« (21.1.6) 四季の道駅伝大会が迫ってきた | トップページ | (21.1.8)「 おゆみ野守り人」が動き出した »

(21.1.7) ロシア・ウクライナのガス紛争   ロシアの恫喝外交は成功するか?

125pxflag_of_ukrainesvg1_2   ロシアウクライナの関係が緊張している。天然ガスの料金改定問題がこじれ、ロシアが一方的にウクライナに対するガスの供給を停止したからだ。
ちょうど太平洋戦争前の日本とアメリカのような関係だが、おかげで市場は「ヨーロッパへの天然ガスが削減されて、原油の需要が増す」と見てこのところ原油価格が上昇に転じた。
すわ、再び石油は買いか」投機筋は騒いでいるが、そうはならないと私は思っている。

 ロシアウクライナの天然ガスの価格交渉はすこぶるスラブ的だ。互いにブラフを言い合ってどこが落としどころか分からないが、それがスラブと言うものだ。

 当初ロシアウクライナに対し08年、1000㎥ 180ドルだった供給価格を09年400ドルに値上げしたいと申し入れをした。2倍以上の法外な価格で、原油価格が下がっている時にありえない価格だが勿論本音ではなく、250ドル程度を落としどころと踏んでいた。

 ところがウクライナは世界の景気低迷で頼みの輸出産業である鉄鋼製品が全く売れなくなり、外国資金もなだれのように引き上げられて金融危機に陥ってしまった。
IMFから170億ドル(約1兆5千億円)の緊急融資を得てかろうじて破算を免れている状況だ。

 その結果08年度のガス代金の支払い15億ドル(約1350億円)が滞おり、遅延損害金を含めると20億ドルの債務不履行になっていた。
大した金額ではないが、それすら支払いができない。

250ドルなんてとんでもない。せいぜい200ドルだ」いつもは犬猿の仲のウクライナのユーシェンコ大統領ティモシェンコ首相が珍しく意気投合してロシアに噛み付いた。
一方ロシアは石油価格の劇的な低下で、国内経済はまっさかさまに落ちている。

金も払わず、値上げにも応じない。ロシアだって懐が厳しいのだ。それにユーシェンコのヤツ、グルジア紛争では敵にまわりやがってプーチンが切れてしまった。

それなら価格は市場価格の450ドルだ。応じなければ1月1日よりガスの供給を止める」ロシアの恫喝外交が始まり、約30%の供給削減を行なった。
実際は年末にウクライナは15億ドルの支払いはしたが、遅延損害金の5億ドルは踏み倒しているので、「支払いはされていない」とロシアは主張している。

 本来ならばこれはロシアとウクライナの二国間のローカルな問題なのだが、ロシアからのパイプラインがウクライナを経由し、特に東欧諸国(ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア等)に供給されているので国際問題になってしまった。ロシアからヨーロッパへのガスの約7割がウクライナ経由だ。

 ロシアの言い分は「▲30%はウクライナの分であり、東欧諸国には通常通りのガスが供給されている」と言うのだが、実際は東欧諸国の供給量が激減している。ウクライナが抜け目なく必要なガスを抜き取っているからである。

 実は06年にもロシア・ウクライナ間のガス紛争が起こったのだが、このときもウクライナは天然ガスを抜き取った。
ウクライナとしては「通行料の適正な徴収」のつもりであり、当然の権利だと思っている。
ガスの価格はいくら上げてもいい。その代わり通行料を上げさせてもらう。だから価格は従来どおりだ」ウクライナもしたたかだ。

 ロシアとしては歯軋りする思いだろう。パイプラインを抑えられているため、だるまさんのように手も足も出ない。東欧諸国からは供給元のロシアが攻められる。
不安定な供給しかできないなら、ロシアの天然ガスは使用しない

 結局この問題はどこかで折り合うより仕方がないのだ。価格は200ドルと250ドルのあいだで手打ちがされるだろう。
あまり高ければウクライナは無断抜き取りをして調整するので、価格などほとんど意味をなさない。

 日本の新聞を読んでいると、ロシアが一方的にウクライナをいじめているように見えるがロシアの恫喝外交と言ってもパイプラインを抑えられていてはとても勝ち目がない。
かくしてウクライナのように、したたかに生きるのがスラブ的というのだろう。

 そして今上昇している原油価格もまた30ドルに向かって再び低下するはずだ。

 

|

« (21.1.6) 四季の道駅伝大会が迫ってきた | トップページ | (21.1.8)「 おゆみ野守り人」が動き出した »

評論 世界 ロシア政治・経済」カテゴリの記事

コメント

なるほど、なっとくしました
また、石油が上がりそうだ、と報道されていたからどうなることと
思っていました。
ロシアも、ただでさえ怪しい信頼がさらに揺らぐわけで、もとより、
つまらない一石を投じたものですね。

投稿: たか | 2009年1月 7日 (水) 22時45分

外野から見てると面白い話です。
島国の日本人には考えられない感覚です。

投稿: tako | 2009年1月 7日 (水) 21時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (21.1.6) 四季の道駅伝大会が迫ってきた | トップページ | (21.1.8)「 おゆみ野守り人」が動き出した »