« (21.4.24) 千葉市炎上 | トップページ | (21.4.26) 日本の金融危機の現状 »

(21.4.25) 米金融大手6社は上げ底景気 持続する金融危機

Images8  この22日までに米銀大手6社の09年1月~3月までの第一四半期決算数字が発表された。
これによると一社を除いて大幅な黒字転換であり、前期が6社中5社が赤字だったのとは正反対の好決算になった。

 バンカメルイス最高経営責任者(CEO)は、「歓迎すべき決算内容だ」とはしゃいだが、市場は正反対の反応を示し、バンカメの株価は24%安8.02ドルまで下落し、金融株を中心に全面安になってしまった。

 金融機関の決算が黒字転換したのだから、本来なら金融危機の収束を宣言してよさそうなものだが、市場がまったく評価しなかったのには理由があり、それは決算内容が上げ底だったからである。
上げ底とはあの観光地の土産によくある上げ底のことである。

 実はアメリカ政府はこの第一四半期から時価会計基準の大幅緩和を認めることにした。
かつて失われた90年代に「日本の金融機関が駄目なのは時価会計を採用していないからで、時価会計こそは国際標準だ」と言っていたのだが、今では掌を返したように「日本の会計基準のほうが正しかった」と言っているみたいだ。

 なにしろ緩和策がすさまじい。「金融市場で取引が成立しにくくなった証券化商品については、満期まで保有することを前提に、長期的な価格で算出してよい」と言うのだ。

 簡単に言えば「取得原価でもなんでもいいから高く評価しろ」と言っているわけで、これではかつての日本の会計基準にそっくりだから笑ってしまう。
おかげでそれまでほとんどゼロと評価されていた証券化商品がたちまち通常商品としてよみがえってしまった。

 たとえばシティグループ証券化商品に起因する損失が前期比8割減の22億ドルになったが、実際は何も改善されていないので従来方式だと約110億ドル22÷0.2=110の損失だったことが分かる。
上げ底は実に88億ドルだから、これで決算が黒字にならないほうがおかしい。

 シティ第一四半期純利益は16億ドルのプラスと発表されたが、従来どおりの会計基準を適用すると、▲72億ドル『16-(110-22)=72』で、前期の▲83億ドルとほとんど同じであることが分かる。
実際は何も変っていないのだ

 他の金融機関も従来方式で評価すると、証券化商品は100億ドル前後の損失だったから、経営内容の良いJPモルガン以外はやはり赤字決算であることに変りが無い。

 そして何より市場を驚かせたのはローンに対する貸倒引当金の増加で、バンカメをはじめ各金融機関は前年同期比2倍貸倒引当金の計上を余儀なくされていた。
まずい、決算内容がいいのは粉飾で、実際は大赤字でしかも融資内容は悪化している

 今までは証券化商品の損失が主体だったのに、今度は個人ローンやクレジットカード部門の融資が焦げ付きだした

 実際IMFが先日発表した損失額推計ではアメリカの金融機関の損失額は08年10月では140兆円と見積もられていたが、09年4月には270兆円とほぼ2倍に膨れ上がっている。
半年で損失額が倍増してしまった。

 現在、アメリカ政府は19社の金融機関の特別検査を行なっており、資産内容を厳格に査定した結果を5月4日にも発表するとしている。一部には16社が実質債務超過ではないかとのうわさが流れているほどだ。

 市場はこの結果を固唾を飲んで見守っているが、この第一四半期の上げ底決算を見ると、公的資金の投入が必要な金融機関が増加することは間違いなさそうだ。

 金融危機はいまだ収束していないと言える

 

 

 

 

 

 

|

« (21.4.24) 千葉市炎上 | トップページ | (21.4.26) 日本の金融危機の現状 »

評論 世界 アメリカ経済」カテゴリの記事

コメント

「金融危機は収束していない」、同感です。今回の時価会計制度の緩和措置はまやかしです。BIS規制の基準を割り込まないよう、ご都合で評価方法を一部変更したのですから。実際、「貸し渋り」「貸し剥がし」が減ることにはならない。決算を変更前で期間比較すれば損益状況はすぐ判ること。そして株価に反映することは自明の理。今は公的資金の注入にどう対処するか苦慮している頃でしょう。高額報酬は維持したいでしょうから?。
フレディマック(GSE)のCFOが自殺したようだ。深刻な状況はまだ続きます。日本はアメリカの道連れから逃げおおせるか?。

投稿: G爺 | 2009年4月25日 (土) 12時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.4.24) 千葉市炎上 | トップページ | (21.4.26) 日本の金融危機の現状 »