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(20.12.31) 平成20年が終わった  世界金融恐慌の始まり

Ca8znanfcaqg6evtcai27bgxcalyao5mcau  平成20年が終わろうとしている。この年は21世紀のエポックと言える歴史的な年になってしまった。この年に比肩できる年は1929年のあの大恐慌が始まった年だけだ。

 チャーリー・チャップリン街の灯モダンタイムスで描いた失業者が街にあふれた世界が再びやってくるとは信じられない思いだ。しかし金融恐慌は確実に始まり、各国の懸命な対応にかかわらず治まる気配は一向にない。
危機はさらに進んで実体経済まで及び自動車産業は対前年比30%程度販売が落ち込んでいる。

 アメリカのビックスリーはほぼ壊滅の状態で、世界のトヨタも赤字決算に追い込まれた。電子産業も鉄鋼産業も自動車産業の後を追うように業況は悪化し、世界の産業はほぼ30%程度の規模で生産縮小に追い込まれそうだ。

 原油価格はひところ1バーレル147ドルまで上昇し、この年末には200ドルを越すといわれていたのに、実際は40ドルを割り込みバブル発生前の30ドルに近づいている。

 土地価格は日本でも再び低下に転じたが、アメリカやイギリスでは住宅価格が日本のバブル崩壊時と同じような急激な価格低下に見舞われている。09年にかけて今一層の価格低下が起こりそうだ。

 この夏まで世界の景気を牽引していた新興国第4四半期に入って急激に業況が悪化し始めた。世界経済の優等生と見られていた中国も激しい輸出減少で輸出産業の倒産は信じられないような多さだ。
ロシアは原油価格の急落で国内企業の支援に手一杯になり、資源外交もめっきり効果がなくなった。

 輸出立国は今ほとんど立ち行かなくなっている。常に湯水のように世界の商品を購入してくれたアメリカがリーマン・ブラザーズが倒産した9月以降全く振るわない。約20%~30%の規模で輸入が縮小しつつある。
日本も中国も韓国も台湾もすべて輸出産業が大打撃を受けている。

 通貨は日本の円だけがドルに対し円高になっているが、他の通貨は中国元を除けば大幅にドル対比減価し、世界の資金が円に向かっている。おかげで円高は止まるところを知らず輸出産業は日本では成り立たないのではないかとの悲鳴が聞こえ始めた。

 08年になぜこのような金融恐慌が発生してしまったのだろうか。すでにアメリカの住宅バブルは03年の段階で警鐘が発せられていたが、実際は07年までバブルが表面化することはなかった。
バブル崩壊がさらに4年間も延びたのは投資銀行がサブプライムローンをたっぷり含んだ不良債権を優良債権に衣替えをして証券化商品として世界に売りまくっていたからだ。
この商品は安全で絶対に儲かるよ」資金がアメリカに還流している間はバブルは崩壊しない。

 中国産のうなぎを日本産のうなぎと称して販売したのと同じようなものだが、世界の金融機関や投資家が信じきってしまったところがすごい。すべて金融工学を駆使したパッケージ商品で信じられないよう高利回りだったが、あまりに数式が複雑で誰も理解できなかったというのが実情だろう。

販売元のリーマン・ブラザーズや商品の格付けが高いのだから信用して購入しよう。それに利回りが高いのが魅力的だ」そんなところだ。

 この金融恐慌は何時まで続くのだろうか。金融恐慌は07年の住宅価格の崩壊に始まったのだから、アメリカの住宅価格が持ち直さない限り収束しない。現在まで約30%程度価格が下がったが、日本のバブル崩壊の経験からはまだまだ下がりそうだ。
住宅価格がさらに下がれば、証券化商品の価格はさらに下がり金融恐慌は収まることはない。

 やはり2008年1929年と同じで、恐慌の始まった年として記憶されるだろう。
歴史家は「人間の欲望が限界まで膨らんで崩壊した年」と言うだろう。
幸い日本人は90年代にバブルが崩壊してこうした状況は経験済みだが、今世界は日本の失われた10年を追体験し始めている。



 

 

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(20.12.30) 平成20年度の回顧 私にとってのこの1年

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 毎年年末になると「この1年が自分にとってどのような1年だったか」振り返っている。
すでに62歳になり、体力的にはかつての自分には及びもつかないが、それでもまだ身体が動いてくれていることに感謝している。
毎日、柔軟体操やJOGを欠かさずやってきたことの効果があるようだ。

 また頭も同様らしく、ブログを書く習慣が根付いてからはや2年以上経つが、トレーニング効果があり、一部ボケが始まっているがその程度で収まっている。

 毎日ブログを書くとなるとその日のテーマ探しにまずおおわらわになる。自分の経験程度だとたちどころにブログは完成するのだが、最近書くようになった経済評論などはかなりの準備が要り、時間がせまってくると新聞記者の締め切り時間みたいに胃が痛む。

 しかし今年の1年はとても新鮮な経験をすることが出来た。特に小学校パソコンの特別講師や、マラソンのトレーナーなどは得がたい経験だ。
小学生を相手にパソコンを教えたりマラソンの走り方を教えていると、すっかり自分も若返ってしまう。実年齢よりも何か20歳ぐらい若い気持ちだ。

 今年1年を振り返ると以下のとおりだ。

① 小学校関連

・ パソコンとマラソンの教師になった。小学生に会って「あ、先生だ」といわれるとなんとも嬉しい。

② 地区のボランティア関連

・ クリーンクラブのメンバーが12名になっている。私のテリトリーは四季の道なので、ほぼ毎日清掃活動をしているが、各メンバーもとても熱心に清掃活動をしてくれている。

・ おゆみ野の森の草刈もほぼ毎月行なってきた。ほおっておくとどうしても荒れてくるので、この森の環境を何とかして維持したいと思っている。ここには森を愛するお父さんやお母さんが集まってくるので、そうした人たちと一緒に活動できるのは幸せだ。

・ 四季の道駅伝大会のプロジェクトが立ち上がった。私もメンバーの一員なのでこれを機会に子供達がマラソン好きになってくれることに期待している。

・ 落書きの消去活動も何回か実施している。特に年末が近づいてきた頃から地区の落書きや破壊活動が増えだした。これは悩みの種だ

③ マラソン関連

・ 今期はレースへの参加を出来るだけ減らしている。この5月の川の道252km以降は基本的にレースには出ないことにしていたが、それでもハーフ1本とフル1本走ってしまった。全てを止めるという訳にはなかなかいかない。

・ 個人レースの参加は少なくなったが、ちはら台走友会として出る駅伝レースや、九十九里浜までのJOGには参加した。特に駅伝レースはとても面白かったので、今後とも参加していきたいものだ。

④ 文芸関連

・ 河村さんが主催している読書会に参加している。最近は小説類を読むことが少なくなっていたので非常にいい経験だ。自分では一生読むことがなさそうな小説を読めるのが得がたい

⑤ ブログ関連

 私は知り合いにブログを作成することを進めている。私以外のブログを4つ立ち上げて、私がそのブログの管理者になっている。若干の管理業務が必要だが、時間は十分にあるので苦にならない。

・ 私自身のブログでは積極的に評論を書くようにしている。これは自分に対するトレーニングとして実施しており、60年以上この世に生きた証として世の中の動きを確認し、それを少しでも分かりやすく解説できたらと思っている。
いわば去り行くものの後世に対する最後の勤めのようなものだ。



 こうして今年1年が過ぎ行こうとしている。1年間このブログと付き合ってくださった方には、心から感謝をこめてメッセージを贈らせていただきたい。

 良い、お年を。また来年もよろしく。

 

 

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(20.12.29) 今年も年賀状の季節が来た

 この時期になるといつも心が忙しなくなる。年賀状を書かなければならないからだ。もう引退をして世間とのしがらみをたったのだから本当は年賀状を出さなくてもよさそうなものだが、日本のこよなき慣習を無視できるほど気持ちが強くない。
しょうがないな、書かざるえないだろうな」ぐずぐずしているうちに今日(28日)になってしまった。

「もうだめだ。日にちがない。がんばれ」叱咤激励する。
もっとも昨年からはグリーティングカードと併用している。グリーティングカードを使用してみて色々なことが分かった。

 メールアドレスがあれば問題ないと最初思っていたが、実際はメールをほとんど見ない人がいる。こうした人にグリーティングカードを送っても、1月15日頃になってようやく見てくれたことが分かる返信メールが送られてきたりする。
これでは年賀状にならない。

 今年はメールをかなり頻繁に開く人宛に限ってグリーティングカードを送ることにした。今回使用したのはイーストビーンズ社の無料サービスだが、昨年使用したヤフーはサービスを停止していた。

 年賀状に比べてグリーティングカード無料でしかもかなりのメッセージも書けるので、私のような年金生活者にとってはお年玉のようなものだが、年長者に送るのは向かない。残念なことに年長者はメールを開くことをほとんどしないのと、こうした文化になれていないので違和感を持つらしい。
私の同年輩からそれ以上の年齢の会社関連の人はほとんどそうだ。

 仕方ないので年賀状をパソコンで印刷するのだが、年に1回の操作を思い出すのにしばらく時間がかかってしまう。
えーと、えーとこうだったけ」なんてしているうちに年賀状を二三枚無駄にしてしまう。毎度のことだ。
しかも今回は昨年作成した住所録がどうしても見つからない。どうやら保存するのを間違えたらしい。
住所録を再作成か」がっくりした。
印刷するのにも時間がかかり結局一日仕事になってしまった。だが、どうにか今年も直前までに間に合った。やれやれだ。

 だが私のように年賀状をほとんどグリーティングカードで済ませる人が増えると郵便局は大変だろう。年1回のかきいれ時なのに年賀状は毎年減少しているらしい。
世の中には便利な無料のサービスがいくらでもあるから、昔ながらのシステムはだんだんと廃れてしまうのだろう。

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(20.12.28) 花牟礼祐一さんの蝉しぐれ

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(花牟礼祐一さんのスケッチ「五大堂より」)

 「絵はがきにならない風景スケッチ」の作者、花牟礼さんはすっかり藤沢周平氏の「蝉しぐれ」に心が打たれたようだ。
この5月に東京明治座で「蝉しぐれ」を観劇してから、この小説のとりこになり、この小説の舞台になった山形県鶴岡市にスケッチ旅行に出かけた。

 もっとも鶴岡市だけでは山形を満喫するには足らないので、花の山形市、紅葉の天童市、芭蕉の山寺、最上川下りと出羽山参り、日本海の湯野浜から、目的地鶴岡市へのスケッチ旅行をしている。
旅行は10月に行なったが、スケッチを上梓したのは11月~12月にかけてで、全部で36点のスケッチになっている。しかしまだ全てのスケッチを書き上げたわけではないそうだ。

 私自身が山形県で知っている場所は山形市、山寺、そして県境の山の飯豊山系だけだったので、今回花牟礼さんのスケッチと説明文を読むことによって、より広く山形県を理解することが出来た。
特に「蝉しぐれ」の舞台が現在の鶴岡市であったことは全く知らなかったので、今回はテレビドラマと実際の場所の対比が出来たことはとても有益だった。

 正直に言うが私は藤沢周平氏の小説は読んだことがない。すべて映画とテレビドラマで知り、感激してすっかり藤沢周平氏のファンになっているのだが、ファンというには誠に申し訳ない気持ちだ。

 藤沢作品の中でも山田洋次氏が監督した「隠し剣 鬼の爪」が好きで、その中に出てきた「松たか子」の演技には心から感激し、すっかり「松たか子」のファンになってしまった。
彼女がしゃべっていた「○○でがんす」という地方訛りが特に気に入っている。
この訛りが鶴岡市周辺のお国訛りだとは知らなかった。

 花牟礼さんのスケッチには山寺のシーン11枚ある。山寺は何と言っても松尾芭蕉が「山形領に立石寺という山寺あり。・・・・・ 岸をめぐり岩をはいて仏閣を拝し、佳景寂ばくとして心すみ行くのみおぼゆ。

閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声
」と歌ったので有名な寺だ。
かつて私もこの山寺に登り、頂上近くの岩場から麓の町並みを眺めて感動した。
花牟礼さんのスケッチには立石寺五大堂から眺めたとてもすてきなスケッチがあったので、このブログで掲載させてもらっている。

 また信仰の山羽黒山のスケッチが7枚ある。羽黒山は出羽三山の一つで古くから信仰の山として崇められ、このおゆみ野の日枝神社にも出羽三山が守り神として祭られている。

 古くは有吉在の善男善女が出羽三山参りを定期的に行なっていたそうで、そのお礼として日枝神社で出羽三山の神を分祀してもらったのだろう(ただし確認した訳でない)。

 花牟礼さんのスケッチを見てすっかり山形が気に入ってしまった。私は全く時間が自由なのだから、春になったら芭蕉の足跡をたどる山形市から鶴岡市までの徒歩旅行をするのが楽しそうだ。

花牟礼さんのスケッチは以下のURLをクリックすると見ることが出来ます
http://8760.y.mepage.jp/08yamagata-nav.html

 

 

 

 

 

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(20.12.27) ようやくIMFも目が覚めた 中国幻想の崩壊

