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(20.10.15) 「おくりびと」を見てきた

Original1  

 四季の道でよく会うGoogleおじさん散歩おじさんが、映画「おくりびと」を見てきたという。
山崎さん、これはいい映画だ。見てきたほうがいいGoogleおじさん達にそういわれたので、先日ちはら台unimoシネマックスに行ってきた。
私は62歳だから、シルバーパスがあり、嬉しいことに何時行っても1000円で映画を見られる。

 「おくりびと」は別名「納棺師」ともいい、死に化粧と納棺の儀式を執り行う特殊な職業である。私はそうした職業があること自体知らなかったが、一般にも余り知られていない。

 主人公の大悟本木雅弘)は楽団のチェロ奏者だったが、楽団が経営難に陥って解散してしまう。大悟は仕方なく生まれ故郷の山形に帰って職を見つけることになるが、たまたま見つけた職業が納棺師という職業だった。社長(山崎努)と秘書の二人だけの会社だが、初任給が50万円という破格の高給だ。

 一般に日本においては死穢(しえ)の考え方が深層心理にあるため、納棺師は通常の職業とはみなされない。一般の人は忌み嫌ってこの職業につかない。
大悟も本当はこの職がいやなのだが、背に腹は変えられない。納棺師として自殺した死体の処理や、暴走族の一員で若くして死んでしまった少女の死に化粧をさせられる。

 妻(広末涼子)や友人からは「もっとまともな職業につけないのか」と責められるが、当初は辞めたがっていた大悟は次第にこの職業の重要性と荘厳さに目覚めていく。
そうした夫に妻は怒って一度は実家に帰ってしまったが、戻ってきて実際の納棺師の仕事を目の前で見ることによって、妻もこの職業の重要性に気づいて行くという設定。

 映画は納棺師の仕事を克明に描き、死に化粧の美しさと、納棺の儀式の形式美を追う。
死に化粧については、昔ゴッド・ファーザーという映画でも取り扱っていた。長男のソニーが機関銃で穴だらけになって殺された時、父親のゴッド・ファーザーが納棺師(当時はそういう言葉は知らなかった)に「綺麗な顔にしてやってくれ。このままでは母さんにみせられない」と言っていた。

 死に化粧があることはは知っていたが、納棺の儀式については今回始めて知った。
何と言う美しさだ目を見張った。
ちょうど武士の切腹の儀式のように美しい。江戸時代に様式化された切腹は、死に方としては世界で最も荘厳な死の儀式だが、日本人の持つ形式美の美しさについてはいつも驚く。

 しかし、今回の映画を見て本当に感動したのは、この映画が日本人のタブーに挑戦しているからだ死穢(しえ)のことである。このことについては井沢元彦氏逆説の日本史を読むとよく分かるが、日本人は死に携わる人を伝統的に差別してきた。
けがれている」という感覚だ。
平安貴族がいかに武士を嫌ったかは平家物語に克明に記載されているし、動物の皮をはぐ生業の人を部落民として差別してきたことは白土三平「カムイ伝」に詳しい。

 この映画でも妻や友達から「早く辞めろ」と再三に渡って大悟が責められる場面があるが、それはこの深層心理によっている。
だからこの映画の持つ意味は本当はとても奥深いものなのだ。
なぜ、日本人は正当な理由なく、死に携わる人を差別するのか」これがこの映画の最大のメッセージだ。

 このような難しいテーマを正面から取り上げたこの映画の監督は滝田洋二郎氏だが、注目に値する監督といえる。

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コメント

「おくりびと」をハーバーシティー蘇我のシネプレックスで観てきました。実父と義父の最期を思い出し涙がこぼれました。長い入院生活の末旅立った実父。
突然眠るように息を引き取った義父。共に70年、今の平均寿命からは早い人生の終焉でした。生とは死に向かう営みなのか。まだ答えは見つからない。
本木さんが「おくりびと」を企画する契機となった「納棺夫日記 青木新門著 文春文庫」も読みました。主題はどちらも同じだが、美しい音楽と山形の自然描写、
そして自分と母を捨てた父の死を生まれ来る新しい命へと結び付ける優しい眼差しのストーリー。映画「おくりびと」は一人でも多くの人に観てもらいたい作品でした。

投稿: TADA | 2009年3月 1日 (日) 22時12分

『おくりびと』では、涙腺が弛みましたよ。いい映画でした。
本木の父親役を演じた峰岸徹が、11日肺ガンで死去。上映中なのに、納棺の儀が本当になってしまった。まだ若いのに惜しいことです。トライアスロンもやっていて、宮古島に参加していましたよね!。
人の死に関わる仕事が、マスコミや映像に載ることは稀でした。
ところが、吉田太一著『遺品整理屋は見た』が注目を浴びて、
各TVや月刊誌で取り上げられようになり、事業も拡大中です。
今月も上野千鶴子との対談『おひとりさまでも大丈夫』発刊。
もう死穢のような潜在意識は希薄になったのでしょうかね?。
私も、エンデングの準備として、生前予約を考えてみましょう。
今週は、ユニモで『容疑者Xの献身』を見てきました。
冒頭から物理・数学理論を展開したり、また冬山登山のシーンもあって痛快な映画でした。

投稿: G爺 | 2008年10月15日 (水) 10時34分

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