« (21.4.6) 疲労感 | トップページ | (21.4.8) 斎藤さんがブロガーになった »

(21.4.7) 金正日の瀬戸際外交 長距離弾道ミサイル発射実験

Images6  北朝鮮人工衛星と主張し、世界長距離弾道ミサイルと思っているテポドン2号改良型の実験は、人工衛星であれば大失敗、長距離弾道ミサイルであれば大成功に終わった。

 朝鮮中央通信は例によって「光明星2号(06年に失敗したテポドン2号も人工衛星と言っていたので、これが人工衛星の2号になる)を周回軌道に乗せることに成功した」と発表したが、アメリカの北米航空宇宙防衛司令部は1段目は日本海に落下し、残りは搭載物とともに太平洋に落下した。いかなる物体も周回軌道に乗っていない」とにべもない発表をした。

 北朝鮮は洗脳国家だから、存在しない人工衛星も「金正日総書記の一言」で存在しているように見えるのだろう。

 北朝鮮の朝鮮中央テレビのアナウンサーはいつものように絶叫して、北朝鮮の宇宙開発技術の高さをたたえていたが、日本を除いた各国の反応はさめたものだった。

 日本はアメリカとともに、北朝鮮の今回の行動は「弾道ミサイル計画に関する全ての活動停止を求めた安保理決議1718号」に違反するとして、直ちに国連安保理緊急会合を求め、より強固な制裁決議をもとめることとした。
しかし、中国とロシアの反対でそれも望み薄だ。

 中国は「人工衛星の打ち上げは制裁決議に違反しない」との立場だし、ロシアは「人工衛星か否かを確認してから」と実質的なサボタージュをするつもりだ。

 アメリカのオバマ大統領は「弾道ミサイル技術の開発と拡散は北東アジア地域や国際社会の平和と脅威を与えている」と怒って見せた。しかしアメリカの主要課題はアフガンイラクであり、北朝鮮問題は「中国に任せる」つもりだから、それ以上の対応をするつもりはない。

 韓国は本来もっと厳しく反応してもよさそうだが、今回のテポドン2号改良型の射程距離は約8000kmで、これはハワイアラスカを射程距離圏に置いた実験なので「韓国には直接関係がない」と思っている(対韓国用には射程距離500km程度のスカッド改良型ミサイルがすでに大量に配備されているので、いまさら騒いでも仕方がないとの態度)。
李明博大統領は日本に「過剰反応しないように」と教訓までたれる始末で、過剰反応をしているのは日本だけになってしまった。

 日本が過剰反応したのは、この長距離弾道ミサイルが日本の上空を飛んで太平洋に落下するからであり、あたかも日本を狙ったような実験だったからだが、今回の北朝鮮の意図は明らかに違う

 今回のテポドン2号改良型の実験は「アメリカにも届くぞ」というメッセージであり、実際にハワイアラスカが射程圏内に入ってきた。
8000kmもの射程距離を持つミサイルを保有している国は、ほかにアメリカ、ロシア、中国だけで、たしかに北朝鮮はミサイル大国と言える。
(なお対日本用のミサイルはノドンで射程距離約1300kmと言われており、北朝鮮はすでに約200基のノドンを保有している。対日本用として8000kmはいらない)。

 アメリカにとってはこしゃくな話だが、実際問題としてアメリカの安全が脅かされているとは露ほども思っていない。
核弾頭の数が少ないのと、小型化に成功しているか否か不明なことと、いざとなったらイラクと同様に一気に北朝鮮を叩き潰せると言う自信があるので、「アフガンとイラクが片付くまで自由にさせておこう」というのが本音だ。

 それをいいことに北朝鮮は好き勝手をしているのだが、北朝鮮の瀬戸際外交は相当危険に満ちている。通常の指導者であれば「国民を戦争に引き釣り込むことはすまい」と判断するのだが、北朝鮮には通常の国民と言う概念はなく、金正日とそれを支持する一派だけが国民だ

 北朝鮮の食糧問題は深刻だが、それでも(韓国の推定によると約300億の費用をかけて、テポドン2号改良型の開発を行なっている。通常の国家ならば食糧輸入が優先されるはずだが、金正日のミサイルの方がずっと大事だというのが北朝鮮だ。

俺だけは助けてくれ。そうしないとミサイルをぶっ放すぞ」子どものような脅しだが金正日の本心だ。

 金正日は昨年の8月に脳梗塞で倒れてから、めっきりやせてしまい判断力も鈍っていると言われているので、なにか朦朧とした頭脳で瀬戸際外交を繰り返しているように見える。

 通常の人はトラの尻尾など踏まないのだが、金正日は何度でも踏むので、本当にそのうちにアメリカが牙を剥きそうだ

 

 


  

|

« (21.4.6) 疲労感 | トップページ | (21.4.8) 斎藤さんがブロガーになった »

評論 世界 北朝鮮問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.4.6) 疲労感 | トップページ | (21.4.8) 斎藤さんがブロガーになった »