここで量産効果を狙って、
どうしても2~3万円高くなる字幕放送機能付きをメーカーに発注していたら、
もう少し流れが変わったのになあ、と思ったことがあります。
(今は、標準搭載になっているデジタルTVのため、必要は無くなりましたが)

長患いで寝たきり状態だった人は、完治宣言されても、すぐには走れませんもんね。
リハビリを繰り返して体力や筋肉を回復させなければならない事を、
経済学者は自身が健康体なためか、忘れてるようなものかな。

投稿: 横田 | 2009年6月 3日 (水) 16時31分

おはようございます。

 ここ数ヶ月、GM破綻ねたの一方で、商品相場や株式相場が爆騰しておりますね。
本格的な景気回復が来ると、ふんでいる輩が多いからでしょうか?
確かに、オバマ大統領も、「破綻でなく、再生だ!」と、うまく騙すことに成功しているようです。
 しかし、工場が大幅に閉鎖されるわけですし、部品メーカもつぶれる、そして工場回りの
レストラン・ホテルもつぶれる、と考えれば、再生したとしても、規模は相当圧縮
されるわけで、「どう見ても破綻」である気がします。

 やはりデフレに突入しそうですね。また商品や株式の下落が
始まると考えております。 もしかしたら、今がプチバブル祭りの
最高潮かもしれませんね。

これは、メーカー勤務の私も、直視して、生き方を考えて行かねばと思っております。

 このような情報は、本当に参考になります。 ありがとうございます。

(山崎) 景気が底を打ったと思われる指標が出てきたので、今後は景気が回復すると読んでいる人が増えています。
それが株価や石油価格に反映していますが、私は景気が回復した後も世界的な低成長が続くと見ています。

ちょうど失われた10年のあとの日本経済のようなイメージで、特にアメリカを始め、先進国の経済は一進一退を繰り返すのではないでしょうか。
株価も石油価格も上がり下がりはあっても長期的なトレンドとしては下がっていくと見ています。

投稿: たか | 2009年6月 2日 (火) 08時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.6.1) 千葉市の財政崩壊とその隠蔽方法 | トップページ | (21.6.3) 文学入門 村上春樹「蛍」 »