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(20.8.20) 日本柔道敗れたり

 日本柔道北京オリンピック敗北してしまった。金4、銀1、銅2の成績は他の競技種目に比べればはるかにましだが、前回のアテネの金8、銀2に比較して物足らないし、男女共催にになった92年のバルセロナ大会以来の最低のメダル数になってしまった。

 それでも女子はそこそこの成績だったが、男子は惨敗と言っていいほどの内容で、内柴正人石井慧がいなかったら、斉藤仁監督は日本に帰ることもできなかったろう。

 特にエースの鈴木桂治が1回戦敗退した時は思わず目を覆ってしまったほどのひどい敗北だった.。しかしこれが日本柔道の現実だと認識することが必要だ。
一方モンゴル相撲のようなもろ手刈り鈴木に勝ったモンゴルのツブシンバヤルはついに金メダルを取ってしまった。

なぜもろ手刈りしかできないツブシンバヤルが、アテネの覇者で足技世界一と言われた鈴木桂治に勝てたのか
その冷静な分析が日本柔道の復活のためには必要だろう。

 すでに昨年のリオデジャネイロの世界選手権で日本柔道は金3つと惨敗していたが、北京オリンピックでもそれを引きずっている。

 かつては日本男子選手が1回戦で次々に負ける姿は見たことがなかったので、日本柔道の黄昏をいやおうなく認識させられた。
60㌔級の平岡、73㌔級の金丸、81㌔級の小野、100㌔級の鈴木がすべて1回戦で敗退(90㌔級は2回戦で敗退)したのだから、日本柔道は世界の頂点なんてものではなく、普通の国と言ってよい。
せめて一回戦ぐらい勝ってくれ」思わず唸ってしまった。

 

 現在の柔道の主流がポイント柔道と言われて久しいが、ポイントを確保するためには積極的に攻めることと、相撲で言う押し出しのような力が必要だ。
今回金メダルを取った66キロ級内柴無差別級石井は実に積極的に攻めていたが、他の選手は受身にまわっていた。

 またスタミナも力もはるかにひ弱で、特に鈴木ツブシンバヤルに相撲のような突進で押し込まれ、押し出されないようにこらえたところをもろ手刈りで一本とられている。

 もろ手刈りはレスリングの両足タックルと同じで、日本の柔道界では「奇手」として嫌われており、「ちゃんと組んで、正々堂々と1本取れ」そう指導されてしまう。

 しかし時代が変わったのだ。

 女子の場合はまだ力づくの柔道と言うところまではいっていないため、谷本上野のような美しい一本柔道が見られたが、男子は力づく柔道の世界に入っており、特に体重の重いクラスは相撲やレスリングとなんら変わらない。

 まず畳から押し出されたら「指導」を取られてしまうので、押し出されない力が必要だし、組んだらすぐにワザをかけないと消極的だと見られて、これも「指導」を取られてしまう。

 男子は明確に力とスタミナの世界に入っており、ワザはその次の重要性でしかなくなってしまった
日本柔道が目指していた一本柔道ポイント柔道の前に敗れたわけだ。

 無差別級で優勝した石井は明らかに、このポイント柔道に適応していたが、他の重量級選手はかつての一本柔道しかできず、鈴木小野が力負けし、敗れていくのを見ているのはつらかった。

 次のロンドン大会で日本柔道が復活するためには、力とスタミナのポイント柔道に変革しなければ勝てないが、これは日本柔道の伝統に真っ向から反している。

日本には日本独自の美しい一本柔道がふさわしい。一本のない柔道なんて柔道でない」そう指導者が言いそうだ。
しかし、それでは世界に勝てない
勝つために日本柔道が変わるのか、それとも変わらずに衰退していくのか、しばらく推移を見守ることとしよう。


本件のブログと関連する記事は以下の通り
北京オリンピックの金メダルはいくつだろうか
日本柔道危うし

 

 

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