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(21.6.15) 温室ガス削減交渉は亀の歩み

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 世の中で温室ガス削減交渉ほどひどい交渉は無い。正式名を気候変動枠組み条約(略してCOP)と言うのだが、その97年COP3で日本は2012年までの間に、90年対比6%の削減を義務づけられた。

しかしその間、日本の温室効果ガスは減るどころか10%程度増加したために、都合16%(6%+10%)の削減を12年までに実施しなくてはならなくなった。

こりゃ、とても駄目だ。足らないところは排出量をヨーロッパから購入しよう」と言うことになっており、購入金額は数千億レベルだ。
この交渉では主として日本だけがペナルティーを払うことになっている。

 なぜ日本だけかというと、この京都議定書には他の温室効果ガス排出国が入っていないからである
06年
現在で排出量がそれぞれ20%アメリカ中国合計40%)がさっさと抜けてしまい、残ったのはたった29%のヨーロッパと日本とロシアだけになってしまった(ロシアには実質削減義務が無い)。

 しかも近年ますます中国アメリカ(それとインド)の比率が高まっており、いくらヨーロッパ日本ががんばっても温室ガスは絶対に減らない。
だから京都議定書は単にヨーロッパが日本から金を奪うだけの協定で、温室効果ガス削減にはまった役立たなかった。

(注)この間の事情については「京都議定書は国際連盟か」に詳述した。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/2057_e539.html

 そして今回、(12年以降の13年以降20年までの中期目標を設定する温室ガス削減交渉COP15がこの12月から始まる。
それに向けて麻生首相日本の中期目標を「05年対比15%減、90年対比8%減」と打ち出した。

 さすがに日本も教育効果があったと見えて、ばかばかしい目標設定はしなくなった。
国連は先進国に対し90年対比、25%~40%の削減目標を設定するよう要望している。
しかし各国は慎重で、温室効果ガス削減に熱心なEUでも90年対比20%、05年対比14%の削減だ
アメリカは90年対比0%、05年対比14%削減の方針で非常にゆるい目標設定にしている(アメリカはオバマ政権になって温室ガス削減交渉に参加する姿勢を見せている)。

 現在問題になっているのは以下の3点である。

① 基準年を90年とするか05年にするか
② 目標数字をいくらに設定するか
② 中国、インド、ブラジルと言った新興国をこの枠組みに加えられるか


 基準年を90年にすると、05年までに削減努力をしてきたEU(▲7%)に有利で、削減努力をしなかったアメリカ(+14%)と日本(+7%)が不利。05年派は過去のことは水に流して、05年から本格的に削減しようといっているわけだ。

 目標数字は国連の要請は90年対比25%~40%削減だが、とても不可能なので先進諸国のどこもまともに取り合わない。
各国もできる範囲内で実施することに目標を設定した(
京都議定書では日本はできもしない目標に同意した)。

 今回も、中国、インド、ブラジルはまったく枠組みに参加するつもりは無い。たとえアメリカが入ったとしても世界全体の50%程度の割合で再び温室効果ガス削減については、ほとんど効果がない。
温室効果ガスを減らすのが目的であればぜひともこれら新興国を取り込む必要がある。


 もし、OOP15で、京都議定書の時と同じくアメリカが逃げ、中国やインドに削減義務がないならば、日本もアメリカ、中国、インドと同様、枠組みには参加せず自主的な削減目標を掲げた方がよい。
そうしないと再び日本だけがヨーロッパにペナルティーを払うだけの京都議定書の二の舞になる。

 地球温暖化対策というものは先進国、新興国の別なく世界的規模で実施することが必要なのだが、それを中国やインドが悟るまではじっくりと構えていた方がよく、日本が世界をリードする必要などまったくないのだ。

 

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評論 地球温暖化対策」カテゴリの記事

コメント

悩ましいことですね。律儀なだけでは損をする。
乗り合わせた船が浸水し始めた。 だれかが腰をあげて水をかき出すまで、様子見しよう。
沈んでも、自分だけは生き残れるはず。そんな思い、有りますよ,私にも。

投稿: okame | 2009年6月15日 (月) 08時30分

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