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(21.2.2) 日本にも金融危機が迫ってきた

Images7  昨年の9月、リーマン・ブラザーズが倒産した時、日本の金融機関に対する影響は「ハチに刺されたようなものだ」と与謝野経済財政担当相は言ったが、ハチはハチでもスズメバチの大群だったようだ。

 当初は日本では公的資金の投入などはありえないと高をくくっていた。しかしここにきて金融機能強化法を成立させて、約2兆円規模の公的資金で地銀以下の中小金融機関に資本投入を可能にしたり、一般企業にまで公的資金の導入が可能なように産業活力再生法の改正案も検討し始めた。

 しかしどうもそれだけでは済みそうもない。日本を代表する金融機関がアメリカやヨーロッパの金融機関と同様に揺らぎ始めたからだ。

 現在08年10月~12月の大手金融機関の四半期決算が発表されているが、明らかに変調が見て取れる。
日本の3大メガバンクといわれる、三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFGの決算は三井住友はかろうじて黒字、みづほ、三菱UFJは赤字になり、特にみづほの決算数字は劇的に悪化している(三菱UFGの決算報告は6日なので、市場の予想)。

 08/4月~12月の当期利益は▲505億円第3四半期だけでは▲1451億円)、内訳は株式の急落による損失▲1968億円、倒産増加による不良債権処理費用2191億円だという。
みずほ通期(09/3期)には1000億円の黒字となると発表したが信じる人はいない。

 なにしろ前提条件が、「日経平均株価が9000~10000の間にあれば」というのだから、誰が見ても無理な数字だ。現在8000円を割っている株価が3月末ではさらに下がると見るのが普通だ。
なにしろ輸出関連企業は総崩れで黒字の企業を探すのが難しいくらいであり、これで株価が上がったら「株価は企業業績が悪化するに従って上がる」という新たな法則を作らなくてはならない。

 今思えば2000年みずほの設立は当初から苦難の連続だった。第一勧銀、富士、興銀といったそれまで日本をリードしてきた金融機関の合併であり、当初こそ「世界のメガバンク誕生」とマスコミがはしゃいだが、実際はそれそれが1兆円以上の不良債権を抱えた弱い金融機関同士の寄り合い所帯だった

 しかも2002年4月のシステム統合ではATM決済で250万件の口座振替にトラブルが発生し、すっかり金融庁の機嫌を損ねてしまった。
みずほ金融庁から業務改善命令を出され、勘定系システムの統合という、それ自体はまったく金を生まないシステム開発に経営資源のほとんどを取られる有様になってしまった。

 さらに追い討ちは02年10月、当時の竹中金融担当相が「金融再生プログラム」を発表し、不良資産を厳格に査定するように指示したことにある。
平成の鬼平といわれた竹中氏に「不良債権を隠し立てするとただじゃおかねえぞ」とすごまれ、それまで何とか隠していた不良債権を一気に処理しなくてはならなくなった。
03年3期には2兆3700億円という国内最大の赤字を計上している。
へい、おそれいりやした。隠し立てはいたしやせん

 市場はビックリしてしまい、株価は額面近くまで低下したが、1兆2千億円の増資に成功し、しかもその頃から日本の輸出企業の業績が急回復したのでみずほは不良債権処理に悩まなくて済むようになった。みずほの業績もすっかり立ち直り、竹中氏金融再生プログラムは成功したと評価された。

 思えば06年7月、公的資金約3兆円を完済した時が、みずほが最も輝いていた時である。
よし、今度こそ本当のメガバンクになれる

 その後、経営方針として海外展開を積極的に行い、アメリカの金融機関にならい投資銀行業務に特化しようとしたが、これは遅れた帝国主義日本が太平洋戦争で大敗したのと同じわだちを踏んでしまった。

 投資銀行をまねてロンドンでサブプライムローンをたっぷり含んだ金融商品を販売しようとし、これが不良資産の山を築いたからだ
08年3月期、サブプライム関連で銀行部門で2080億円、証券部門で4040億円の損失を計上し(全体では約3000億の黒字)、これがケチの付け初めだった。
しかしまあ、この程度で済んだのを幸いとしよう」ほっとしたのもつかの間、リーマン・ブラザーズの倒産以降金融環境は劇的に悪化し、止まるところをしらない。

 みづほは第3四半期1451億円の損失を計上したがおそらく09年1~3月期にも、第3四半期以上の損失を計上するだろう。
株価も06年の1000円から現在(1月30日)は227円とほぼ5分の1まで低下してしまった。シティグループの3ドルといい勝負になっている。

 すでに日本の大手金融機関のなかで野村HDが金融資産の不良在庫に苦しんでおり(「野村HDのリーマン・ブラザーズの買収は失敗だった」「リンクが張ってあります」)、つぎはみずほの番になってきた。
スズメバチに刺された野村みずほは早晩、政府の公的資金の導入が必要となってきそうだ。

 

 

 

 

 

 

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