(21.4.4) 農業はトレンディ
私の娘は近くの農村地帯の元農家に嫁入りしたのだが、すっかり農業にはまってしまった。
嫁入り先は元農家ですでに農業はしていないが、家庭菜園をするには十分すぎるほどの敷地があり、ここでシイタケや野菜を栽培している。
娘が「おとうさん、これから私のことをしいたけマイスターと言ってね」と言いながら朝取れたしいたけを我が家に持ってきてくれる。
私はなによりしいたけが好きなので、「やれうれしや」とばかり食べているが、娘が元農家に嫁いでくれたおかげで、いろいろな旬の食べ物が入手できるようになった。
当初はサラリーマンの娘が農村地帯に嫁に行くのだから、古い風習や付き合いで苦労するかと心配したがまったく杞憂に終わった。
嫁ぎ先のお父さんやお母さんがとてもおおらかで、昔のイメージの嫁いびりなどとはまったく無縁なこともあるが、娘が農業好きなのも一因かもしれない。
「なんてたって自然が残っているのがいいわね」すっかり農村にはまっている。
今は義理の父親がしていたしいたけ栽培に乗り出して、あれやこれやと義理の父親を質問攻めにしているらしい。
「○○ちゃんに色々聞かれて、ワシも勉強しなおさなくてはならなくなった」義父さんの弁である。
毎朝しいたけの出来具合をチェックし、水が足らないと思えば水かけをしたりして、最近腰を痛めた義父さんのかわりをしているという。
また近くに住んでいる親戚のおばさんから野菜作りのノウハウを伝授されている。この人は農業のプロ中のプロと言っても良いくらい農作業がうまい。
「今度本格的に農業を教えてもらうことにしたの。なんてたって、○○おばさんから教わるのだから、私も本物よ」いたって元気がいい。
娘の本業はある中堅企業のホームページの担当者で、いわゆるWebデザイナーの仕事をしているのだが、このような時代の最先端の仕事と農業という古来からの仕事を苦もなくやり遂げてしまうのだから驚く。
「お父さん、これからは農業が一番なのよ。家でほとんどのものが作れるし、身体を動かすから丈夫になるのよ」腰をかがめた作業がきつくなくなってきたと言う。
実は私も娘が農家に嫁に行ったおかげで思わぬ楽しみが増えた。毎年梅の実の収穫と、栗の実の収穫と言う実に楽しい遊びができるのだ。
そこの梅園と栗園は、人出がなくなって採集する人がいなくなってしまった。それを知り合いだった義父さん一族が代わりに無料で収穫しているのだが、私も親戚の一員として参加させてもらえる。
「こりゃ、天国ではなかろうか」農作業のなかで収穫作業は最も楽しい。
農業そのものは決してお金が稼げる産業ではなく、近時後継者問題に悩まされている。
しかし、楽しみとして園芸レベルの農業をすると精神的にも肉体的にも、そして実務的にも実り豊かな作業だと言うことを娘を見て知った。
私もそのうちに娘に教えてもらいながら農作業をしたいものだと思っている。
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