(21.2.6) 小学校はアイデアの時代
小学校の経営もアイデアの時代だということを教えてくれたのは、小谷小学校の寺崎校長先生である。
実はそれまで卒業以来小学校とは無縁の生活をしていたので、「小学校はどこでもまったく同じ方針で運営されており、学校ごとの特色を見つけることはほとんど不可能」だと思っていた。
しかし私が小谷小学校のパソコンの特別講師やボランティア教師をしてみて、こうした取り組みが必ずしも一般的ではなく、どちらかといえば先進的な取り組みであることがだんだんと分かってきた。
私はこの四季の道に隣接する4つの小学校の先生や校長先生と知り合いになっているので、他の小学校の先生に質問してみた。
「私は小谷小学校で特別講師をしているのですが、この小学校ではそうした取り組みはないのですか」
聞いたら他の小学校では特別講師も、ボランティア教師の取り組みもしてなかった。
とても不思議に思って寺崎校長先生に確認したら「制度としてあるのだけれど採用するかしないかは校長の裁量にある」のだそうだ。
いわば積極的に手を上げてそうした制度を導入している学校と、まったく採用しない学校に分かれるらしい。
たとえば私はパソコンの特別講師をしているが、100%必ずしも先生方から好意的に迎え入れられているわけではないという。
「パソコン教育も自分達で行なうべきだ」との意識が強い場合があり、外部の教職免許を持たない講師に快い感情を持たない場合があるらしい。
「でも、私は地域の人のサポートをできるだけお願いして、地域に溶け込んだ学校にしていくのが子供達のためにもいいと考えています」校長先生の方針だ。
またボランティア教師はいわば1対1のマンツーマン教師であり、国語と算数の時間にある決められた児童の指導を行なっている。
この取り組みのついても先生の間で意識の差があるようで、積極的にボランティア教師を受けいれる教師と、そうしたことを嫌がる教師がいるのだという。
「特別な児童というわけでなく、ある科目だけが遅れている場合にサポートをお願いしているので、子供達もボランティア教師に教わっているからといって、特殊な気持ちを持つわけではありません」
私もこの学校に6人いるボランティア教師の一人だが、1年生の児童に国語を教える時などは、まるで孫に勉強を教えているような気分になる。
「『おとうさん』と『おとおさん』とどっちが正しいか分かるかい」
実を言うと自分でも分からないことがあるのだが、あまり気にせず教えている。
さらに今日(5日)、校長先生から小谷小学校が「ソニー優秀プロジェクト校」に選ばれたのだと聞いた。
ソニーは科学好きな子供を育てるために、科学教育を積極的に行なおうとしている学校に助成金を出して支援をしているのだという。
受賞するにはまずしっかりした取り組み計画が必要で、その計画の内容で助成するかしないかをソニーは決定するのだという。小谷小学校では校長先生のイニシャティブで企画書を作成したようだ。
「これからの取り組みが大変なんだけど、こうしたことで前向きに取り組まないとどうしてもぬるま湯につかってしまいます。
助成金は50万円で、昨今は教育予算がとても厳しいのですが、これでデジタルカメラを10台購入できます。科学知識を増やす道具がそろえそうです」
校長先生は実にアイデアマンだ(ただしアイデアウーマンといわないと怒られる)。
あらゆる機会をとらえて学校の活性化を図ろうと努力している。小学校もアイデアの時代だということを寺崎校長先生を見てつくづく感じた。
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