Images5  ようやくIMF中国幻想から目が覚めたようだ。これまでのIMFの予想は常に中国経済を買いかぶってきた。
09年度の中国のGDP予想を当初は9.3%としていたが、この11月に8.5%に引き下げた。
なんとまあ高い数字だ」と私は驚いてしまったが、12月15日になって、ストロスカーン専務理事が「中国の2009年の経済成長率が5%台まで鈍化する可能性がある」と数字を下方修正する可能性を示唆した。ようやく実態がわかってきたらしい。

 これまでIMFの予想はどこか楽観的だった。11月現在で来年度の世界全体のGDP成長率2.2%増加すると予測していたが、その内訳は、先進国は▲0.25%で、新興国は+5%だ。
たとえ先進諸国がマイナス成長になっても中国を初めとする新興国が経済を支えるので世界全体としては2.2%の成長が可能と言う。
牽引役の中国がいる限り世界経済は安泰だ」そう思っていたようだ。

 しかし上記の数字は二つの意味で問題がある。先進国の経済が▲0.25%で収まるはずがなく、新興国が5%成長できるはずがないからだ。

 今自動車産業だけでも世界の第4四半期の販売台数は約▲30%の落ち込みをしている。また日本の11月の輸出統計では自動車・電子部品の落ち込みが約▲30%だ。
また、経済産業省が今日(26日)発表した11月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比8.1%の低下の94.0となり、2カ月連続の低下となった。過去最大の落ち込みだと言う。

 新しい統計が出されるたびに数値は悪化しており、08年度第4四半期(10月~12月)の各国のGDPの数字が出揃った頃は、世界全体が蒼白になっているだろう

 今世界の景気がほとんどジェットコースター並に悪化している。
こうした時に新興国だけが5%も成長できると考える方がおかしい。
ひところ中国やインド等の新興国経済は、たとえ先進国の経済が失速しても経済成長をとげると吹聴されていた。デカップリング(分離)論というのだが、この前提は中国のような新興国の経済はすでに自立していて先進国の影響を受けないというものだ。

 中国のように輸出主導型の経済で、対GDPにたいする輸出のウェイトが約35%と極端に高い経済が世界と無関係と言うのである。
貿易立国といわれる日本でさえGDPに対する輸出のウェイトは約18%にすぎない。
日本の貿易の現状をみれば、中国の輸出産業が同様の厳しい状況に置かれていることは確かだ。

 また内需拡大を目指しても、中国のGDPに対する消費の割合約35%と極端に少ない。アメリカが約70%、日本が約60%だから、国内消費を拡大することも出来ない。貧しい国民は消費など拡大しようがない。

 最後の手段は公共工事を増やして景気を拡大することだけだ。
GDPに対する投資の割合は約40%と確かに高いが、それだけで中国経済を支えるのは事だろう。
かつての日本がいくら公共投資を増やしても数%の成長がやっとだったことを思い出した方がいい。

 今、簡単な計算をしてみれば先進国経済の悪化を中国が支えきれないのはすぐに分かる。
中国は世界第4位の経済規模だが、世界のGDPに占めるウェイトは6%程度に過ぎない。先進国と言われるアメリカ、EU、日本のウェイトを加えるとほぼ65%程度になる。

 だから09年度、先進国のGDPがIMFの予想通り▲0.25%だったら、中国は3%の成長でいい。
しかし先進国経済が▲0.25%のはずがなく、たとえば1%低下したと仮定すると、世界の経済を中国が支えるためには約11%の成長が必要になり、2%低下すれば約22%だ。
数字は急速に大きくなり、中国の手に負える数字でなくなる。

 そして確実に世界経済は数%の規模(業種によっては数十%で縮小しているのだから、中国経済を含めて09年の世界経済は惨憺たるものになると覚悟した方がよい。

 

 

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(20.12.26) 養老渓谷へのロングRUN

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 今日(25日)は久しぶりにロングRUNをすることにした。昨年までは時間が取れれば江戸川30km~50kmロングRUNをしていたが、坐骨神経痛が出てからはさっぱり走る気力がなくなった。

 今回久しぶりに走る気持ちになったのは、おゆみ野の森で一緒に活動しているAさんから「養老渓谷に来て見ませんか」と誘われたからである。
Aさんはおゆみ野に住んでいるのだが、土日になると家族そろって養老渓谷の棚田で米作りをしている。Aさんご夫婦はもともと養老渓谷出身だ。養老渓谷はちょうど千葉県の真ん中辺りにあり、高度も高い。

日本で最後まで紅葉が見られるとてもいいところですよ
行ってみる気になった。養老渓谷までは地図上の直線距離で38km、道路は色々と迂回しているからアバウトで45km程度ありそうだった。
久方ぶりのロングRUNをしょう。それに天気もよさそうだ

 朝7時に出発するつもりだったが、直前にデイカメの電池が切れていることに気づいた。
まずい、ブログに掲載する写真が撮れない
やむなく1時間出発を遅らして、充電をした。

 おゆみ野から養老渓谷に行くには村田川沿いを下って、東関東自動車道の脇を市原市の方面に向かい、大多喜街道に出てひたすら大多喜方面に走ることになる。
ただし大多喜街道は歩道が狭く、特に人家が密集している場所は50cm程度の歩道しかない。
うぅーん、走りづらい」我慢して上総牛久まで走ると、養老渓谷方面の道に入り、そこからは自動車の数が急に減り、歩道も概して整備されている。景色も様変わりによくなりとても気持ちのいいRUNになる。

 当初5時間程度で到着できるかと思っていたら、なんと7時間もかかってしまった。途中で歩いたりのんびりと食事をしていたせいと、養老渓谷へは常に登りだったせいもあるが私も遅くなったものだ。しかし養老渓谷までたどり着けただけでも良しとしよう。

 養老渓谷で温泉に入り、帰りは電車に乗るため養老渓谷駅にたどり着いたら、昼間は2時間に1本程度しか電車は走らないのだと知った。まだ1時間もあったので駅の足湯でふやけるほど足をつけた。

 この駅で折り返し始発になっている小湊鉄道の電車は一時代前の2両編成の電車だったが、養老渓谷駅からの乗車は私を含めて2名だった。
これで経営が成り立つのだろうか。たった二名の乗客で電車を走らせていいものだろうか」人事ながら心配になる。

 しばらくの間ほとんど乗客がなかったので、ますます小湊鉄道のために心配していたら、途中の上総牛久からは学生がどかどか入ってきたのでやっと安心した。
よかった。小湊鉄道の乗車客はいるんだ」それにしても地方のローカル鉄道の経営は難しそうだ。

 今日のRUNは大多喜街道沿いの狭い歩道を除けばとても楽しかった。なにしろ自宅から直に出発できるのがいい。今日の経験を基に養老渓谷へのロングRUNを私の長距離走のコースに加えることとした。

写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/201225?authkey=FzwsKtDN_zE#


 

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(20.12.25) Picasa3に大苦戦だ

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(編集後。彩度を強調してみた

201223_003
編集前

 私は写真処理ソフトPicasaの大ファンであり、全ての写真をこのソフトで編集してきた。無料であることが最大の魅力なのだが、処理能力についても通常の写真処理については全く問題がない。
Picasaのようなすてきなソフトを無料提供するなんてGoogleは本当にいい会社だ」感謝感激だった。

 つい先日Picasa2がバージョンアップしてPicasa3になると言う。喜び勇んでインストールして使用してみたら、頭を抱えてしまった。処理が複雑になってソフトが重たくなったのだろうか、写真をアップロードする処理速度が遅いのである

 Picasa自体は変更情報のみ持っているだけなので、元ファイルに反映させないと本当の意味での変更にならない。その処理をすると今までの倍近い時間がかかる。
うぅーん、遅い」それまでの速さを知っているだけにイライラする。

 もう一つ、PicasaPicasa Webという機能があって、Picasa側でディスクを用意してそこにアップロードし、URLで検索できる仕組みがある。
私が提供している写真でURLをクリックしてみていただいている写真がそれである。
このアップロードにも従来の2倍程度の時間がかかるようになった。
なんだ、Webへのアップロードも二倍か」がっくりした。

 今回のバージョンアップでかなりの機能強化がされたらしい。操作もかなり複雑になって戸惑うことが多い。
しかし今のところ何が強化されたのかさっぱりわからないので、遅さだけが目立つ。
Picasa2の方が好いじゃんか」本音ではそう思っているが旧バージョンに戻る方法が分からない。無理やりやって今までの写真をコントロールできなくなったらそれこそ大変だ。

 かつて私もシステムマンであった頃、機能アップはしたが処理速度が低下して悩んだ記憶がある。そおいう場合はチューニングという修正を繰り返して何とか昔の速度まで戻したものだ。
おそらくPicasa3についても同様の措置がとられるだろう。それを期待してしばらくPicasa3で我慢していることにした。


(今回は編集効果を強調するための画像を載せています。基本的には景色はシャープにし彩度を上げ、やや暗くして切抜きをするようにしています

 

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(20.12.24) おゆみ野四季の道駅伝第6回打ち合わせが行なわれた

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 来年の2月15日(日)おゆみ野四季の道駅伝がせまって来た。今回は6回目の打ち合わせだったが、時期がせまって来たせいか参加者もとても熱心になっている。
参加チームも合計で73チーム(5人一組)とほぼ確定した。

 私の担当はコース管理交通整理の担当で、どこに誰をどの程度配置できるかの検討を行なってきた。
今回の作業としては、① 中継地点の正確な場所の確定、② コース管理係の配置場所および人数の確定、③ 交通整理係の配置場所および人数の確定を行なうことがポイントだった。

 事前に何回か四季の道をチェックしておいたので、危険箇所や道が不明確の場所は分かっている。今回のコース管理係および交通整理係の配置の考え方を以下のように整理した。

 コース管理係の役割は、 選手が左側を走りコースをはづれないように誘導することと、 走路上に自転車や人間が入ってきていたら、選手とぶつからないようにどいてもらうようにすることである。
場所は29箇所で、一箇所に2名づつ配置するので、合計58名の人員が必要になる。

 一方、交通整理係は  自動車道路との交差地点、および ② 特に交通が多い場所やコースが狭くて自転車や歩行者と交差しそうな場所、13箇所に配置することにした。
交通整理係は40名であり、コーンの配置とあとかた付けをお願いしている。

 また事前準備として有志の方に、 地面に走路を示すテープの貼り付け、および  自動車道との交差地点の鎖やポールを抜いた後の穴の処理をお願いしようと思っている。

 一部コース管理係と交通整理係で重複する作業があるが、子供達の安全のために互いに協力して行なってもらうことにしたい。

 今回の打合せでほぼ内容も決まったので、配置場所、人員の正確な割り振りをして本番に備えることにした。

 また広報活動のためのブログへの掲載や、実行委員相互の意思確認が行なうためのメーリングリストの整備もあわせて行なうことにした。

 なお、今回の駅伝の実行委員長をしている緒方さんが、「おにごっこ 20年第3号」に「四季の道駅伝に対する想い」を掲載しているので転載する

毎年新年を迎えると、箱根駅伝をテレビで観て興奮して、四季の道を走っていました。
構想は数年前に、ほのかにありました。
松尾会長(社体)、福谷会長(泉谷育成)が背中を押してくれたのがきっかけです。
一年を通してこの時期、小学校時代のこの時期を逃してはならない。
友と仲間と一緒に走った・競った喜びを忘れてはならない。
五人の汗がしみこんだ襷(タスキ)をつないだことを忘れてはならない。
自分が育ったおゆみ野四季の道を忘れてはいけない。
地域の友と地域を走る。
駅伝を走る意味はまさにここにあるのです。
マラソンとは違った駅伝の意味はここにあるのです。
マラソン大会でなく、駅伝大会を開催する意味はここにあるのです。

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(20.12.23) 日本は生き残ることが出来るのだろうか パラダイムシフトの時代

Images2  昨今の貿易統計の動きを見ると、輸出が急激に縮小し貿易収支二ヶ月連続で赤字になってしまった。10月が676億円の赤字、11月が2234億円の赤字である(貿易統計数字)。
11月の輸出は対前年比▲27%、輸入は▲14%なので、輸出の急減が貿易収支の赤字の原因だと言うことが分かる。

 日本は非常に長い期間、貿易収支が赤字になることがなかった。常に黒字であるのが当たり前で、毎年9兆円~15兆円の黒字だったのだからここ数ヶ月の異変(8月、10月、11月が赤字)に、日本中が震え上がってしまった。
貿易立国の日本は果たして生き残ることが出来るのだろうか」不安がよぎる。

 そうした中で毎年2兆円あまりの連結営業利益をだして「世界のトヨタ」といわれたトヨタ自動車が、この11月に20年3月期の連結営業利益を6000億円程度と下方修正した。さらに今日(12月22日)は▲1500億になると言う。
世界のトヨタが赤字になりジェットコースターと言うよりサブマリンになってしまった訳だ。

トヨタショック」という言葉がささやかれ、ホンダ日産も同様の傾向で、日本の輸出産業は総崩れの様相を呈してきた。

 自動車販売はリーマン・ブラザーズの倒産以後、世界的規模で約30%の落ち込みをしているが、日本の場合はさらに円高が追い討ちをかけている。
トヨタは下期の為替レートを1ドル、100円と想定していたが実際は90円前後まで円高が進み、今後も円安になる見込みはない。

