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(20.5.7)京都議定書は国際連盟か

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 温室効果ガスを削減することは世界の共通認識ではあるが、そのために1997年に日本で締結された京都議定書、いわゆるCOP3ほど不可思議な協定はない
協定の内容は「温室効果ガスを1990年を基準として、2008年から2012年の間に、各国に割り当てられた削減数字を達成する」ことだが、排出量世界1位、2位アメリカ中国がさっさと抜けてしまった。

 この2カ国で世界の排出量の40%を越えており、今後ますますこのウェイトは高くなりそうなので、はっきり言って温室効果ガス削減効果はほとんど期待できなくなってしまった

 しかも当初は第3位の排出国ロシアも、この協定を批准しなかったため、全世界の排出量の55%(これが議定書の発効条件)を越えることができず、議定書そのものの発効も、2005年まで待たねばならなかった。

 なんとも不思議な協定である。これはちょうど第一次世界大戦の後できた国際連盟のようなものだ。国際連盟には超大国になったアメリカが最初から入っておらず、日本も満州事変の後抜けたので、実質的に瓦解してしまったが、京都議定書もそれにそっくりだ。

 日本はこの議定書で、1990年対比6%の削減を義務付けられているが、現状ですでに1990年対比10%あまり、温室効果ガスが増加しているのだと言う。

 排出セクターは産業、業務(オフィス)、家庭、運輸等に分かれるが、日本で削減が実施されているのは、産業だけで、後はまったく規制がないのと同様なのだそうだ。
早い話が、会社の電気はつけっぱなしのところが多く、家庭での節電などまじめに取り組むこともなく、自動車は乗り放題と言うことだ。

 その結果、2008年から2012年の間に日本は約16%も削減しなくてはならなくなり「これは到底不可能だ」というのが専門家の一致した見方だ。

 日本、ロシア、オーストラリア、それにアメリカ(批准はしてないが協議には参加している)といった削減が不可能な国は京都議定書の修正を求めているが、この協定に熱心なヨーロッパは一歩も引こうとしない。

 環境問題はヨーロッパとその他世界との対立という様相を呈してきたが、その理由は環境問題が金になるからだ。
京都議定書では「排出量取引」という枠組みが規定されたが、この趣旨は「温室効果ガスを削減できない国は、削減できた国に金を払え」と言うことだ。
これによると、温室効果ガス削減に熱心に取り組んでいるヨーロッパに、その他世界は金を払わなければならなくなる。

 日本はまじめな国だから、すでにヨーロッパの各国と「排出量取引」の仮契約を始めたが、アメリカや中国は最初からそんな規定を認めるつもりはないらしい。

排出量取引を石油や鉄鉱石のような資源にさせてなるものか」アメリカの本音である。

 一方ヨーロッパは環境問題先進国の優位性を100%活用して、世界のお金の流れをヨーロッパに引き寄せる戦略を着々と進めている。
すでにヨーロッパ内では「排出量取引の市場」が出来上がっており、株や債券と同様に、「排出量」が取引されている。
石油に代わる戦略物資は排出量だ。これでヨーロッパの復権を果たそう。アメリカや石油産出国に負けるな」ヨーロッパの本音である。

 日本環境先進国だと言われてきたが、それは排出量の約40%を占める産業部門だけで、後はまったく駄目だ
最近日本は産業セクター別アプローチ」を提唱しているが、これは日本が競争力があるのは産業部門だけだからである。
とりあえず企業にだけ削減を実施してもらおう」日本の本音である。

 そんな訳で、温室効果ガスの削減はパワーゲームになってきた。削減そのものには反対しないが、やり方によって世界の金の流れが変わる。

 さて、日本は京都議定書にしたがって、ヨーロッパにペナルティーを払うのか、あるいはぐずぐずいって、この協定を骨抜きにするのか、洞爺湖サミットが見ものになってきた。

 

 

 

 

 

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