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(21.2.28) 御園生さんの「のうみそジュニア・ランニングクラブ」

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(御園生さんの「のうみそジュニア・ランニングクラブ」)

 私が今回提案しているマラソン教室のイメージに、非常に参考になるランニングクラブがある。
以下に述べる「のうみそジュニア・ランニングクラブ」がそれで、御園生(みそのう)さんと言う方が主催しているこのクラブは、とてもユニークなクラブだ。
なお「のうみそ」は御園生さんの愛称である。

 小学生と中学生を対象としたクラブで、埼玉県の戸田市にある。目の前に荒川の河川敷と土手があり、そこで多くのランナーがJOGを楽しんでいる環境に恵まれた場所だ。

 部員は現在84名で、7年前に設立された。きっかけは御園生さんが自分の子供を走らせていたら、一緒に走る仲間が少しずつ増えていったからだと記憶している。
それまでは御園生さんはもっぱら大人を相手の長距離RUN呼びかけ人だった。

 今では埼玉県のジュニアの記録を次々に塗り替えているほどの強豪クラブだが、設立の目的はただ速く走ることを目的としていない。
それよりも「ランニングを通して素晴らしい人間になろう」と言うことを目的としている。

 こうしたクラブはしばしば崇高な理念を掲げ、その実はもっぱら記録狙いだったりするが、御園生さんのクラブは正真正銘人間形成のクラブ」である。

 私はしばしば御園生さんが企画するロングラン(トランスエゾ1100km、中仙道ジャーニーラン、東京湾一周180km等)に出場したが、大人に対しても自立と責任を実に厳しく求められた。

 この長距離RUNでは、基本的にサポートはなく、すべて必要なものは背中に背負って走らされる。何があっても自己責任御園生さんの立場は「呼びかけ人」で「主催者」とは言わない。
自分の責任で決められた距離(トランスエゾでは一日約80km)を走れ。走れない場合は公共の乗り物で目的地までたどり着くこと」が基本だ。競技でよくある収容車はない。

 また、公共心に反することは強く戒められ、特に途中で飲んだ飲料水の缶を道端に捨てようものなら大目玉で、すぐにレースを止めさせられてしまうような剣幕だった。

 宿に着くと本当はすぐに寝たいのだが許されず、必ずその日の反省と翌日のコースの説明があり、どちらかと言うと精神修養の場のようだった。

 明らかに御園生さんは「ランニングは人生の修養の場」と認識しており、ジュニア・ランニングクラブを立ち上げた時も同じ思想に立っていた。

 このジュニア・ランイングクラブではクラブの方針と決まりがありそれは以下のようなものになっている。

クラブの方針
☆ ランニングクラブを通して素晴らしい人間になろう!
 
クラブの決まり
① 自分の事は自分でやろう。(自立心・じりつしん)
② 自分を絶対にあきらめない事。(挑戦・ちょうせん)
③ 感謝の気持ちを持ちなさい。(思いやり・チームワーク)
④ 礼儀正しい言葉使い・行動を身に付けよう。(社会性・しゃかいせい


 そうして今年で7年目になるが、クラブはますます発展しており、人間形成もRUNの実力もNO1のクラブに育っている。

 どうだろうか? 私もおゆみ野の地にマラソン教室を開くに当たってそうした社会性があり、自立心が育つジュニアランナーの育成をしたいと思っている。

 マラソン教室の生徒だと言うだけで、この街の住民からしたわれ愛されるような児童を育ててみたいものだ。

 こうした取り組みに多くのランナーや親御さんたちの賛同を得られると嬉しいのだが。



なお、「のうみそジュニア・ランニングクラブ」のホームページは以下の通り
http://www.ne.jp/asahi/no-miso/jrc/junior/index.html

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(21.2.27) 為替相場を読むのは難しい  円安局面を見て

Images6  為替相場の先行きを読むことほど難しいことはないとつくづく思ってしまった。最近の円安傾向についてである。
つい最近まで90円前後で張り付いたままだったのに、今日(26日)は97円台になっており、ますます円安が進みそうだ。

 私は長期的には円高になり、本年度中にも70円台になると予想しているのだが、目先の動きはまったく反対だ。

 理由は二つ有って、日本経済のファンダメンタルズに対する疑念と、政局の不安定さに対する疑念だ
ひところまで相対的に一番ましなのは日本経済といわれていたが、今はアメリカ経済になってしまった。

 08年10月~12月実質経済成長率年率で12.7%減少したこと、および昨今の貿易統計が4ヶ月連続で赤字であり、特に1月が約1兆円の貿易赤字になったことが世界を驚かせてしまった。

 しかし、これだけでは円安がここまで急速に進む要因にはならない。たとえGDPが大幅に収縮し、貿易赤字が膨らんでも、アメリカのようにシティバンクが国有化されそうになり、GMクライスラーが倒産前夜になるほど実体経済が悪化しているわけではない。

 日本が売られている最大の原因麻生首相とその閣僚による不必要な舌禍である
なにしろここ1ヶ月余りの麻生内閣の舌禍はひどかった。
麻生首相は「私は(郵政)民営化に賛成ではなかった。・・・みんな勘違いをしているが、私は担当大臣ではなかった。反対だと分かってたので外された。担当は竹中(平蔵郵政民営化担当大臣)さんだったと、是非記憶して(ほしい)。濡れ衣をかぶせられると、俺もはなはだ面白くないから」と言ったのである。

 これを聞いた麻生内閣閣僚は次々とふんどしの紐を緩めてしまった。
これなら何を言っても、してもよさそうだ
中川昭一前財務・金融担当大臣G7のもっとも大事な席で、酒によってろれつが回らなくなるし、甘利行革担当相は麻生総理を無視して「内閣改造を大胆なものにするのは一つの選択肢」と言い出すし、ついに謹厳実直な与謝野馨大臣までが「(麻生首相の)発言は落第だが、政権が続く限り支える」と言い出してしまった。
いわば麻生内閣はテンヤワンヤの大騒ぎだ。

 こうした閣僚の発言は世界の目からは「麻生内閣がすでにその統制力を失い、大事な金融危機に対する法案一つ通せなくなったのではないか」と映る。

経済の悪化速度は世界最速なのに、政治の金融危機対応は世界最遅か」政府の信用が地に落ちた。
一方オバマ政権は景気対策を次々に打っており、政治的には信頼感が抜群だ。

 これで円安にならなかったらおかしい。おそらく円安は100円をかなり越えてしまうだろう
なにしろ為替相場は悪いもの同士の比較なのだから、アメリカやヨーロッパとて自慢できる状態になくとも、日本政府よりははるかにましだと市場は判断している。

 予算案が通り政局が安定してくれば再び円高に移るはずだが、それまでは円安局面だろう。
それにしても麻生内閣はもう少ししっかりしてもらわないと世界の物笑いの種になってしまう。
沈黙は金」と言う言葉を閣僚全員で復唱した方がいい。


亀ゴン、大変だ。予想に反してひどい円安になってきた
先生の予想は円高ですから、予想は大外れですね

うん、これほどまで麻生内閣が失態を繰り返すとは思わなかった。各国の政権運営の中で最低の水準と見られている
為替は経済のファンダメンタルズと政権の実行力との掛け算のようなものですから、実行力がマイナスではどうしようもないですね

そうだね、長期的にはオバマ政権は数百兆円の国債発行に追い込まれてドル安になるはずだが、当面は麻生内閣のレイムダックの要因が大きいから円安になりそうだ
先生は為替ディーラーでなくて良かったですね。ディーラーだったらすぐに担当を首にされますよ。『お前は相場を読む目がない』なんて

本当だ。今頃は大損してボスから怒鳴り散らされているところだった

 

 

 

 

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(21.2.26) マラソン教室ができないか

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四季の道のとてもガーデニングが美しいOさんのお宅

 2月15日の四季の道駅伝が終わってから、すでに10日がたった。実に時間の経過は早いものだ。半年余りも駅伝の事が気がかりで、そのことばかり考えていた頃が懐かしい。

 今はなんとなく目の前の目的が消失したあとの空白期間のような状態になっている。家にいても何か手持ち無沙汰だ。
実は前から駅伝の指導や実際の競技のサポートをしながら、子供達のマラソン教室ができないかと考えていた。

 有吉小学校で依頼されて短期のマラソン教室を開いたがそれも良い思い出だ。
有吉小学校の前の道をJOGしていると「あっ、山崎先生だ」なんて呼ばれることがあるが、何か嬉しい。

 この地域には野球やサッカーやバスケットボールのようなクラブがあり、それぞれ積極的に活動しているが、その中に常設のマラソン教室もあってよいのではないかと考えるようになった。

 幸い四季の道やその周辺に運動場があって、コースはどのようにも設定できて環境的には問題がない。
マラソン指導者も今回の駅伝大会に協力してくれた多くのランナーがいるので協力してくれる人もいそうだ。

 マラソンは必ずしも楽しいスポーツとは言えず、かなり努力をしないと本当の面白みが分からない。一般にマラソンランナーが高齢なのはそのためであり、子供達にとって喜んで取り掛かるスポーツでないだけに、指導者はぜひとも必要だ。
注意深い指導が必要で、そうでないとすぐにいやになってしまうし、また怪我に泣く。

 対象は小学校高学年から、中学生程度までがよく、練習日は当初は週に1回程度、時間は2時間程度が適切と思っている。
もっぱら基礎的な練習を主体に行なうが、目的がないと練習がいやになるので、おゆみ野駅伝や近在で催される駅伝(青葉の森や長柄町の駅伝)あたりに参加することも視野に入れたほうがいいかもしれない。

 子供達が集まってくれるかやや心配な面はあるが、当初は5名程度集まれば上出来ではなかろうか。指導者も3名程度集まる必要はありそうだ。
私の知っているランニングクラブに御園生さん(私がよく参加したトランスエゾの主催者がしているクラブが有るが、ここは中学の女生徒が中心で、埼玉県の陸上界をたちまちのうちに席巻していた。

 良い指導をすれば子供達の能力はすぐに開花するからとても楽しい取り組みになる。
子供達が将来の日本のランナーになったり、そうでなくてもマラソン好きの子どもたちが生まれると嬉しいと思っている。

 

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(21.2.25) 年金試算は正しいか (いかさまの構図)

Image0  私のような年金生活者にとっては、将来の年金がどうなるかについては余り興味がない。それよりも年金額がすでに確定している以上、あとはインフレデフレかだけがもっとも大事な判断材料で、インフレならば困窮化が進み、デフレならば生活が向上するだけである。

 しかし現役のサラリーマンのように将来年金を受給する人たちにとって、いくら年金がもらえるかは最重要課題の一つだろう。

 今回厚生労働省の年金部会が実施した年金試算では、04年度に行なった年金改正措置が、当時政府が約束した「100年先まで現役労働者の平均手取りの50%を確保」できるか否かの試算を実施して「将来にわたり50%の確保は可能」との結論を出した。

 これは5年ごとに財政状況を検証する「財政検証」として実施したものである。

 最近は一寸先が闇の時代なのだが100年先まで見通して、しかも「50%可能」との結論を出しているのには、心底驚いてしまった。
どうやって100年先まで読めるのだろうか」興味津々で「財政検証」の詳細を見てみた。

 すると再びビックリしてしまった。信じられないような数字が並んでいたからだ。

① 合計特殊出生率 1.26
② 実質経済成長率  0.8%
③ 名目運用利回り  4.1%(10年代半ばまでは1%台だが20年以降は4.1%が可能)
④ 名目賃金伸び率  2.5%

 この中には同意できる数字とまったく同意できない数字が並んでいる。

 合計特殊出生率1.2605年の実績数字で大体妥当な数字である(2.08が人口を維持する数字だが、1.26は将来的に人口が減ることを意味している)。

② 実質経済成長率0.8%はここ20年近くの日本の実績数字にほぼ近い。日本の成長率はこの程度だろう。

 問題は名目運用利回りで、2010年代半ばまでは1%台はともかく、2020年以降4.1%と言うのはありえない
最近の運用利回りの推移を見ると、04年 2.73%、05年 6.83%、06年 3.10%、07年 ▲3.53%で、過去7年間の平均利回りは2.26%だった。08年はさらに利回りが激減しているはずだ。

 しかも今回の試算では運用利回りを、04年度の試算3.2%から4.1%にあげている。金融バブルの時期でさえ3.2%だったのに、そのバブルがはじけたら運用利回りが4.1%にUPすると言うのだ。

 バブル期でさえ、4.1%以上の利回りは05年の6.8%だけで、あとはいづれもそれより低い。今後は金融バブルがないと仮定すると、せいぜい国債の運用利回り上回る2%程度が妥当な数字ではなかろうか。