1円円高になると、通期で400億円利益が減少する」世界のトヨタが悲鳴をあげだした。国内では輸出産業を中心に今にも日本がつぶれそうな大合唱が始まっている。

 しかし円高要因だけに限れば、輸出産業の損失は輸入産業の利益であり、もし輸出入が同じであれば円高のプラスマイナスは相殺されて、日本全体としては影響はゼロとなる。
そしてここ数ヶ月だけに限れば貿易収支は赤字なのだから、日本全体としては利益が上がっているので、円高は日本の利益になっている。

 実際常に貿易収支が赤字であったアメリカではブッシュ大統領が「強いドルはアメリカにとって利益だ」と言っていた。貿易赤字国にとっては間違いなくそのとおりだ。

 円高が問題なのは、日本が未来永劫に輸出立国だと思っているからである。
しかしはたしてそうだろうか
実は日本の国際収支を見てみると、平成17年からは貿易収支より所得収支の方が大きい。たとえば19年度は貿易収支が約12兆円の黒字なのに対し所得収支約16兆円の黒字になっている。

 所得収支とは対外直接投資対外証券投資のあがりで、利子配当金だから、日本はすでに額に汗して働く時代から、今までの儲けを投資してその収益で生活する国家に変っている。
そして今急激に貿易収支が赤字になろうとしているのだから、これからの時代は所得収支で食っていくより仕方がない。

 過去のイギリスと同じで、イメージとしては国全体が年金生活者のような生活だ。私自身年金生活者だが、この生活も悪くない。

 経済財政諮問会議2005年4月に出した「日本の21世紀のビジョン」では、日本の貿易収支が赤字になり所得収支の黒字でそれを十分まかなっていく時期は2030年だと想定していた。
いわゆる「未成熟債権国」から「成熟債権国」への変換は2030年と思っていたら、それよりはるかに早く2009年にそうなってしまいそうだ。時間が20年先行している。

 原因は全てアメリカがサブプライムローン問題で勝手にこけてしまったからだ。日本の立場からすれば、まだ子供でいられると思っていたら親父が急に病気になって、息子が大黒柱にならざる得なくなったようなものだ。

 アメリカは7000億ドルの金融支援策以外に、FRBが住宅ローン担保証券や長期国債の買取をすると言う。今や何でもありで国内にジャブジャブ資金を供給するわけだ。
これらはすべて景気低迷化でのドル札の増発となり、アメリカ国内ではインフレ要因、国外的にはドル安要因になる。

 だから円高は止まるところを知らず進行し、将来的には50円程度の円高を覚悟しなければならないだろう。
輸出はますます難しく、輸入品は極度に安くなり貿易収支は傾向的に悪化する
ただし円高の円を求めて世界の資金が東京市場になだれ込んでくるので資金は潤沢だ

 結局日本は、今まで貿易で溜め込んだ資金と、円高で日本に集まってくる資金を利用した投資により所得収支を黒字化して生きるより仕方がないのだ
こうした大きな変革を歴史家はパラダイムシフトと呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

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(20.12.22) おゆみ野の森の忘年会

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 今日(21日)はおゆみ野の森の今年最後の活動日だった。毎月第3日曜日に行なわれる。最近はこの定例日以外にも草刈日があり、大体月二回はこの森に集まるようになった。

 すっかりここに集まるメンバーとも顔見知りになり、最初はさっぱり分からなかった子供達も誰の子供か分かるようになった。
いつもの森のインストラクター斎藤さんが子供達を森の中にいざなっていく。
私たち大人はその間に、クリスマスツリーアーケードを竹で組み立てていく。

 ここ来ている人たちはクラフトの腕前があり、たちまちのうちにツリーやアーケードを作ってしまうので、私はただ感心してみているだけだ。
自分の出る幕ではないので、いつものように草刈を始めた。なぜか私は草を刈っているときが一番楽しいのだ。

 今日はこの後近くの会場で参加者が集まって忘年会をすることになった。幹事はいつもこの森に集まってくれるとても気持ちのいいお母さん方が引き受けてくれる。みんな自然大好き、お祭り大好きな陽気なお母さんだ。

 今日は朝、おゆみ野の森にルンルン気分で出かけたのだが、意外なことにインストラクターの斎藤さんがとても気落ちした様子をしている。
山崎さん、子供達が植えた椎や樫(かし)の幼木が、切り倒されている

 見に行くとこの春、子供達が植えてくれた幼木が半分以上抜かれたり切り倒されていた。
そばの休憩用テーブルの周りには缶コーヒーの缶が4個と、他に菓子類の袋、牛乳パック、および化粧用のクリームが一つ散乱していた。
またか」ここもおゆみ野界隈で頻発している破壊行為の犠牲になってしまった。

 この椎や樫の幼木には子供達の名札をつけ、将来はその子供が育てた木として成長を見守っていただけに痛々しい。
斎藤さんはひどいショックを受けてしばらく言葉もなかった。

 こうした行為を見た後、気を取り直すのには時間がかかるが、それでも忘年会が始まるととても楽しい気分になった。
ここには養老渓谷の棚田で土日に農作業をして美味しいお米を提供してくれるAさんや、酒が入るとことのほか口が悪くなるが、いつもは新鮮な農産物を提供してくれるNさん、それにランナー友達のOさんたちがいて、全く気が置けないのがいい。

 養老渓谷は日本で最後まで紅葉が見られる場所だそうで「山崎さん是非走ってきてください。温泉もありますよ」とAさんに誘われた。ここから40km程度の距離なのでこの冬休みに一度出かける気になった。

 今日は市議の福谷さんも来ていた。福谷さんもこのおゆみ野の森のメンバーなのだが、「いつもなかなか参加できなくて申し訳ありません」と言われていた。福谷さんは私のような暇人でないので、常時参加するのはとても無理だろう。

 私はここおゆみ野の森に集まる人たちが好きだ。とても純朴で自然を愛していることがよく分かる人が多い。来年もまた楽しく参加させてもらおう。

()なお、幼木(苗)が切断されとことに対し、斎藤さんと一緒に活動しているインストラクターの佐々木さんが感想文を書かれているので下記に掲載します

 苗が、切られてしまったのは残念でした…
切った人たちがどんな人たちか分からないですが、誰しも心に闇をかかえていると思うので、悔しいのですが、彼らを責めたり忌み嫌ったりしたらおもうツボのような気がしています。
 漫画で「家裁の人」というのがあります。
植物大好きな家庭裁判所判事が主人公です。
ちょうど、斉藤さんが判事なったと思えばちょうどぴったり(笑)
 彼がナイフを振りかざして花を切り刻んだ不良少年にこう言います。
君は、いまその花を殺したつもりかい? 
その花はとっくに何万何十万の種をまいて、君が切り刻んだくらいじゃ 死にはしない。何度でも芽を出して新しく生まれる。君は、その手でこの花ひとつ殺すことなんてできない
 なにか壊してしまう人の話を聞くと必ずこの話を思い出します。
また、植えましょう。何度でも何度でも。

(21.5.5)追加
幼木が切り倒されていた件については、Oさんから以下のような報国があり、一部はウサギの仕業ではないかと思われます。


 
新都市ライフ Oです。
5/2(土)のおゆみ野の森にて、管理活動をおこなう「草刈隊」の活動が行なわれました。
その際のうれしい誤解がありました。。

* うれしい誤解
昨年の冬、子どもたちが植えた苗木が、ナイフで切ったような切り口で切り刻まれているのが発見されました。
誰かわからぬが、悪い人間の仕業...とみなが思い込んでいました。
この件は山崎さんのブログにあるとおりです。

 ところが、今回の草刈隊実施の前にメンバーのKさんが、「野ウサギは苗木を捕食するとその歯の形状から、ナイフでスパッと切ったように見える...」という情報を得てきてくださいました。

(野ウサギの生態を図書館で調べていて、探し出したとのことです)
 さっそく他の文献等を検索したところ、徳島県や北海道の林業試験場などの報告からもそのような切り口が野うさぎ捕食の特徴であるとの情報を得られました。
 草刈隊の当日、現地を確認したところ、同様な切り口の根元にまさにウサギの糞が盛られている木々が発見され、「食べたらすぐ出す..」というウサギの習性からしても「まさに、犯人!」との結論に至りました。

人間を疑ったことをみなで反省しました。
また、子どもたちの苗木を切ったのは人間でなくて良かったと。








おゆみ野の森の写真です。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/201221?authkey=MzRm3qSwYgo#

 

 

 

 

 

 

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(20.12.21) 駅伝モードになってきた

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(この写真は青葉の森の駅伝の写真です)

 おゆみ野四季の道で開催される駅伝は、来年の2月15日(日)に行なわれるのだが、ようやく私自身の駅伝モードに火がついた。
今日(20日)いつものように四季の道の清掃活動をしていたら、春も道公園の水のみ場がある辺りに、小学生の女の子が6人ほど集まっている。

 私を見かけて「あ、マラソンの先生だ」と言う。この地区は有吉小学校の地区であり、この12月の始めに有吉小学校で3年生以上を対象にマラソン教室を開いたので、そこの生徒だとすぐ分かった。

何してるの
マラソンの練習をするの
聞いてみると駅伝の練習に集まった小学3年と、4年の児童だった。
駅伝大会の練習と聞いてすっかり嬉しくなって、またトレーナーに早代わりした。

 準備運動をして、全員で有吉小学校からさくら公園まで走ることにした。二列に並ばしてまるで中学や高校の陸上部みたいだ。
決して速いわけではないが、練習をするところがかわいい。すっかり私もハイになって付き合ってしまった。

 そんな訳で今日はすっかり駅伝モードになっている。今まで手をつけていなかった作業を行なってみた。

 一つスタート地点や中継地点の正確な場所の確定だ。すでに実行委員長のOさんが地図上にプロットしているのだが、地図が小さいため正確な場所を指し示しているわけでない。

 中継場所としての条件は 広い場所が取れ(ごった返すので狭い場所はダメ)、② 直線状にある場所(カーブだと走者が見えないので、うまく中継できない)なので、Oさんがプロットした場所の近くで、そうした条件を満たす場所を選んでみた。

 これで良いかどうかは次回の会議で決定してもらうことにするが、中継地点が正確に決まらないと、コース管理の要員配置場所についても正確に決まらないことが分かった。

 二つ目は中継地点を仮置きして、コース管理の要員配置場所を考えてみた。ポイントは 道の分かりづらい場所 コースの曲がり角で注意がいる場所③ 中継地点の50m程度直前に管理要員を配置することにした。
こうした場所がコース管理のポイントになる。

 最後交通整理要員の確保と配置について、現在協力を約束してくださった方を中心に配置したが、まだ要員不足になっている。この不足要員については、次回の打ち合わせの時に確定したいものだと思っている。

 いづれにしてもこうした要員配置問題については本年度中に解決したいものだ。

 

 

 

 

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(20.12.20) 終わりの始まり クライスラーの操業停止

 クライスラー17日、米国とカナダにある工場30箇所の操業を、19日から1ヶ月間完全に停止すると発表した。しかしナルデリ会長といえども、1ヵ月後にクライスラーが通常の操業再開をすると思ってはいまい。
次は何が起こるのだろうか」市場は固唾を呑んで見守っている。

 ホワイトハウスのペリーノ報道官13日には「金融安定化法に基づく公的資金を使用して、つなぎ融資を実施する方向で検討している」と言ったが、18日には「秩序ある破綻も選択肢の一つ」とトーンを下げた。
すったもんだの挙句米政府は19日、米自動車業界に対し、金融安定化法の資金を活用して、計174億ドル(1兆5500億円)の資金繰り支援を行うと発表した。

Click here to find out more! 具体的には、7000億ドルの公的資金枠から、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに計134億ドルを融資し、来年2月にも40億ドルを追加融資する体制を整えた。

 これでGMとクライスラーの年末の倒産は避けられたが、ことはそれだけでは収まりそうはない。

 元々ブッシュ政権金融安定化法の7000億ドルで、ビッグスリーを救済することに反対だった。
あれやこれや検討した結果、環境対策資金の一部を使用する案でホワイトハウスと議会民主党は手打ちをしたが、上院の共和党議員によってせっかくの修正法案が廃案にされてしまった。

 再びブッシュ大統領とポールソン財務長官に玉は投げ返されたが、ポールソン財務長官の腹は決まっていたはずだ。なにしろポールソン氏は公的資金の導入を拒否してリーマン・ブラザーズを潰した男だ。
労働条件の引下げと株主責任が絶対の条件だ

 これに対しUAW(全米自動車労組)もかたくなだ。医療保険と退職後給与を含めた給与で、トヨタやホンダより約5割程度高いといわれる給与水準を引き下げるつもりはさらさらない。
2011年度の労働協約改定日までは、引下げなど応じられない

 今回の資金援助と引き換えに、ホワイトハウスUAWはどんな取引をしたのだろうか。あるいは単に生命維持装置をつけてオバマ政権に引継いだだけだろうか。

 次の市場の注目はクライスラーの本格的な処理に移ってきた。
元々ビッグスリーといっても、クライスラーは世界自動車販売台数がGMの4分の1程度で、日産やホンダより少ない。
従業員数もGMの約半分の5万人だ。
そして何より株式の約80%を投資会社のサーベランスが保有している。

