(20.3.5)捕鯨反対運動について
「おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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このところ日本の調査捕鯨船、日進丸がアメリカの環境保護団体「シー・シェパード」による調査妨害をしばしば受けている。
この3日には液体入りの瓶や白い粉の入った袋を計100個以上投げつけられ、日本側の乗員3名が目に痛みを訴えたと言う。
日本政府は例によって「シー・シェパード」の活動拠点のオーストラリア政府等に再発防止の申し入れをしたが、オーストラリア政府は本音ではまったく動こうとしない。
「国際条約に基づく正当な行為」も実力阻止の前にはまったく効果がないらしい。
捕鯨について言えば、私の個人的意見は捕鯨に反対である。
ただしこれは環境保護団体が唱えているように「鯨が特殊な生き物」だと思っているからではない。鯨の肉が嫌いなのだ。
私の小さかった頃は肉と言えば鯨の肉しかなかった。南極捕鯨の最盛期でもあったが、何より貧しい日本人の食料としては肉は鯨しかなかったのである。
あの肉質を覚えておられるだろうか。硬く何回もかまなければ噛み砕くこともできない、おおよそ美味とはかけ離れた肉質である。
私の当時の願いは「何とかして鯨の肉を食わなくてもすむ生活をしたい」だった。
だから私の個人的な見解としては「なんで鯨なんか取る必要があるのだろう」というのが正直な気持ちだ。
しかしそれにもかかわらず環境保護団体「シー・シェパード」の行為は正しいとは思わない。
私が一番違和感を覚えるのは「鯨やイルカのような動物だけをなぜ特殊扱いするのか」と言うことである。
もし「シー・シェパード」の賛同者が絶対に動物の肉を食べないと言うなら、その主張の首尾一貫性を認める。
しかし、牛肉や豚肉やマトンの肉をほうばり、ハンバーガーをこよなく愛する「シー・シェパード」の賛同者にはあきれるばかりだ。
「君達のすることはまず最初に、マクドナルドに反対することではないのか」私だったらそう言う。
実際肉など食べなくても生きていけることは、世の中には多くのベジタリアンがおり、特にインドのジャイナ教徒は生き物を絶対に殺さないと誓っているほどである。
私がこの種の環境保護団体を必ずしも好きになれない理由は、ある特殊な動物だけを保護しろと叫ぶからである。
「すべての生き物にはそれなりの生存する権利がある」と考えるほうが自然ではなかろうか。
日本人なら通常そう考える。
日本政府も頭が痛いであろう。「シー・シェパード」の妨害行為を止めさせるためには実力行使しかないのだが、太平洋戦争の敗戦後、たえて実力行使をしなくなった日本政府にその決断ができるだろうか。
私の推奨する案は「鯨肉は日本人の嗜好に会わないので、今後捕鯨をすることは止める」と宣言することだ。
間違っても「鯨が特殊な動物だから」ではない。
日本人のような世界で最も豊かな食生活をしている国民は「鯨のようなまずい肉をあえて食べる必要がない」から自主的に止めるのが最善だと宣言するのである。
だがおそらく水産庁は上記の案が不満だろう。
「お前が嫌いなのは分かったが、鯨肉が好きな人もいるのだ。そもそも捕鯨は日本の文化だ」
次善の案は「シー・シェパード」の乗組員が肉を食べられなくする運動をするのである。
「カウ・シェパード」を組織して「シー・シェパード」の乗組員が牛肉を食べることに断固反対する。
インドのヒンドゥ教徒にとって「牛は神聖な生き物」なのだから、ヒンドゥ教徒に協力してもらうのが一番いい。
豚肉については「ピック・シェパード」を組織する。沖縄では豚は神聖な生き物なのだから、日本人は反対する権利がある。
羊肉については「マトン・シェパード」を組織する。さすがに羊を神聖視する文化を見つけるのは難しいので、これは新興宗教を立ち上げる。
「マトン教」と名づけて「シー・シェパード」に対抗させればいい。
こうした考えを日本人は嫌うが、もともと鯨を特別視するのが間違っているのだから、その対抗手段も相手のレベルに合わせればいいのだ。
賛成していただけるだろうか。
捕鯨反対運動に対する意見を求めます。
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コメント
調査捕鯨については以下のような形で論争が行われていることを、T・Hさんから教えてもらいました。
Qが調査捕鯨に反対の立場、Aが調査捕鯨に賛成の立場の議論です。
Q まず問題なのは調査捕鯨と水産庁が言っていますがどういう意味なのか理解できます?調査であれば何故捕獲されたクジラが食用として店頭に出ているのか?
