(21.4.13) 聴力の衰えが限界を越えつつある
困ったものだ。私の聴力の衰えが、とうとう限界を越えつつある。最近は会話をしていてもまともに話を理解することが難しくなり、返事もヤマ勘でせざる得ない。
「はは、そうですね」なんて答えているが本当は何のことだか分からないことが多い。
それでもよく知った人との会話ではその人のバックボーンを理解しているし、話の筋が読めるからあまり問題はないのだが、始めての人や会議での席の聞き取りには全神経を集中しても難しくなってきた。
たとえば会議でレジュメやレポートがあれば、それを読めばいいから問題ないのだが、そうした準備がされず、口頭だけで説明されると途方にくれる。
「君は何か言っているが、私は聞こえないのだから何も言ってないのと同じだ」居直りたくなる。
よく会議の議長が、「次の会議は○○日の××時にします」なんて口頭だけで言うことがあるが、そうした日時のメモはほとんどできない。
最も私は引退した年金生活者で、重要人物でないから日常生活では余り問題は発生しなかったし、せいぜい天候の話をしていれば済んでいた。
ところが信じられないことに最近は会議に呼ばれることが多くなり、私が質問を受ける立場になってきた。大ピンチだ。
隣に誰かいれば「あの人は何と言ったのですか」と聞くことができるが、そうでない場合は何回も聞きなおしたりしてわずらわしいことこの上ない。
思えば私が36歳の若さで右の耳の聴力を失ったのは、真珠腫性中耳炎のためだった。
元々は大学の水泳部に所属していた時に中耳炎にかかったのだが、その後の手当てを放って置いたために、通常の中耳炎が慢性中耳炎になり、そして最後は悪性の真珠腫性中耳炎にまでなってしまった。
真珠腫はそのまま放って置くと、脳の一部を圧迫して死に至る大変危険な病気である。幸いに手術は成功したが、右の耳の聴力は極端に低下し、しかも年をとるに従ってほとんど聞こえなくなってきた。
残った左の耳でもっぱら聞くことになったが、こちらも軽い中耳炎を患っており、最近は左の耳の聴力も極端に悪くなってきた。
「まずい、両方聞こえなくなったらどうしよう」
現状はテレビでもNHKのアナウンサーの声以外はまともに聞くことができず、特にドラマなんかは、ささやく場面は何を言っているのかさっぱり分からない。
思い余って日本語のテロップを出すようにしたが、映画のように話とテロップが合っている場合はいいが、ニュースの場合はテロップが遅れて出てくるので、なんとも話がしまらない。
次の画面の時に前の画面の説明を見ているのは思いのほかいやなものだ。
62歳でこんなに聴力が衰えるとは思わなかった。そのうちベートーベンのようになってしまいそうだ。
私だけがひどい状態なのかと思っていたら、先日歌謡番組を見ていたら、歌手の五木ひろしや森進一が補聴器をつけていることに気付いた。
「そうか、耳が聞こえなくなるのは私だけじゃないんだ」
なんとなく慰められたが、だからといって状況が改善するわけでもない。
注)私は補聴器だと思ってみていましたが、Yさんからこれはモニターでほとんどの歌手が何らかの方法で使用しているとの指摘を受けました。
この記事のコメントに詳しく載っていますので参照してください。
人間こうして一つ一つ機能を失い、最後は神様のお迎えを受け容れることになるのだろうと達観してみたが、日常生活の不自由さはそろそろ限界を越えそうだ。
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コメント
はじめまして、66歳になる突発性難聴+左耳鳴りに悩まされている者です。
小生はちょうど50歳の時に出勤間際に「猛烈なめまいと耳鳴り」が襲い、
部屋中がグルグル回転するのを、必死に止めようと手足を突っ張っておりました。
1分くらい経過したでしょうか、耳鳴りが残りましたが、めまいは治まり、仕事に
出かけました。(これが、やばかったんですねぇ~直ぐに医者に行かなくては・・・)
翌日、休みを取り病院に行くと、突発性難聴いよるメニエール症だと診断され、
直る見込みは50%以下だと言われました。トホホ・・・
それから16年間なんとか社会生活を続け、退職しましたが聴力は落ちてきており
ます。
補聴器は現役時分は着けておりましたが、耳鳴りのする左耳は何の効果も無いので
使っておりません。
投稿: 杉ちゃん | 2016年6月21日 (火) 09時14分
「難聴の歌手」で、たどり着きました。66歳の老齢難聴&耳鳴りの、おじんです。
発病したのが、54歳でしたので、定年まで不自由しましたです。
補聴器も試しましたが、中低域のみ減衰しているので、全域を増幅する補聴器
では、高域が頭が割れるような音量に止めました。(最近バンド別増幅する物も
発売されてますが、超高価です)
今は年金受給者ですので、生耳で生活してますが、現役の方は辛いでしょうね
先日も井上順さんの難聴対策が載ってましたが、仕事柄補聴器のご厄介になる
そうです。
投稿: 杉ちゃん | 2016年6月10日 (金) 14時21分
いま、NHK歌謡コンサートの生放送をみています。今回も森進一さんは両耳に装置を装着しています。あれはモニターだ、という指摘もありましたが、総合的に状況判断をすれば、やはり補聴器ではないか、と思えます。見ていて痛々しいです。
投稿: はぴ | 2010年5月11日 (火) 20時45分
すみません、一部回答が抜けていました。
ご覧になった番組で、イヤーモニターを付けていないように見える歌手もいたのだと思われますが、その歌手が、目立たないタイプのモニターをつけていたのか、足元のモニターを利用していたのかは、わかりません。
投稿: Y | 2010年1月 6日 (水) 20時11分
こんにちは。
説明が足りずすみません。
モニターは、従来から歌手の足元などにありましたが、最近はワイヤレスのイヤータイプが普及しているようです。
装着しているのは演歌歌手だけでなく、また、モニターからは、観客に聞かせたくない外部からの指示なども
聞くことができます。
ぶしつけにコメントを投稿しすみませんでした。
(山崎)よく分かりました。記事に訂正文を入れておきます。
投稿: Y | 2010年1月 6日 (水) 19時59分
五木ひろしや森進一など、歌手が付けてるのは補聴器じゃないです。
バンド演奏の音をタイムラグ無く聞こえるようにするためのモニターを、
耳に付けられるようにしたものです。
(山崎)情報ありがとうございます。もう少し教えてほしいのですが、他の歌手はこうしたモニターを必要としないのに、五木さんや森さんが必要としているのはなぜでしょうか?
また今まで必要としなかったモニターをなぜ、今は必要になったのでしょうか?
投稿: Y | 2010年1月 5日 (火) 20時36分
補聴器をいくつか試用しても合わなかったのでしょうか?
最初の1~2日はキンキンしたりして聞きづらいかもしれませんが、慣れます。
聞こえないことでストレスを抱えると余計に聴力の低下を招きかねないので、早めに医者と専門家に相談を。
会議では、ホワイトボードで要点整理してもらうのが簡単でお勧めです。
「テロップを出した」は、厳密にはデジタル波テレビで「字幕放送を表示した」かな。
ニュース番組は生中継なので時差が出るのは仕方ないのですが、これは放送局が映像・音声を数秒遅らせて送出するようにすれば良さそうなものなんですけどねえ。
それでも10年前の何も無かった頃と較べると進歩したものです。
(山崎) 補聴器は何回か使用しています。どうしてもなじめませんでした。これについてはまたブログに記載します。
投稿: 横田 | 2009年4月14日 (火) 01時54分