 このように運用利回りを思いっきり高く設定したのが今回の年金計算のミソで、そうしないと将来50%の年金が確保されないからである
高速道路や新空港の建設時に将来予測を思いっきり高く設定するが、それとまったく同じ手法だ。

 今回の年金試算は将来可能な運用利回りのほぼ2倍の利回りで計算し50%可能としたのだが、実際の給付水準は現行の62.3%37.7%前後になるはずだ62.3%-50%=12.3%。運用利回りが半減すればこの2倍は給付水準は減少するはずだから、50%-12.3%=37.7%
私が試算するとこうなり、とても50%を維持することはできない

 また名目賃金伸び率も不思議な数字で、01年以降まったく伸びていないのだが、毎年2.5%伸びると言う数字の根拠がわからない。将来にわたって名目賃金も増えないと仮定した方がよさそうだ。

 これも数字のマジックで、もし名目賃金が増えなければ、給付割合が減ると将来もらえる年金額は減少する。
これでは現役のサラリーマン等が納得しないから、名目賃金を上げてせめて年金額の数字だけでも増やそうとしたのだろう。

 
 今回の年金試算ははっきり言っていかさまである。ありえない運用利回りを想定して国民を安心させようとしているだけだ。しかしそんなことはありえないのだから「50%なんてまったく不可能です」と言うべきなのだが、単に政治的配慮で言えないだけだ。

 

 



 

 

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(21.2.24) 竹中平蔵氏とリチャード・クー氏の論争 構造改革か財政出動か

Images1_2   元経済財政担当相の竹中平蔵氏と野村総合研究所主席研究員リチャード・クー氏との間で実に興味深い論争が毎日新聞闘論(21.2.1)紙面上で行なわれた。

 それは一言で言って「日本の失われた10年は失敗だったのか、成功だったのか」という議論である。

 勿論一般的な評価は「失敗だった」と言うことで、竹中平蔵氏はその急先鋒である。
財政拡大は需要落ち込みに対する一時的な時間つなぎの手段なのに、・・・不況脱出に不可欠な銀行の不良債権処理や経済構造改革を進めず、・・・・公共事業中心に時間稼ぎだけをやっていたため、財政にとんでもない借金だけが残った」と散々だ。

 それに対しリチャード・クー氏は「90年代のバブル崩壊後、不動産価格はピーク時から9割近く下がった。・・・(それなのに)90年以降GDPは縮小していない。それを可能にしたのが大規模な公共投資だ」と擁護する。

何もしなかったらもっと悲惨な結果になったのだから平均して1%程度の成長をしたのだから上出来ではないか」と言っているわけだ。

 当初はクー氏の論説はほとんど無視された。クー氏は典型的なケインズ主義者だが、ケインズ経済学はすでに過去の経済学とみなされていたからだ。
竹中氏の言う「構造改革こそが規制ばかり多い日本の経済構造を打ち破り、グローバリゼーションの波に打ち勝てる唯一の方法」と思われていた。
アメリカへならえ」と言うことだ。

 しかし、ここに来て状況が一変してしまった。日本・アメリカ・西欧がこぞって低金利政策をとり、政策金利がほぼ0%近くまでなったのに、まったく経済が好転しないので、各国は一斉に財政出動に動き出した。
ほれ見ろ、金融政策を諦めて財政出動に政策転換したじゃないか。オバマ政権は72兆円規模だ。これは90年代の日本と同じじゃないか(日本は失われた10年間に約140兆円の財政出動をした」とクー氏は言う。

企業も家庭も紐を締めて金を使わないなら、あとは政府がその需給ギャップを埋める必要がある。恐慌時にはケインズ政策が有効だ
さらにクー氏は鼻息があがって「戦争なしで恐慌を回避したのは日本だけの快挙だ」とも言う。

日本は世界に先駆けて恐慌を経験したが、それを財政出動で乗り切った。この経験を今世界が真似ている。日本の経験は世界の模範だ。だから失われた10年は成功経験なのだ」と言う評価なのだ。

 考え込んでしまった。つい最近までマネタリスト構造改革派竹中氏の天下だったが、リーマン・ブラザーズの倒産以降すっかり世界が変わってしまった。
今はケインジアンリチャード・クー氏の天下だ。

 クー氏によれば需給ギャップに相当する金額だけ財政出動が必要と言う。現在の日本の需給ギャップは約20兆円だと政府が発表しており、一方これに対する麻生政権が予定している財政出動は約12兆円なのだからまだ8兆円も足らない。
しかも放っておくと、この需給ギャップはますます拡大していく。

 だからとクー氏は言う。「赤字国債を発行してすぐさま10兆円規模の(内容は問わない)公共投資をすべきだ

 一方劣勢の竹中氏は「基本は構造改革だが、止む終えず財政出動をするならば、将来の日本のためになる羽田空港拡張のような投資にすべき」と条件闘争に変更した。

 今回の経験で分かったことは、経済理論もそのときの状況によって正しかったり正しくなかったりすると言うことのようだ。
私など最近まで「経済理論は正しいか正しくないかのどちらかだ」と思っていたが、浅はかだった。

 経済が不況になり需給ギャップが現れてくるとケインズ経済学の時代になり、反対に経済が加熱している時はマネタリストの時代になると言うことのようだ。

 経済政策論議はそのときの経済状況によって左右されると言うことが分かっただけでもいい経験をしたと思っている。

 

 

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(21.2.23) 米中同盟が始まった その2

Im20090221as2m2102u21022009131  クリントン国務長官のアジア歴訪は大成功に終わったようだ。日本に対しては最初の訪問国とオバマ大統領に会う最初の外国首脳と言う名誉を与えたが、これはリップサービスの類で、本来の目的は「米中間の二国間関係」を築くことが今回歴訪の最大の目的だった。

 なにしろクリントン国務長官は大統領予備選挙中に「21世紀の安全保障と機会」と言う論文で「米中関係はもっとも重要な二国間関係で、・・・(米中との間で)北東アジアでの安全保障体制を確立しよう」と言った人である。

 クリントン夫妻の中国好きはつとに有名であり、あまりに中国との癒着が激しいので、オバマ大統領はヒラリー・クリントン氏を国務長官に指名するにあたり、ビル・クリントン氏の慈善団体が毎年50億円程度集めている資金提供先の開示を求めたほどだ。

 今回の共同宣言クリントン長官は「米中両国が協力して世界経済の復興を先導すると信じるに足る理由がある」と言い切ったが、これはリップサービスでなく本音である。
世界経済はこれからは(日本やユーロ圏ではなく)米中2国間で決めていこう」

 クリントン長官は今回、① 経済対話、② 政治・安全保障対話、③ 気候変動の協力関係、について閣僚級の対話をすることを共同声明で発表したが、その心は「中国問題はすべてクリントン国務長官が取り仕切る」と言うものだった。
ブッシュ政権時代は経済対話は財務長官の専決事項だったし、安全保障についてはアメリカの台湾への武器輸出以降途絶えたままだった。

 アメリカにとって中国がいかにに重要なパートナーかは、なにより① 貿易の最大の相手国同士であり、かつ② アメリカ国債の最大の購入国が中国であること、から来ている。

 ブッシュ政権オバマ政権の最大の相違は、ブッシュ政権がウォール街の代弁者だったのに対し、オバマ政権がボーイングやウェスチングハウスやGMのような産業資本の代弁者だということだ。

 クリントン長官の使命はジャンボ機や原子力発電設備や自動車を中国に売り込み、さらに貿易赤字分に相当するアメリカ国債を中国に購入してもらうことにある。

 一時ガイトナー財務長官が「オバマ大統領は中国が為替操作をしていると信じている」と言って中国の元安政策を非難したが、クリントン長官は勿論そうした非難は一切しなかった。
国債さえ購入してくれれば何とも言わないわ

 実はアメリカにとってもっとも緊急の課題は年間100兆円とも言われる国債発行をどのようにさばくかにかっている。
もっとも良いのは中国や日本が購入してくれることで、これなら貿易赤字を国債で回収していることになる。

 反対にもっとも問題なのは購入先が無くなってFRBが引き受けることで、これはFRBがドル札を印刷していることと同じだから、限度を越えるとハイパーインフレーションにつながる。
かつての戦後の日本や、第一世界大戦後のドイツのようなイメージだ。

 ドルがハイパーインフレーションになれば誰もドルを保有しなくなり、その時点でアメリカの世紀は終わってしまう
日本と違って中国は気に入らなければアメリカ国債を売却してしまうから、そうさせないために「もっとも重要な二国間関係」を築かなければならない。それがクリントン長官の使命と言うことだ。

 だがしかし中国とて便利なアメリカの財布になるつもりは毛頭ない。
原子力潜水艦や航空母艦を整備し、大陸間弾道弾の精度を上げているのは日本に代わり中国がアジアでの覇権国家になるためである。
それまではアメリカを怒らせるわけに行かない。クリントンには十分媚薬をかがしてある。中米関係は万全だ

 はたしてこの同床異夢の米中関係はうまく機能するだろうか。全ては中国経済の発展にかかっているようだ。中国が中国政府の発表のように毎年8%の経済成長をとげれば、中国は気前よくアメリカ国債を購入してくれるだろう。

 しかし中国経済が単なるアメリカの影に過ぎなければ、アメリカと中国は共倒れの関係になってしまい、中国経済は停滞しアメリカ国債を購入する余裕など無くなる。
その時はクリントン長官の米中同盟は一夜の夢に終わってしまうだろう。

 はたしてどうなるだろうか。私は後者の確率が高いと思っているが、それは09年度の中国経済が回答を出してくれるだろう。

本件と関連する記事は以下のとおり
米中同盟の始り ヒラリー・クリントン氏の国務長官就任


 

 

 

 

 

 

 

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(21.2.21) 今日は雨だ

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早咲きの桜。緑区役所の近

 朝起きてみると雨が降っていた。私は毎日7時に家を出て約2時間程度四季の道を清掃している。正直言うと最近は身体がとても疲れていて休みたかったのでほっとしてしまった。

主よ、今日は氷雨が降っております。ロドリゴは風邪気味なので今日の清掃活動を取りやめることをお許しください
コタツに入って寝ていたら、何か一日中眠ってしまいそうだ。ディスクにためておいたNHKの「金融危機シリーズ」を見ていたのだが、たちまちのうちに目が閉じて気付いたら終わってしまっていた。

 そんなことをしていたら友達のYさんが手作りのパンを持って来てくれるとかみさんが言う。
我が家はとても貧しく食事もまともに食べられないのだが、それを知っているYさんが時々パンを届けてくれるのだ。
Yさんはこのあたりでは「ありの街のマリア」といわれ、貧しい人々のためにパンを分け与えてくれる。

ロドリゴ様が骨と皮のようになって、四季の道を清掃してくださっているのがおいたわしいのですYさんは観音様のようにふくよかだ。
私はお礼に私のあばら骨でバッハの「飢餓線上のアリア」を演奏して謝した。

 久しぶりの食事にほっと一息を付き、ようやく元気になったので先日来気になっていた夏の道公園噴水の落書きを消しに行った。
この落書きは数週間前から有ったのだが、飢餓状態で身体に力が入らなかったので、そのままにしておいたものだ。

 実は落書き消しは相当の力が要る。剥離剤を使ってたわしのようなもので思いっきりこすらないと落ちない。今回は落書きされてから数週間たっていたので、ペンキが固着してしまいなかなか落ちなかった。
剥離剤でこすっては水を流す作業を繰り返すのだが、寒いと身体中が冷えて風邪を引きそうになる。

 完全に消し去ることはできなかったが、これ以上するとまた風邪がぶり返しそうだったので引き上げることにした。

 この落書き以外に最近はダンボールがやたらと落ちている。ダンボールは傾斜のある坂で草そりに子供達が使用するのだが、使った後はそのまま残されている。

 できるだけ片付けるようにしているが、ダンボールを回収するとすぐに45Lのゴミ袋がいっぱいになってしまうので、後で別途片付けることにしている。
先日秋の道公園に目一杯ダンボールが落ちていたのだが、私が片付ける前にやはりクリーンクラブのメンバーのF姉さんが片付けてくれた。

 F姉さんはこのあたりの公園を定期的にチェックしてくれており、特に悪がきのたまり場を見つけては補導センターに連絡してくれる。
また放置自転車を見つけるとすぐに警察に連絡する等とても熱心に地域のために働いている人だ。

 しかし今日はいい日だった。久しぶりに食事にありつけたし、気になっていた落書きも消すことができた。
主よ、主の恵みのおかげで、ロドリゴはこうして一日過ごすことができました。心から感謝いたします

 消去した落書きの写真を掲載します。なお本件は緑公園緑地事務所に報告しておきました。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/21220?authkey=MkFc7lm3GsE#

 

 

 

 

