(20.12.10) GMの再建は可能か
GMのワゴナー会長が「政府の支援がなければ来年前半には資金が底をつく」と居直ってから、ブッシュ政権と議会民主党、それにビックスリーのSEOを交えたテンヤワンヤの大騒ぎが始まってしまった。
11月に行なわれた公聴会では、支援額を250億ドル(約2兆4千億円)必要と証言したが、ビックスリーのSEOが飛行機で乗りつけたり、自身の給与の減額に直ちに応じなかったりしたため、すっかり議会の機嫌を損ねてしまった。
またブッシュ政権とペロシ下院議長(民主党)との間で、援助資金の出所を金融安定化法の7000億ドルを使用するか、環境対策資金の250億ドルを使用するかで意地の張り合いをし始めた。
このため市場ではGMがしびれを切らして連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請するのではないかとの憶測が流れたほどだ。
結局12月4日、5日の2回目の公聴会でビックスリーが全面的に恭順の意を示したので、議会もブッシュ政権も「ここでつぶすわけには行かない」と決心したようだ。
当面の資金繰り対策として、GMに80億ドル、クライスラーに70億ドル、計150億ドル(1兆4千億円)の運転資金を手当てをすることにした。原資は環境対策資金の250億ドルだが、法改正の必要があるため今週末までには採決に持ち込む必要がある。
「GMもクライスラーもしばらく生かしておこう。ビックスリーを本格的にどう料理するかは、オバマ政権に任そう」と言うことで手打ちをしたわけだ。
さて、第2回目の公聴会を前に、GMは再建計画を提出したがその内容は以下のようなものだった。
① 180億ドルの資金を要請。12月末までに40億ドル必要。
② 債務総額656億ドルのうち、356億ドルの債務削減。
③ 業界全体の米国内自動車販売が1250万台~1300万台を前提に収支均衡を目指す。米国市場でのシェアは22%維持。
④ ブランドを4モデルに削減し、販売会社を6450社から4700社に1750社削減。
⑤ 経営陣報酬を9年度は1ドルとする。
⑥ UAW(全米自動車労組)と労使協約の見直し実施。9工場閉鎖。雇用を9万6千人から6万5千人~7万5千人に削減。
⑦ 電気自動車などの投資を継続。
この計画を見て唸ってしまった。はっきり言ってこれが実行可能であったら、そもそもGMが危機に陥ることなどなかったはずだ。
上記の計画で実行が困難と思われるのは以下のとおりだ。
② の債務総額365億ドル削減は社債を株式に変えてしまおうというもの。しかし紙くずレベルの3~4ドルの株式に社債権者が簡単に応じそうもない。
③ の1250万~1300万の数字は最近の1000万前後の販売数量から見て、過大な数字。したがってしばらくは赤字体質だということ。またシェアも20%切ってさらに低下しているので22%維持は無理。
④ 販売会社を削減するのは相手があることでおいそれとは行きそうもない。
⑥ の労使協約の見直しは最もやっかい。特にUAWは民主党の票田なので、そこの組合員を2万~3万切るのは政治問題化しやすい。
オバマ新政権にとってもGMの再建は一筋縄では行きそうもない。当面はGMの再建計画を信じたふりをして資金援助しても、再建計画が軌道に乗らず何時までも出血が止まらないことにいらだつだろう。
「これでは砂漠に水をそそいでいるのと同じじゃないか」
最終的には今までのしがらみを断って出直さざる得なくなり、連邦破産法11条による破算処理に追い込まれそうだというのが、私の現段階での予想である。
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コメント
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これからも頑張ってブログを更新し続けてくださいませ。
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(山崎) おゆみ野に住んでおられる方で、読者が増えるのは大変嬉しく思います。今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 星空 | 2008年12月10日 (水) 22時46分