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(21.2.7) マルチ商法は蜜の味 その2 円天商法

 マルチ商法はつくづく蜜の味だと思う。何回被害者が出てもまた新たなマルチ商法が現れ被害者は減ることがない。
今回のL&G波和二(かずつぎ)容疑者による「円天商法」をみてその感を深くした。

 今回のマルチ商法の特色は協力金名目で出資金を募集したが、その利回りが年36%3ヶ月ごとに9%)で、ここまでは今までのマルチ商法と何ら変りがない(昨年7月に摘発されたワールドオーシャンファームは年100%と言っていた

 預金の利率が年1%程度なのだから、年36%とは法外な利回りだがマルチ商法では実際にこの利回りで利息を払う。
勿論原資はすべて協力金(出資金)を利息にまわすのだが、恐ろしいことに新規会員が増えている限りこのシステムは継続する。

 このマルチが始まったのが01年で、06年に配当金が滞り始め、07年2月に配当ができなくなり、配当金を現金から円天(後述する)に変更している。それでも約6年程度は続いていたのだからマルチとしては非常に長期間持続したことになる。

 一般にマルチ商法というと主催者だけが利益を得て、後は全て被害者と思われているが実は違う。
たとえば年36%だと、約3年弱で元が取れるので、01年に入会した会員は確実に元を取って丸儲けをしており、一方だいたい04年以降に入会した会員は損失を発生していることになる。

 だからマルチの特色は儲かった人もいるということで、波容疑者だけが儲かるわけではない。今回の資金の流れを追っていくと集めた資金1260億円のうち会員に返された金額は837億円(66%)未償還金は423億円(34%)になっていた。

 未償還金とはL&G職員の給与、宣伝広告費、事務所費および隠し金で、隠し金はほぼ100億と見られていることから、波和二容疑者が懐に入れようとした金額はほぼ100億(8%)だったことが分かる(ワールドオーシャンファームの黒岩勇容疑者の場合も使途不明金は約100億だった

 通常マルチ商法は長期間継続することはできない。一般的には約束した配当金の逆数(年50%なら2年、年36%なら約3年)程度が限度といわれている。
それは出資金がそこで底をついてしまうからで、新たな出資者が現れない限り配当ができない。
成功したマルチであれば新たな出資者が現れるが、一方宣伝広告費等も莫大にかかるようになってやはり、限界にぶつかる。

 だから今回の円天商法約6年程度も継続したのは、驚異的なことといえる。そのトリックは04年に「円天」という新たなマルチ商法を導入したからにほかならない。リリーフ投手を投入したようなもので、このあたりは波和二容疑者マルチのプロであることがよく分かる。
この「円天」は今までのマルチ商法にはないオリジナルだ。

円天」とは「」の4分の1の価値を持った通貨だと思えばいい(実際は配当率25%のマルチと同じ)。なぜ4分の1と分かるかといえば、円天市場に商品を出品した業者の販売額に対し、4円天に付き1円の割合で支払っているからである
円天」を購入した出資者には「1円天=1円」と思わせながら、実際は「1円天=1/4円」なのだ。

 これがトリック波和二容疑者は「いくら使っても減らない通貨、円天」と説明したが、たとえば10万円の出資者に対し、毎年10万円天(2.5万円)を出資者に振り込んでも4年間は持つ勘定だ。

 この「円天」という新たなマルチを考案してL&Gはさらに約3年間継続することができた。

 何度も言うがマルチ商法は主催者だけが儲かるのではない。今回の事例では初期に投資した出資者はほぼ2倍の配当を得ている。しかもこの初期の投資者を組織してGAグランドアーク)という組織を作り、配当金とは別に新規に入会させた出資額の4%をバックペイしている。

 GA2億円集めたある女性は「たくさんの知人を巻き込んでしまい、責任を感じている。今は波容疑者に対する憤りしかない」とコメントしたが、この人は確実に出資額の2倍の配当金と、手数料8百万円2億×4%)を得たことだけは確かだ。

 マルチ商法がどうしてもなくならない理由の一つが、主催者以外に確実に儲かる出資者の存在があり、そうした人が知人を加入させるという悪循環があるからである。
やはりマルチ商法には蜜の味がするのだ。

本件と関連する記事は以下のとおり
マルチ商法は蜜の味 ワールドオーシャンファーム

 

 

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