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(21.2.20) GMワゴナー会長の瀬戸際政策

Ca5w0sl2ca2npc3lca2l1v59ca7p7ffocad  2月17日GMクライスラーはアメリカ政府に経営再建計画書を提出したが、内容は「経営破綻を避けるためには追加支援が必要だ」と政府を脅す瀬戸際政策だった。

 確かにそれなりのリストラ策はあって、たとえばGMは従業員47,000人(全体で約25万人の従業員がいる)の削減や、現行ブランドを8から4に削減したり、47工場を33工場まで削減するとしている。

 この内容を放送したNHKの放送を見ていたら、どこかの研究所のコメンテーターが「リストラ計画は評価できる」言っていたが、私には何が評価できるのかさっぱり分からなかった。

 私が評価しない理由は、販売台数が約半減している現状から従業員も工場も半減しなければならないと思われるが、そのようなリストラ策にはなっていないこと、従って更なる追加リストラにせまられること

 および何よりアメリカ政府が求めた、 無担保債務の3分の2の株式への交換と、 退職者向け医療費の資金負担の半減に答えていないからだ。

 上記の①②は昨年12月にGMに対し134億ドルの公的資金投入時の条件であったはずだ。

 GMは全体で約600億ドル(5兆5千億円)相当の債務があるが、このうち無担保債務主として金融機関からの借)は275億ドルであり、このうち180億ドル相当を株式に変換することを政府から求められた。

 しかしこの案は金融機関としてもおいそれと応じるわけには行かない。なにしろGMの株式は2ドル前後まで落ちており、ほとんど紙くず同然なのだから「それよりも、何でもいいから早く返済してくれ」と言うのが偽らざる気持ちだ。
3分の2なんてとんでもない。せいぜい2分の1が限度です」と金融機関が条件闘争を始めた。

 また退職者向け医療費のGM負担は200億ドルなのだが、これを100億ドルに減らし、さらにそれを株式で支払うことを求められているが、これはUAW(全米自動車労組)がうんと言わない。
労働協約の期限の11年度までは応じるわけにはいかない」と強行姿勢だ。

 債権者ともUAWとも話し合いもうまくいかないが、GMはさらに「166億ドルないと3月末で倒産する」とアメリカ政府を脅した。

 このようにGMの経営者も、労働組合も、債権者もあゆみよろうとしないのは「オバマ政権はGMを絶対に潰さない」と読んでいるからだ。
泣きつけば必ず政府は金を出す。12月だって出したじゃないか。3月も同じさ」

 GMのワゴナー会長は「リストラの姿勢を一応見せさえすれば、たとえ債権者とUAWとの話し合いがうまくいかなくても、政府はしぶしぶ金を出す」と読んでいる。

 UAWは「オバマ政権はその基盤である労働者を路頭に迷わすようなことは無く、退職者医療費を削除するようなことは無い」と期待している

 金融機関は「もし、GMが債権を踏み倒すようなことがあれば、金融支援法の枠内で公的資金の注入が必要だ」と泣きつくつもりだ。

 だから3者とも政府の支援を当てにして妥協しようとしない。
政府から金を引き出そう。それが一番だ」3者は裏で連合している。

 これに対しオバマ政権はどのように対処するだろうか。対応策は2つしかない。

 GMやクライスラーの要求に従って新たな公的資金を投入する。ただし、この場合は半永久的に公的資金をつぎ込むことになる(GMの場合は4ヶ月で300億ドルだから、年間では1200億ドル。これが景気回復まで続く

連邦破産法11条を適用して一旦GMをつぶす。これにより債権者の600億ドル、医療費の200億ドル、株式の全額を踏み倒すことができる。労働者も工場も半減してGMは再生できるただしワゴナー会長はそれにかわって1000億ドルの資金が必要になるという

 政府も頭が痛いだろう。を採用すれば半永久的に公的資金をつぎ込まねばならず、②を採用すればリーマン・ブラザーズの二の舞だ。

 私の予想は3月末対応として政府はGMの要求に応じて公的資金をつぎ込むが、最終的には連邦破産法11条の適用で、それまでの債権債務を一旦綺麗にしてから、会社の再生を図ると言うものだ。

 政権発足後、すぐにリーマン・ブラザーズのような大騒ぎになってはオバマ政権の支持率はブッシュ政権と同じになってしまう。
第一オバマ政権の一枚看板は雇用創出なのに、GM(クライスラーも)を潰せばどれだけ雇用が失われるか分からない。

 政府は泣く泣く公的資金を投入し続けるが、それでも最後は「もう、お父さんはお前の面倒はみれない」と勘当せざる得なくなるだろう。
その時までワゴナー会長の瀬戸際政策は続くはずだ。

 

 

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(21.2.19) 自民党政権の幕末 中川氏切腹

20090218k0000m010147000p_size51  自民党政権が幕末を迎えていたことはすでに福田政権の時から明白であり、麻生政権は当初選挙管理内閣にすぎないと思われていた。
その麻生政権が思いのほか長期に持っているのは、金融危機という神風が吹いたからである。

 麻生首相は「この金融危機に対処するために、総選挙などやって政治の空白をもたらすことはできない。100年に1度の危機なのだ」と言って、公明党の解散戦術を阻止した。

 麻生政権が存続するための二つのキーポイントがある。
一つは「金融危機がこのまま継続し、予算案が成立しなければ日本が沈没すると脅せること」、もう一つは「公明党が連立を守り、自民党に反逆者が出ず、3分の2の再可決で法律を通すことができること」である。

 この2つが絶対的条件なのだが、信じられないことに麻生首相は自分のよって立つ基盤を見失うことが多い。
先の予算委員会で、「自分は郵政民営化に反対だった」と公言し、小泉元首相の逆鱗に触れた。
小泉元首相は「自分は定額給付金関連法案を3分の2で再可決してまで通す重要な法案だと思っていない」と麻生政権アキレス腱をついた。
俺と同志が反対に回れば何一つ法律は通らないぞ

 この問題がようやく下火になってきたら、今度は中川財務・金融担当相G7での泥酔会見問題が浮上し、予算案の担当大臣が辞任に追い込まれてしまった。

 このG7の失態は、海外のメディアからは酷評されている。特に日本に対する辛口の論評で知られる、英フィナンシャル・タイムズは「中川氏がローマの記者会見で見せた失態は、世界第2の経済大国日本の無力ぶりを暗示した」と散々だ。

 中川氏は昔で言えば大蔵大臣で、麻生政権の一枚看板「金融危機対応」の総元締めだ。これでは麻生政権が何のために存続しているのか分からなくなってしまう。
もっとも重要な大臣ポストにもっとも無能な大臣を任命していいのだろうか」誰もがそう思う。

 実は中川氏の酒豪ぶりはつとに有名であったそうで、酔って閣議に出席したり、飲みすぎで会議に遅刻する常習犯だったと言う。
1月28日に衆院本会議の財政演説で26箇所の読み違いをしたのだが、これも前日に深酒をしていたからだと言われている。
はっきり言ってしまえば「アル中」なのだ。

 今回も記者会見前に同行の女性記者等を集めて飲食を行なっていたことが判明している。ここで「ワインを少し飲んだ」と釈明しているが、記者会見の映像を見た人がそれを信じるとはとても思われない。

 私も男だから分かるが、女性がいるとつい調子がハイになってしまう。しかも相手は教養と美貌を兼ね備えた超一流の女性記者たちだから、中川氏もワインを手放すことができなかったのだろう。
しかし、これは歴史的失態だった。

 なぜなら現状はG7やG20をいくら開催しても、09年度の経済は20世紀の大恐慌以来の落ち込みをすることは間違いないからだ。
そのときの原因の一つに中川氏泥酔問題が使用される。

09年度の世界経済が失速した原因の一つに主要経済国の足並みの乱れがあった。特に世界第2位の経済大国日本は、中川大臣をG7に派遣したが、まったく世界的協調体制に熱意を示さなかった。
中川氏はただ酒を飲み議論にはあくびをし、日本がこの金融恐慌にまったく感心がないことを身を持って示した。
こうして21世紀の大恐慌は始まったのである

だから歴史的失態なのだ。

 それにしても不可解なのは財務省の担当者が、こうした酩酊大臣を記者会見に送り出した気持ちである。
大蔵省を財務省と金融庁に分割された意趣返しなのだろうか。それとも担当者が単に無能だっただけだろうか。

 いづれにしてもこれで麻生政権で総選挙を行なう目がなくなった。このまま総選挙に突入すれば小沢民主党に3分の2以上の議席を取られ、自民党は永遠に政権党から排除される。

 自民党に残された道は予算案が成立した後で麻生首相を更迭し、唯一無傷で残っている与謝野馨経済財政担当相を首相にしたあと、すぐに総選挙を行なうことぐらいしかない。
与謝野政権も時間が経つにつれてボロが出るから、大事なことは即総選挙を行うことだ。
これで過半数割れはあっても、地滑り的な敗北は免れるから、場合によったら連立政権の目も残される。

 それにしても中川氏の失態はひどかった。昔で言ったら間違いなく切腹ものだ。
せっかくオバマ政権クリントン国務長官を真っ先に日本に派遣し、日米同盟がもっとも大事な「二国間同盟」だと、麻生政権を支えようとしたのに、麻生政権は自らの失態で崩壊しようとしている。

 

 

 

 

 

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(21.2.18) 安息日

 今日(17日)は安息日にすることにした。何かかなり疲労がたまっている感じだ。定年退職してほぼ2年半たち、いつも「毎日が日曜日」なのだが、意外と大変なのだ。

 現役の頃は土日になるとマラソンの試合に出たり、映画を見に行っていた。まとまった休みが取れたときなどは登山や旅行に行っていたのだが、そうした生活のリズムがまったくなくなってしまった。

毎日が日曜日」と言うことは、「毎日が出勤日」のようなものだ。
私は毎日することが決まっていて、朝2時間の清掃活動、昼2時間のJOG、その他の時間帯にほぼ2時間のブログ作成をしている。

 これが基本的なルーチィンワークで、よほどのことがない限りこのパターンを崩すことはない。清掃活動は気象条件と身体が問題なければ休むことはない。

 ブログ作成も毎日行なっており、最近は評論を多く書くようになってから準備の時間がやたらとかかるようになってきた。新聞の切り抜きとインターネットでのチェックが必須で、私が主として取り上げている金融恐慌の記事は必ず目を通している。
時に本格的な本も読んでおかなくてはならないので、何かどこかの経済研究所の研究員みたいになってきた。

 最近はこれに加えて小学校でパソコンや国語を教えている。特別講師なのだから時間が限られているのだが、頼まれればボランティアで教えるので相応の時間が必要だ。

 また、先日までは四季の道駅伝の実行委員の一人だったので、「子供達に怪我をさせないような走路設定と管理」に毎日頭を使っていた。
そうだ、やはりあの場所のピーナツ石は取って、ベニアでふさがないとまずいな」なんて感じだ。

 それにしばらく前まではかみさんが足の骨を折っていたので主夫業をしていた。
あっ、時間がない。早く帰らないと、お食事が作れないわ」シンデレラの境地だ。

 何か昔東映映画でやっていた片岡千恵蔵主演の「七つの顔を持つ男」みたいになってきた。
ある時は清掃員、ある時はランナー、ある時はブロガー、ある時は経済評論家、ある時は教師、ある時は走路ボランティア、ある時はかみさん、しかしその実態は単なるおじいさん、ウワハハハ」なんて笑っていられなくなってきた。

 そんなこともあってすっかりくたびれてしまった。特にここ2週間ほど風邪の菌が身体に入ったため、夜中に咳き込んで喉が痛いことこの上ない。

 やはり、人間には安息日が必要なのだ。1週間に1日は手抜きの日を作ろう。
ブログは軽く流して、清掃活動も休んで映画にでもいく日にしよう。伸びすぎたゴムは戻らないのだから、私が1日くらい休んでも許してもらえるだろう。

「主よ、このロドリゴに安息日をお与えくださいまし。このままでは主をたたえる賛美歌も忘れてしまいそうです
すまぬな、ロドリゴ。天国も不況で厳しいので休みも与えず働かせてしまって・・・  経済が立ち直ったらサンチャゴ巡礼を許すので、それまで我慢しておくれ

 

 

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(21.2.17) 国内消費拡大のために頭をしぼろう

20090216k0000e020022000p_size51   今日(16日)のトップニュースは、08年10~12月期実質GDPが年率換算で12.7%の減少だったと言う記事だ。35年ぶりの2桁減で、輸出だけに限れば戦後最大の下落だと言う。
この下落率は金融危機の震源地アメリカの▲3.8%、ドイツの▲8.2%と比較しても突出していて、日本が主要経済国の中で最悪の数字になったと危機感を募らせている。

