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(21.5.28) インドの衝撃 NHKスペシャルを見て

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(NHKスペシャルより

 NHKスペシャル、「インドの衝撃 膨張する軍事パワー」を興味深く見た。
日本では、アメリカ中国韓国の情報はそこの国の住民と見間違うほどよく入ってくるが、それ以外の国の情報は極度に少ない。
日本にとってこの3国以外はまるで存在していないかのようだ。

 今回NHKスペシャルで取り上げられたインドについても、私などはガンジーの無抵抗運動ネール首相非同盟政策印パ紛争といった半世紀前の知識と、最近のIT産業の躍進ムンバイでのテロ以外にはほとんど知っていないというのが実情だった。

 特に今回取り上げられた軍事パワーなどまったく知らなかったといってよく、インドがインド洋でのシーレーン確保のために、海軍力と空軍力の大軍拡をしていることを始めて知った。

 海軍の増強のために駆逐艦の建造や、空母の建造に着手し、また空軍の増強のために最新鋭の戦闘機126機購入する計画だという。
このための兵器購入費は約1兆円だそうだ。

 空母については戦後のアジアでははじめての建造で(戦前は日本が空母を持っていた)、かつ最新鋭の戦闘機購入についてはロシアのミグ35とアメリカのF16スーパーバードを競わせ、高度なレーダー技術を入手するのが目的だという。

 現在インドの空軍は約500機の戦闘機を持つ世界第4位の空軍力だそうだが、実際はミグ21という、数世代前のオンボロ機が中心で、これを一気に世界最高水準の空軍に変えるのだという。

 なぜインドが軍拡に乗り出したかは、経済成長で軍備を拡張できる余力が発生したこともあるが、本当の目的は中国である

 中国のインド洋への進出はめざましく、主として保護国ミャンマーのインド洋側に海軍基地を設け、さらにスリランカのような周辺地域にも経済援助と見返りに軍事基地の提供を得ようとしている。
このままいくとインド洋は中国の中海になってしまう

 こうした動きを見過ごせないと感じたのはアメリカインドで、特にインドは21世紀の大国として世界をリードするライバル同士と認識しており、中国への警戒感が強い。

インドのシーレーンはインド海軍が守る」とインドの海軍司令官が言っていたが、アメリカがインド洋から撤退した場合は、インドだけの力でもインド洋を守りきろうとしているようだ。

 かつて1962年に、インドと中国はカシミール近郊で国境紛争を行い、この時は中国が完勝した。おかげでこの地域の領有権は中国が持ち、インドはこのときの屈辱を忘れていない。

 インドが敗北した原因はネール首相の非同盟政策で、インド軍の力が弱体化していたからだといわれている。
インドが核開発に乗り出したのは、このときの失敗に懲りたからでインドの仮想敵国は中国である。

 インドと中国は表面はともかく、互いの信頼感はゼロといってよい。
さらに近年インド洋のシーレーンが重要なのは、アラビアの石油とアフリカの石油・鉄鉱石の交通路がインド洋だからである。
経済発展が著しいインドと中国にとって死活のシーレーンになってしまった。

 もしインドと中国の間で再び紛争が起こっても、インド洋を押さえてしまえば中国は石油も鉄鉱石も入手できない。
反対に中国に押さえ込まれてしまうと、中印紛争の二の舞で、インドは再び完敗する。

 こうしてインドと中国はインド洋のシーレーンをめぐって大軍拡を競い始めた。
日本の立場からすると、尖閣諸島で煮え湯を飲まされたり、何かというと南京大虐殺を持ち出して日本を揺さぶったり、日本の常任理事国入りに反対して日本大使館を襲わせたりする中国よりは、はるかにインドの方が友好的だ。

 安倍元首相は「インドとの友好関係を深めるべきだ」と言っていたが、国家的戦略としては、インドと組む遠交近攻策が、日本の基本的戦略になるべきだと私も思う。
インド洋のシーレーンは日本にとっても生命線であり、インドとの友好関係は日本の安全保障の強化に確実につながるはずだ。

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評論 世界 インド政治・経済」カテゴリの記事

コメント

私もあっけにとられながら見てました。

インドといえば2020年にオリンピックを誘致するそうです。
インドがアジア圏に含まれるのか判りませんが、連続して近接した国での開催を避けるとなると、
2008年の中国に続いて2016年の東京、も気になるところです。
ちなみにBRICsではブラジルが2016年に名乗りを挙げてます。
(ロシアはモスクワ開催および、2014年冬期のソチ開催が決定)

投稿: 横田 | 2009年5月31日 (日) 02時39分

こんにちは
マスコミはスルーでしたが
麻生さんも働いています。
日印安保宣言
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081022/plc0810222023008-n1.htm
これ知っている日本人はどれくらいでしょうか。
このころバー通いや漢字読み間違えしか報道されてなかったんじゃないですかね。
マスコミのシナ・韓国びいきも腹立たしく思います。
当方、稲毛区在住です。ブログ応援してます。

(山崎)麻生首相おインド シン首相との安保共同宣言については、始めて知りました。私はわりあいとこうした情報に敏感なのですが、なぜか見落としてました。情報提供ありがとうございます。

投稿: eleken3 | 2009年5月31日 (日) 00時54分

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