 歴史的には何回も経営危機に陥り、アイアコッカによる奇蹟の復活があったものの、その後業績が低迷して1998年にはダイムラー・ベンツ社に買収された。
しかしそれでも業績が回復せず2007年5月にクライスラー部門は投資会社サーベランスに売却されている。

 そして現在、この金融危機で全く自動車が売れなくなり、11月の販売台数は対前年同月対比で約5割減少し通期では約3割減少してしまった。
こんなに売れないなら生産しても仕方がない」1ヶ月の操業停止に追い込まれたわけだ。

 アメリカの自動車市場が3割も縮小している中で、整理淘汰が最も容易な企業はどう見てもクライスラーだ。
労働者が最も少なく、株主はサーベランスが8割の大株主だ。生産量も少ないから関連する周辺会社に与える影響も少ない。

 おそらくホワイトハウス(ブッシュ政権もオバマ政権も)はクライスラーを事前調整型の破算法申請(連邦破産法11条)に追い込みたいはずだ。社債は返済不能株は無価値、そして金融機関の債権を大幅にカットして、賃金をトヨタ並にした後、残った工場と労働者をGMに引きつがせようとするだろう。

 客観的に見てクライスラーは生き残る条件はない。だからこの1ヶ月の操業停止は時間稼ぎのための「終わりの始まり」なのだ。

 

 

 

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(20.12.19) 急停車し始めた台湾経済

Images2  台湾経済が、ほとんど急停車といってよいような速度で止まり始めた。2001年ITバブル崩壊で一度はマイナス成長に陥ったものの、その後は5%前後の安定した成長を遂げ、07年は5.7%もの高成長だったのが嘘のようだ。

 08年に入り、第一四半期が6.25%、第二四半期が4.32%で順調そのものだったが、第三四半期(6~9)は▲1.02%と大失速だ。
全ては中国が原因である。中国への輸出が急速に落ち込んでいるためだ。

 台湾経済は日本と同様輸出産業で持っているのだが、輸出の約5割は中国向けだ。台湾は中国に対し三通政策(通航せず、通信せず、通商せず)をとってきたが、実は名ばかりで中国の改革解放の波にのって約5万社の企業が中国に進出し,100万人近い台湾人が中国に常駐している。実際は中国経済が台湾の生命線といってよい。

 その台湾経済電子産業で持っているといっていいほどなのだが、一般にはあまり知られていない。理由は台湾のメーカーがもっぱらODM(委託先設計による生産)による生産を行なっており、会社名が表にでないため、たとえばデルアップル東芝の名前は知っていても、エイサーアスーステックを知らない(ただし、エイサーについては最近は独自ブランドの製品が多くなっている)。
実際はノート型パソコンマザーボードのほとんどと、液晶パネルのかなりの部分が台湾製である。

 しかもこうした製品は現在ではほとんどが中国で生産されている
2001年のIT不況の後は、台湾の電子産業は大挙して中国に工場を建設して、最終製品の組み立てはもっぱら中国で行なうようになった。
人件費が格安だったからである。

 現在では台湾から部品を輸出し中国で組み立て、アメリカに輸出する構造が確立している。
だから中国の電子産業とは実際は台湾の電子産業なのだが、サブプライムローンのつまずきでアメリカが不況になって、ノート型パソコンも液晶ディスプレイも全く売れなくなってしまった。

 台湾の輸出は対前年同月比9月が▲1.6%、10月が▲8.3%でこの先どこまで落ちるか分からない。
当初08年のGDP4.30%増加すると予想されていたが、最新の予想は1.87%と半減し、第4四半期の数字が出る頃にはさらに低下して、ほとんどゼロ成長に近くなるだろう。
09年度は日本と同様マイナス成長もありうる。

 台湾経済日本のコピーのようだ。輸出立国で主な産業が電子産業だ。違いは独自のブランドを持たず(ただしエイサーは持っている)、もっぱらODM生産で組み立てはほとんどが中国で行なっていることだけだ。

 だから台湾経済は日本のキャノンや東芝、シャープ、パナソニックのような企業の動向と全く同じだと思っていい。
日本の輸出産業が大失速しているように、台湾の輸出産業も大失速している。中国では進出した電子産業のアスースが45、000人の解雇をしそうだと大騒ぎだ。

 馬英九政権も頭が痛いだろう。せっかく三通政策の解除をしはなばなしいセレモニーを行なったのに、中国との輸出入が時を同じくして大失速し始めた。
これでは何のための三通政策解除か分からない。

 中国は来年度8%の成長を目指すといっているが、ほとんど不可能だろう。中国は輸出だけで持っている国だ。いくら公共事業を拡大してもかつての日本の失われた10年と同様、数%の低成長となると思ったほうがいい。

 そして中国は台湾の生命線である。生命線が数%の成長では、台湾経済の動向もほぼ決まったようなものだ。

(23.6.2追加)台湾経済は08年,09年と低迷したが10年度から大復活を遂げて現在絶好調になっている。

 

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(20.12.17) 最後の奉公 小学校の算数ボランティア

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 昨今のおゆみ野界隈の荒れ方は、ほとんど非常事態宣言並だ。中学校や四季の道の公園、遊歩道にほぼ毎日のようにひどい落書きがされ、分解された自転車やバイクが泉谷公園の池に放り込まれ、フェンスのポールが抜かれたり、太鼓橋の蛍光灯のカバーが割られている。

 なぜこんなに急激に破壊活動が始まったのだろうか。今まで雌伏していたアルカイダが一斉に攻撃しかけてきたみたいだ。
どう見ても中学生を中心とした破壊活動で、警察や地区の育成や防犯関係者がパトロールをしたりしているが、なかなか犯人が判明しない。

 昨日泉谷中学で行なわれた「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」の講演会で講師の方が「地域と学校が協力しなければ、安全は守ることができない」と言っていたが、全くそのとおりだ。

 中学生が荒れる原因の一つに学業についていけず、落ちこぼれになって精神が荒れる場合がある。
私は中学生とは直接のかかわりはないが、小学生のパソコンの特別教師をしてみて、低学年の時は懸命に授業について行こうとしているのに、学年があがるに従ってさめてしまう児童がいることに気がついた。
どうせ出来ないのだから、パソコンなんてやる気もしない」そうした態度を見せる。

 こうした生徒は全ての授業に対し同じ態度をとるようで、担任の先生もすっかり諦めてしまい、ほとんど無視して授業を進めているようだ。

 通常クラスにはよく出来る子、普通の子、出来ない子がいるが、よく出来る子は塾などに行ってますます磨きをかけているし、普通の子は学校での授業に十分ついていける。

 問題は出来ない子なのだが、多くの場合算数の授業についていけなくなった場合が多い。繰上げ繰り下がりの概念が理解できなかったり、分数の掛け算や割り算がまるでダメというような児童だ。

 こうした子が中学生になって、ますます授業についていけなくなり、荒れる子になってしまうことが多い。
授業は全く面白くネエし、バイクでも壊して遊ぼう」と言うことになる。

 思い余って先日、私がパソコンを教えている小学校の教頭先生に、ボランティアで算数を教えるメンバーに私を加えてほしい旨、依頼をした。
この小学校では地区のお母さんが、毎日2時間目と3時間目に、授業についていけない児童をマンツーマンで教える体制をとっている。
そこに私も加えてもらい、少しでも落ちこぼれの児童がでないように、及ばずながらお手伝いをすることにした。
小学校の時から落ちこぼれて、すねているのではかわいそ過ぎる

 小学校の授業に一人でもついていける子供が増えれば、中学校で荒れる子供がそれだけ少なくなる可能性が高い。地区の安全を図る上でなんとも迂遠な方法だが、私が出来る方法としては最善だ。
幸い私はパソコンとマラソンの教師をしてきて、子供達にはなれている。今度は算数の教師になってあげよう。

 こうした行動でドロップアウトする児童が一人でも救えたら、私自身はいままでこの社会にお世話になった恩返しになる。
そして子供にとっては社会のアウトローに近づくか、社会のまじめな構成員になるかの分かれ目だ。

 やはり私のような年長者は、子供達の未来を見据えて子供達を社会のよりよき構成員になるように導くことが、最後のこの世に対する勤めなのだと思う。

 




 

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(20.12.17) コメントに対する対応について

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 最近コメントに対する対応で苦慮する事例が増え始めた。私としてはコメントをいただくことはとても嬉しいことなのだが、記事とは全く無関係なコメントがあったり、私に対する個人的な依頼があったりする。

 今まではこうした場合にその時々で対応を決めていたが、やはりコメントをされる方に対するメッセージとしてこのブログでの取り扱いについてお知らせしたほうがよいと思うようになってきた。

 以下にこのブログでの基本的対応について記載します。

1.基本的にはコメントはそのままこのブログに掲載しますが、以下の場合は掲載しないことがあります。

(1) 個人的な私への依頼
* この場合はメールで連絡してください(ブログの右上にメール送信機能が記載してあります)。

個人的な依頼は知人の場合は、なぜ依頼するかの背景が分かるので、特別な理由がない限り応じることにしています。
全く面識のない方の依頼は、その必要性が理解できた場合にのみ、応じることにしています。

(2) 記事とはまったく関係のない意見等の記載
* このブログとは関連がないので、基本的には掲載しません。
なお、内容が自分の意見と同じか、または参照に値すると判断された場合は私の記事の中で、その人の意見と断って掲載します。

* 通常記事と関連ない内容については、そのような内容を扱っている他の掲示板、またはスレッドをご利用ください。あるいは自分でブログを立ち上げることをお勧めします。

(3) 商品販売や、儲け話等のコメント
* 私のブログではこうした記事は扱いませんし、コメントも掲載しません
私のブログはどう見ても金儲けとは無縁のブログです。

2.コメントの記載内容が不明であったり、公序良俗に反すると判断された場合は、加筆訂正をして掲載するか掲載しないことがあります。


3.私のブログではコメントは一旦留保され、私が確認した後に掲載しております。これは上記1-(1)、(2)、(3)のケースがあるためです。

 それ以外のコメントについては大歓迎ですので、どしどしコメントをしてください。私が間違ったことがわかった場合は、必ず訂正してお詫びいたします。

別件」 おゆみ野地区破壊情報
秋の道の柵の手すりを、意図的に壊す行為が続いています。壊されたパイプが夏の道公園に捨てられていました。
以下に現場写真を掲載します。なお、本件については緑土木事務所に連絡いたします。

http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/201216?authkey=g6EzAH1qS-M#

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(20.12.16) イギリス経済がアメリカに似てきた

Images1  アメリカの金融恐慌やビッグスリーの救済問題に目が奪われていたら、イギリス経済が急速に悪化し、まるでアメリカの後を追うような状況になってしまった。

 元々イギリスには金融業北海の原油以外にはまともな産業はなかったが、1993年以降15年以上に渡って経済成長が続き、特に07年は3.3%とG7の中で最高の成長率を達成していた。

 成長の原動力は金融業である。金融工学を駆使した金融業の儲けは大きく、各国はきそってイギリスに投資したためGDPは毎年上昇し、その資金がイギリス国内に有りあまってしまった。

 この資金が不動産投資に向かったため2000年から2007年までに、住宅価格が約3倍の値上がりをした。その間のアメリカの住宅価格の値上がりは約2倍だから、住宅バブルはイギリスのほうがはるかに大きい。何か日本の土地バブルとそっくりだ。

 この住宅バブルがアメリカのサブプライムローン問題を追うようにはじけ始めたのが07年11月で、アメリカに遅れること約3ヶ月である。
住宅価格は08年10月までに、ピーク対比13%落ちたが、タイムズの最近の記事では09年までに約35%低下すると予想している。

 アメリカがすでに30%程度低下し、私の予想ではさらに09年度20%程度低下すると思われるので、イギリスはちょうど1年遅れでアメリカを追っていることになる

 またこのタイムズの記事では、09年度までに住宅を購入したことによる債務超過のイギリスの世帯は、約200万世帯になると予想されている。
これはアメリカの現在の債務超過1200万世帯とほぼ同じレベルになるイギリスの人口はアメリカの約5分の1だから、アメリカイメージに換算すると200万×5=1000万世帯となる)。
イギリスにとってアメリカは「明日はわが身」ということだ(イギリス人もアメリカ人と同様住宅の値上がり益で消費を拡大していた)。

 イギリス経済はなぜこんなにもアメリカ経済と似ているのだろうか。1980年代、疲弊したイギリスを再生したのは鉄の女と言われたマーガレット・サッチャー首相だったが、その最大の功績はビッグバンと称されたロンドンを世界の金融の中心地にしたことである。

 徹底した自由化政策によって、ロンドンは世界で最も金融業が活動し易い場所に生まれ変わった。そこではロイズバークレーズRBSといった金融機関が、今ではおなじみになったディリバティブと称される金融商品を次々に生みだし、高利回りの配当を約束したたため世界の資金が集まった。
ロンドンに投資すれば必ず儲かる」世界中の金持ちが色めきたった。

 ボンドは急激に上昇し、一時は250円(現在は約140円)までなったのだから、多くの日本人はイギリスへの旅行を躊躇したはずだ(日本もバブルの最中は世界で最も物価が高かった)。