 しかしとても不思議なことに、為替レートは何の反応もしない。通常これだけ日本の実態経済が失速しているのだから、ドル高になりそうなものだがそうならない。
今日(16日)は91円後半とひところよりややドル高ではあるが、やはり90円前後に張り付いたままだ

 かつて120円前後だったドルが急激に90円近くまで円高になったときに言われた説明はもっぱら円キャリー取引の解消説だった。
円が低金利で安かったので、ヘッジファンド等が円を調達して外貨で運用していた。ところが昨今のようにどこの国も低金利政策を採るようになれば、メリットがなくなり円を返済し、そのため円高になる」と言うのである。

 この説明では円キャリーの解消が一巡すれば、経済実態を反映して再び円安になると言われていたが、実際は90円前後に張り付いたまま動かない
ならば、日本の経済実態はアメリカやヨーロッパより良いのか」と言うことになる。

 トヨタやキャノン等の輸出産業の苦境を目の辺りにすると、日本の実体経済がお世辞にもいいとはいいがたいが、しかし世界の市場の目は円は買いだという。

 たしかに自動車産業一つをとっても、アメリカではGMクライスラーが今にも倒産しそうで、政府の公的資金でかろうじて生きながらえているが、日本では赤字とはいえトヨタホンダは独り立ちしている。

 投資銀行についてもアメリカの5大投資銀行は倒産するか吸収合併されるか、普通銀行に転換してすべて消えてしまった。
今残っている独立系の投資銀行は野村HDだけになった。

 商業銀行はまだアメリカでも命脈を保っているが、シティグループバンカメもやはり公的資金の投入によってだから、日本のメガバンクのほうがマシだ。

 通貨の価値は所詮相対的なものだから、日本よりアメリカの経済実態がわるければ当然円高になる。
だが悪いもの同士で比較しあって心を慰めても、何の意味もないことも確かだ。
貴方は末期がんだけど、私は初期がんだから良かったわ」と言っているのと同じだ。

 日本の輸出産業が壊滅的な打撃を受けていることは確かで、これは全世界的に需要がなくなっているからだ。
当面世界のGDPが増加するとは期待できない。

 外国にものを売ってGDPをあげることは不可能なのだから、ここは国内消費を向上させる以外には手はない。だが、国内消費を拡大するのも大変なのだ。

 かつて何回も国内消費の拡大が叫ばれたが、実際はことごとく失敗した。なにしろ輸出が好調のときに国内消費拡大をいくら叫んでも誰も本気になるはずがない。
世界中が日本の商品を欲しがっているのに、売らない訳には行かないじゃないか」

 しかし今回、日本経済にとって始めて日本商品に対する需要がなくなってきた。
輸出産業がほぼ壊滅状態になり、国内消費の拡大を本気で取り組まなくてはならなくなってきた。

 問題はどのように拡大するかだ。自民党道路族は好機とばかりに道路建設を拡大しようとするが、この経済効果はほとんどゼロだ。
なにしろ自動車の交通量は毎年減少しており、さらにこれだけ自動車が売れなければ今後も劇的に減少する。
北海道の僻地の舗装道路は熊が遊んでいると揶揄されている。

 しかし黙っていれば自民党道路族の餌食になってしまうので、ここは各人が自分の街の公共事業は何が適切か考えて提案するよい機会だ。

 私の提案はここおゆみ野の街並みを世界で一番美しい街並みに改造するプロジェクトを立ち上げることだ。
私は毎日おゆみ野の四季の道を清掃したり、落書きを消したり、壊れたベンチを直してもらうように依頼したりしているが、それだけでは目的は達成しない。

 最も問題なのは、駅の周辺を除いて電線の地中化がなされていないことだと思う。私の家の窓からも複雑に入り組んだ何本もの電線がぐるぐる捲きになっている。これではおゆみ野の街並みがお世辞にも美しいとは言いがたい。

 もともと電線の地中化対策は日本ではほとんど進展しておらず、日本全体で2%程度の地中化率になっている。

 毎年2000億程度の費用でちょぼちょぼと実施しているのが現状で、これを最終的に100%にしてしまおうと言うのが私の提案だ。
費用は道路特定財源に相当する約6兆円規模にしよう。
これでも今までの30倍のスピードで地中化が進展する。

 これは私の提案だが、各人が自分が住んでいる街の効果的な提案を出し合って、何とか国内消費を拡大する方法を考えなければいけない。単に嘆いていたり政府に文句を言うだけでなく、提案合戦をする方がはるかに生産的だ。

 

 
 

 

 

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(21.2.16) おゆみ野四季の道駅伝大会が終わった

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 半年近くも準備してきた駅伝大会が終わった。準備の期間が長かっただけに何かあっという間に終わったと言う感じだ。
小学校3年生以上の児童(全員で380名)が10分間隔でスタートするのだから、目の前をランナーが通り過ぎるのはほぼ30分程度で通過していく。

 このコースの難所で自動車道と交差している通称ガタガタ道で交通整理をしていたKさんが「こんなにすぐに終わらないで、一日中やっていたいわね」と言っていたが、私も同じ気持ちだった。
なごり惜しいのだ。

 思えば立て看板を設置したり、自動車道との交差点の鎖や警告板をはずしてもらったり、道路面にテープを貼って走路を確定したり、コーンの設置を依頼していたりしたら、またたくまに時間が過ぎていった。

 当初はこんなに大変になるとは思わなかったので、軽く引き受けたのだが準備が具体化するに従って気になることが次々に出てくるものだ。

 しかし今日は本当に良かった。天候に恵まれ2月としては信じられないような暖かさだった。おかげで子供達は寒さに震えないで済んだ。
実に多くの住民がこの駅伝のために参加してくれた。400名以上になったはずだ。

 私も知り合いのランナーの皆さんや、四季の道での友達に随分協力してもらった。
当初は「たとえ人が少なくても頑張らねば」なんて悲壮な決心をしていたが、開催日が近づくにつれてボランティアで参加してくださる方が増えて、信じられないようなサポート体制を作ることが出来た。

 今回は初めての駅伝だったが、本当に色々な経験をさせてもらった。事前の駅伝の練習会、危険な場所の指示の仕方、道路面の方向を示すテープの張り方、コーンの設置方法等とても経験になった。
たとえばテープの色は黄色が一番だなんてことは、やはりやってみて初めて分かるものだ。

 またおゆみ野ちはら台のランナーから随分協力してもらった。やはり駅伝のようなスポーツの祭典ではランナー経験がものを言う。テープでの指示マークの貼り方や、危険箇所のチェックなどは本当にお手の物で、すぐに片付いてしまう。
ランナー仲間は実にありがたい。

 来年もこのイベントが継続されるはずだが、今回の経験がものを言いそうだ。初めてのおゆみ野地区の駅伝大会が、こうして無事にまた成功裏に終わったことは、この運営に携わったものの一人として嬉しい。
けが人が出たらどうしょう」と随分心配したが、救急士の応援を得たり、コースをしっかり管理すれば大丈夫なことも分かった。

 実行委員長の緒方さんに「成功して良かったですね」と言いに行った時、緒方さんが感極まっていたのがよく分かった。実行委員長として随分心を砕いていたから、喜びがひとしおだったのだと思う。

 今回の大会を通しておゆみ野の街に住む多くの人と知り合いになった。今まではもっぱらランナーや道で会う人がほとんどだったが、社体とか育成とかの組織の人とも知り合いになった。
子供達からは「マラソン先生」と呼ばれる。

 とても疲れたけれど、今日は駅伝大会が成功裏に終わったことを喜ぼう。

 四季の道駅伝の写真は「四季の道駅伝ブログ」に掲載してあります。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/ekidenn/2009/02/21215.html

 

 

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(21.2.15) 投資銀行メリルリンチの強欲と大草原の小さな家 

Images1  メリルリンチ総額36億ドル(約3240億円)の闇ボーナス支給にアメリカ中が怒っている。

 ニューヨーク州のクオモ司法長官が米議会下院金融委員会への報告として明らかにしたことによると、メリルリンチがバンカメに救済合併された1月1日以前の昨年12月に、急遽総額36億ドルのボーナスを秘密裏に支払ったと言う。

 幹部には100万ドル(9千万円)、最高幹部には3000万ドル(2億7千万円)のボーナスと言うから半端ではない。
実はこのボーナス支給には多くの問題点がある。

 第一はメリルリンチが公的資金100億ドルを投入して政府が救済している先であること。従ってボーナスの36億ドルは公的資金100億ドルの一部が支払われたのと同じだということ

 第二は、本来のボーナス支払い時期は通常決算が確定した後の1月に支払っていたのに、12月に繰り上げて支払いをしたこと。しかもその時点で第4四半期決算(08年10月から12月)が▲153億ドルの赤字と推定されていたこと赤字だとボーナスは当然支払われない)。

 これはどう見てもバンカメに吸収合併される前に、社員全員でメリルリンチの資産を食い逃げしたもので、イメージで言えば落城前に城の有り金を持って兵士が逃げていってしまったようなものだ。

 これにはオバマ大統領ならずとも頭にくるだろう。
ウォール街の重役が、公的資金での救済を経ながらこうした高額のボーナスを受け取っていることに対して「恥ずべき行為で、かつ無責任」だと非難した。

 実は今までアメリカ国民やさらに言えば世界中の人々がメリルリンチのような投資銀行に一目も二目も置いていたのだ。
アメリカの優秀な学生は競って投資銀行に職を求め、数年で数億の年収を得ていた。

 最高級の住宅に住み、最高級の自動車を乗り回し、最高級のレストランで1本数百万円のワインを飲み、それでも金が余ってしまっていたのが、彼ら投資銀行の職員だったのだ。

しかし、それは当然だ。彼らは優秀で素晴らしい金融商品を世界中に売って、アメリカに富をもたらしえくれる」一般の人たちは尊敬と少しばかりの嫉妬を交えて彼らを認めていた。

 だが、しかし今回のメリルリンチを見て、投資銀行というものは事業に失敗すると、あとは平気で国民の財産を持ち逃げする最下層の人間だと言うことが知られてしまった。
あいつらは強盗と同じじゃないか。ろくでもないものを世界中に売りまくり挙句の果ては国有財産の横領か」。

 今アメリカ人は心の深いところで傷ついてしまった。それまで最も尊敬に値し、アメリカそのものと思っていた投資銀行がこそ泥だとしたら自分達は一体何を信じたらいいんだ。

 この喪失感はかつて日本が太平洋戦争で敗れた時、それまで持っていた軍人に対する尊敬の念が一気に崩れたのと似ている。
何を信じて生きればいいんだ

 オバマ大統領は「チェンジ」といい「アメリカ国民が苦しくとも全員で努力すれば明日が開かれる」説く。
深い意味で今アメリカは心の敗戦処理をしている。
強欲であるのが善だ」というアメリカと言う国のありようが根底から崩れてしまった後は、一体どう生きたらよいのか分からない。

 思えばアメリカが単に「強欲だけの国」になったのはソビエトロシアが崩壊し、日本がバブルで大コケにこけた時からだ。
競争者がいなくなった1990年代から今までの20年間、アメリカはウォール街そのものになってしまった。

 ウォール街を離れれば「大草原の小さな家」のような、貧しくともまじめな生き方もアメリカにはあるのだが、それは「恥ずべき行為で、かつ無責任」と思われてしまった。
なぜ、ぼろもうけの機会があるのに、そうしないんだ。『清く貧しく美しく』だと。馬鹿か

 私は
子供の頃「大草原の小さな家」や「シェーン」や「ララミー牧場」のようなアメリカをアメリカだと思っていた。
だが、それはすでに忘れられたアメリカだ

 強欲だけだったアメリカがかつてのアメリカを
思い出せるかどうかは私には分からない。しかし「チェンジ」がそうであってほしいものだと思っている。

 

 

 

 

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(21.2.14) 帽子 その2

21213_004_2   私は常時野球帽をかぶっている。ものによってはマラソンの専用帽だったりするが、いづれにしろ野球帽の類だ。

 一般にサラリーマンは帽子をかぶらないが、私は現役の頃も通勤時はいつも帽子をかぶり、背広の上にジャンパーを着ていた。ちょうどアメリカ大リーグの審判のような雰囲気だ。

 そうとまで帽子にこだわったのには訳がある。私の頭髪は極度に薄く特に頭頂部が剥げていて、離れてみるとローマ法王がかぶっている白い帽子のような感じになっている。

何とかならないものだろうかリアップフラバサイトのような育毛剤に望みを託し懸命に努力してきたが、こうした育毛剤は努力に比例した成果が出てこない。
せいぜい産毛が生えるくらいで、それも少し手入れを省くとたちまちのうちに抜けてしまう。

