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(21.3.20) 強欲資本主義とオバマ大統領の戦い

Images1 強欲資本主義オバマ大統領との戦いが続いているが、初戦は明らかにオバマ大統領負けだ
なにしろ、バンカメに吸収合併されたメリルリンチには、救済合併以前に36億ドル(約3500億円)のボーナスを食い逃げされ、公的資金100億ドルの36%がネコババされた。

 メリルリンチだけかと思ってたら今度はAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が1億6500万ドル(約158億円)のボーナスをこの3月13日に支給した。AIGに対しては1800億ドル(約17兆円)の公的資金が投入されている。

政府がいくらでも金を出してくれるから、みんなで山分けしよう
1億円以上のボーナスを73名に支給し、最高額は約6億円だと言う。

 さすがにこれには議会が頭に来てAIGリディ最高経営責任者(CEO)公聴会でつるし上げた。
もちろんリディCEOも負けてはいない。
経営再建のため有能な人材を引き留めるための措置」だと反論した。もっともボーナスをもらった途端に11人がトンズラした。

 議員から賞与リストを出せとせまられたが、「そんなことをすると社員の安全が守られないからダメだ」と拒否した。当然賞与リストの一人にリディCEOも含まれているのだろう。

 一方クオモ ニューヨーク州司法長官(公的資金投入を受けた金融機関の報酬問題の調査責任者によると「賞与が支払われたのは、いづれも損失をかかえ、会社を破綻寸前に追い込んだ部門に所属する職員ばかり」だそうだ。いわゆる金融部門の幹部と言うことになる。

AIGを倒産に追い込んでおいて、有能な職員はないだろう」と議員に噛み付かれて、再びリディCEOは居直った。
経営危機が表面化する前に契約で決まっており、15日までに支給しなければ訴訟を起こされる可能性がある
勿論訴訟を起こす一人にリディCEOも含まれる。

 どこまで話し合いをしても埒が空かないので、とうとうオバマ大統領が切れてしまった。
納税者に対する背信行為だ。あらゆる法的な手段で阻止するようガイトナー財務長官に指示した。

 もっともそのガイトナー財務長官はひどいポカをやっている。3月10日にはAIGがボーナスの支給をする(支給日は3月13日)ことを報告されながら何ら対応をとらなかった。
FRBはもっとひどく、3ヶ月も前に担当者がボーナスの支給計画の会合に出席していた。
ガイトナー財務長官もバーナンキFRB議長も同意していたではないか」とリディCEOに反論されて立場をなくした。
ガイトナー財務長官バーナンキ議長は議会でこの不始末を説明しなくてはならなくなった。

 財務長官FRB議長もまったく無能さを露呈してしまったので、最後は議会が動いた。
公的資金を受けた企業が過度のボーナスを支払った場合、司法長官に返済を求める権限を付与する法案」を可決した。

 しかしこれだけでは相手が返さないと言えば裁判になってしまう。そこでさらに「一定額の年収を越える幹部社員のボーナスに90%の特別税を課す法案」を下院で採決することにした。
しかし一度支払ったボーナスを取り戻すのは至難の業だろう。
すでに金融機関への返済に充てました」なんていわれたらどうするのだろうか。

 政府がもたもたしていたら、今度はファニーメイフレディマックAIGをまねて経営幹部に5000万円のボーナスを支払うのだと言う。
いづれも10兆円規模の優先株購入枠が設定されていて、公的資金が投入されている先だ。

 アメリカでは投資銀行も保険会社も住宅公庫も公的資金で幹部職員にボーナスの大盤ぶるまいだ
公的資金だろうがなんだろうが、一旦入った金はみんなで山分けだ。さっさとボーナスをもらってトンズラしようぜ

 どうやらリディCEOのいう有能な職員とは「税金のネコババが得意」な職員のことを言うらしい。
それに比較して日本の経営者のきまじめさはどうだろうか。
不祥事には全員で頭を下げ、アメリカの幹部職員からみればスズメの涙ほどののボーナスでさえ返上すると言う健気さだ。

 グラスリー共和党筆頭理事がしみじみと言っている。
AIGの幹部が日本の例にならって米国民に謝罪した上で辞任するか自殺するかしたら、私の感情も若干改善する

 しかしアメリカの強欲資本主義の戦士達はこんなことで自殺するようなヤワではなく、すきあらば公的資金をネコババする機会を狙っている。
金融工学でだまして世界から金を集めた。今度は政府をだまして金を強奪しよう

 これがあれほど誉めそやされたアメリカの輝ける市場万能主義の戦士の実態なのだ。日本でもひところアメリカに倣って「規制を排除してすべてを市場に任せよう」と主張する人が幅を利かせていたが、抵抗勢力のおかげですんでのところで踏みとどまった。

 すでにフランスドイツはアメリカのグローバリズムと手を切った。日本は相変わらずアメリカに付き合おうとしているが、この戦略の賞味期限も切れそうになってきた。

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

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