A 国際捕鯨取締条約くらいは読んでください。
第8条第2項
前記の特別許可書に基いて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。
http://www.whaling.jp/qa.html#05_02
Q. 調査で捕った鯨の肉が日本市場で売られています。本当の目的は鯨肉などを売ることで、調査は名目なのではないでしょうか・・・?
A. ちがいます。
調査副産物を可能な限り有効利用することは条約(ICRW)上の義務です。
科学調査で使った残りの部分を(食用その他に)可能な限り利用し、販売することは、ICRWが条約本文(第8条第2項)で調査実施国に命じていることです。
綿密・厳格な計画に基づいて実施される捕獲調査には多くの経費がかかり、副産物販売からの取得金は翌年の調査経費の一部に充てられています。
一方で鯨体を可能な限り利用することは資源を大切にするという意味で極めて常識的なことであり、同時にそれを可能にする鯨利用の伝統が日本にあるということも再認識されるべきでしょう。
なおJARPAは科学調査事業として科学的知見を結集し、高い水準を保持しています。
Q 世界の各国が日本を問題国としているのはすべて嘘で物事を通している事が焦点になっています。一般の日本人が疑問に思わないのが私としては納得出来ないのです。
A 嘘ついてのは反捕鯨国です。
そもそも国際捕鯨取締条約は
「鯨族が捕獲を適当に取り締まれば繁殖が可能であること及び鯨族が繁殖すればこの天然資源をそこなわないで捕獲できる鯨の数を増加することができることを認め、」
「捕鯨産業の秩序のある発展を可能にする条約を締結する」
とこの条約の目的は商業捕鯨のためにあります。
なのに反捕鯨国は(批准しているはずなのに)条約の趣旨に真っ向から逆らい、捕鯨を弾圧しようとしてます。
Q 「調査捕鯨」という言葉は捕鯨実施国と反対国の間で取り交わされた妥協の産物です。どちらか一方の主張が是とされれば、それなりの結論になるのですが、会議が紛糾して結論が出ませんでした。そこで「調査のための捕鯨は認める」という妥協が図られたのです。
A 何嘘ついてるんですか。
そもそも反捕鯨国のモラトリアム導入時の一応の名目は
「現在使われている科学的データには不確実性がある」
であり、それへの反論するための調査捕鯨ですよ。
データを揃えるために調査しているのに中止しろってか?
じゃあどうやってデータ集めればいいんだよ。
要するに反捕鯨国はただの駄々っ子なケチをつけているだけ。
http://www.whaling.jp/qa.html#04_03
当時、モラトリアム導入に際し反捕鯨国側が最大の根拠とした理由が、
「現在使われている科学的データには不確実性がある」ということでした。
つまり、クジラの生息数、年齢や性別構成、自然死亡率などについての知見があいまいであり、
そのために安全な資源管理ができないと主張したのです。
このような疑問に直接応対するために、日本の捕獲調査は始められました。
今日ではIWC科学委員会の多くのメンバーは、日本の捕獲調査の結果を高く評価しています。
投稿: T・H | 2010年3月 5日 (金) 06時22分
まず問題なのは調査捕鯨と水産庁が言っていますがどういう意味なのか理解できます?調査であれば何故捕獲されたクジラが食用として店頭に出ているのか?何故食用のために捕獲することを日本国として言えないのか。世界の各国が日本を問題国としているのはすべて嘘で物事を通している事が焦点になっています。一般の日本人が疑問に思わないのが私としては納得出来ないのです。
(山崎) 「調査捕鯨」という言葉は捕鯨実施国と反対国の間で取り交わされた妥協の産物です。どちらか一方の主張が是とされれば、それなりの結論になるのですが、会議が紛糾して結論が出ませんでした。そこで「調査のための捕鯨は認める」という妥協が図られたのです。
グリーンピースはそうした妥協そのものに反対しており過激な行動に走っています。
しかし国際的な取り決めでは「調査捕鯨は合法」となっています。
投稿: 古賀恵利子 | 2009年8月22日 (土) 10時44分