 私はよく登山やマラソンで数日間身体を酷使することが多いのだが、そうした時は数ヶ月かけてようやく生えてきた産毛が全滅する。
親父はマラソンするとまたはげるんだなあ」と言われる。

 もうすでに62歳になり、ハゲのことなど気にしなくてもよさそうだが、バランスが極度に悪いのだ。全体が年を取っていればハゲもぴったり落ち着くのだが、毎日のように運動をしてきたおかげで、顔や身体にほとんど脂肪が付いていない。
身体つきは筋肉質で一見すると40歳代に見える。

 だからハゲ隠しに帽子をかぶるとバランスがとれて、離すことができなくなってしまった。
四季の道で清掃活動をしていると「お仕事は何をしているのですか」と常時聞かれるが、「定年退職者です」と言うと驚かれる。
そうですか、早期退職をなされたんですね」なんて気を回す人までいるくらいだ。

 普段はまったくこれで問題がないのだが、最近は小学校でパソコンを教えたり、四季の道の駅伝で会議に出ることが多くなった。
この時は屋内なので、さすがに帽子を取ると一様に知り合いが腰を抜かす。
先日はおゆみ野の森で一緒に草刈をしているAさんが、私の頭を見て「なにか山崎さんの頭が亡くなっていた」とYさんに言ったらしい。

 Yさんはおおらかな人だから、そう言って笑っていた。私も勿論その場では大笑いしたが、後でトイレで泣いた。

 たまたま身体が若作りなため、こんなにもハゲで悩むとは思わなかった。

 作詞家の星野哲郎さんの「みだれ髪」をまねて「ハゲの歌」を作って自分を慰めることにした。

 髪のみだれに 手をやれば
 薄い毛だけが  風に舞う
 惜しや 恋しや  昔の頭
 なぜてわからぬ わずかな髪を
 指にからませ 涙をしぼる


この記事に関連する記事「帽子」は以下のとおりです。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/20226_c726.html

 

 

 

 

 

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(21.2.13) 石原東京都知事の最後の戦い  新銀行東京と東京オリンピック

300pxtokyo_metropolitan_goverment_b  石原東京都知事が晩節を全うできるか否かの最後の戦いをしている。
後門のトラ(新銀行東京)にもう少しでお尻を食われそうになって、石原都知事は東京オリンピック招致に自らの名誉の全てをかけているようだ。

 実はこの2月12日がIOCに対して開催計画書(立候補ファイル)を提出する期限で、ここに何とか国の支援を盛り込みたかったのだが、民主党の反対で国会決議を得ることができなかった。

 これで日本の国会が東京オリンピック招致に積極的でないことが分かってしまったので、石原都知事は完全に切れてしまった。
国会の決議をずらすと言うか。まあ、私には非常に不純な動きだと言う気がしてならないんですけど。・・・・どうも何ともね、民主党は何のつもりか知らないけれど、この問題を政局などの道具に使ってね・・・

 最も民主党の鳩山幹事長は「早く決議だけしてくれ』と。『しないなら民主党が悪』と。冗談じゃないですね。委員会に石原都知事にお出ましいただいて、新銀行東京の議論なども申し上げなければいけないと思っているわけですよ・・・」と反論した。

 東京オリンピック招致新銀行東京はまるでコインの裏表のような関係になってしまい、都知事にとって凶になるか吉になるかは開けてみないと分からなくなってきた。

 新銀行東京がすでに脳死状態であるのは誰の目にも明らかだが、死んでいないと主張しているのは石原都知事だけになっている。
野生の世界では死んだ小猿を母猿がまるで生きているように抱いて離さない光景があるが、それにそっくりだ。
母猿の場合は見る人に同情を誘うが、都知事の場合は嘲笑を誘っている。

 すでに08年3月の決算では1016億円の累積赤字を計上しピンチに陥ったが、都知事は都議会を脅して400億円の追加出資をえてようやく生きながらえさせた。
しかしその後元行員の融資資金の詐欺行為が表面化してしまい、昨年12月にはとうとう金融庁から業務改善命令を出されてしまった。
不正融資を防ぐ手段を明確にされたい

 その回答が1月26日に出されたが「新規融資先との取引開始時には上司が担当者と同行し、経営実態を把握するなどチェック体制を強化。内部監査機能を強化するため、今年度中に監査計画を策定する」のだという。

 この回答を見て、私は腰を抜かさんばかり驚いた。
それじゃ、今までは上司は会社を見たこともなく、内部監査役はいないか、いても何もしなかったのか
不正融資が発生しない方がおかしい。

 新銀行東京が全ての人(都知事を除いて)に見放されているという事例を探すのは易しい。

 たとえば昨年の11月、大田区では「産業プラザ」で緊急融資対策を開催し、新たな制度融資の申し込みを受け付け約1600件の融資につながったという。
この時新銀行東京もブーツを開設したが、ほとんど融資案件が成立しなかった。
今や、新銀行で借りれば経営が苦しいといっているようなもの」というのが理由で、とうとう中小企業からも見放されてしまった。

 また、石原都知事が盛んに模索している外資との提携も失敗続きだ。
外国の金融セクターと随分話をしてきたが、(金融危機で)向こうが思いがけなくこけた。・・・(しかし)回復してきている(金融セクター)もあるので、そことのパートナーシップを発表できれば、(新銀行東京の)信用も上がってくる」と都知事は釈明した。
もしこの言葉が本気なら都知事は「経済金融情勢をまったく理解していない」と言うのと同義語だ。

 もはや誰も助けてくれそうもないので、石原都知事は再び都議会を脅して新たな条例を通過させるのだと言う。
内容は「東京都と地域の金融機関が連携して実施する金融支援に関する条例案」といい、新銀行を含めた金融機関の融資が焦げ付いた場合、都が損失を補填する条例案だという。

 このため都は一般会計に300億円計上する予定だ。
新銀行よ、融資実績を作ってくれ。いくらなんでも融資がなくては銀行とはいえない。後は何とか都が面倒を見る」と言うことらしい。

 結局都知事は、新銀行東京があたかも生きているように見せかけ、その間に東京オリンピックの招致を成功させて、新銀行東京の責任問題をうやむやのうちに退任しようと言う腹積もりのようだ。

 はたして都知事のこの戦略が凶と出るか吉と出るか非常に興味がある。
オリンピックを招致した栄光の都知事か、新銀行東京と心中した無能な都知事かの分かれ道になってしまった。
一般情勢は都知事にとってかなり厳しいものだが、はたして都知事の粘り腰が発揮されるのだろうか。


新銀行東京に関する記事は、このブログのカテゴリー(評論「新銀行東京」)に時系列的に入っています。

 

 

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(21.2.12) 失敗した改革者は闇に葬られる 竹中平蔵氏と田沼意次

321085781  最近の麻生太郎首相の言説をみて、「失敗した改革者は闇に葬られる」ものだということをしみじみ感じた。
麻生首相は2月5日の衆院予算委員会で次のように言ったのだ。

私は(郵政)民営化に賛成ではなかった。・・・みんな勘違いをしているが、私は担当大臣ではなかった。反対だと分かってたので外された。担当は竹中(平蔵郵政民営化担当大臣)さんだったと、是非記憶して(ほしい)。濡れ衣をかぶせられると、俺もはなはだ面白くないから

 総理大臣としても、当時の小泉内閣の総務相としての立場からも信じられないような言説で、地位ある人の言葉とはとても思われないが、これは深い意味でそれまでの規制緩和路線に対する決別の言葉とも言える。

 当時郵政民営化は「郵便事業を国営から民営化し、その資金をアメリカの投資銀行やヘッジファンドに解放する」意図が明確にあったから、今思えばあきらかに行き過ぎた改革だったが、当時はほとんどの国民が支持していたものだ。

 小泉郵政選挙で国民は自民党と公明党をあわせて3分の2以上の議席を与え、竹中氏の民営化路線は絶頂期にあった。
そして郵政だけでなく日本の金融機関をアメリカ張りの投資銀行に脱皮させることが竹中氏が目指した規制緩和路線の総仕上げであったはずだ。

 あれから4年経ち、すっかりグローバリゼーションの陰が薄くなった。アメリカの投資銀行はすべて消え去り、竹中平蔵氏は今や金融恐慌の犯人の一人になりつつある。

 これと同じことが、18世紀の後半約30年に渡って幕政を取り仕切ってきた田沼意次(おきつぐ)にも起こった。田沼意次老中兼側用人と言う幕政史上最高の権力者に上り詰めた人物である。

 私はたまたま「逆説の日本史15」(近世改革編、井沢元彦著)を読んでいたときだけに、竹中平蔵氏田沼意次の類似点におもわず驚嘆してしまった。

失敗した改革者のたどる運命はいつも同じだなあ」後から徹底的に叩かれるのだ。

 田沼意次が行なった改革はちょうど鄧小平が中国で行なった改革と酷似している。鄧小平は「改革解放」と言ってそれまでの自給自足体制から、外国資本の導入による経済発展を目指したが、田沼意次農業国家から重商国家への変革と、海外貿易の拡大を目指していた。

 一言で言えば江戸幕府版規制緩和路線であり、農業より商業を重視して株仲間を公認し、そこらか冥加金と言う税金を取り立てたり、農業においても米作一辺倒から多角的農業経営を推奨していた。
それまでは納税者は農民だけだったから商人から税金を取り立てることは、織田政権や豊臣政権にならったわけだ。

 対外的にはオランダ貿易の拡大と将来的な開国、および蝦夷地の直接天領化(松前藩から取り上げて北海道の資源を幕府のものとする)、運河の掘削(印旛沼を経由して利根川と東京湾を結び新交通路を開く)や鉱山の新規開発、洋学の推奨と平賀源内の重用等、どれをみても進取的政策だらけだ。

 極めつけは通貨改革でそれまで江戸(金本位)大阪(銀本位)で異なっていた通貨を南リョウ二朱銀と言う通貨を発行して金銀比率を固定化することに成功した(これで江戸と大阪の為替問題が解決された。ユーロの導入のようなもの)。
この通貨発行には2割程度の出目(貨幣の増加)もあったので、実際はインフレ政策を採ったことになる。

 商業を重視し冥加金(登録免許税)と通貨膨張という二つの政策で幕府の財政は大いに向上し、政策は成功するかに見えた。

 しかしケチのつけ始めは1783年に起こった天明の大飢饉で、東北地方が壊滅してしまったことにある。
東北地方の死者は約200万人に及んだが、田沼意次はこれに対しほとんど有効な手を打たなかった。理由は西日本は被害がなく米を大阪で調達すれば問題ないと判断したからである。
必要があれば大阪で米を購入せよ

 しかし大阪の商人は田沼意次より抜け目がなかった。米価が上がると見て売り惜しみをし、米価を徹底的に吊り上げたため東北地方には(松平定信が治めていた白河藩を除き)餓死者が続出したからである。
その後は何をやってもうまくいかなかった。

 現代風に言うと市場に最大限の自由を保障すれば経済は発展すると思っていたが、投資銀行やヘッジファンドが暴走して金融恐慌に陥って次々に倒産しているアメリカと同じ状態だ。

 東北地方を中心に一揆、お膝もとの江戸では打ちこわしが続出し一気に田沼意次の評判は下がった。
商人には自由かってに米相場を上下させ、農業をないがしろにするからこうなる。規制緩和でなく規制強化が必要だ松平定信を中心とする反対派はその一点で結集した。
しかもこの規制緩和策(許認可権)を幕府の下級役人は自分達の役得と考え、商人の賄賂に応じて許認可を与えたので、モラルが急速に低下してしまった。
田沼の政治は賄賂の政治だ

 実際に田沼意次が失脚したのは田沼を重用してきた将軍家治の死去(1786年)よってだが、その2年後に70歳で死去している。

 その後の運命は老中首座で、単に清廉潔白だけがとりえだった松平定信から田沼政治は全否定された。意次の相良城は取り壊され東北の片田舎に押し込められてしまった。
意次の評価は松平定信によって「賄賂の帝王」と決め付けられたが、実際は竹中平蔵氏と同じ「挫折した改革者」に過ぎない。

 大田南畝が狂歌に歌っている「白河の(定信が白河藩主だった)水の清きに住みかねて 元の濁りの田沼恋しき」と言うのが妥当な評価だろう。

 

 

 

 

 

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(21.2.11) 音楽教室

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 今日(10日)から、ピアノを使用して我が家で音楽教室が始まった。
先生はK先生で、生徒は当面かみさんと、とてもカラオケが好きで音大を目指していた歌の上手なYさんのようだ。
かみさんから「パパさんもやったら。声はいいんだから」と誘われた。