 この成功を見たニューヨークの投資銀行が、イギリスの手法を真似て1990年代から世界を席巻するようになったが、元々はイギリスこそが投資銀行の元祖といえる。
アメリカはこのイギリス仕込の金融工学を発展させて、さらに舞い上がってしまっただけであり、それゆえバブル崩壊はアメリカから発生しただけだ。
イギリス人はアメリカ人ほどは舞い上がらなかったことが違うが、中身は全く同じといえる。

 今回の金融危機で、すでにイギリスでは6兆円規模の公的資金を主要銀行に投入しており、また3兆円規模の景気対策を打ち出している。
しかしこれはアメリカ発の金融恐慌対応であり、イギリスの不動産価格が暴落するのはこれからだ。

 イギリスの1年遅れの金融危機は今始まったばかりで、イギリスの不動産をしこたま含んだ金融商品が破裂するのは09年度であり危機はこれからが本番だといえる。

 

 

 

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(20.12.15) 小学校のパソコン教育  驚きと感動と

043754501 私は近くの小学校でパソコンの特別講師をしているのだが、驚いたり感動したりすることが多い。
先日の1年生の授業で算数の切り上げ、切り下げの復習をパソコンですることになった。小学校には学年別算数の練習ソフトが入っており、それを使用して復習するのだ。

 ある女の子が手を前に出して盛んに首をかしげている。
先生、指が足らないから計算できない」泣きそうな顔だ。この少女は繰り上がりや繰り下がりの概念が理解で出来ず、10本の指の範囲でしか計算できない。
そうか、それなら先生の指を貸してあげよう。これなら計算できるだろ

 かつて私もこうして指を数えて計算していたことを思い出した。今では暗算でいとも簡単に成し遂げていることも、当初はこうして指計算機で計算していたわけだ。
人類はいかにして計算が出来るようになったのか」人類の歴史を追体験してしまった。

 これも1年生の男の子の話である。ペイントと言うソフトを使用してクリスマスカードを作成する授業だった。学校にはパソコンが20台しか配置されていないため、生徒は交代でパソコンを使用する。

 授業が終わる頃になって、ある男の子がさめざめと泣いていた。目から鼻から涙が流れ出し、ぐじゅぐじゅになっている。
どうしたの」聞いても要領を得ない。

 授業の最初の頃に、隣の女の子に足をけられて泣きそうになっていたのを知っていたので、隣の女の子に注意し「君は男の子なんだから、泣いたりしちゃーダメだ。男の子は強くなくちゃー、ダメだぞ
頭をなぜ、さとして教室に帰らせた。

 その日はこの授業だけだったので、パソコンの電源を落とし、電気を消してパソコン教室から出ようとしていたら、例の男の子と他に女の子と男の子計3人が、息せき切ってドアーを開けて入ってきた。

あっ、先生がいた。よかったね、A君。先生、A君はクリスマスカードが作れなかったの」女の子が息を切らしながら説明する。
どうやらA君はパソコンを操作する時間が取れなくてクリスマスカードが作れなかったようだ。

そうか、それで泣いてたんだな。よし、ここに座れ。先生と一緒にクリスマスカードを作ろう」A君は気を取り直して操作を始めた。
A君、よかったね。クリスマスカードがつくれて。後でみててやるからね。本当に良かったね」嬉しそうに少女が言う。

 私は思わずその少女の顔をしげしげと見てしまった。
これが小学校1年生の言える言葉だろうか・・・・・・・

 この話をクリーンクラブでいつも一緒に活動している小太郎姉さんに話した。
小太郎姉さんによると「女の子のほうがはるかに早熟で、特に下に弟がいるような場合はお姉さんとしていつも面倒を見ていることが多く、小学校低学年では男の子は本当に子供なの」だそうだ。

 小太郎姉さんの話で、先日読書会で取り上げた平岩弓枝さんの「ちっちゃなかみさん」を思い出した。この小説の主人公は11歳の少女だが、「兄の結婚話の障害にならないようにと、弟と二人で家を去り、自分は女郎をしてでも弟を育てるので、兄の結婚を承諾してほしい」泣きながら訴える話である。

あの小学校1年の少女は、本当にちっちゃなかみさんだなあ
目から鼻から涙を出して泣いていたA君も、孫のようにいとおしかったが、さらに少女が示した男の子をいたわる気持ちには、思わず胸が熱くなってしまった。

 パソコン教育には驚きも感動も多い。

 

 

 

 

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(20.12.14) 落書き消しは大忙しだ その3  暗黒の季節

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(夏の道公園が落書きされた

 暗黒の季節がやってきたのだろうか。先日泉谷中学校の校門や校舎にひどい落書きがされて中学では大騒ぎになっていたが、今度は四季の道に隣接する夏の道公園噴水の壁に目いっぱい落書きされてしまった。

 四季の道の清掃活動をしていて、本日(13日)発見した。昨日の朝はこのような状態でなかったから、昨夜(12日)のうちに落書きがされたのだと思う。例によって「○○死ね」と言う文字と、ハートマーク赤線が引かれて汚らしいしいことこの上ない。

 さらに信じられないことに空き缶がゴミ袋に入ったまま大量に捨てられていた。「空き缶と落書き」何の因果関係が有るのだろうか。
しかたない。後で缶の清掃と、落書きを消しに来よう」とてもルーチンワークでは対応できない。

 今日は気持ちがナーバスになるようなことが多かった。次は金沢小学校の横のはちまんがた公園に、こちらも目いっぱいゴミが散らかっていた。
牛乳パック、キムチパック、ヨーグルト、お菓子等がところかまわず散らかっている。昨夜盛大な宴会が開かれた跡だ。
落書きの次は、宴会の掃除か」気持ちが落ち込んだ。

 どうもこの季節は何かと問題が起こりやすい。中学3年生がいわば進路が決まり学校に行かなくても済むことが多くなり、急に夜遊びが増えだしているのだろうか。公園に集まり宴会を行い、それだけでなくスプレーで目いっぱい落書きをする者がいる。

 朝の清掃活動は大体2時間程度かかるのだが、最近はそれだけでも疲れるのに、今日は落書き消しに出かけなくてはならない。身体も気持ちも乗らないが老骨を鞭打って出かけた。
ほおっておくとさらにエスカレートする。俺は落書き消しのプロなんだからがんばろう

 剥離剤で落とし、水洗いをしてさらに剥離剤で落とす。これを繰り返すとほとんどの落書きが消える。ただし剥離剤を布につけて擦るときに相当の力を入れないといけないので、手首が腱鞘炎のようにいたくなってくる。
ううーん、右手に力が入らなくなった

 疲れて途中で止めようかと思っていたら前に環境管理センターの建設反対運動で一緒になったことがあったSさんが、ブラシとバケツを持って参加してくれた。私が一人で作業していたのを見て見かねたようだ。
二人で行なうと実に作業がはかどる。またたくまに落書きを消すことが出来た。パーフェクトではないが、一見したところ分からない程度には消せた。

いやー、Sさん、本当に助かりました。一人では限界がありますね。もう止めようかと思っていたのですよ
こうしたことは地区の住民が参加して消すのが一番ですね。今私は災害防止委員会のリーダをしていますが、落書きも一種の災害のようなものです

 今回はとりあえず二人で消したが、次回は災害防止委員会のメンバーにも手伝ってもらえそうだ。
どうも見ても、落書きをまたされそうなので、落書き消しは大忙しになりそうだ。

 落書きが消された写真を公開します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/2201213?authkey=4sitId4KKaI#

 

 

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(20.12.13) ヨーロッパの暗い闇 ギリシャの暴動

Images6  ギリシャで暴動が燃え上がっている。元々はアテネ有数の不穏な地域に暮らす15歳の少年を警察官が射殺したことに始まった。
これに抗議してこの少年の仲間達(アナーキーと呼ばれている)や、大学生がすぐさま反発し、それに野党の全ギリシャ社会主義運動PASOK)が政権奪取の好機とばかりゼネストを打ったものだから、ギリシャ社会は大騒ぎになってしまった。

 商店街は焼き討ちにあい、警察署や役所や銀行が破壊の対象になっている。すでにアテネの565箇所の商店等が焼かれ、被害総額は240億円にのぼるとギリシャ商工連合会が発表した。

 ギリシャではアナーキーと呼ばれる行き場を失った若者がたむろしている。元々ヨーロッパは若者が職を得るのが難しい社会構造といえるが、ギリシャには海運業と観光業、それに政府関連の企業以外にはまともな職場がない。
ギリシャ全体の失業率は8%程度だが、若者(15歳~24歳)の失業率は25%程度だ。実に4人に一人が失業者になっている

 通常若者が職を得る方法は、(国内の大学はレベルが低いため)著名な外国の大学を卒業するか親のコネで政府関連の職場を見つける以外に有効な手段を持っていない。
学業を途中で放棄した若者はほとんどが失業者となって街にあぶれ、酒を飲んでは警察官に悪態をついている。
ポリコー、死んでしまえ

 したがって若者と警察官との間には常に緊張関係が存在し、一触即発の雰囲気だ。
アナーキーと呼ばれる若者は事あるごとに、警察署や役所や一般商店を焼き討ちするし、警察官はアナーキーをたたき潰す機会を虎視眈々と狙っている。
だから今回の警察官による15歳の少年の射殺事件は起こるべくして起こったと言う側面が強い。

 現在の政権を担当しているのは新民主主義党ND)のカラマンリス政権だが、中道右派政権で300議席中151議席と、かろうじて過半数を維持しているにすぎない。
しかも閣僚が修道院の跡地の取引で私服を肥やしたと野党から追求されているし、不人気な年金改革(支給年齢の引上げと支給額の削減)を実施しようとしている。財政赤字をEUの基準である3%以下にしておかなければならないからだ。
年よりは死ねと言うのか」年金改革に対する老齢者の不満は大きい。

 レベルの低い大学の教育改革は遅遅として進まず、かつ大学は治外法権を持っているため警察官は大学構内に入れない。それをいいことにアナーキーといわれる若者や大学生は、危なくなると大学に逃げ込みそこでしこたま火炎瓶を仕込んでまた街に焼き討ちに出てくる。

 野党のPOSOKパパンドレウ党首は「事実上無政府状態だ。我々は政権交代を要求する」と言って総選挙を直ちに実施するようにカラマンリス首相を追い詰めている。
政権奪取のチャンスだ。全てを政争にしろ」小沢党首のようだ。

 ギリシャは難しい国だ。西欧と東欧の中間地点に位置し、国内は右派と左派で二分され左派政権と右派政権が交互に政権を取りあってきた。そのたびに政策は大きく変る。
経済成長は毎年4%前後で好調だったが、海運業と旅行業を除けば国内にまともな産業はなく、貿易収支はいつも大幅な赤字だ。

 この赤字を埋めていたのが海運業と旅行業の収入、それに海外移民のからの送金、そして外国からの投融資だったが、金融危機を契機に一気に経済状況は悪化してきた。

 元々職場がなく未来のなかった若者にさらに追い討ちをかけるような経済状況だ。
鉄鎖以外失うものはない
ヨーロッパではドロップアウトした若者には職場がない。アナーキーと呼ばれるこうした若者は、日本のやくざと同じで表社会に住むことができない。

 このギリシャの若者の反抗はやはり世界的な経済危機が原因だが、元々底流にあったギリシャの暗い闇を呼び覚ましてしまったと言えよう。



 

 

 

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(20.12.12) 悪い予感

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(蛍光灯のプラスチックカバーが破壊されていた

 先週の土曜日(6日)、いつものように四季の道の清掃活動をしていたら京成おゆみ野駅の前の歩道橋の欄干にはめ込まれている蛍光灯2基が、バットのようなもので破壊されていた。
また始まったか。まずいな」悪い予感がした。

 こうした破壊行為が始まると次々にエスカレートしていき、次にはもっと大規模な破壊行為や反社会的行為が始まるのが常だ。
危惧していたら泉谷中学校で校門や校舎の壁一面にスプレーで落書きがされ、中学校で大騒ぎになったとの記事おゆみ野Walkersやその他のブログに掲載された。

 最近の落書きは書かれても1箇所ぐらいであったりして、たちどころに消去が可能であったが、どうやら今回はそのような生易しいものではないらしい。ブログに掲載されていた写真を見てもところかまわず書きなぐっていると言う感じだ。

 「○○死ね」と言う文字が踊り、現生徒指導の教官名や在校生の名前が書かれていたという。
○○死ね」と言う言葉は四季の道の街路灯やトンネルの壁にしばしば書かれた経緯があり、その都度クリーンクラブのメンバーで消していた。しかし上塗りが効かない場所は完全には消し去ることが出来ず頭を抱えたものだ。

 特に裸のゴツゴツしたコンクリートに書かれた場合は、針金ブラシで削り取るのだが、コンクリートの粉を目いっぱい吸い込んで気持ちが悪くなった。

 今回は防犯カメラを事前に壊してから犯行に及ぶ等、確信犯的な用意周到さが見られる。こうした犯人を捕らえることは至難の業だが、私がかつて勤めていた金融機関ではこうした確信犯に対する対応をしていた。

 そこでは防犯カメラ以外に隠しカメラを設置して、たとえ防犯カメラが壊されても犯行を映し出すことが出来るようにしてあった。
これは海外の子会社の例だったが、成績が不良な職員を馘首したところ、この職員が「人種差別による不当解雇」だとの理由で提訴したことがある。海外では人種差別だと認定されると企業が存続できないほどのペナルティーを取られる。

