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(21.1.18) アメリカ経済はモグラたたき その2 金融危機は続く

100pxusgreatsealobversesvg1  ひどい状態になってきた。アメリカの主要金融機関の収支がますます悪化してきた。昨年10月から11月にかけて各金融機関に公的資金を1400億ドル(約13兆円)も投入したのに、焼け石に水だ。

 ここに来て大手金融機関の第4四半期の決算が発表されている。
シティグループ83億ドル(約7500億円)の赤字バンク・オブ・アメリカ18億ドル(約1600億円)の赤字JPモルガンチェースだけが7億ドル(約630億円)の黒字を出したが、一言で言えば惨憺たる決算になってしまった。

 特にシティグループ5四半期連続の赤字で累積の赤字は7兆円規模になった。政府から約4兆円の公的資金の投入を得ているがまったく足らない。
さらに問題なのはシティの保有する証券化商品に対する政府補償額は約28兆円だが、最大でこの金額まで損失が膨らむ可能性があることだ。

 赤字を垂れ流す個人向け証券部門消費者金融部門を切り離して、商業銀行部門に特化しようとしているが、市場はまったく評価せず株価は3ドル台に落ちてしまった。GMやフォードと同じ株価でこの3社は横一線の倒産予備軍だ

 シティがこれほどまでに業績が悪化したのは、証券部門消費者金融部門にのめりこんだためだが、「規模が大きくなりすぎて経営者のリスク管理が甘くなった」と反省しても時すでに遅すぎるようだ。

 シティは結局切り売りされて商業銀行だけのただの金融機関になるだろうが、これとて政府の再度の支援がなくては軟着陸は難しいだろう。

 シティに注目していたら今度はバンク・オブ・アメリカがおかしくなってきた。第4四半期18億ドルの赤字決算は実に17年振りであり、原因は投資銀行メリルリンチを救済合併したツケである。

メリルを買収するまではバンカメは財務の健全なもっとも優れた銀行の一つだった」と反省しているが、メリルリンチの資産の悪化がこれほどまでになるとは予想していなかったようだ。
メリルリンチも結局は倒産したリーマン・ブラザーズと同じだった訳だ。

 メリルリンチ部門だけで第4四半期の赤字が153億ドル(約1兆4千億円)でいくらバンカメが本業で稼いでも足らなくなってしまった。
バンカメはとうとう居直って「米政府の支援がなければメリルリンチとの合意を取り消す」と政府を脅したので、ポールソン財務長官は最後の仕事として、200億ドルの公的資金の投入と、証券化商品1180億ドル(約11兆円)に対する損失補償を約束した。

 どうやら政府がメリルリンチバンカメに押し付けた時に裏約束があって「バンカメに迷惑はかけない」と一札入れていたのだろう。

 しかし問題はこれで終わらない。地雷のような証券化商品の残高はシティが28兆円、バンカメが11兆円もあり、住宅価格が低下している現状ではどこまで損失が増えるかわからない。
証券化商品とはサブプライムローンをたっぷりと含んだ地雷なのだから、住宅価格が上がらない限り地雷が次々に爆発する。

 GMクライスラーに資金をつぎ込んで一息つくと、今度はシティバンカメだ。バンカメに公的資金をつぎ込んで再び一息つくと、今度はGMクライスラーフォードの本格処理がまっている。
その後に再び金融機関が火を噴く。

 結局アメリカは今年1年モグラたたきを繰り返し、気がつけば日本の失われた10年と同じだと言うことに愕然とするはずだ。
日本と異なり処理速度は速いが、だからと言って問題の深さが軽減されるわけではない。

 



 

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評論 世界 アメリカ経済」カテゴリの記事

コメント

米国は、日本の失われた10年に学び、お金をジャブジャブと
降り注いでいるはずなのに、デフレは進むのでしょうね。

誠に、経済学では解決しがたい問題なのでしょうか。
トラウマ経験という心理で決まった、避けられない道
なのでしょう。
とするならば、やはり破綻させてしまった方が、良い気も
しますね。

投稿: たか | 2009年1月18日 (日) 21時23分

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