 そうなのだ。私は若い頃から飛び切り声がいいと言われてきた。
声優になったらよかったのに」とか「電話の声がすてきね」と言われてきたが、ほとんどあの声優の若山弦蔵ばりの魅力的な声ではあったようだ。
しかし実際に会うと相手が声と実物のギャップに悩むらしい。
あのー、このひとが声の人!!!」

 歌と言えば若い頃はもっぱらイタリアのカンツォーネを歌っていた。
かえれソレントへ」とか「オー・ソレ・ミオ」とかいった類の歌だ。
ほとんどテノールに近い音域で歌えたし、声はばっちり出たのだが、なにしろ音程が不安定で、いつも大コケにこけてしまったのが惜しい。

 初めての支店勤務が長野市だったが、よく夜になると寮まで「かえれソレントへ」を歌いながら帰ったものだ。かなり遠くからも聞こえたらしく、同じ寮の奥さんによく「山崎さんは帰宅時間がすぐ分かりますね」と言われた。

 今思えば中学生から高校生にかけての時期に、その後音楽大学に進んだ友達に特訓を受けたのが効果があったようだ。その友達は私を特訓するのがすきらしく、私をピアノの前に立たせてとても不可能な音域を出すように指導した。
ほら、腹に力を入れて歌え

 おかげで信じられないような音域まで出せるようになったが、残念なことに音程のトレーニングはしてくれなかった。なにか人間はどこまで音が出せるのかのテストをしていたみたいだ。

 しかしその後はカンツォーネを歌うことは止めた。理由は風呂場でおもいっきり大きな声で歌っていたら、近所から「いいかげんにしろ、うるせいぞ」と言われたからだ。
今は絞るような声で演歌しか歌わない。かつての誰はばかることなくカンツォーネを歌っていた時代が懐かしい。

 しかし今日は華やかな雰囲気だった。居間でかみさんとYさん、それにたまたま野菜を届けてくれたMさんが歌っている。我が家が音楽教室になるとは夢にも思わなかった。

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(21.2.10) 世界の投資家はなぜディリバティブにだまされたのか (世界金融恐慌の原因)

 おそらく21世紀最大の謎の1つが「世界の投資家はなぜディリバティブにだまされたか」ということだと思う。
これは通常の精神の持ち主なら到底信じられないような話を、世界中の投資家が信じてしまったということで特出に値する謎といえる。

 考えても見てほしい。日本の定期預金が1%未満で、日本国債10年物が1~2%アメリカ国債10年物が3~4%の時に、絶対安全確実でしかも高利回り6~10%の金融商品などあるはずがない。

 絶対安全確実とは日本国債やアメリカ国債に対してつけられた言葉だが、安全なら当然低利回りだ。
ところが安全確実でかつ高利回りという相矛盾する言葉を二つも並べた金融商品が現れたのだから世界は驚いた。
そんなものがはたして存在するものだろうか

 全ては金融工学というマジックを使って作り出された金融商品だったが、一見しただけではまったく問題の所在が分からない。
なにしろムーディーズS&Pと言った格付け会社が最高級の格付けをつけて保証している商品なのだからケチのつけようがない。
信じられないが存在しているのだから確かだろう」まるでマルチ商法に引っかかった顧客のようなものだ。

 しかし今になってみると一つの実現性のない前提条件のもとに設計されていた事が分かる。
それは「不動産価格は未来永劫に上昇する。少なくともアメリカでは」という前提条件である。

 すでに不動産バブルを経験してきた日本人にとっては、そうした前提がありえないことを知っていたが、アメリカでは未来永劫上がると、全員で信じるふりをした。
住宅ローンで住宅を購入した消費者も、貸し付けた金融機関も、それを格付けした格付け会社もそして何よりアメリカ政府も信じるふりをした。
そうとでも考えない限りこの謎は解けない。

 サブプライムローンに火がついた日時を特定するのはかなり難しいのだが、一般的には07年8月フランスのBNPバリバ銀行が傘下の3つのファンドの解約を凍結した時から始まるといわれている。
バリバショックといわれるこの事件は当初は何が起こっていたのか一般にはまったく理解されなかったが、実はサブプライムローンを含んだ証券が転売できなくなっていたのだ。
住宅価格が低下し始め、次々にデフォルトが発生したからだ。

 それまで世界各地でこのサブプライムローンを含んだ証券化商品は引っ張りだこだった。日本ではCDO後述する)といわれたこの証券を慶応大学駒沢大学等の学校法人が競って購入していた。

 ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、リーマン・ブラザーズの美しくかつ知的な女性がこの商品を学校法人、宗教法人、医療法人等のお金持ちの団体に大体次のように言って販売していた。

このCDOは安全確実で、しかも高利回りです。日本の国債運用でもせいぜい2%が限界ですが、この商品は6~10%の高利回りであり、かつムーディーズやS&Pが最高の格付けをしております。

 ハーバード大学ではこうした資産運用により年間20%程度のリターンを得ており、アメリカ大学の資産運用の平均は15%~20%と言われています。失礼ながら貴方の大学の利回りはせいぜい2%程度ではないでしょうか


 この言葉に乗せられてCDOを購入した慶応大学が225億円、駒沢大学が154億円の損失を出したことは記憶に新しい。アメリカの大学では数兆円規模の損失を出しているといわれている。

 このCDOという金融商品こそは、金融工学で厚化粧したとんでもない代物だった。
CDOとは住宅ローンや国債や社債やその他のありとあらゆる証券を集めてごちゃまぜにした証券と思えばいい(下図参照)。
この中にはアメリカ国債のように信用力抜群のものからサブプライムローン関連証券(MBSと言う)のようなジャンク債まで含まれるのだが、金融工学はここで信じられないようなマジックをやってのけた。

 財務理論では「価格変動の上下の変動幅(ボラティリティと呼んでいる)が小さければ小さいほどリスクは少ないとする。そしてリスクが少なければ少ないほど格付けは高くなる

 この理論によれば異なったリスク商品をパッケージすれば、同時に悪い方向に動くことはなく、そのため価格変動は抑えられてリスクが低減されるという。だから格付けは高くなる。

 確かに計算上ではそうなのだが、そのときCODの設計者はサブプライムローンのデフォルトリスクを非常に小さいものとして計算することにした

上司君、考えても見たまえ。住宅の価格は毎年上昇している。こんな時にローンが支払えなくなるなんて事はあると思うかね。ただし計算だけはしっかりとやってくれたまえ
部下そのとおりですねアメリカ国債もサブプライムローンも安全確実です。その前提で誰にも理解できない飛び切り難解な計算式を使って計算しましょう

 アメリカにとって幸いなことに住宅価格は右肩上がりに上がり続け、06年の半ばまでは実際にデフォルト率は低かった。だからこれが未来永劫に続くと前提したのだ。

 こうしてCDOにふくまれるほとんどの証券は安全確実になってしまい、CDO安全確実で、高利回り商品になってしまった。

 この程度のマジックで世界中の投資家がだまされたのだから、信じられないような現象だが実際に起こったことである。

 IMFによると、サブプライムローン関連の金融機関の損失はすでに200兆円にのぼっていると推計されている。

 金融工学とはリスクをそっと隠すイチジクの葉だったが、実際にイチジクの葉が落ちるまではそこに何が隠されているか、世界中が知らなかったのだから、やはり21世紀最大の謎の1つと言えそうだ。
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(世界連鎖恐慌の犯人 堀紘一著 P75)

 

 


 

 

 

 

 

 

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(21.2.9) おゆみ野四季の道駅伝が迫ってきた

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(駅伝大会の練習風景)

 おゆみ野四季の道駅伝大会が、迫ってきた。1週間後の15日(日)だ。私がこの駅伝大会にかかわりだしたのは昨年の6月末からだから、かれこれ7ヶ月が経過している。

 その間毎月打ち合わせ会があり、この2月に入ってからは保護者への説明会や、ボランティア要員への説明会が矢継ぎ早に開催された。
鎌取コミュニティーセンターでの説明会には200名近くの関係者が集まり、会場がほとんどいっぱいになるくらいで、気分は最高に盛り上がり始めている。

 実行委員長の緒方さんは、前回の練習会のときに千葉日報の取材を受けたが、その記事が5日の千葉日報に掲載された。
今日(8日)は午前中にボランティア要員への説明会、午後は最後の実行委員会が開かれた。その時に緒方さんは嬉しそうにその新聞記事を紹介していた。

 最終的には参加チームは76チームとなり、ボランティア要員も421名になっている。当初はボランティア要員が集まらないのではないかと心配したが、途中から配置場所がなくなる位集まるようになってきた。緒方さんが「これ以上ボランティアを集めるのは止めにしましょう」と言っていたほどだ。

 私の担当は交通管理と交通整理の係だが、このチームメンバーのNさん、Kさんとは最近は四六時中打合せをする仲になっている。
二人とも社会福祉関連の仕事をしており、とてもボランティア精神のあふれた人たちだ。

 駅伝の準備状況はいたって順調であり、後は事前作業として危険なポール等の撤去や、路面上にコースを示すテープを張るだけの作業が残っているくらいだ。

 しかし残念なことに私自身は、体調がすぐれない。風邪の菌がなかなか体から抜けてくれず、常に不快な状況が続いている。
今日も2回目の実行委員会の打ち合わせのときは、喉が痛く空気が乾くと思わずむせてしまった。

 隣に座っていたKさんが同情して、持っていたのど飴と自分用に買ってあったペットボトルのお茶を提供してくれた。
山崎さん、これ使っていいわよ
会議は2時間程度だったのだが、こののど飴とお茶で何とかしのぎきることができた。

 しかしどうしたものだろうか。高校時代は1日寝ると完全に風邪は治っていたのに、今ではグズグズと長引く。ひどい症状ではなく喉が痛いのと少し鼻水が出るだけだが、なんとも言えず不快な感じが付きまとう。
なぜあの頃は病気からの回復があんなに早かったのだろうか」とても同じ人間だとは思われない。

 体調が悪いと服装も乱れるらしく、ズボンの上にシャツがはみ出していた。
山崎さん、老人みたいよ」Kさんに言われてしまった。
亡くなった緒方拳さんが「帽子」という劇で演じていた老人に近くなってきたみたいだ。

 

 

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(21.2.8) サンチャゴ巡礼 その2

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 このところ風邪が完全に抜けない。熱があるわけではないが常に喉がいがらっぽく、鼻水が少し出る。なんとも憂鬱な気分でブログを書くのも熱が入らない。

 今日もぐずぐずしながら、それでも日課の清掃活動おゆみ野の森の草刈隊に参加してきた。草刈隊にはなじみのメンバーがいたのでひとしきり話に花が咲いたのだが、Yさんに「いつもの山崎さんと違って目に生気がないわね」といわれてしまった。

 家に帰って友人のTさんからのブログの修正依頼Tさんは自分で記事をアップするのだが、編集作業を私に依頼してくる)があったので覗いてみると、『2回目のサンティアゴ巡礼-フランス「ル・ビュイの道」をめざしてという記事だった。

 Tさんとはこの夏二人でサンチャゴ巡礼の旅に出かける約束をしている。私はまだまだ先の話と思っていたが、Tさんはすっかりサンチャゴ巡礼モードに入っていた。

それは、フランス国内をル・ビュイからサン・ジャン・ピエド・ポーまで歩くこと。映画「サン・ジャックへの道」(フランス映画・日本で公開済)に登場するサンチャゴ巡礼路の一部である。そこに行こうと思うと、ワクワクしてくる

 私はサンチャゴのことを何も考えていなかったのでえらい違いだ。

マッキンリー登山や前回のサンチャゴ巡礼に行くと決めたときも、行くまでの数ヶ月間、そんなワクワク感を味わいながら毎日を過ごした。人生では最高の瞬間がいくつかあるが、その一つが大きな夢への挑戦である。もう一度、そんな夢に挑戦してみたい

 Tさんが人生最高の瞬間とまで気持ちがヒートアップしているとは知らなかった。私はいつもの外国旅行の一つ位しか思っていなかったので、気合の入れ方が違う。

まずは行く仲間。フランス国内はスペインほどに道や宿泊施設が整備されていない。道が分からなくなったり、宿が見つからないということもあるだろう。そんなときに相談しながら一緒に歩ける、気心の知れた仲間がいたら、とても心強いのだが

 この仲間に選ばれたのが私だが、確かに気心は知れた仲だが、仲間に選ばれたことが幸せだったのかどうかいまだに逡巡している。

2008年9月のある日、友人のYさんに会ったとき、「来年の夏頃、一緒に行かないか」と誘ってみた。
彼は200kmマラソンなどもやっており、一緒に行ければたいへん心強い。春の聖岳に連れて行ってもらい、吉野-熊野奥駆山行ではテントを持ってもらった。気心が知れている。しかも、英会話が私よりはるかに上手だ。「あまり長い期間でなければ」OKとのこと。まずは、ハードルを一つクリア

