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(20.12.23) 日本は生き残ることが出来るのだろうか パラダイムシフトの時代

Images2  昨今の貿易統計の動きを見ると、輸出が急激に縮小し貿易収支二ヶ月連続で赤字になってしまった。10月が676億円の赤字、11月が2234億円の赤字である(貿易統計数字)。
11月の輸出は対前年比▲27%、輸入は▲14%なので、輸出の急減が貿易収支の赤字の原因だと言うことが分かる。

 日本は非常に長い期間、貿易収支が赤字になることがなかった。常に黒字であるのが当たり前で、毎年9兆円~15兆円の黒字だったのだからここ数ヶ月の異変(8月、10月、11月が赤字)に、日本中が震え上がってしまった。
貿易立国の日本は果たして生き残ることが出来るのだろうか」不安がよぎる。

 そうした中で毎年2兆円あまりの連結営業利益をだして「世界のトヨタ」といわれたトヨタ自動車が、この11月に20年3月期の連結営業利益を6000億円程度と下方修正した。さらに今日(12月22日)は▲1500億になると言う。
世界のトヨタが赤字になりジェットコースターと言うよりサブマリンになってしまった訳だ。

トヨタショック」という言葉がささやかれ、ホンダ日産も同様の傾向で、日本の輸出産業は総崩れの様相を呈してきた。

 自動車販売はリーマン・ブラザーズの倒産以後、世界的規模で約30%の落ち込みをしているが、日本の場合はさらに円高が追い討ちをかけている。
トヨタは下期の為替レートを1ドル、100円と想定していたが実際は90円前後まで円高が進み、今後も円安になる見込みはない。

1円円高になると、通期で400億円利益が減少する」世界のトヨタが悲鳴をあげだした。国内では輸出産業を中心に今にも日本がつぶれそうな大合唱が始まっている。

 しかし円高要因だけに限れば、輸出産業の損失は輸入産業の利益であり、もし輸出入が同じであれば円高のプラスマイナスは相殺されて、日本全体としては影響はゼロとなる。
そしてここ数ヶ月だけに限れば貿易収支は赤字なのだから、日本全体としては利益が上がっているので、円高は日本の利益になっている。

 実際常に貿易収支が赤字であったアメリカではブッシュ大統領が「強いドルはアメリカにとって利益だ」と言っていた。貿易赤字国にとっては間違いなくそのとおりだ。

 円高が問題なのは、日本が未来永劫に輸出立国だと思っているからである。
しかしはたしてそうだろうか
実は日本の国際収支を見てみると、平成17年からは貿易収支より所得収支の方が大きい。たとえば19年度は貿易収支が約12兆円の黒字なのに対し所得収支約16兆円の黒字になっている。

 所得収支とは対外直接投資対外証券投資のあがりで、利子配当金だから、日本はすでに額に汗して働く時代から、今までの儲けを投資してその収益で生活する国家に変っている。
そして今急激に貿易収支が赤字になろうとしているのだから、これからの時代は所得収支で食っていくより仕方がない。

 過去のイギリスと同じで、イメージとしては国全体が年金生活者のような生活だ。私自身年金生活者だが、この生活も悪くない。

 経済財政諮問会議2005年4月に出した「日本の21世紀のビジョン」では、日本の貿易収支が赤字になり所得収支の黒字でそれを十分まかなっていく時期は2030年だと想定していた。
いわゆる「未成熟債権国」から「成熟債権国」への変換は2030年と思っていたら、それよりはるかに早く2009年にそうなってしまいそうだ。時間が20年先行している。

 原因は全てアメリカがサブプライムローン問題で勝手にこけてしまったからだ。日本の立場からすれば、まだ子供でいられると思っていたら親父が急に病気になって、息子が大黒柱にならざる得なくなったようなものだ。

 アメリカは7000億ドルの金融支援策以外に、FRBが住宅ローン担保証券や長期国債の買取をすると言う。今や何でもありで国内にジャブジャブ資金を供給するわけだ。
これらはすべて景気低迷化でのドル札の増発となり、アメリカ国内ではインフレ要因、国外的にはドル安要因になる。

 だから円高は止まるところを知らず進行し、将来的には50円程度の円高を覚悟しなければならないだろう。
輸出はますます難しく、輸入品は極度に安くなり貿易収支は傾向的に悪化する
ただし円高の円を求めて世界の資金が東京市場になだれ込んでくるので資金は潤沢だ

 結局日本は、今まで貿易で溜め込んだ資金と、円高で日本に集まってくる資金を利用した投資により所得収支を黒字化して生きるより仕方がないのだ
こうした大きな変革を歴史家はパラダイムシフトと呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

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評論 日本の政治・経済」カテゴリの記事

コメント

読売新聞のネット版で、10月の所得収支黒字が1兆2091億円で、貿易収支が1458億円で、経常収支が9605億円と載っていました。
ttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081208-OYT1T00237.htm?from=navr
(国際収支統計の数字。貿易統計の数字と必ずしも一致しない)

電化製品:韓国のサムスンやLGと世界的に(というか日本以外で)競合していて、ソニーやパナソニックは苦しんでいる

携帯電話:日本以外ではノキア、サムスン、LG、モトローラが強くて、日本製では、ソニーエリクソンくらいしか対抗できていない

パソコン:台湾のエイサーが世界中で日本のメーカーと競合で、日本でさえ、エイサーが伸びている状態

車:韓国のヒュンダイが、日本車やアメリカ車と競合している。

オバマ次期大統領がある日の演説で、 環境にいい車は、日本や韓国からが多いけど、アメリカも、がんばれ、みたいなことを言ってなかったっけ?

貿易収支が減ったのは、中国とかタイとかインドネシアとかからの輸入が増えたのも理由。会社名が日本でも、made inの後が、外国というのが日本の電化製品でさえもよくあること。

(山崎) 色々と教えていただきありがとうございます。チュバテレさんのように、私のブログの読者の方でとても物知りの方がいて、本当に助かっています。
なお、貿易収支については貿易統計の数字と、国際収支統計の数字があり異なっていましたので、私が採用したのは貿易統計の数字であることの断りを入れました。

投稿: チュバテレ | 2008年12月23日 (火) 16時09分

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