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(20.11.00) おゆみ野恐喝事件 Aさんのメールに対するF姉さんからのメール

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 先日(11月12日)掲載した「おゆみ野恐喝事件 その後 Aさんからのメール」(リンクが張ってあります)に対してF姉さんから長い感想のメールをいただいた。
大変興味深い内容で、一読して読者にも読んでいただきたい内容だったので、全文をそのまま掲載することにした(若干読みやすいようにレイアウトを変更しています)。

Aさまへ

19年度の千葉県での刑法犯として検挙された少年は、5186人

 殺人、強盗、強姦などの凶悪犯で検挙された少年は70人で、その中の強盗52人中、路上強盗33人


② 粗暴犯で検挙された少年は380人、そのうち傷害が245人、恐喝73人

③ 窃盗犯で検挙された少年は2860人、そのうち万引きが1670人。

検挙された少年5186人のうち、窃盗犯と占有離脱物横領(放置自転車の持ち去り)で全体の8割以上を占めていて、その多くは中学生と高校生で全体の7割以上を占めているのです。

南警察の少年犯罪に関するホームページを見ると、こういった県警のデーターが毎年出ています。Aさんのお子さんの場合も20年度のデーターとしていずれ上がってくるでしょう。

千葉県で検挙された少年、5186人のうち8割を占めるといわれる万引きや自転車泥棒といった犯罪はざっと考えても、4000人はいます。
おゆみ野では、日常的に乗り捨ての放置自転車が多いことがパトロールをしていてもわかりますし、店舗まわりから万引きを見逃すケースも多いことから、動機が単純で手段が容易で、軽く思われがちなこれら犯罪の見過ごしや見逃しの積み重ねが、やがて重大な犯罪である傷害や恐喝に移行していくであろう非行少年たちにつながるのではないかと思います。

万引きの疑いをもたれるような仕草をする子や(カバンの口を開けている)学校帰りの制服姿の子も店ではマークしていますから帰るように促したり、遊歩道にある放置自転車の撤去を迅速に行うなど、育成環境部としても地域のおとなの立場としても、犯罪につながる小さなきっかけをなくすように努力しています。

学校行事で校内に入った折や登下校の挨拶運動でのふれあい、買い物中などに地域のおとなとして「早く帰りなさいよ」程度の言葉を交わす関わり、公園やたまり場の状況を常に気にして回っている、そういった自分たちにできる範囲のことはやろうと思っています。こういったことを常に気にかける地域のおとなが増えればと日々願っています。

Aさんのお子さんが犯行にあった時間帯の少し前くらいに、タバコを吸っている少年グループが中学近くの遊歩道の階段付近に溜まっていたので、「お宝」に自転車泥棒の件で来ていた警察官にあとでもいいので、その周辺を見回ってくださるようにお願いしたこともありました。

そういうことも必要なことですよね。

私は、刑法犯として検挙された少年の家庭環境や心の闇について、深くは関わったことがないですし、被害にあった人の心の痛みもそれぞれ体験した人にしか分かり得ない苦しみがあって、体験していない人がそういう苦しみを持つことはありません。

それでもできることは、苦しみを聴くことで、そういった気持ちを共有することぐらいです。

我慢せずに苦しい気持ちを吐いて救われることがあります。

中学が荒れていた頃、不登校になった息子のことで初めて不登校という現実に親が直面し、この苦しさをいくら周りの人に訴えても、解決せず、苦しい思いだけをしたことがありました。友人にいくら悩みを聞いてもらっても、“あなたのお子さんは学校に行けているからわからないことがある”そういう気持ちがむなしく襲ってくるのです。

そういう日々のあと、考えたのが「不登校の親の会」を学校の中に作って、同じように学校に行けなくなった子を行かせようする苦しみやそこから抜け出す術を共に同じ境遇の親と考えようとした会です。

運良く、集まった不登校経験者や不登校中の親で、進路のこと、子への扱いのこと、薬のこと、行けなくなった原因や荒れている子のことなど、真剣に話し合いました。ただ、学校は荒れている子達に手一杯だったので親だけの会になってしまいましたし、学校は、ひとりひとりの生徒と学校の問題という解釈であったと思います。

・・・学校が荒れて行けなくなった生徒の親も一人で悩んでいては行き止まりの毎日でした。そこから学んだのは、会に参加した不登校の子は家に安心の場を求めたということ、親も真剣に問題に向き合う姿勢を持ったこと、同じ境遇の親と悩みや喜びが分かち合えたことです。


学校や地域で荒れた子たちのこと、その親の無責任さや境遇などを垣間見たり、知ることもあり、非行や犯罪を犯した子の親たちこそ、こういった場が必要だと思います。自分が変わらなければいけないということを学ぶ機会はそうはありません。

親も子も人のせいにして逃げたり、自分のせいだと自己評価を下げて自暴自棄になったりします。非行少年の多くが学校でさらに落ちこぼれていく状況、おとなに突き放されていく状況などが一冊の本と出会ったことで見えてきたものがありました。

まずは、「こころからのごめんなさいへ品川裕香:著/中央法規、宇治少年院で取組んだ矯正教育のあり方をお読みになることをオススメします。

今の学校教育にこそ、必要な取り組みではないかと思うのですが・・・小さな非行の芽だけでなく、多くの子どもたちに言える問題だと思います。

取り留めなくなりましたが、被害者の家族としての意見や考えというものを前面に出された文面は、苦しさと闘いに満ちた姿、乗り越えようとする父親の勇気と優しさを感じます。
まずは、同じような少年事件の被害者の方々とスクラムを組まれる場所を作られたほうが、おひとりで苦しみ取組まれるよりも大きな何かを得られるのではないかと思いました。

 私も、自分にできる範囲で少年犯罪の芽を摘む努力をしていきたいと思います。

F姉さん

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コメント

F姉さん、ありがとうございます。息子が偶然通り掛った警官に救助され、加害者が現行犯逮捕された事は奇跡だと思っていました。
F姉さんの一言が奇跡を起こしてくれたのですね。ネガティブな事実を見て見ぬふりするのではなく、何かの形で「それはいけない!」
とメッセージを発する事が大切ですね。山崎さん、いつもブログのスペースを提供していただき感謝に絶えません。私たちはつながって
行けますよね。また、連絡します。

投稿: Aの父親 | 2008年11月15日 (土) 09時03分

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