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(21.5.27) 中国大学生の就職問題  大学バブルのゆくえ

250pxpeople27s_republic_of_china__2   昨日(25日)、NHKのクローズアップ現代で中国の大学生の就職問題が取り上げられていた。
それによると本年度の大学卒業者は約530万人で、そのうち約200万人が就職できずに、いわゆる就職浪人になると言う。
比率にしたら約4割だから、日本の比ではない。

 中国では中国政府の方針で高等教育の充実を図ることにしたところ、2000年ごろから大量に大学が粗製乱造され、それまで100万人程度だった卒業生が今年は530万人約5倍に増えたのだと言う。

 このため大学バブルが発生し、そこに世界的な経済不況が押し寄せたため、レベルが低いとみなされた大学の卒業生は就職できなくなったようだ。

 番組では上海の華東理工大学の大学生にスポットを当てて、約半年に及ぶ就職活動の模様をレポートしていた。
番組でははっきり言わなかったが、この大学はエリート大学ではないらしく、「貴方のような専門性のレベルでは、会社の要望に答えられない」と企業の就職担当者から冷たくあしらわれていた。
就職難のため、企業は優秀な大学の学生しか採用しないらしい。

 この番組に出てきた王さんと言う学生は、福建省の片田舎から出てきたのだが、中国の農村地帯では子どもを大学に行かせて、その子供を大企業に就職させることが貧困から抜け出す唯一の方策なのだそうだ。
この家族は年収25万円で、借金をして息子を大学に行かせていた。

 就職した子供は家族への仕送りで恩を返すと言う仕組みで、社会福祉がない中国では家族福祉が唯一の老後対策だと言う。

 王さんは家族への仕送りと、弟の大学の学費の面倒を見るため、4万5千円以下では就職しないのだと言っていた。
しかし王さんは金融機関に就職しようと努力したものの、金融バブルがはじけた後だけにおいそれとは就職できず、就職浪人になってしまったと番組は伝えていた。

 中国の大学生が就職難であることは知っていたが、実際に映像で見るとその様はすさまじい。
中国では中央が指令を出すと、各地方の共産党組織が競争で突っ走るため、常に中央の予想をはるかに越えてしまう結果になる。
大学の数も中央の予想の約2倍になったのだという。

 紅衛兵運動改革解放もすべて行き過ぎたり加熱してしまうのはそのせいで、何か中国という国柄のような気がする。
もっともこの程度で驚いていては、中国の指導者にはなれないらしく、こうした事態に冷静を装って(実際はテンヤワンヤの大騒ぎをして)大人として対処するのが中国式政治らしい。

 中国の専門家という人が「まず既成事実を作り、問題があれば後で解決するのが中国式」だといっていたが、世界最大の人口を持つ国家の運営はことのほか難しいようだ。

 中国政府としては、地方の道路の建設やダムを作る公共工事を拡大し、また地方公務員として一時的に就職させるように指導しているが(このあたりは日本とそっくりだ)、さすがに200万人の就職浪人を吸収するのは至難の業らしい。

 

 

 

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評論 中国問題 経済」カテゴリの記事

コメント

中国はさしずめ大盆のようなもの。
水平に持ち上げないと、載せているゴマがどかっと低い方へなだれこんでしまう。
といって、急激に持ち変えると反動であらぬ事態につながる。

これは古くの大軍隊の動きにも同じ事が言えていたのだけれど。
飢えた民衆は軍隊の食料目当てにどかっと集まるものだから、食料管理も大変だったことが司馬遷の史記で記されていたと思う。
その軍隊が何かの拍子で潰れれば、また他の軍隊へどかっとなだれ込む。

(山崎) コメントありがとうございます。コメントがないと誰も読んでくれてないのではないかと思ったりして、ブログを書く気力がうせてくるものです。横田さんには感謝いたします。

このような歴史から学ぶことの大切さを、たまたま昨夜のNHK「歴史ヒストリア」徳川光圀の話でも紹介していたのは出来すぎのタイミング?
夕方は夕方で、先週は「裁判はじめて物語 江藤新平」。確固とした法律によって国民は安心して暮らすことができ、国の繁栄へと繋がるというもの。

投稿: 横田 | 2009年5月28日 (木) 02時31分

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