 その時この職員が解雇後に「不当解雇」の証拠集めに上司や本人の机を開けていた映像が隠しカメラに映っており、これによって逆に提訴することが出来た。実務ではこのくらい注意深い対応をしないと企業経営がなりたたない。

 学校教育では一般に性善説的な対応をとることが多く、また問題が起こると教師や父兄が自分達がいたらなかった等の反省をすることが多い。
十分に教育指導が出来なくてもうしわけない」という気持ちだ。

 しかし、これはものの半面で、いくら教育しても駄目な児童はある一定の割合でいるものだ。完全な善人も、完全な悪人もいないが、相応に反社会的行為を行なう児童はいる。
どんなに社会が進んでも警察があるのは、一定の割合で犯罪者が現れるからで、単に確率の問題といえる。

 こうした場合は社会の規則にしたがって罰するのが最も大事で、「悪いことは悪い」とのけじめをつけさせるのが大事だ。
なまじ「教育の欠如だ」なんて反省しないほうがよい。

 犯罪者は必ず犯行を否認するから、そのためにははっきりした証拠が必要になり、会社では一般的に行なわれている隠しカメラの設置を学校も検討したほうがよい
人間社会の維持のためには教育も罰則も必要だとの常識的判断がこうした場合最も大事だと思う。

 

 

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(20.12.11) おゆみ野四季の道駅伝の準備状況

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 四季の道駅伝については来年の2月15日に実施するのだが、あと3ヶ月あまりになってかなり忙しくなってきた。
昨日(9日)は千葉南警察署の交通整理担当部署と打合せを持った。

 当方は実行委員会会長の松尾さんと交通整理や交通管理の担当が出席した。四季の道そのものの使用と、2箇所ある一般道との交差地点の交通整理について話し合いを行なった。

 一般道との交差地点については駅伝を行なっている時間帯は交通をストップすることにしてもらうことになったが、周りの自治会の了承等をとってほしいと言われている。
また交通整理そのものは実行委員会の方でして警察官の立会いはない

 実際問題として交通を完全にストップすることは出来ないので、選手が走っている間は待ってもらう等の措置が必要で、このあたりはかなり柔軟な対応が必要とのことであった。

 またコース上にコーンを置いたり、目印のテープを路面に貼り付けることの了承も得た。

 一方走り方教室については第2回目の教室が14日(日)春の道公園午後1時から開催される。
対象は有吉小、泉谷小、扇田小の児童である。
前回は(11月23日)秋の道公園の近くの東西南北ロータリーを基点に行なわれて約50名の児童が集まってくれた。二回目も同じくらいの児童が集まってくれたらと思っている。

 私は先日、有吉小学校で3年生以上の児童を集めて、長距離走の指導をしたのだが、その経験では思いのほか子供達はよく走ることを知った。もちろん全く走るのは苦手な子もいるのだが、私が思っていた以上に運動能力は高いので安心した。

 今回の2回目の走り方教室では、元富士通の実業団チームにいた日本のトップクラスのランナーOさんも来てくれそうなので、子供達に素晴らしい走り方のモデルを見せてあげられそうだ。

 また交通整理係の陣営もだんだんと固まってきた。コースが分かりにくい箇所や、交通量が多い箇所で交通整理をしてもらうのだが、実際はコーンの配置などでご苦労をかけそうだ。
幸いにとても気持ちよく協力してくれそうなので助かっている。

 まだしていない作業として中継地点の明確な場所を決めることや、泉谷メッツの父兄の方に交通管理をお願いするのだが、その具体的な場所を決めていない。出来るだけ早くこうしたことのつめを行ないたいと思っている。

 いづれにしても時間がせまってきており、誰がどこで何を担当するかといったような詳細な計画書が必要な段階にきている。
昔私はシステム設計の仕事をしていたのだが、全体計画から詳細計画に移るところなどは、何かその時の仕事の仕方に似てきたようだ。

 

 

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(20.12.10) GMの再建は可能か  

86391_3 GMワゴナー会長が「政府の支援がなければ来年前半には資金が底をつく」と居直ってから、ブッシュ政権議会民主党、それにビックスリーのSEOを交えたテンヤワンヤの大騒ぎが始まってしまった。

 11月に行なわれた公聴会では、支援額を250億ドル(約2兆4千億円)必要と証言したが、ビックスリーのSEOが飛行機で乗りつけたり、自身の給与の減額に直ちに応じなかったりしたため、すっかり議会の機嫌を損ねてしまった。

 またブッシュ政権ペロシ下院議長(民主党)との間で、援助資金の出所を金融安定化法7000億ドルを使用するか、環境対策資金250億ドルを使用するかで意地の張り合いをし始めた。
このため市場ではGMがしびれを切らして連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請するのではないかとの憶測が流れたほどだ。

 結局12月4日、5日の2回目の公聴会でビックスリーが全面的に恭順の意を示したので、議会もブッシュ政権も「ここでつぶすわけには行かない」と決心したようだ。

 当面の資金繰り対策として、GMに80億ドル、クライスラーに70億ドル、計150億ドル(1兆4千億円)の運転資金を手当てをすることにした。原資は環境対策資金の250億ドルだが、法改正の必要があるため今週末までには採決に持ち込む必要がある。
GMもクライスラーもしばらく生かしておこう。ビックスリーを本格的にどう料理するかは、オバマ政権に任そう」と言うことで手打ちをしたわけだ。

 さて、第2回目の公聴会を前に、GM再建計画を提出したがその内容は以下のようなものだった。

① 180億ドルの資金を要請。12月末までに40億ドル必要。
② 債務総額656億ドルのうち、356億ドルの債務削減。

③ 業界全体の米国内自動車販売が1250万台~1300万台を前提に収支均衡を目指す。米国市場でのシェアは22%維持。
④ ブランドを4モデルに削減し、販売会社を6450社から4700社に1750社削減。

⑤ 経営陣報酬を9年度は1ドルとする。
⑥ UAW(全米自動車労組)と労使協約の見直し実施。9工場閉鎖。雇用を9万6千人から6万5千人~7万5千人に削減。
⑦ 電気自動車などの投資を継続。


 この計画を見て唸ってしまった。はっきり言ってこれが実行可能であったら、そもそもGMが危機に陥ることなどなかったはずだ。
上記の計画で実行が困難と思われるのは以下のとおりだ。

 の債務総額365億ドル削減は社債を株式に変えてしまおうというもの。しかし紙くずレベルの3~4ドルの株式に社債権者が簡単に応じそうもない。

 の1250万~1300万の数字は最近の1000万前後の販売数量から見て、過大な数字。したがってしばらくは赤字体質だということ。またシェアも20%切ってさらに低下しているので22%維持は無理。

 販売会社を削減するのは相手があることでおいそれとは行きそうもない。

⑥ の労使協約の見直しは最もやっかい。特にUAWは民主党の票田なので、そこの組合員を2万~3万切るのは政治問題化しやすい

 オバマ新政権にとってもGMの再建は一筋縄では行きそうもない。当面はGMの再建計画を信じたふりをして資金援助しても、再建計画が軌道に乗らず何時までも出血が止まらないことにいらだつだろう。
これでは砂漠に水をそそいでいるのと同じじゃないか

 最終的には今までのしがらみを断って出直さざる得なくなり、連邦破産法11条による破算処理に追い込まれそうだというのが、私の現段階での予想である。

 

 

 

 

 

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(20.12.9) 原油価格はさらに低下しそうだ

Images2_2   今年の7月に1バーレル147ドルにまで上昇した原油先物相場は、あれよあれよと言う間に40ドルまで低下してしまった。実に半年で下落率は7割に達している。
7月時点では年末には200ドルの大台に乗ると予想されていたが、リーマン・ブラザーズの倒産で金融危機が発生し、一気に坂道を転がり始めた。
今は一体どこまで原油価格が低下したら止まるのか世界中が注目している。

 長らく30ドル前後だった原油価格が急上昇始めたのは2004年の始め頃からだが、それまで世界全体で年1%台だった石油消費量の伸び率がこの頃から年2%~3%に急上昇した。この間先進国の石油消費量はほぼ横ばいだったから、もっぱら中国等の新興国の需要が増えたことによる。

 一方原油価格03年から08年の間30ドルから一気に147ドルまで約5倍も上昇したが、消費量の伸びはたった10%程度だった。
本来ならばありえないような価格上昇だが、投機資金による仮需が発生したからである。

 しかしリーマン・ブラザーズの倒産以降金融が一気に引き締まり、投機資金が撤退した結果仮需がすっかり剥がれ落ちてしまった。
そのおかげで原油価格の動向はもっぱら実需の動向を見ればよいことになったので非常に分かりやすくなってきた。

 石油需給の見通しで最も権威があるとされる国際エネルギー機関(IEA)の最も最近の見通しでは「2013年まで日米欧の石油消費は一貫して減り続け、一方中国、中南米、中東などの新興国は消費量が拡大する。09年については先進国は▲1.7%、一方新興国は増加するので全体では0.3%の増加になる」という。

 IAEは自身の7月の見通しを下方修正したのだが、09年度0.3%増になると言ったのには驚いてしまった。
08年の見込みが0.1%増に止まるのに、09年は僅かとはいえ08年より好転すると言うのだ。

 08年は少なくとも8月までは石油価格が上昇の一途をたどると見て、多くの国で石油確保に血なまこになっていたのは記憶に新しい。
中国が世界の石油を買い占めていると言って大騒ぎしていたではないか。

 一方09年は世界的不況で先進国の経済は前年割れすることが確実と予測されている。それなのに08年対比、石油の需要は拡大すると言うのだ
そんな、馬鹿な。一体どこの国が石油を使うんだ

 直近の08年7~9月期の石油消費量の数字を見ると、先進国の落ち込みが▲3.8%(4~6期▲2.1%)、新興国が+4.4%(4~6期 +4.5%)だ。
先進国の石油消費量は期を追って悪化しているが、新興国の数字はあまり変っていない。

 先進国について言えば直近の数字が▲3.8%なのに経済がさらに悪化する09年が▲1.7%ですむはずがない。
この数字を見ただけでもIAEの予測の甘さが分かる。

 さらにこうした甘い見通しをささえる理由は、新興国、特に中国の経済が堅調で他国の需要減をカバーしてくれると予想しているからだ。
先進国の経済がどんなに不調でも、中国が石油をがぶ飲みしてくれると言う。はたして本当だろうか。

 中国はここ数年石油需要をほぼGDPの拡大の歩調に合わせて拡大してきた。08年のGDP成長率見込みは約10%、09年のGDP成長率中国政府の見通しで9.3%世界銀行の見通しで7.5%である。
ところが最新の資料では08年10月までの工業GDP成長率8.2%で季節調整後で対前年比▲4%だと、中国中央工作会議で発表された。
中国の経済成長も急速に悪化している。

 結局09年石油の需要IAEの予測より先進国は落ち込みが拡大し、中国にも期待できない。

 買う人がいないのだから、結局原油価格は40ドルを割ってさらに低下し、バブル発生前の30ドル程度まで落ち込むと思わなくてはならないだろう。



 

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(20.12.8) 長柄町一周駅伝に参加した

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トップの東金商業Aチーム

 久しぶりに楽しいRUNが出来た。長柄町一周駅伝に始めて参加したのだ。私が所属しているちはら台走友会ではほぼ毎年のようにこの駅伝に参加しているのだが、昨年は軽い肉離れをわずらっていたので、サポート要員でしか参加しなかった。

 全体で69チームの参加があり、ちはら台走友会ではAとBの2チームで出場した。Aチームがエース級であり、Bチームはその他である。ありがたいことに私もBチームのメンバーに入れてくれた。

 この駅伝は長柄町一周約27km6人でリレーするのだが、一人当たりの走る距離は5km弱である。私も3区約5kmを走ることになった。
この駅伝のコースはアップダウンが激しく、特に2区と4区心臓破りの坂が続く。
3区は相対的に平坦だったが、それでも相応のアップダウンがあった。

 走友会Aチームの第一走者は、元富士通の実業団選手で、フルマラソンを2時間13分台で走ったことのある実力者のOさんである。
素晴らしいスピードで走り、トップの成績で第二走者にタスキを渡してくれた。後は後続のランナーが懸命に順位を守ろうとしたが、高校生チーム3、中学生チーム1、一般チーム1に抜かされ、総合で6位部門別では2位の成績だった。
この成績は最近のちはら台走友会の成績としたら特出に値する。

 私が所属したBチームはちょうど真ん中あたりの総合で36位だった。私自身はこのところスピード練習を全くしていなかったのでどうなるかとおもったが、区間35位の成績だったので思いのほか健闘したほうだ。

 最初は腰痛が出るのではないかとおっかなびっくりでアップをしていたが、走り出すとすっかり腰のことを忘れてしまうのがとてもいい。
フルマラソン以上だとやはり腰に対する負担が大きくなるが、5km程度だとほとんど負担がないらしいことが分かった。
それにタスキをつながなければならない責任感で走るので思いのほかスピードが出る。
なんだ、走ればかなりのスピードが出るじゃないか」自分でも驚きだ。

 この日はほぼ快晴気温は10度程度とベストコンデッションだった。長柄町は千葉県のほぼ中央に位置する山あいの町であり、とても素晴らしい環境の町だ。
こんな素晴らしいところを駅伝の走者として走れたのは、本当に幸せと言うほかない。

 なお、会長のYさんがグループメールで喜びの声を記載しているので、あわせて紹介したい。

長年の宿願であった表彰台を、見事、準優勝で飾れました!!
1区Oさんが区間賞の力走。
私が受けて急坂をヒーヒー登り、先導の白バイを必死で追っかけ、
高校生たちに抜かれても食らい付き、5位でMさんにタッチ。

ゴール前でハラハラしながら待つことしばし、Tさんの姿がはっきりわかったときは歓喜の雄たけびを上げていました!
ゴール! 町外一般準優勝です!! 総合でも6位! すばらしい!

