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(20.9.20) 400mリレーはバトンタッチが命だ

400m  北京オリンピック日本男子チーム400Mリレー銅メダルに輝いた。私は決勝の模様をテレビで見て「大変な快挙だ」とはしゃいだが、先日のNHKのドキュメンタリーを見て、実に奥深い話であることを知った。

 このドキュメンタリーを見ると、100Mや、200Mで予選すら通過できなかった日本選手(塚原直貴だけが準決勝で敗退がどうして銅メダルに輝いたかが分かる。
本来ならありえないことで、実際日本チームの士気は最低だった。
あんな強いやつらと走らなければならないのか朝原宣治選手が100M決勝の映像をテレビで見ながら言った言葉である。

 しかしリレーは速いだけでは勝てない。バトンタッチと言う技術が勝敗を左右する。今回の予選出場チーム16チームの内6チームがバトンタッチに失敗して途中棄権失格になった。割合にすると約4割だ。

 アメリカ、ナイジェリア、イギリスと言った本来ならば予選通過が間違いないと思われた国が次々とバトンタッチで失敗したのには深い理由がある。
これらの国の選手は個個人が速いため、バトンタッチの練習をほとんどしない
バトンタッチの練習なんか必要ない。走れば俺が一番だ」そう思っている。

 しかし実際に走り出すと、必ずと言っていいほど第4コーナーで受け渡しに失敗する。ここを魔の第4コーナーと言う。
この理由は最終ランナーと第三走者の走力が通常違っており、ほとんどの場合最終ランナーのほうが速いからだ。

 競技では最終ランナーがどうしてもあせって飛び出す。スタートするタイミングはあらかじめ決めてあるのだが心がせくのだ
受け渡しゾーンは20M有り、その間で最終ランナーがトップスピードになってしまえば、第三走者は追いつけない。
その結果バトンは引き継がれなかったり落としたりして失格になるわけだ。

 だから400Mリレーでは、速さが6割、バトンタッチが4割のウエイトを占める特殊な競技といえそうだ。
日本チームはこのバトンタッチの技術を究極まで高めて、速さの不足を補うことにした。この日本が開発した技術をアンダーハンドパスと言い、手のしたからバトンを受け渡す。

 こうすると通常のオーバーハンドパスに比較して身体をねじることなく走れるので、コンマ数秒速く走れることが分かった。
これを日本チームに導入して徹底的に訓練したのは日本陸連強化委員長高野進氏である。

 日本チームは何回も何回もこのアンダーハンドパスの練習を繰り返し、絶対といいほど失敗しない程度にまで技術を高めることが出来た。

 日本選手は走力では二流だ。塚原直貴、末続慎吾、高平慎士、朝原宣治のメンバーの誰も10秒を切っていない。
ジャマイカボルトはすでに9.69秒で走っており、100M決勝では10秒を切る選手しか残れない。

 そうした中で日本チームは銅メダルに輝くことが出来た。遅い走力をアンダーハンドパスという技術でカバーした勝利だったと言ってよい。

 この結果を見ていた400Mハードルの為末大がスタンドで男泣きに泣いていた。身長170cmで技術だけで世界と戦ってきた男だ。
日本人は走力がなくても技術で世界と戦える。それを今日証明した為末大がそういっているように私には思えた。


(注)写真は時事通信社が配信した写真です。


 

 

 

 

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