 私の今現在の最大の悩みはTさんが「英会話が私よりはるかに上手だ」と思っていることだ。確かに40歳台、一人で外国旅行をしていた頃はそれなりの会話の能力はあった。
そもそもしゃべれなければ食事すらできないのだから、懸命にしゃべっていたものだ。

 しかしあれから20年余り経ち、その後は添乗員付きのパック旅行に切り替えてからは、すっかり英会話からおさらばしてしまった。
今では息子のオーストラリアから来た嫁と話すのも一苦労だ。
Tさんの期待に答えられるように会話能力が復活するかしら」そのことが私の気持ちを重くしている。

「次は体力の問題。前回64歳でスペイン国内のサンチャゴ巡礼路を歩いたときとは異なり、体力が落ちている。最近は2歳と4歳の孫の相手で忙しく、ジョギングや水泳をほとんどやらなくなった。そのせいか、胃の調子もよくない。こんな状態では前回のように毎日歩き続けることはできないだろう。体力と脚力の回復が必要だ。

 とりあえず、4日ほど朝夕5kmのジョギングを欠かさずに続けてみた。急にやったので、ももが痛い。また、妻と銀座を散歩したあと、一人で銀座から北千住まで隅田川沿いを1回も休まずに歩いてみた。3時間15分のウオーキングである。次は市内のプールで水泳を1500m。視覚障害者登山の関係では奥多摩・青梅のハイキングコースや山中湖畔・三国山へ

大変だ、Tさんはトレーニングモードに入ってしまった
このままでは置いてきぼりを食ってしまいそうだ。

仕方ない、気が重いが私もトレーニングを再開するか
基本は毎日の12km走と、月に1~2回は50km走を走るより仕方なさそうだ。
Tさんについ軽く約束したために、英会話とマラソンの特訓を再開する羽目になってしまった。人生とはこうして過ぎていくものなのだろうか。

Tさんのブログの記事の全文は以下のURLをクリックすると読むことができます。
http://takesitamura.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-f88a.html

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(21.2.7) マルチ商法は蜜の味 その2 円天商法

 マルチ商法はつくづく蜜の味だと思う。何回被害者が出てもまた新たなマルチ商法が現れ被害者は減ることがない。
今回のL&G波和二(かずつぎ)容疑者による「円天商法」をみてその感を深くした。

 今回のマルチ商法の特色は協力金名目で出資金を募集したが、その利回りが年36%3ヶ月ごとに9%)で、ここまでは今までのマルチ商法と何ら変りがない(昨年7月に摘発されたワールドオーシャンファームは年100%と言っていた

 預金の利率が年1%程度なのだから、年36%とは法外な利回りだがマルチ商法では実際にこの利回りで利息を払う。
勿論原資はすべて協力金(出資金)を利息にまわすのだが、恐ろしいことに新規会員が増えている限りこのシステムは継続する。

 このマルチが始まったのが01年で、06年に配当金が滞り始め、07年2月に配当ができなくなり、配当金を現金から円天(後述する)に変更している。それでも約6年程度は続いていたのだからマルチとしては非常に長期間持続したことになる。

 一般にマルチ商法というと主催者だけが利益を得て、後は全て被害者と思われているが実は違う。
たとえば年36%だと、約3年弱で元が取れるので、01年に入会した会員は確実に元を取って丸儲けをしており、一方だいたい04年以降に入会した会員は損失を発生していることになる。

 だからマルチの特色は儲かった人もいるということで、波容疑者だけが儲かるわけではない。今回の資金の流れを追っていくと集めた資金1260億円のうち会員に返された金額は837億円(66%)未償還金は423億円(34%)になっていた。

 未償還金とはL&G職員の給与、宣伝広告費、事務所費および隠し金で、隠し金はほぼ100億と見られていることから、波和二容疑者が懐に入れようとした金額はほぼ100億(8%)だったことが分かる(ワールドオーシャンファームの黒岩勇容疑者の場合も使途不明金は約100億だった

 通常マルチ商法は長期間継続することはできない。一般的には約束した配当金の逆数(年50%なら2年、年36%なら約3年)程度が限度といわれている。
それは出資金がそこで底をついてしまうからで、新たな出資者が現れない限り配当ができない。
成功したマルチであれば新たな出資者が現れるが、一方宣伝広告費等も莫大にかかるようになってやはり、限界にぶつかる。

 だから今回の円天商法約6年程度も継続したのは、驚異的なことといえる。そのトリックは04年に「円天」という新たなマルチ商法を導入したからにほかならない。リリーフ投手を投入したようなもので、このあたりは波和二容疑者マルチのプロであることがよく分かる。
この「円天」は今までのマルチ商法にはないオリジナルだ。

円天」とは「」の4分の1の価値を持った通貨だと思えばいい(実際は配当率25%のマルチと同じ)。なぜ4分の1と分かるかといえば、円天市場に商品を出品した業者の販売額に対し、4円天に付き1円の割合で支払っているからである
円天」を購入した出資者には「1円天=1円」と思わせながら、実際は「1円天=1/4円」なのだ。

 これがトリック波和二容疑者は「いくら使っても減らない通貨、円天」と説明したが、たとえば10万円の出資者に対し、毎年10万円天(2.5万円)を出資者に振り込んでも4年間は持つ勘定だ。

 この「円天」という新たなマルチを考案してL&Gはさらに約3年間継続することができた。

 何度も言うがマルチ商法は主催者だけが儲かるのではない。今回の事例では初期に投資した出資者はほぼ2倍の配当を得ている。しかもこの初期の投資者を組織してGAグランドアーク)という組織を作り、配当金とは別に新規に入会させた出資額の4%をバックペイしている。

 GA2億円集めたある女性は「たくさんの知人を巻き込んでしまい、責任を感じている。今は波容疑者に対する憤りしかない」とコメントしたが、この人は確実に出資額の2倍の配当金と、手数料8百万円2億×4%)を得たことだけは確かだ。

 マルチ商法がどうしてもなくならない理由の一つが、主催者以外に確実に儲かる出資者の存在があり、そうした人が知人を加入させるという悪循環があるからである。
やはりマルチ商法には蜜の味がするのだ。

本件と関連する記事は以下のとおり
マルチ商法は蜜の味 ワールドオーシャンファーム

 

 

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(21.2.6) 小学校はアイデアの時代

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 小学校の経営もアイデアの時代だということを教えてくれたのは、小谷小学校寺崎校長先生である。

 実はそれまで卒業以来小学校とは無縁の生活をしていたので、「小学校はどこでもまったく同じ方針で運営されており、学校ごとの特色を見つけることはほとんど不可能」だと思っていた。

 しかし私が小谷小学校パソコンの特別講師ボランティア教師をしてみて、こうした取り組みが必ずしも一般的ではなく、どちらかといえば先進的な取り組みであることがだんだんと分かってきた。

 私はこの四季の道に隣接する4つの小学校の先生や校長先生と知り合いになっているので、他の小学校の先生に質問してみた。
私は小谷小学校で特別講師をしているのですが、この小学校ではそうした取り組みはないのですか
聞いたら他の小学校では特別講師も、ボランティア教師の取り組みもしてなかった。

 とても不思議に思って寺崎校長先生に確認したら「制度としてあるのだけれど採用するかしないかは校長の裁量にある」のだそうだ。
いわば積極的に手を上げてそうした制度を導入している学校と、まったく採用しない学校に分かれるらしい。

 たとえば私はパソコンの特別講師をしているが、100%必ずしも先生方から好意的に迎え入れられているわけではないという。
パソコン教育も自分達で行なうべきだ」との意識が強い場合があり、外部の教職免許を持たない講師に快い感情を持たない場合があるらしい。

でも、私は地域の人のサポートをできるだけお願いして、地域に溶け込んだ学校にしていくのが子供達のためにもいいと考えています」校長先生の方針だ。

 またボランティア教師はいわば1対1のマンツーマン教師であり、国語と算数の時間にある決められた児童の指導を行なっている。
この取り組みのついても先生の間で意識の差があるようで、積極的にボランティア教師を受けいれる教師と、そうしたことを嫌がる教師がいるのだという。

特別な児童というわけでなく、ある科目だけが遅れている場合にサポートをお願いしているので、子供達もボランティア教師に教わっているからといって、特殊な気持ちを持つわけではありません

 私もこの学校に6人いるボランティア教師の一人だが、1年生の児童に国語を教える時などは、まるで孫に勉強を教えているような気分になる。
「『おとうさん』と『おとおさん』とどっちが正しいか分かるかい
実を言うと自分でも分からないことがあるのだが、あまり気にせず教えている。

 さらに今日(5日)、校長先生から小谷小学校が「ソニー優秀プロジェクト校」に選ばれたのだと聞いた。
ソニーは科学好きな子供を育てるために、科学教育を積極的に行なおうとしている学校に助成金を出して支援をしているのだという。

 受賞するにはまずしっかりした取り組み計画が必要で、その計画の内容で助成するかしないかをソニーは決定するのだという。小谷小学校では校長先生のイニシャティブで企画書を作成したようだ。

これからの取り組みが大変なんだけど、こうしたことで前向きに取り組まないとどうしてもぬるま湯につかってしまいます。

 助成金は50万円で、昨今は教育予算がとても厳しいのですが、これでデジタルカメラを10台購入できます。科学知識を増やす道具がそろえそうです

 校長先生は実にアイデアマンだ(ただしアイデアウーマンといわないと怒られる)。
あらゆる機会をとらえて学校の活性化を図ろうと努力している。小学校もアイデアの時代だということを寺崎校長先生を見てつくづく感じた。

 

 

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(21.2.5) なぜ日本の株価はアメリカの株価より低迷するのだろうか

 正直に言うが私は株式投資で成功したことがない。前に失敗記12(リンクがはってあります)に記載したとおりまったく金儲けの才能とは無縁の人間だ。

 バブル期の終わり頃、信じられないことに時流に流されて一攫千金を夢見て失敗してから、株式投資からは完全に足を洗っていた。
それでも退職金が入った段階で、僅かな金額だったが日本株の投資信託を購入した。

まあ、投資信託なら危険性はなかろう」2年前のことである。
しかしこれが完全に裏目に出て、日本の株式の低下は止まるところを知らない。残高はコンピュータで検索できるのだが、見ることもいやになった。

 しかしこのブログを書くために久しぶりにのぞいてみたら半額以下になっている。
なんということだ」あらためてうなっている。たった一つの慰めは購入金額が僅かなため生活に支障がないことだけだ。

 このように私の投資の才はまったくあてにならないのだが、投資信託を購入してみて不思議な事象に気がついた。
世界経済を見てみると、今回の金融危機の発生元はアメリカで、日本よりはるかに悪い。それなのにその悪いアメリカより日本の株価の低下がはなはだしいのはなぜか」ということだ。

 たとえばサブプライムローン問題が発生した07年8月前後のピークから現在までの日米の株価を見ると、日経平均が07年7月9日の18261円から約8000円に、一方NYダウ平均は07年10月9日の14164ドルから約8000ドルに低下している。
低下率は日本が約54%、アメリカが約44%で、日本の低下率のほうが約10%高い

 実に不思議な気がした。
アメリカの5大投資銀行は消滅し、大手のシティバンカメに公的資金が投入され、実体経済ではGMクライスラーが政府の公的資金でかろうじて命脈を保っている。

 一方日本ではまだ大手銀行を含め全ての金融機関にはまったく公的資金は投入されていない(投入予定はある)。また実体経済のトヨタもホンダも日産も、経営状況は極度に悪化しているが、だからといって公的資金が投入されているわけではない。

 明らかに経済の実態は日本が上なのに、株価は日本の方が悪い。
悩んでいたら「金融大崩壊(アメリカ金融帝国の終焉)」(NHK出版)の著書である水野和夫氏が以下のように答えてくれた。

東京株式市場では外国人投資家の売買シェアが6割前後ありますが、外国人が日本株に投資するときは、当然、円レートの変動を織り込んだドルベースでリターンを考慮しているはずです。
 
 そこで、日経平均をドル建てに換算して、ダウ平均と重ね合わせると、まったく同じ動きをしてることが分かります。
グローバルな運用をしている投資家は、ドル建て利益で世界の企業を比較しています。

・・・投資家の多くは、日本の企業の収益は海外利益が大半であるとみなしていて、アメリカの企業と同じように対応してかまわないと考えているわけです
(以下のグラフ参照)」

 試みに計算してみた。07年8月頃の円レート120円から、最近の90円まで約25%の円高になっているので、現在の8000円を07年8月ベースに引きなおすと、8000円×125%=10000円となり、これを18261円で割ると、確かに約45%の値下がり率になってしまった。