・・これまで長い道のりでした。
あきらめず、長く希望をもって走ってると報われるものですね。
これでまた、ちはら台走友会にすばらしい歴史が刻まれました。
懸命に走っていただいたみなさん、本当にありがとうございました。

雲ひとつない快晴の下、Bチームの6名も気持ちよく懸命に走られたと思います。
みなさん、お疲れ様でした。
いやあ、駅伝ってほんとに、いいですね^^




長柄町一周駅伝の写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/20127?authkey=kSb8RNO_hx8#


 

 

 

 

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(20.12.7) タイの政局は不思議の国のアリス

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 このところのタイの政局については通常の日本人にとって理解の範囲を超えている。
首相府が3ヶ月以上占拠されたままだったり、2つの国際空港を反政府勢力が10日あまり封鎖しても政府はなんら対策も取らず、首相は北部のチェンマイにこもったきりバンコックには戻ってこなかった。

 これがどんなに異常かは日本に置き換えてみれば分かる。首相官邸に反対派が押し寄せたり、羽田や成田空港が占拠されそうになったら、すぐさま機動隊が出動して反対派をたちどころに排除し、バリケードを築いて一人として通過させないだろう。
当然首相が北海道あたりにこもることもない。

微笑みの国」といわれて久しいタイでは、国民は首相府も国際空港も誰が占拠しようと「微笑ん」でただ見ているだけなのだろうか。

 ソムチャイ首相が率いていた国民の力党(実際は連合政権は、昨年の選挙で第一党になり内閣を組織しているのだが、陰の権力と言われる軍隊も、また警察も、裁判所も、そして何より国王までもソムチャイ首相を見捨てていたようだ。

 反政府組織の国民民主主義連帯PADが国際空港を占拠した翌日、タイ陸軍司令官は「私が首相だったら当然辞任する」と公然と辞任要求をだすし、警察はPADを強制排除をするそぶりすら見せなかった。

 挙句の果てにタイ憲法裁判所がソムチャイ氏が率いる国民の力党が、昨年の総選挙で有権者を不正に買収したとして政党の解散を命じてしまった。
ソムチャイ首相は「私の任務は終わった。私は今や平凡な市民だ」と声明を出して、内閣を総辞職した。9月に首相になってから3ヶ月も立っていない。

 よってたかってソムチャイ氏を首相から引き釣り下ろしたようなものだが、ソムチャイ氏率いる国民の力党はそんなに問題なのだろうか

 実は国民の力党の前身、タイ愛国党は遅れたタイ北部の開発や、農村地帯の振興策をとり、経済成長も7%前後と好調で、アジア危機でIMFからの借入た借金も返済し経済政策としては申し分のない実績を示していた。
このタイ愛国党2001年から率いていたのがタクシン氏だったが、2006年9月に汚職の嫌疑で首相を解任されてしまった。

 軍事クーデタが発生したからである。軍政は約1年続き2007年12月に民政移管の総選挙を実施したら、軍の予想に反し再びタイ愛国党の流れを汲む国民の力党が第一党になってしまった。
タクシン元首相は海外に亡命中だったため、タクシン氏の傀儡と言われたサマック氏が首相になった。

 このサマック首相が「テレビの料理番組に出場して出演料を取ったのが憲法違反」だとタイ憲法裁判所から弾劾され解任されたのがこの9月で、その後を今回解任されたソムチャイ氏が首相を勤めていた。
このタイ憲法裁判所の判決はかなり言いがかり的だと思う。

 なんてことはない、国民の力党の党首は憲法裁判所が違憲判決を出して引き摺り下ろすか、それでもダメならば軍隊クーデタを起こして引き釣り下ろす訳だ。
しかし選挙を行なうと国民の力党が国民の支持を得て第1党になってしまうのが不思議だ。
民主主義社会では選挙結果を尊重するのが基本原則だが、タイではこの原則は当てはまらないらしい。

 私などはなぜ国民の力党がこれほどまでいじめられるのか訳が分からない。タクシン元首相が強権的だったとか、国王をないがしろにしたとか、農民に対するばら撒き行政をしたとか言われているが、本当の理由が分からない。

 かえって遅れた農村部と北部地域の振興に力をいれ、今まで政治的意見を述べることのなかった農民の圧倒的支持をえて、選挙で第一党になったのだから全く問題がないはずだ

 タクシン元首相の汚職嫌疑やサマック前首相の料理番組の出演料受領や、2007年12月の総選挙の買収工作容疑も、かなりでっち上げの感がある。
確かにそうした事実はあったのかもしれないが、反対派だって同じなのがタイの政治状況だ。はっきり言ってどっちもどっちなのだ。

 今回の一連のタイの政局の流れはやはり通常の日本人には理解不能と言えそうだ。まさに不思議の国のアリスの世界だ。

 

 

 

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(20.12.6) ようやく主夫業に慣れてきた

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 人間慣れるものだと思う。2週間前にかみさんが左足の指の付根の骨折をして全治3ヶ月と診断され、私が家事全般をしなければならなくなった時はどうなるかと思ったが、すっかりその生活に慣れてしまった。

 食事は朝・昼は今まで互いに勝手にパンなどを食べていたので食事作りは夕飯だけなのだが、それでも最初は味噌汁の作り方さえ分からず途方にくれてしまった。

 今ではダシを入れて、ジャガイモを切って、ワカメを少々入れて、最後に私の好みの分量までミソを入れればOKなことが身についた。
パパさんの味噌汁もなかなかじゃないかみさんがほめてくれる。

 ご飯を炊くのは以前からやっていたが、これも私好みに少し固めに炊いている。あとはその日の一品を作るのだが、大抵は野菜炒めでウィンナーソーセージとキャベツを油でいためて、コショウをふりかければお終いだ。
大体30分程度で食事の準備が出来る。
食事を作るなんて簡単じゃないか
本当は手抜きの食事作りなのだが自信がわいてきた。

 洗濯はかみさんは靴下のような汚れ物と、かみさんの衣類と、私の衣類を分けて、3回洗濯していた。汚れの程度が違うのだそうだ。
私は私のものとかみさんのものと2回で洗濯することにした。
自分のものであれば、汚れていても一向に平気なのですべて洗濯機に放り込んでしまう。

 これも最初は洗剤の入れ方や、風呂水の使用の仕方が分からなかったが、すぐに慣れた。洗濯はほっておいても洗濯機が洗ってくれるので全く苦労にならない。

 掃除も適宜行なっているが、夫婦二人の家庭なのであまり汚れない。

 一番の悩みはかみさんを病院に連れて行くことで、自動車を処分してしまったので頭を抱えたが、幸いに娘の結婚先のおとうさんとおかあさんが整形外科に通っていたので、それにあわせてかみさんを自動車で連れて行ってもらっている。ありがたいことだ。

 そんな訳で当初は悲壮感が漂っていたが今は従来と同じように、清掃活動をし、小学校でパソコンとマラソンを教え、JOGをし、さらに毎日ブログも書けるようになった。
また土日にはおゆみ野の森の活動や、マラソンレースにも出ているので従来の生活と全く同じだ。
よかった。また元の生活パターンに戻れた

 当初は評論を書くのに事前準備の時間がなくなると思っていたが、そうした心配も杞憂に終わった。
必要な情報はGoogleアラートで随時入手しており、工夫によって時間の節約が可能なことも知った。

 本当に人間、なんにでも慣れてしまうものだと自分のことながらつくづく感心してしまう。

 

 

 

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(20.12.5) マラソンコーチになった

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 人間長く生きていると信じられないようなことが起こる。今度は小学校のマラソンのコーチになってしまった。
近くの有吉小学校では授業の一環として長距離走を取り入れているのだが、走り方について指導をしてほしいと、地区の社会体育振興会の会長さんを通じて依頼があった。

 3年生以上を走らせるのだが、学年ごとに長距離の走り方について指導をしてほしいと言う。ここ1週間、ほぼ毎日午後の時間帯にマラソンの指導をしている。

 拡声器と笛をもって「飛ばすんじゃない。ペースを維持しろ。ほら、ホームが崩れているぞ。疲れたら休め。ペースだ、ペースだ」大声で叫んでいる。

 教頭先生クラスの担任の先生も総出で出てきて、私の指導を受けているのだから責任重大だ。生徒全員で毎日走った距離をカードに記入して、全部たすと千葉県を一周することが目標なのだそうだ。カードマラソンと命名していた。

 学年ごとの体力に合わせた走り方の方法、ストレッチ、アップの仕方、ペース走、クールダウンについて教えているのだから、とてもコーチらしい。

うぅーん、62歳になって念願の体育教師になったぞ

 私は長い間金融機関の職員をしていたのだが、正直言ってどこかなじめなかった。「他に自分に適した職業があるに違いない」といつも心の隅で思っていたが、長い経験からそれが体育教師であることが分かってきた。

 なにしろ金融機関の職員だったのに、毎日昼休みか業後には1時間から2時間程度のRUNをしていたし、自宅では筋トレを欠かすことがなかった。長い休みが取れれば登山長距離走に出場していたし、健康に悪いと思われる酒もタバコも一切しなかった。
また金融機関の職員につきものの付き合いも最小限度におさえて、出来るだけ睡眠をとるようにしていた。

 健康そのものの生活だが、社会人としてはいささか問題があったと言えよう。しかし幸いにも人事部はおおらかに「山崎はああいうやつだから、まあ、ほっておこう」と認めてくれた。
ただし、出世とは縁遠いぞ」凡て良しとは行かない。

 会社を辞めて62歳になって小学校のパソコン教師をしていたら、今度はマラソンのコーチをしてほしいと言う。
何と言うことだ。この年になって念願が次々に成就してしまう
やはり長生きはしてみるものだ。

亀ゴン、喜んでくれ。とうとう体育の教師になってしまった。マラソンのコーチをしているんだ
先生の長年の夢が成就したのですから喜ばしいことです。ですが先生、腰のほうは大丈夫なのですか

実際は坐骨神経痛が痛んで、走るのもままならないのだ。しかしコーチは自分が走るわけでないから、何とか勤まるよ
若い時代に教師になっていればよかったんですけどね

そうだね。人生はままならないけどこの年でもなれただけ幸せだ

 

 

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(20.12.4) 文学入門 その4 海からの贈物

Images_2   今日(3日)は河村義人さんが主催する第5回目の読書会だ。河村義人さんは本業は銀行員だが、一方で「子どもたちへのブンガク案内」という本を出版されているおゆみ野在住の作家でもある(おゆみ野walkersの「この人に会いたい」に詳しい)。 

 今回の読書会のテーマ本はリンドバーグ婦人の「海からの贈物」だった。1955年にかかれたと言うから半世紀前の書物だ。
この本を選んで報告したのはTさんだが、Tさんは建築関連のフリーのルポライターで、またおゆみ野Walkersというブログの主催者の一人でもある。
Tさんは「海からの贈物」だけでなく、リンドバーグ夫人の他の書物や、関連する書籍に目を通しており、この書物がかかれた背景説明も親切だった。

 Tさんによれば「リンドバーグ夫人は、長男を誘拐されて殺害されたこと、また有名ではあるが家庭的には必ずしもよい夫でなかったチャールズ・リンドバーグとの結婚生活でさびしかったのではないか。それがこの本を書いたきっかけではないか」との主旨の説明をしていた。

 私はいつものようにこの本のことも、リンドバーグ婦人が作家であることも知らなかった。
勿論夫のチャールズ・リンドバークのことは「翼よあれがパリの灯だ」があまりに有名なので知っていたが、当初このリンドーグ婦人の本は夫の伝記なのだろう思っていたくらいだ。

 今回はこの中の一章である「つめた貝」を読むことになっていたのだが、つめた貝の説明が長く続くので、読み始めたときはチャールズ・ダーウインの「種の起源」と同じような生物学関連の本と思ったほどだ。

 ようやく読むにしたがってこの書物が、夫の伝記でもなく、また貝の説明書でもないことが分かったが、なんとも不思議な書き出しだ。
この本のテーマは女性の自立である。
すでにウーマンリブの嵐が吹き荒れ、現在はその反省期にさしかかっている時期なので、こうした女性の自立について書かれてもさして不思議な気持ちはしない。

 しかし書かれた当時はまだ保守的な気分が強く「女性の自立などはとんでもない話」で非常に衝撃的な書物だったのだろうと想像される。

 時代に先行しすぎて読者がついてこれないと思ったときに、関係のない話で読者の興味をひきつける方法は、かつて左翼文壇隆盛の頃の右派文壇のアプローチに似ている。
山本七平氏(ペンネーム、イザヤベンダサン)の「日本人とユダヤ人」がそれで「日本人はユダヤ人と異なり水と平和はタダがと思っている」という主張で「日本国憲法が平和を守っている」という左翼の主張に挑戦した。

