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(21.2.23) 米中同盟が始まった その2

Im20090221as2m2102u21022009131  クリントン国務長官のアジア歴訪は大成功に終わったようだ。日本に対しては最初の訪問国とオバマ大統領に会う最初の外国首脳と言う名誉を与えたが、これはリップサービスの類で、本来の目的は「米中間の二国間関係」を築くことが今回歴訪の最大の目的だった。

 なにしろクリントン国務長官は大統領予備選挙中に「21世紀の安全保障と機会」と言う論文で「米中関係はもっとも重要な二国間関係で、・・・(米中との間で)北東アジアでの安全保障体制を確立しよう」と言った人である。

 クリントン夫妻の中国好きはつとに有名であり、あまりに中国との癒着が激しいので、オバマ大統領はヒラリー・クリントン氏を国務長官に指名するにあたり、ビル・クリントン氏の慈善団体が毎年50億円程度集めている資金提供先の開示を求めたほどだ。

 今回の共同宣言クリントン長官は「米中両国が協力して世界経済の復興を先導すると信じるに足る理由がある」と言い切ったが、これはリップサービスでなく本音である。
世界経済はこれからは(日本やユーロ圏ではなく)米中2国間で決めていこう」

 クリントン長官は今回、① 経済対話、② 政治・安全保障対話、③ 気候変動の協力関係、について閣僚級の対話をすることを共同声明で発表したが、その心は「中国問題はすべてクリントン国務長官が取り仕切る」と言うものだった。
ブッシュ政権時代は経済対話は財務長官の専決事項だったし、安全保障についてはアメリカの台湾への武器輸出以降途絶えたままだった。

 アメリカにとって中国がいかにに重要なパートナーかは、なにより① 貿易の最大の相手国同士であり、かつ② アメリカ国債の最大の購入国が中国であること、から来ている。

 ブッシュ政権オバマ政権の最大の相違は、ブッシュ政権がウォール街の代弁者だったのに対し、オバマ政権がボーイングやウェスチングハウスやGMのような産業資本の代弁者だということだ。

 クリントン長官の使命はジャンボ機や原子力発電設備や自動車を中国に売り込み、さらに貿易赤字分に相当するアメリカ国債を中国に購入してもらうことにある。

 一時ガイトナー財務長官が「オバマ大統領は中国が為替操作をしていると信じている」と言って中国の元安政策を非難したが、クリントン長官は勿論そうした非難は一切しなかった。
国債さえ購入してくれれば何とも言わないわ

 実はアメリカにとってもっとも緊急の課題は年間100兆円とも言われる国債発行をどのようにさばくかにかっている。
もっとも良いのは中国や日本が購入してくれることで、これなら貿易赤字を国債で回収していることになる。

 反対にもっとも問題なのは購入先が無くなってFRBが引き受けることで、これはFRBがドル札を印刷していることと同じだから、限度を越えるとハイパーインフレーションにつながる。
かつての戦後の日本や、第一世界大戦後のドイツのようなイメージだ。

 ドルがハイパーインフレーションになれば誰もドルを保有しなくなり、その時点でアメリカの世紀は終わってしまう
日本と違って中国は気に入らなければアメリカ国債を売却してしまうから、そうさせないために「もっとも重要な二国間関係」を築かなければならない。それがクリントン長官の使命と言うことだ。

 だがしかし中国とて便利なアメリカの財布になるつもりは毛頭ない。
原子力潜水艦や航空母艦を整備し、大陸間弾道弾の精度を上げているのは日本に代わり中国がアジアでの覇権国家になるためである。
それまではアメリカを怒らせるわけに行かない。クリントンには十分媚薬をかがしてある。中米関係は万全だ

 はたしてこの同床異夢の米中関係はうまく機能するだろうか。全ては中国経済の発展にかかっているようだ。中国が中国政府の発表のように毎年8%の経済成長をとげれば、中国は気前よくアメリカ国債を購入してくれるだろう。

 しかし中国経済が単なるアメリカの影に過ぎなければ、アメリカと中国は共倒れの関係になってしまい、中国経済は停滞しアメリカ国債を購入する余裕など無くなる。
その時はクリントン長官の米中同盟は一夜の夢に終わってしまうだろう。

 はたしてどうなるだろうか。私は後者の確率が高いと思っているが、それは09年度の中国経済が回答を出してくれるだろう。

本件と関連する記事は以下のとおり
米中同盟の始り ヒラリー・クリントン氏の国務長官就任


 

 

 

 

 

 

 

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