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(21.2.20) GMワゴナー会長の瀬戸際政策

Ca5w0sl2ca2npc3lca2l1v59ca7p7ffocad  2月17日GMクライスラーはアメリカ政府に経営再建計画書を提出したが、内容は「経営破綻を避けるためには追加支援が必要だ」と政府を脅す瀬戸際政策だった。

 確かにそれなりのリストラ策はあって、たとえばGMは従業員47,000人(全体で約25万人の従業員がいる)の削減や、現行ブランドを8から4に削減したり、47工場を33工場まで削減するとしている。

 この内容を放送したNHKの放送を見ていたら、どこかの研究所のコメンテーターが「リストラ計画は評価できる」言っていたが、私には何が評価できるのかさっぱり分からなかった。

 私が評価しない理由は、販売台数が約半減している現状から従業員も工場も半減しなければならないと思われるが、そのようなリストラ策にはなっていないこと、従って更なる追加リストラにせまられること

 および何よりアメリカ政府が求めた、 無担保債務の3分の2の株式への交換と、 退職者向け医療費の資金負担の半減に答えていないからだ。

 上記の①②は昨年12月にGMに対し134億ドルの公的資金投入時の条件であったはずだ。

 GMは全体で約600億ドル(5兆5千億円)相当の債務があるが、このうち無担保債務主として金融機関からの借)は275億ドルであり、このうち180億ドル相当を株式に変換することを政府から求められた。

 しかしこの案は金融機関としてもおいそれと応じるわけには行かない。なにしろGMの株式は2ドル前後まで落ちており、ほとんど紙くず同然なのだから「それよりも、何でもいいから早く返済してくれ」と言うのが偽らざる気持ちだ。
3分の2なんてとんでもない。せいぜい2分の1が限度です」と金融機関が条件闘争を始めた。

 また退職者向け医療費のGM負担は200億ドルなのだが、これを100億ドルに減らし、さらにそれを株式で支払うことを求められているが、これはUAW(全米自動車労組)がうんと言わない。
労働協約の期限の11年度までは応じるわけにはいかない」と強行姿勢だ。

 債権者ともUAWとも話し合いもうまくいかないが、GMはさらに「166億ドルないと3月末で倒産する」とアメリカ政府を脅した。

 このようにGMの経営者も、労働組合も、債権者もあゆみよろうとしないのは「オバマ政権はGMを絶対に潰さない」と読んでいるからだ。
泣きつけば必ず政府は金を出す。12月だって出したじゃないか。3月も同じさ」

 GMのワゴナー会長は「リストラの姿勢を一応見せさえすれば、たとえ債権者とUAWとの話し合いがうまくいかなくても、政府はしぶしぶ金を出す」と読んでいる。

 UAWは「オバマ政権はその基盤である労働者を路頭に迷わすようなことは無く、退職者医療費を削除するようなことは無い」と期待している

 金融機関は「もし、GMが債権を踏み倒すようなことがあれば、金融支援法の枠内で公的資金の注入が必要だ」と泣きつくつもりだ。

 だから3者とも政府の支援を当てにして妥協しようとしない。
政府から金を引き出そう。それが一番だ」3者は裏で連合している。

 これに対しオバマ政権はどのように対処するだろうか。対応策は2つしかない。

 GMやクライスラーの要求に従って新たな公的資金を投入する。ただし、この場合は半永久的に公的資金をつぎ込むことになる(GMの場合は4ヶ月で300億ドルだから、年間では1200億ドル。これが景気回復まで続く

連邦破産法11条を適用して一旦GMをつぶす。これにより債権者の600億ドル、医療費の200億ドル、株式の全額を踏み倒すことができる。労働者も工場も半減してGMは再生できるただしワゴナー会長はそれにかわって1000億ドルの資金が必要になるという

 政府も頭が痛いだろう。を採用すれば半永久的に公的資金をつぎ込まねばならず、②を採用すればリーマン・ブラザーズの二の舞だ。

 私の予想は3月末対応として政府はGMの要求に応じて公的資金をつぎ込むが、最終的には連邦破産法11条の適用で、それまでの債権債務を一旦綺麗にしてから、会社の再生を図ると言うものだ。

 政権発足後、すぐにリーマン・ブラザーズのような大騒ぎになってはオバマ政権の支持率はブッシュ政権と同じになってしまう。
第一オバマ政権の一枚看板は雇用創出なのに、GM(クライスラーも)を潰せばどれだけ雇用が失われるか分からない。

 政府は泣く泣く公的資金を投入し続けるが、それでも最後は「もう、お父さんはお前の面倒はみれない」と勘当せざる得なくなるだろう。
その時までワゴナー会長の瀬戸際政策は続くはずだ。

 

 

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