 リンドバーグ婦人は貝の話で私達をひきつけようとしているが、文体は重く哲学的だ。
女はいつも自分をこぼしている。子供、男、また社会を養うものとして、女の本能の凡てが女に、自分を与えることを強いる」という。
リンドバーグ婦人はウーマンリブの闘士のように「絶対平等主義者」ではなく、女性と男性の違いに注目する。

女は小出しに与えるということよりも、無意味に与えるのを嫌うのである」と与えることの意味に条件を付与する。

 そしてその与えると言う意味を深く知るために「自分というものの本質を再び見出すために一人になる必要がある」ので「少しでも自分の内部に注意を向ける時間が有ることが大切な」のだという。

 女は男性と異なり常に自分を人に与えて生きているが、それだけではダメで孤独に耐えながら常に自分を見つめることが必要だ、と言っているようだ。

 私はこの書物は歴史的な書物で、当時はこうした女性の自立を説く啓蒙書が必要だったと理解したが、発表者のTさんや何人かの女性が「これは普遍的な真理を記載した本で、それゆえ何回も重刷をかさねて読まれており、今後も長く読まれる本だ」と言ったのにはビックリした。

 Tさんによれば「ときどきぱらぱらとめくって数ページを読むと、はっとするような箇所がいつも出てきて、自分がそのときおかれている状況ごとに新たな発見がある」のだという。

うぅーん、書物は人によって全く読まれ方が違うのだ」実は私は同じ本ならば、誰でも同じように読むものだと思っていたので、これは大発見だった。
読書会に出席していると、驚くようなことが多い。


なお、河村義人さんが、本日の読書会のまとめをされているので、それを一部抜粋して掲載します。

テキストは、アン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物』(新潮文庫)で、講師はTさんでした。

まず講師のTさんより表題作及び関連作品の紹介、著者の家族(夫は有名な飛行家でアメリカの国民的英雄リンドバーグ。子どもは5人いたが、長男は死亡)の詳しい説明がなされ、日の出貝、牡蠣、たこぶねといった浜辺で集めた貝の変遷が、新婚、子育て期、子育て後といった夫婦のライフステージの推移に相当し、読者の年齢やその時の問題意識に応じて発見がある、といった見方が示されました。

 その後で、本書は「日常生活を変えるヒントがつまった本」「たった今を生きるのに非常に役立つ本」という総括がありました。

参加者のコメントでは、「本書の中に自分の問題に対する答えなりヒントがあるように思った」とか「著者がすごいのは様々な賢人たち(哲学者・詩人・小説家など)の言葉を自家薬籠中の物としている点、」といった好意的な意見が寄せられる一方、

「哲学的・思想的な内容なので、大変読みにくかった」「テーマは『女性の自立』だが、今読むと内容的に新味はない」「作中に出てくる貝は単なる装飾品」といったやや辛口の意見も聞かれました。

 また、「初読では『いい本』だと思ったが、再読して全体にピューリタリズム(清教徒主義)が鼻につき『宗教くさい』気がした」とか「若い頃はすらすら読めたのに、年を経て再読してむずかしく感じた」といったように印象の変化に驚く声もありました。

さて、次回の日程は、来年1/14(水)13:00~(於緑図書館集会室)、テキストは柳田国男『遠野物語・山の人生』(岩波文庫)、講師は河村です。

(「遠野物語」は文語文なので、もし読みにくければ、「山男」や「山女」といった「山人」の部分だけでも結構です。「山の人生」は口語文で書かれているので比較的読みやすいと思います)

新年早々ながら、皆様ふるってご参加願います。

 

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(20.12.3) 米中同盟の始まり ヒラリー・クリントン氏の国務長官就任

Images1_5    ついに米中同盟が始まった。中国と深いコネクションがあるヒラリー・クリントン上院議員がオバマ大統領の下で国務長官に就任することが決まったからである。
国務長官は日本で言えば外務大臣に相当し、大統領制をとっている他国では首相に相当する。 

 ヒラリー・クリントン氏は大統領予備選の間も中国との深い関係を隠すことがなかった。予備選中にヒラリー・クリントン氏が発表した「21世紀の安全保障と機会」と言う論文で以下のように述べている。

われわれと中国の関係は、今世紀の世界において最も重要な二国間関係である。アメリカと中国は非常に異なる価値観と政治システムを有しており・・・・・・意見が異なることが多いのだが、なお米中両国が達成できることは・・・・多々ある。

北朝鮮の核施設無能力化に向けた多国間合意を達成するために中国の支援が必要であり、この枠組みを礎として、北東アジアでの安全保障体制を確立すべきである

 ブッシュ政権では「最も重要な二国間関係は日米関係」で、北東アジアでの安全保障は「日米安保条約」だったのとはえらい違いだ。
もともと民主党の外交政策は日本と中国の等距離外交だったが、ヒラリー・クリントン氏が国務大臣に就任することによって米中同盟が最も大事な二国間関係になってしまった。北京政府のクリントン夫妻に対する今までの投資はものの見事に当たったわけだ。

 ビル・クリントン大統領時代から中国ロビーとクリントン政権の怪しげな関係はしばしばマスコミの話題となった。
たとえば1996年頃チャリー・シー、ジェニー・チャンと言われる中国系アメリカ人からクリントン前大統領は1億円以上の献金を受けたが、この2名は中国人民解放軍のエージェントと言われていた。

 また2004年ヒラリー・クリントン氏の資金集めを担当していたのは窃盗容疑で3年間の禁固刑を言い渡されて逃亡中のノーマン・シューという中国系アメリカ人だった。
ヒラリー・クリントン氏ノーマン・シュー氏をかばったが、その理由は中国系企業から多額の献金をノーマン・シュー氏が集めていたからだった。

 そして何よりビル・クリントン前大統領セックス・スキャンダルで弾劾されそうになったとき、クリントン夫妻を温かく迎えて世界の大統領を演出したのは当時の江沢民国家主席だったことは記憶に新しい。
ビルは女にも金にも甘い。手なずけろ

 オバマ新大統領ヒラリー・クリントン氏の政敵だけにそうしたクリントン夫妻のコネクションをよく熟知している。そのためヒラリー・クリントン氏を国務大臣に指名するにあたり、ビル・クリントン氏の慈善団体が毎年50億円程度集めている資金提供先の開示を求めた。
あまりにひどい中国ロビーでは、国政に支障が出る

 それにしてもオバマ新大統領ヒラリー・クリントン氏を国務大臣にしたのはなぜだろうか。
理由は、現在のアメリカ経済の不況を救えるのは世界最大の金持ち国中国の資金だとの目論見があるからだ。

 かつて日本が世界最大の金持ち国だったときに、アメリカは日本から資金を吸い上げることに成功した。アメリカ国債を購入させ、金融の自由化をさせることによって長銀や日債銀を安く買い叩き、アメリカの不動産を二束三文で日本企業から買い戻すことに成功した。

日本からはとるものがなくなった。次は中国だ。そのためには中国に顔が利くヒラリー・クリントンがいい
オバマ政権にとり緊急の課題は70兆円の赤字国債の購入先の確保と、弱りきったアメリカの金融界を立て直すために中国金融市場の解放を図ることだ。
たしかに、金のない日本よりは金持ち中国のほうが「最も重要な二国間」であることは間違いない。

 一方中国はこの機会に北東アジアの覇権を確立して、日本を属国にし中国中心の国際関係を築くことにある。それにはアメリカの暗黙の同意が必要だし、またアメリカ市場は中国の生命線だ。
アメリカの一国支配の時代は終わった。東アジアは中華圏にして、日本の技術と金を巻き上げよう

 さてこの同床異夢の勝負はどうなるだろうか。

 一方日本はアメリカからは見放され、中国からは属国扱いされそうなのだから、よほど独立自尊の精神を発揮しないと完全に国際関係のパワーゲームに翻弄されそうだ。

 

 

 

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(20.12.2) つくばマラソンに行ってきた

20_019  
(トップ選手の激走

 今年も例年のつくばフルマラソンを走ってきた。しばらく前までは秋口にハーフを2~3回走ったあと、つくばマラソンに標準をあわせて記録を狙ってきたが、ここ数年は走れれば良しと言う状態になってしまった。

 60歳を越えたころから体力が急激に落ちてしまったことと、坐骨神経を痛めたことがあって、スピード練習が全く出来なくなっている。最近は走ること自体も難儀になってしまい、練習どころではない。

 今回のつくばに向けた試走としては成田POPのハーフだけで、あとはぶっつけ本番と言うことになってしまった。

 私はちはら台走友会に所属しており、走友会のメンバーも多くこの大会に出場する。今回は8名だったが、自動車に分乗して出かけた。
走友会に入るまでは、東京駅からバスで筑波に行ったり、筑波エックスプレスが出来てからは電車で行ったが、自動車のほうが時間的にも費用の面でもはるかに便利だ。
やはり走友会に入るとメリットが多い。

 他のメンバーのほとんどの人が私より走力が上で、私は末席を汚している。しかし走友会の人たちはおおらかで気持ちのよい人が多く走力が足らなくても全く気にならない。

 この日(11月30日)は非常な好天に恵まれ、筑波山もはっきり見ることが出来たし、筑波大学の周りの木々の紅葉も美しかった。
都心から近いせいもあり出場者数は12000名程度で、なかなか盛況な大会だ。私がスタートラインまでたどり着くのに約5分程度かかったほどだ。

 最近の私は1kmを6分程度(5kmを30分)でしか走れないが、それでも楽しみながら走ることが出来た。天候も景色もよく、この程度の速度だとほとんど疲れない。
レーサを諦めてからは、報道カメラマンみたいに写真を撮ることに徹して今回もだいぶ撮ったので、つくばマラソンに参加した人には興味があるのではなかろうか。

 最終結果は4時間20分42秒で、順位は5188番だった。真ん中よりやや上と言う程度だが、62歳なのだから走れただけでもよしとしよう。

なお会長のYさんの報告が走友会のメールに掲載されていたので転載します。Y会長は足のコンディションが非常に悪い状態で走ったのですが、そのことを私は知りませんでした。

9:30スタート。陸連登録のやや後ろの方からスタート。
スタート5m前でちょこちょこっと右端をMさんが抜いていった!すばやいっ!
右脚痛みをかかえたまま、最初から抑えていく。
10kmでTさんに抜かれる。
徐々に痛みが出てきて、後半は腕振りとすり足でのピッチだけで進みました。左尻も痛くなり、前の脚付け根あたりも痛くなり、がまんのレースでした。

結局3時間47分。
今の状態で精一杯走りました。こんなもんです。
3月の東京マラソンまで、治しながら精進していきます

 つくばマラソンのレース中の写真や会場の写真を撮ってきました。レース中に写真を撮る人は少なく、私が止まって写真を撮るとビックリしたような顔で私を見ていました。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/201130?authkey=xNlxQmulRsc#

 

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(20.12.1) 小学校のパソコン教育 その3

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 私は近くの小学校でパソコンの特別講師をしているのだが、半年以上たってどうにかパソコン教育の現状と言うものが分かってきた。
パソコン教育はほとんど教師の能力に左右され、特にパソコンについて知識が豊富な教師がいる場合はおおいに勉強が進むが、反対の場合はさっぱりになる。

 大体どの学校でも数人はパソコン操作が上手な先生がいて、そのクラスでは技術的に難しい内容でもどしどし教えている。
一方「パソコンはちょっとね」という先生の場合は、出来るだけパソコン授業をしないか、しても生徒にすべてまかせて「今日は○○の検索をして、報告してください」と言って後は生徒に全て任せてしまう。
自分でもよく分からないんだから、口出しするのはよそう」それが本音だ。

 だから私の役割はパソコン操作が苦手な先生をサポートして、全体のレベルをそろえてあげることなのだが、今一番の悩みはローマ字入力のトレーニングが十分になされていないため、文字を入力することが苦手な子が多いことだ。

 ローマ字は4年生から習うとのことだが、パソコンでの検索は文字入力が必須なので、3年生でもローマ字入力が必要になる。
全てのパソコンの前にローマ字入力表なるものが置いてあり、それを元に懸命に入力しているけれど、かなりたどたどしい。

 出来れば3年生の段階でローマ字入力が出来るようになれば、4年以降の授業が大いに進むのだが、実際は4年生でも約半数程度の生徒が文字入力に悪戦苦闘している。

 下期は何とかして3年生にローマ字入力が出来るように教えたいが、時間の制限もあり思うようには進んでいない。
パソコン教育は一進一退だが、生徒が喜んで授業を受けてくれるのが救いだ。
先日「私の好きな授業は○○です」と打ってもらったところ、スポーツと並んでコンピュータ授業が上位にランクされていた。

 子供達の期待に答えられるようにがんばろうと思っている。

(追加) パソコン教育についての記事を記載したら、奈多さんから「自分もパソコン教師になりたいのだがどうしたらなれるだろうか」という主旨のコメントをいただいた。
詳細はコメントの返事に記載したが、そうした希望をもたれている方がいることに嬉しくなった。

 

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