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(21.5.26) 恨(ハン)の国の大統領

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 ノムヒョン前韓国大統領
の自殺が世界に衝撃を与えている。韓国大統領といえば晩節を全うできない大統領というイメージが強く、やはりと言う気もするが、伝統のようにノムヒョン氏もその一員に加わってしまった。

 なにしろ独立後の歴代大統領の運命はいづれも悲惨なものだ。
李承晩氏はハワイに亡命してそこで死去し、朴正熙氏は部下に暗殺され、ゼントカン氏は収賄罪で死刑宣告を受け(特赦で釈放)、ノテウ氏も収賄容疑で2年間服役し、キムヨンサム氏はあっせん収罪で逮捕され、今度はノムヒョン氏が不正資金事件を苦にして自殺してしまった。

 今回の収賄容疑は夫人や、長男、長女が大統領の権威を傘にきて約6億円の金品を集めたとの疑惑だが、その事実をノムヒョン前大統領が在任中知っていたかどうかが、本人が逮捕されるか否かの分かれ目になっていた。

 当然、ノムヒョン氏は「在任中は知らなかった」と言っていたが、検察当局にネチネチ責められれば、前大統領としてのプライドが大いに傷つき、思い余って自殺をしたのだろう。
韓国世論は「国策捜査」だといきまいている。

 なぜ歴代大統領がこうも死亡(暗殺、自殺)したり、収賄罪で逮捕されるのかの説明で「大統領に権限が集中し、それを親族が利用するからだ」との説明がされていたが、どうもそれだけではなさそうだ。

 大統領権限が強いのは韓国だけでなく、アメリカやフランスでも同様だが、一部例外を除いて韓国のような状況にはなっていない。

 韓国で大統領が晩節を全うできない理由は二つあると思う。

① 一つは儒教国家で家族の絆が強いこと。反対に言えば一族で出世頭がでれば、その権威を一族中で利用すること。
② 二つ目は恨(ハン)が国民的性格で、冷や飯を食わされた現政権が、前政権に対する恨みを復讐として徹底的に晴らそうとすること。


 特に恨(ハン)については、韓国には長い伝統がある。
たとえば李舜臣といえば、亀甲舟豊臣秀吉の朝鮮出兵を打ち破った英雄と目されているが、一時、内部の政争に巻き込まれて反対派から死刑の判決を受けて殺されそうになった(救国の英雄でも反対派閥が政権をとると、死刑にされる例)。

 また日韓併合についても李氏朝鮮内部の改革派と保守派の骨肉の争いが激しく、改革派は保守派に対する恨みで日本という外国勢力と手を結び、(保守派はロシアと結んでいた)結果的に日本に植民地化されてしまった(骨肉の争いが激化すると国をも売ってしまうという例。一方日本の例では幕末、外国勢力の進出を勝海舟等の努力で回避している)。

 ハンの国、韓国では「日本」という言葉に対しいまだに「怨念」を抱いていて、竹島問題歴史認識で燃え上がるが、それは外国人に対してだけでなく同国人に対しても同じで、常に反対派を弾劾してやまない(韓国では地域主義の伝統が残っており、互いに反発しあっている)。

 こうした恨(ハン)の伝統がある限り、韓国大統領は晩節を全うできないのはいたし方がないことで、政争が激化しこれからも大統領の逮捕が繰り返されると思っておくのが妥当だろう。

 

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