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(21.3.9) 金正日総書記の偽札作り  高精度偽1万円札が現れた

Ca64zlqucasc2sszca0rgttoca5stxwscab  北朝鮮偽札技術は世界でも最高水準なのだが、とうとう「偽札が最も作りづらい」言われてきた日本の紙幣印刷技術に追いついてきたらしい。
5日の毎日新聞に掲載された記事によるとフィリッピンのマニラで、「過去にない高精度の偽札」が発見されたという。

 日本では偽札対策として04年に「E1万円券」という紙幣を発行したが、ここにはホログラム角度を変えると10000が浮かび上がってくる)やマイクロ文字(コピー機では再現できないほど小さな文字)、特殊発行インキが使用されており、当局の説明では「絶対に偽造が不可能」というふれこみだった。

 しかし今回マニラで見つかった偽札は、ホログラムマイクロ文字もあり、ATMでも通過する可能性があるというほど精巧だという。

 この2月18日に、国連薬物犯罪事務所UNODC)のコスタ事務局長が「北朝鮮が外貨獲得のために偽札製造、偽タバコ製造を行なっている」と警告してから半月余りで、スーパー・ノートに匹敵する偽1万円札が表れたことになる。

従来日本円の偽札が少なかったのは技術的に難しかったからで、それよりはるかに容易なドル中国元ユーロが北朝鮮のターゲットになっていた。それがなぜ日本円にシフトしてきたかは理由がありそうだ。

 過去において北朝鮮の偽札は主として100ドル札だったが、米政府の金融・経済制裁(中国銀行マカオ支店の北朝鮮口座が凍結されて金正日総書記の隠し金が使用できなくなった)が厳しかったので、それ以降は米ドルの偽札作りは消極的になったようだ。
まずい、世界中の隠し金が使用できなくなる

 以降はもっぱら中国元ユーロがターゲットだったが、中国元については中国から「中国元の偽札を作ると経済援助を停止する」とねじ込まれて中止したようだ(ユーロは北朝鮮との関連があまりないので利用価値が少ないと思われる)。

仕方ない、ドルもだめ、中国元もだめなら技術的には難しいが、日本円に挑戦してみよう金正日総書記の指示の元、北朝鮮の技術者が奮い立ったのだろう。

 北朝鮮が何でもありの国なのは世界が知悉しているのだが、偽札作りに本格的に取り組み始めたのは理由がある。

 当初はもっぱら覚せい剤の密輸で荒稼ぎしていたのだが、日本に対する覚せい剤の密輸がばれて日本の沿岸警備が強化されたのと(覚せい剤の袋が海岸に漂着して大騒ぎになった)、中国経由の覚せい剤の密輸は中国政府が徹底的に取り締まったからである。
覚せい剤は取締りがきつすぎてダメだ。偽札にシフトしよう」ということになった。
2002年には麻薬取引を事実上中止したと国連薬物犯罪事務所が報告している。

 北朝鮮の技術者は実に熱心に偽札作りに取り組んでいるらしく、スーパー・ノートと言われた偽100ドル札はほとんど本物と見分けがつかないと言うぐらいレベルが高い。

 ただし偽札作りにも弱点があって、この紙幣を流通させるのがことのほか難しいらしい。
たとえば偽100ドルを流通させるためには、各国の北朝鮮外交官運び屋に仕立てるのだが、98年ロシアのウラジオストックで北朝鮮大使館員が3万ドルの偽札を持っていたのが発覚してつかまってしまった(他にタイでも同じような事件があり、各国の警察は北朝鮮大使館員を運び屋としてマークしている)。

 そのようにして危険を冒して偽札を運び出しても、北朝鮮大使館が支払いをする時に100ドル札で受け取る業者はほとんどいない。
北朝鮮の100ドルは偽札だから受け取るな」世の中の常識になっている。

 しかたなく大使館員が使用したりすると偽札使用の現行犯でその国の官憲に捕まってしまう。
だから偽札の使用は思いのほか難しいのが実情のようだ。

 しかし今回の偽1万円札は日本円スーパー・ノートと言われるぐらい精巧だそうだから、日本以外の国で出回っている可能性が高い。
北朝鮮に抗議しても「わが国を貶める妄言だ」という反論しか帰ってこないから、日本の紙幣製造技術をもう一段高めて、北朝鮮技術者との競争に打ち勝つ以外対応策はない。

 

 

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