(20.4.23)ケヤキは芽吹いてくれるのだろうか
「おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード
最近、四季の道(夏の道)を通るたびに気がかりなことがある。この1月に強剪定されたケヤキがはたして芽吹いてくれるのかと言う心配だ。
夏の道橋から小谷小学校前までのケヤキ並木、約400mが強剪定されたが、4月末になっても芽吹きが始まらないケヤキが多い。
剪定されていないケヤキ並木はすでに若葉で覆われており、樹冠が空を塞ぐほどになっているのに、ここはほとんど丸坊主のようだ。
かみさんもこの剪定には怒っており、「これじゃ、パパさんの頭のはげと同じじゃない」と言っていた。実に見苦しいのだ。
ケヤキの剪定についてはいくつかのレベルがあるが、大きく分けて弱剪定と強剪定に分かれる。
弱剪定では茂った枝の数本を抜いたり、樹形を整えるために飛び出した枝を切ったりする。従来の夏の道の剪定はほぼこの方式だった。
ところが、この1月におこなった剪定は強剪定といい、高さ8m以上の枝をばっさりと切り落とした。造園業界の用語で「筒きり」という。
一般に「筒きり」を行なうと、もとの状態に戻るまで5年から10年程度の年月がかかると言われており、せっかくの夏の道のケヤキ並木も5年から10年程度「この見苦しい」状態を我慢しなければならない。
これではおゆみ野四季の道の散歩も、夏の道に入ったとたん上を向かないようにして歩かなければならない。
実際、私はそのように歩いている。
こうした剪定方法については「あまりに景観への配慮が足らないと住民からクレーム」が全国各地でついているようで、国土交通省も「緑陰道路プロジェクト」を平成15年に発足して研究を始めた。
プロジェクトの結論は
「街路樹を極力剪定しない管理について地域の方々のご理解いただき、積極的に受け入れていただける地区において、市民の協力をいただきながら、試行的に取り組んでいこうとするものです」
というもので、全国で25地区が選定されていた。
千葉県での選定地区はないが、この近くでは東京の表参道のケヤキ並木が選ばれていた。
このように全国規模では極力剪定をしない試みがあるものの、ここ千葉市ではそおした動きはなく「筒きり」をいたって簡単に行なっている。
この最大の理由は費用で、「筒きり」はばっさりと切るだけだが、弱剪定の「枝抜き」や「透かし」だと、どの枝を残すとかどのように透かすとか、専門的な造園業者の知識がいる。
これは自分の庭に庭師を入れて手入れをしてもらったときのことを考えてみれば分かるが、庭師が木に登って一本一本その木の特徴をとらえながら、慎重に枝を落としている。
一方「筒きり」はチエンソーさえ扱えれば誰にでもできる技術で、ある一定の高さ以上のものをばさばさきればよい。木の特色などまったく無視して流れ作業のようにできる。だから費用は安い。
しかしこうして「筒きり」された夏の道は、かつての景観からは程遠く、メキシコの巨大サボテンの森を通っているようなものだ。
しかも来年は残されたケヤキ並木を「筒きり」にして、さらに景観を悪化させるのが役所の仕事だと言う。
熊さんとご隠居が縁台で話し合っていた。
「ご隠居、こりゃねえですよ。夏の道のケヤキはまったく坊主じゃねえですか。春になってもちっとも芽がでねえ。おゆみ野の景観があったもんじゃねえですよ」
「私もケヤキの芽吹きを心配しているんだ。まあ、ケヤキは丈夫な木だから枯れるようなことはないと思うが、強剪定は人間で言えば大手術をしたようなもんだからな。木にも大きな負担になってるんだろう」
「何でこんなことするんですかね。回り近所の人からクレームがあって、ばっさり切ることにしたってんですが、じゃ、あっしが切るなといえば切らねんですかね。あっしだって回り近所の人ですぜ」
「落ち葉や日当たりでクレームをつける人はいるとは思うが、これほど徹底的に剪定しろとは言っていないはずだ。強剪定したのは費用の問題で、このようにしておけば5年程度たたないと元の状態にならないから、役所として都合がいいのだろう」
「じゃ、なんですか。このみっともないケヤキは5年も我慢しなきゃならねえですか。こんなのはケヤキじゃなくて、巨大サボテンでさ。
まだ残っているケヤキも来年はばっさり切ると役所は言ってますぜ。
なんか、とめる方法はねえですかね」
「やはり、住民として明確な意思表示をする必要があるんではないかな。自治会として要望すると言うようなことが必要だろう。市としても、一部のクレームが全体のものか、その人だけのものか図りかねて、予算の範囲内で剪定していると言うのが実情だろう」
「それにしたって、このうすみっともない剪定以外に方法はねえですかね」
「いや、世間では景観を重視しながら剪定をする方法が工夫されている。これも市に対しそのような剪定を依頼する必要がありそうだね」
(注) ケヤキの剪定問題の経緯は、このブログの「ケヤキ剪定問題」に入っております。
現状のケヤキの芽吹きの写真を掲載します。なお比較のために強選定した場所と、していない場所の写真を撮って置きました。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/20422?authkey=rytAaySTz-Y
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