本当だ。ドルベースでは値下がり率はアメリカと同だ」納得した。
そうなれば今後の日本の株価について予測が立てられそうだ。

 09年度はアメリカを始め先進各国はマイナス成長は確実だから、株価は基本的に下降する。さらにアメリカは景気対策として赤字国債をジャブジャブ増発するから円高はさらに進む
従って日本の株価はアメリカの株価の低下より円高分だけさらに低下して推移する。

こりゃ、大変だ」そうなると私の僅かな投資信託の将来は風前の灯になってしまいそうだ。
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(水野和夫氏の同書 p167より転載)




 

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(21.2.4) 再びパソコン教育が始まった

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 昨日一日注意して寝ていたら、風邪の症状もなおり体調が回復してきた。今日はパソコン教室があり、3時間目と4時間目に授業がある。
昨日の段階ではとても行けそうになかったが、直った以上はいかざる得ない。

 授業は昨年の12月以降、約1ヶ月余りしていなかったので、操作方法をすっかり忘れてしまった。私は普通の人よりもはるかに記憶力が弱いので、こうした時はピンチだ。
いつもはかなり前にパソコン教室に行って事前トレーニングをして思い出すようにしているのだが、今回はそうした時間がなかった。

 久しぶりにキューブキッズペイントの授業をしたが、先生からは「絵を描いたところに文字入力をさせてほしい」という要望を受けた。
2年生だから『ローマ字入力』でなく、『かな入力』でさせてほしい」のだそうだ。

 実はこの「かな入力」をさせるのが若干ことなのだ。入力方式は通常私たちが使用しているマイクロソフトのIMEでなく、学校ではATOKを使用していて、このコントロールがいまだにうまくいかない。
ATOKはどうもよくわからん」毎回うなっている。

 実際やってみるとローマ字入力からかな入力に変換するのは簡単にできるのだが、それを元に戻すやり方がさっぱりわからない。ヘルプ機能を見て確認しているのだが、なぜかヘルプに書いてあることと、実際の動きが違う。
うぅーん、どうしたらいいんだ」だんだんとヒア汗が出てきた。

 それに先生の要望であるペイント画面で、通常の文字入力もできそうもない。
通常の文字入力は元々無理なのではないだろうか」あせるがよく分からない。

 結局絵文字は用意されているので、今回は絵を描いてその上に絵文字で名前を書いてもらう方式に変えることにした。
今日は絵文字で我慢してください
しかし先生は不満らしく、なんとか絵と文字入力の組み合わせをしたいらしい。
次の授業では何とかできないものかしら」言われてしまった。

 実はパソコン教師になって一番の悩みは、先生のイメージと実際の作業イメージがうまく合わないことだ。
先生は「山崎さんはプロなんだから何でもできるはずだ」と思っているようだが、ペイントのようなソフトは日常的に使用しているわけでない。

 授業課題が与えられたらその前に1時間ぐらいかけて演習をして始めて教えられる水準になっている。
やれやれ、これでどうにか授業ができるだろう」本音を言えば泥縄授業だ。

 しかしまあ、またペイントも徐々に思い出してきた。次回からは自信を持って教えられそうだが、長い休みが入るたびに頭がリセットされてしまうのには大弱りだ。



 

 

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(21.2.3) 風邪をひきそうだ

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 朝からなんとなく体調が優れなかった。本当に優れないのか精神的に優れないのか分からなかったので、いつものように清掃活動に出かけてみた。

 歩いている間はほとんどなんでもない。やや喉がいがらっぽい以外はさしたる症状はなかったので、「やはり精神的なものか。最近疲労がたまっているからな」自己診断した。

 今日、実は確定申告の作業日に当てている。学校の授業もなくほぼ一日中時間を使えそうなので、決心をして確定申告の作業をするつもりでいた。
いやな作業だがせざる得まい」昨年からためておいた証明書を並べながらぶつぶつ言う。

 私の場合は年金以外には、特別講師をした時間給が僅かにあるだけだから、いたって作業は簡単なのだがまったく乗り気にならない。
ぐだぐたとコタツの中で寝ているだけだ。

こういうときはマラソンでもしよう」私の家から京成ちはら台駅に向かって四季の道かずさの道を走ると、ほぼ1時間半で帰ってこれる。距離にして12km程度だ。

 さっそく防風衣を着て走ってみたが、走っている間は何でもない。
やはり、確定申告の作業がいやなので体が不調になっているだけか。俺は相変らず精神が弱い
納得して帰ってきた。

 ところが午後になってからだの節々が痛み出した。喉は前から痛かったのだがつばを飲むとしみるようだ。
衣類が皮膚に触れると、皮膚が異常に敏感になっており、すれて思わず「痛い」と声が出てしまう。

まずい、これは典型的なインフルエンザの初期症状だ
今月15日にはおゆみ野四季の道マラソンが控えており、それまでもパソコン教師国語教師をしなくてはならない。

こりゃ、ブログを書いているどころじゃないぞ」とりあえずパブロン正露丸を飲んで寝ることにした。
しばらくはまともなブログは書けそうもない。

 明日のパソコン教室はどうやら取りやめた方がよさそうだ。

 

 

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(21.2.2) 日本にも金融危機が迫ってきた

Images7  昨年の9月、リーマン・ブラザーズが倒産した時、日本の金融機関に対する影響は「ハチに刺されたようなものだ」と与謝野経済財政担当相は言ったが、ハチはハチでもスズメバチの大群だったようだ。

 当初は日本では公的資金の投入などはありえないと高をくくっていた。しかしここにきて金融機能強化法を成立させて、約2兆円規模の公的資金で地銀以下の中小金融機関に資本投入を可能にしたり、一般企業にまで公的資金の導入が可能なように産業活力再生法の改正案も検討し始めた。

 しかしどうもそれだけでは済みそうもない。日本を代表する金融機関がアメリカやヨーロッパの金融機関と同様に揺らぎ始めたからだ。

 現在08年10月~12月の大手金融機関の四半期決算が発表されているが、明らかに変調が見て取れる。
日本の3大メガバンクといわれる、三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFGの決算は三井住友はかろうじて黒字、みづほ、三菱UFJは赤字になり、特にみづほの決算数字は劇的に悪化している(三菱UFGの決算報告は6日なので、市場の予想)。

 08/4月~12月の当期利益は▲505億円第3四半期だけでは▲1451億円)、内訳は株式の急落による損失▲1968億円、倒産増加による不良債権処理費用2191億円だという。
みずほ通期(09/3期)には1000億円の黒字となると発表したが信じる人はいない。

 なにしろ前提条件が、「日経平均株価が9000~10000の間にあれば」というのだから、誰が見ても無理な数字だ。現在8000円を割っている株価が3月末ではさらに下がると見るのが普通だ。
なにしろ輸出関連企業は総崩れで黒字の企業を探すのが難しいくらいであり、これで株価が上がったら「株価は企業業績が悪化するに従って上がる」という新たな法則を作らなくてはならない。

 今思えば2000年みずほの設立は当初から苦難の連続だった。第一勧銀、富士、興銀といったそれまで日本をリードしてきた金融機関の合併であり、当初こそ「世界のメガバンク誕生」とマスコミがはしゃいだが、実際はそれそれが1兆円以上の不良債権を抱えた弱い金融機関同士の寄り合い所帯だった

 しかも2002年4月のシステム統合ではATM決済で250万件の口座振替にトラブルが発生し、すっかり金融庁の機嫌を損ねてしまった。
みずほ金融庁から業務改善命令を出され、勘定系システムの統合という、それ自体はまったく金を生まないシステム開発に経営資源のほとんどを取られる有様になってしまった。

 さらに追い討ちは02年10月、当時の竹中金融担当相が「金融再生プログラム」を発表し、不良資産を厳格に査定するように指示したことにある。
平成の鬼平といわれた竹中氏に「不良債権を隠し立てするとただじゃおかねえぞ」とすごまれ、それまで何とか隠していた不良債権を一気に処理しなくてはならなくなった。
03年3期には2兆3700億円という国内最大の赤字を計上している。
へい、おそれいりやした。隠し立てはいたしやせん

 市場はビックリしてしまい、株価は額面近くまで低下したが、1兆2千億円の増資に成功し、しかもその頃から日本の輸出企業の業績が急回復したのでみずほは不良債権処理に悩まなくて済むようになった。みずほの業績もすっかり立ち直り、竹中氏金融再生プログラムは成功したと評価された。

 思えば06年7月、公的資金約3兆円を完済した時が、みずほが最も輝いていた時である。
よし、今度こそ本当のメガバンクになれる

 その後、経営方針として海外展開を積極的に行い、アメリカの金融機関にならい投資銀行業務に特化しようとしたが、これは遅れた帝国主義日本が太平洋戦争で大敗したのと同じわだちを踏んでしまった。

 投資銀行をまねてロンドンでサブプライムローンをたっぷり含んだ金融商品を販売しようとし、これが不良資産の山を築いたからだ
08年3月期、サブプライム関連で銀行部門で2080億円、証券部門で4040億円の損失を計上し(全体では約3000億の黒字)、これがケチの付け初めだった。
しかしまあ、この程度で済んだのを幸いとしよう」ほっとしたのもつかの間、リーマン・ブラザーズの倒産以降金融環境は劇的に悪化し、止まるところをしらない。

 みづほは第3四半期1451億円の損失を計上したがおそらく09年1~3月期にも、第3四半期以上の損失を計上するだろう。
株価も06年の1000円から現在(1月30日)は227円とほぼ5分の1まで低下してしまった。シティグループの3ドルといい勝負になっている。

 すでに日本の大手金融機関のなかで野村HDが金融資産の不良在庫に苦しんでおり(「野村HDのリーマン・ブラザーズの買収は失敗だった」「リンクが張ってあります」)、つぎはみずほの番になってきた。
スズメバチに刺された野村みずほは早晩、政府の公的資金の導入が必要となってきそうだ。

 

 

 

 

 

 

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(21.2.1) ちはら台のトントンエコマラソン

2112_020  
(中学生駅伝トップチームと招待選手小栗選手が併走している)

 この25日の日曜日にちはら台かずさの道で、第7回トントンエコマラソンが開催された。ちはら台南中学校の校庭をスタート・ゴールとして開催されるこのマラソン大会は、元々はこの中学校の冬の行事だったという。

 正確なことは知らないが、何年か前から地区の行事として一般の参加をしてもらうようになり、今ではちはら台冬のマラソン大会として定着している。
 
 私が所属しているちはら台走友会もこの大会の運営に全面的に協力しており、今年も19名の会員がコース整理や誘導、スタート地点やゴール地点の整理に奮闘していた。
日頃かずさの道を練習コースとして使用しさせてもらっているお礼もあり、完全にこの大会の裏方としての役割を担っている。

 メーンはちはら台南中学の男女の生徒の駅伝で、1チーム4人で一人3km走る。チームは運動部を中心に結成されており、バスケAチーム、サッカーBチームというような具合で、なにかこの学校のほとんどの生徒が参加しているような具合だった。

 その他に一般マラソン4kmとか小学生マラソンファミリーマラソンがあり、なかなかにぎやかだった。
今回は走友会の小栗選手高校駅伝、箱根駅伝、実業団で活躍)が招待選手となっていて、男子駅伝のトップチームと周回コースを3回(9km)一緒に走っていた。
中学生男子となるとなかなか速く私などはすぐに置いて行かれそうだが、小栗選手は楽々と走っていた。

 私が住んでいるおゆみ野地区でも、今回駅伝大会を開催するので、このトントンエコマラソンの裏方をしてみてとても参考になった。

 ここちはら台ではスタート・中継地点・ゴールが南中学校であったので、そこに大勢の人が集まって応援していて、盛り上がりがある。
また、荷物の保管やトイレの使用、交通整理等も南中学校を中心におこなえば良かったので、運営としてはとても楽だった。交通整理や誘導をちはら台走友会が中心になってできたのもロケーションの良さがあったせいだと思う。
一方おゆみ野では周回コースで、スタート地点と中継地点、ゴールが異なっている。


 なお、走友会の会長のYさんが、グループメールで以下のような感想を記載していた。

トントンエコマラソンに協力いただいたみなさんありがとうございました。
走友会のメンバーは総勢19名でした。
一発勝負の日曜日開催でしたが、幸いこれ以上ない好天に恵まれました。
南中グランドに集約しての形とし、一体感がありましたね。
ゴールがごったがえすなど、課題はありましたが、次回からまた改善していけばいいです。

トンエコも7回を数え、年々着実に盛り上がってますし、運営もよくなっていると思います。
一番驚いたのは、一般マラソン4kmに男性21名、女性4名(5?)も参加があったことです。
一位は14分10秒台だったと思いますが、速いです。
まだまだ走っている方はいっぱいいるんですね


写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/21125?authkey=DeJIHK5znl4#

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