(21.6.16) 熊谷新市長おめでとう 千葉市長選挙結果
14日に行なわれた千葉市市長選挙において、熊谷俊人氏が当選した。
投票率は43.5%で、前回の市長選の投票率より6.30%高かった。
今回は鶴岡前市長が収賄罪で警視庁に逮捕された後だけに、投票率も上向いたのだろう。
ただ私のイメージではもう少し投票率が高くなってもよさそうに思ったが、現状の地方選挙に対する関心は、この投票率程度であることも事実だ。
私自身もつい最近までは、地方政治について「住民税を払っておけばいいのだろう」という感度だったから、あまり大きなことは言えない。
鶴岡前市長は住民の意識がその程度だったことをいいことに、箱物行政を押しすすめ、総務省の調査で夕張市の次に財政状況が悪い地方公共団体と発表されてしまった。
特に千葉都市モノレールの建設では約400億円の徳政令を実施して県と折半して支えなければならなくなっていたほどで、ほとんど採算を度外視した建設と言える。
(注)これについては「千葉都市モノレールを守ろう」で詳述した(リンクが張ってあります)。
これほどひどい財務状態だったが鶴岡前市長は失政と認めず、なおも箱物行政にこだわっていたが、とうとう業者との癒着がばれて逮捕されてしまった。
この鶴岡前市長を支えていたのが、今回立候補した林前副市長だから、林氏が当選したら全国の笑いものになるところだった。
こうした危機を紙一重のところで救ってくれたのが熊谷新市長で、熊谷氏の勇断によって、千葉市の名誉は守られたことになる。
なにしろ鶴岡前市長が逮捕されたあとも、林候補の優位は絶対と思われていたので、若き熊谷氏以外に渦中の栗を拾う人はいなかった。
当初は「まあ、熊谷なら敗戦しても仕方ないとみんな思うだろう」という感度だったのは事実だ。
しかし世の中などは何が起こるかわからない。しばらく前までは小沢前代表の政治資金問題で民主党に逆風が吹いていたが、今度は鳩山総務相の辞任問題で自民党に逆風が吹き出した。
政治は一寸先が闇なのだ。
若き熊谷氏が箱物行政から市政を転換すると表明して市民が奮い立った。さすがに市民も千葉市の財政状況の悪化は座視できないと思うようになったし、林氏が当選すれば今までとは何も変わらないことも確かだったからだ。
しかし熊谷氏の勇気にはほとほと感心してしまった。ほとんどの人が勝てないと思っていた選挙に立候補して勝利してしまうのだから、大したものだ。
もっとも選挙の途中からは千葉日報が熊谷氏優位を報じ始め、自民党の懸命な巻き返しもあったが、それも跳ね除けてしまった。
今回熊谷氏を支持した市民ネットの福谷議員の話では「熊谷氏が当選した場合を想定して、議会内ではすでに熊谷包囲網が作られ始めていた」のだそうだ。
熊谷氏の与党の民主党と市民ネットは少数与党であり、自民党と公明党が過半数を超える議席を握っている。
だから熊谷新市長を選挙の時だけでなく、日常的にも市民が支えなければ議会内で孤立してしまう。
それでは選挙で約束した公約が実現ができなくなるだろう。
私は熊谷新市長の公約である箱物行政からの脱皮を強く支持しており、千葉都市モノレールの延伸を阻止すべきだと、このブログでも何回か取り上げて来た。
だから熊谷氏を支持した一人として、熊谷新市長が孤立しないようにこのブログで継続して熊谷氏を応援していきたいと思っている。
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コメント
熊谷市長を検索していたところ、こちらのブログに行き着きました。
山崎さんのようなかたが、おゆみ野にいることを知り大変うれしく思います。
今後の活動に賛同します。
さて、千葉市の現状について 改めて危機的状況にあることが再認識できました。
私もおゆみ野市民として熊谷さんを応援していかなければといけないと思いました。
早速ブログを登録させていただきます。
今後ともおゆみ野の将来のために良き情報のご提供をお願いします。
(山崎) 6月19日より7月11日までサンチャゴ巡礼フランス道の巡礼の旅をしていましたので返事が遅れました。申し訳ありません。こちらこそよろしくお願いいたします。
投稿: kimi | 2009年6月22日 (月) 01時40分
千葉市の有権者のほぼ半数が投票し、その2/3が選択した市長です。
その民意には、大きなものがあるでしょう。
しかして、皆さんご心配の通り、自公老練市議からの必要以上の圧力が予想されますね。
民主やネット寄りでなくても良いのだが、サポートする市民団体が必要です。
覚悟の上だとは思うが熱く立った氏の志を無にしないためにも、我々オジサンオバサンが見守り、周囲の横暴を監視する組織が必要ですね。
(山崎) yokuyaさんと「かって連」を作って熊谷市長を応援しましょう。
投稿: yokuya | 2009年6月16日 (火) 21時44分
若い市長は、皆が支えて育てる必要がありますね。
モノレール事業は、ご存知のように、千葉県主導で進められてきた経緯があります。
前知事時代、一抜けたで、千葉市だけが支える構図になってしまいました。鉄道という事業は,
利用しない地域の人々にとっては、何のメリットもない事業です。否定的意見は当然なのです。
延伸は、大宮方面の利用が、当初の狙いでしたが、余りに時間が経ち過ぎましたね。
通勤する世代が老齢化して、今と成れば、無用の長物でしょう。
投稿: okame | 2009年6月16日 (火) 09時05分
今後のブログ方針に、賛意を表します。あなた様のような方がボランティア等、あたかも「神仙世界」に籠もり過ぎておられる観を懐いておりました故。
(山崎) 今まで地方政治に無関心だったのですが、今回の市長選挙で初めて地方政治のあり方に関心を持ちました。
投稿: にどまめ | 2009年6月16日 (火) 09時02分
やっと千葉にも光がさしたのでしょうか? 保守王国の千葉県や市といえば、
箱物・ゴルフ場程度のイメージしか有りませんが、これを変えていって
欲しいものです。
と、悪口を書いてしまいましたが、私の住んでいる東京都も中々なもの。
税金投入をしても赤字を垂れ流し続けることが明らかな新銀行東京。
経済効果が見込めないことは歴史が証明しているオリンピック招致。
15万人を軽く超える職員(会社別の従業員数トップ10に入れます)。
議員数も国会並み。
さて、今後、国民の目が行き届かない地方議会で、ありがちなのが
現職議員や職員による「陰湿ないじめ」ですね。
これらを監視していく市民グループが必要になるかも知れません。
(山崎) 新銀行東京についてはこのブログでも何回も記載しましたが、死んだ小猿をいつまでも抱いて離さない母親猿のようなものです。
人間誰しも失敗はあるのですから、「都民の皆さん、申し訳ない。新銀行東京は失敗だった」と言えば、私などは(都民ではないですが)すぐに許してあげるのに、いつまでも突っ張っているので状況がますます悪化していく例だと思っています。
投稿: たか | 2009年6月16日 (火) 06時45分