(20.12.3) 米中同盟の始まり ヒラリー・クリントン氏の国務長官就任
ついに米中同盟が始まった。中国と深いコネクションがあるヒラリー・クリントン上院議員がオバマ大統領の下で国務長官に就任することが決まったからである。
国務長官は日本で言えば外務大臣に相当し、大統領制をとっている他国では首相に相当する。
ヒラリー・クリントン氏は大統領予備選の間も中国との深い関係を隠すことがなかった。予備選中にヒラリー・クリントン氏が発表した「21世紀の安全保障と機会」と言う論文で以下のように述べている。
「われわれと中国の関係は、今世紀の世界において最も重要な二国間関係である。アメリカと中国は非常に異なる価値観と政治システムを有しており・・・・・・意見が異なることが多いのだが、なお米中両国が達成できることは・・・・多々ある。
北朝鮮の核施設無能力化に向けた多国間合意を達成するために中国の支援が必要であり、この枠組みを礎として、北東アジアでの安全保障体制を確立すべきである」
ブッシュ政権では「最も重要な二国間関係は日米関係」で、北東アジアでの安全保障は「日米安保条約」だったのとはえらい違いだ。
もともと民主党の外交政策は日本と中国の等距離外交だったが、ヒラリー・クリントン氏が国務大臣に就任することによって米中同盟が最も大事な二国間関係になってしまった。北京政府のクリントン夫妻に対する今までの投資はものの見事に当たったわけだ。
ビル・クリントン大統領時代から中国ロビーとクリントン政権の怪しげな関係はしばしばマスコミの話題となった。
たとえば1996年頃、チャリー・シー、ジェニー・チャンと言われる中国系アメリカ人からクリントン前大統領は1億円以上の献金を受けたが、この2名は中国人民解放軍のエージェントと言われていた。
また2004年にヒラリー・クリントン氏の資金集めを担当していたのは窃盗容疑で3年間の禁固刑を言い渡されて逃亡中のノーマン・シューという中国系アメリカ人だった。
ヒラリー・クリントン氏はノーマン・シュー氏をかばったが、その理由は中国系企業から多額の献金をノーマン・シュー氏が集めていたからだった。
そして何よりビル・クリントン前大統領がセックス・スキャンダルで弾劾されそうになったとき、クリントン夫妻を温かく迎えて世界の大統領を演出したのは当時の江沢民国家主席だったことは記憶に新しい。
「ビルは女にも金にも甘い。手なずけろ」
オバマ新大統領はヒラリー・クリントン氏の政敵だけにそうしたクリントン夫妻のコネクションをよく熟知している。そのためヒラリー・クリントン氏を国務大臣に指名するにあたり、ビル・クリントン氏の慈善団体が毎年50億円程度集めている資金提供先の開示を求めた。
「あまりにひどい中国ロビーでは、国政に支障が出る」
それにしてもオバマ新大統領がヒラリー・クリントン氏を国務大臣にしたのはなぜだろうか。
理由は、現在のアメリカ経済の不況を救えるのは世界最大の金持ち国中国の資金だとの目論見があるからだ。
かつて日本が世界最大の金持ち国だったときに、アメリカは日本から資金を吸い上げることに成功した。アメリカ国債を購入させ、金融の自由化をさせることによって長銀や日債銀を安く買い叩き、アメリカの不動産を二束三文で日本企業から買い戻すことに成功した。
「日本からはとるものがなくなった。次は中国だ。そのためには中国に顔が利くヒラリー・クリントンがいい」
オバマ政権にとり緊急の課題は70兆円の赤字国債の購入先の確保と、弱りきったアメリカの金融界を立て直すために中国金融市場の解放を図ることだ。
たしかに、金のない日本よりは金持ち中国のほうが「最も重要な二国間」であることは間違いない。
一方中国はこの機会に北東アジアの覇権を確立して、日本を属国にし中国中心の国際関係を築くことにある。それにはアメリカの暗黙の同意が必要だし、またアメリカ市場は中国の生命線だ。
「アメリカの一国支配の時代は終わった。東アジアは中華圏にして、日本の技術と金を巻き上げよう」
さてこの同床異夢の勝負はどうなるだろうか。
一方日本はアメリカからは見放され、中国からは属国扱いされそうなのだから、よほど独立自尊の精神を発揮しないと完全に国際関係のパワーゲームに翻弄されそうだ。
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