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(20.9.14) ここを降りないでください 大山縦走 NO5

1976年 30歳 大阪

大山縦走 晩秋 

 この頃大山の稜線を登坂することを決めた。稜線は両側が切り立っており大変危険な状態にあったが、冬にも縦走をした経験があり気楽な気分で出かけた(今では縦走そのものが禁止となっている)。
秋なら楽勝だ

 ある切り立った場所で「下降禁止」という立て札を見た。
砂混じりの急斜面ではあったが,決して下れないような場所ではない。
なぜ駄目なのだろうか」当時の私は猿のように好奇心が旺盛だった。

 最初は砂の斜面だったのですべるようにして降りることができた。
実に楽ちんな下降だ」50m程度砂を滑り降りた。

 その先は水が岩をけずってクロアール(樋のような形)のようになっていたが,両手と両足を突っ張りながら降りることができた。
さらにその先は小さな滝が何段にもわたって続いていたが,2m~3m程度の滝であったので飛び降りた。

 30分程そうして下っていくと、その次に落差約30m位のから滝が現れ,さすがにここは飛び降りることが不可能と分かった。
滝には古いハーケンが残されていた。
なんだ,そうなのか。ここからはロープがなくては降りられないんだ
ようやく納得した。

 さて戻ろうとして最初に当惑したのは飛び降りた滝だった。
降りる特は気づかなかったが,水に洗われて,滝の表面がツルツルになっている。2~3m程度の滝なのに何度トライしても登れない。
まずい、取っかかりがない」ヒア汗が出てくる。

 何回かトライした後、横壁には出っ張りがあったのをようやく見つけた。
よかった、横の壁なら何とか登れそうだ
横壁を登り、次にトラバースしてようやく滝を登ることができた時は実にほっとした。

 クロアールは両手両足を突っ張ってこれは難なく登れた。
滝には脅かされたが、なんてことはないじゃないか。下降禁止なんて大げさだ

 しかし、この考えは甘かった。最後は砂の急斜面だったが,降りるときは何もしなくても降りられたが,登ることは全くできない。
登るたびに砂が崩れて滑り落ちてしまうのだ。
これは、あり地獄と同じだ。まるで砂の女じゃないか

50m上は稜線だから、登山者が通る時に救出を依頼しようか、しかしそんなことをしたら、注意書きを無視して降りたことがばれて新聞種になりそうだ・・・・・

 中国新聞  再び無謀な登山者が身勝手な救助依頼

 山崎次郎さん(30歳) ○○銀行勤務は、大山縦走路の立入禁止場所に警告を無視して入山し、砂走りのあり地獄周辺で救助を求めていたのを山岳パトロール隊が発見し救助した。

山岳パトロール隊員の話
「こういうルールを無視する人がいるから我々は本当に困っています。もう少し常識をわきまえてほしいものです」


新聞種になったら日本中の物笑いになり、御堂筋も歩けなくなってしまう
何とか登る手立てを探ろうと周りを見ると砂のうえにわずかに草が生えている場所を見つけた。
しめた、草付だ
草付では草をひっぱてはいけない。その上にそっと手を置きながら登らなければならない。祈るような気持ちだった。
頼む、抜けないでくれ

 50m程度の砂の壁をくたくたになりながら、そうして登ることができた。
信じられないことに時刻は夕刻になっており、斜面は夕日で真っ赤に染まっていたのを覚えている。
よかった、なんとか生還できた。御堂筋を歩ける
降りる時はたったの30分だったが、戻るのに3時間程度かかっていた。

 やはり下降禁止の場所は下降してはいけないのだ。しみじみ思った山旅だった。

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個人生活 登山」カテゴリの記事

コメント

なかなかスリリングなご経験ですね。
あっさりと書いておられますが、緊迫感が読ませます。
今なら、電波が届けばですが、看板に二次元バーコードでも貼っておいて、サイトにつなげば「この斜面は、大きな滝で行き止まりです。一度降りると、滝や砂の斜面が昇れず戻れなくなりますので、絶対に降りてはいけません」てな詳しいイラスト付き情報が見られるようにしておくとか、、、そんなことを考えました。
いえ、看板にそう書いてあってもいいのですけど、、、
要するに、看板が説明不足であるなと、、、

(山崎) 本当はもう少しで救助を呼ぶところでした。

投稿: yokuya | 2008年9月14日 (日) 09時29分

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